2017年8月第2週 株 コメント

1月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180112

1月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180112


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年1月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23654円 前週末比-61円

1月第2週はNY株が大きく上昇した。一方、為替レートが円高の方向にふれた。これは9日の日銀による国債オペ減額を受けたものである。ステルステーパリングがついにレーダー上に見えたということであろう。9日火曜日はNY株高を受けて寄りは大幅高で始まった。しかし、日銀のオペ減額を受けた円高を嫌気して株は下げの方向に動いた。この円高により、日経平均株価は少しずつであるが下げが続いた。週間では小幅安であったが、頭の重い展開が続いた。


買い方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載

(2)個人
現先合計 3921億円の買い越し
現物現金  197億円の買い越し
信用   1578億円の買い越し
先物   2146億円の買い越し

高年齢富裕者層は売りだと思うが、売りの金額は減少した。しかし、第1週に大きく売り越したスイングトレーダーが押し目をすかさず買ってきた。結果として、第1週の正反対で個人は大幅な買い越しとなった。下げれば買いの逆張りはいつもと同じであるが、買いの指し値が通常よりも高かった。


売り方
(1)海外
現先合計 1兆0151億円の売り越し
現物      316億円の売り越し
先物     9834億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


1月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180112

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180112

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。

(1)、(2)はいつもと同様の東証公表の裁定売買である。修正前から差は小さかったのであるが、この分を修正しても第2週は海外と外資系との差は28億円と小さかった。第2週はオプションSQの週なので、普通は外資系の自己がいろいろな売買をし、乖離が大きくなる。第2週もそうした売買はあったとは思うが、先物の外資系自己を合計すればほとんどゼロに近かったようである。あとで説明するが、外資系の売買の中で自己の売買のネット合計がほとんどゼロであったという事実が重要なのである。

海外の売りのうち、UBSの売りの多くは本体運用部の売りである。いつもと同様にモルガンなどの他社で半分以上売って、UBS証券でギブ・アップをしている。これはUBS本体運用部の売りしかありえない。ただし、東京自己の裁定の売りも250億円含まれている。

これ以外は確かなことはわからない。ただこの週の海外の売りは現物はわずかな売りであり、日経平均型の先物を大量に売っている。UBS以外の売りはヘッジ・ファンドを中心とする投機筋の売りの比率が高いと思われる。日銀のテーパリングに気がついて、一挙に先物を売ったものだと思われる。

他方、自己のところで説明するが、海外は日系大手と取引所外取引を通じて5000億円前後の現物株を買っている。大口の中長期性の資金を運用する1社は現物に押し目買いを入れていたのである。

このことを考慮すると海外の取引所外取引も含めた売り越し金額は1兆0151億円の半分程度の5000億円前後であったと思われる。

売り方
(2)投信
現先合計  968億円の売り越し
現物    206億円の買い越し
先物   1174億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 154億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 50億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 350億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で450億円前後の買い越し。

上記以外の投信による売買
現物           50億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  1500億円前後の売り越し
それ以外の先物     100億円前後の売り越し
合計         1600億円前後の売り越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すれば上記の金額であったということである。日経平均ラージ先物の売りが特に多い。公募で1500億円もの売りは考えにくく、私募投信による先物の投機的なヘッジ売りだと思われる。


(*)自己という特殊な部門
1月第2週は買い方の(1)になった
現先合計 6740億円の買い越し
現物   1496億円の売り越し
先物   8236億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 535億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ400億円、みずほ300億円、ソシエテ200億円

裁定形成売買の証券会社
 UBS250億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 3100億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差は2600億円。金額としては大きい。この週の自己は広義の裁定解消と、海外からの取引所外取引の買いに対して売り向かった分があった。そして東証に報告している裁定残高だけを減らした分の合計が2600億円前後あったのだと思われる。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 1518億円の買い

日銀ETF以外の自己
 5000億円前後の買い(現先合計)

金額としては非常に大きい。この金額は朝方に財務省が発表した対内株式投資4987億円に近い。あと海外と外資系の比較を毎週掲載しているが、実は国内の機関投資家(個人を除く国内)の先物売買合計と日系大手5社の先物売買合計をも比較している。これは海外と外資系よりずっと複雑であり、近い金額にはならないケースが多い。そのため、今までに書いたことはなかった。

ところが1月第2週に関しては、国内機関投資家の先物売買+自己の先物買いの金額合計(3種だけ)が7217億円、日系大手証券5社の先物買い金額の合計(3種だけ)が7350億円、差が133億円と小さいのである。海外と外資系の差も28億円と非常に小さかったが、国内機関投資家+自己の合計と日系大手5社合計との差も同様に小さかった。

これが意味することは、投資部門別売買状況の自己の先物買いの大半は日系大手5社の自己であり、外資系の自己は非常に小さな金額であったということである。国内機関投資家の先物注文の大半が外資系ではなく、日系大手5社に流れたのである。同時に、海外投資家の先物注文も大半が日系大手ではなく外資系へと流れた。他に全く流れなかったというわけではない。しかし、買いから売りを差し引いた金額はゼロに近かったはずなのである。

このことから、日銀ETF以外の自己の買い5000億円の買いは大半が日系大手の先物買いの一部であったことがわかる。財務省統計の現物株買い金額が5000億円に近い。日系大手の自己は取引所外で5000億円の現物株を海外の超大手顧客に売り渡し、そのポジションをカバーするため、先物に5000億円の買いを入れたわけである。先物手口からすると、日経平均ラージ先物は野村とみずほが中心、日経平均ミニ先物はみずほ、TOPIXラージ先物は野村と三菱UFJが中心だと思われる。大和とSMBC日興が参加した可能性もある。

日系大手にこれほど巨額の海外の現物買いが流れることは通常なら考えられない。おそらくこの超大口の海外顧客は1顧客なのであろう。そして現物のインデックスを決め商いで買いたかったわけである。現物のインデックスのポジションを外資系の自己はそれほど多くは保有していないはずである。株を買うにしろ借りるにしろコストがかかる。一方、日系大手は裁定や日銀ETF準備用のインデックスの買いのポジションを大量に保有している。そうした中で、超大口の海外1顧客が現物のインデックス買いの決め商いにこだわったため、外資系は対応できなかったのであろう。これがデリバの売買か、現物の売り決めなら大半が外資系に流れたであろう。

こういう特殊な売買が5000億円もあったので、自己による大量の先物買いは、日系大手の自己が海外の代理で買ったということがわかる。日銀ETF以外の自己と財務省統計の海外による日本株の買いが両方とも5000億円であり、先物では外資系と海外が近く、日系大手の買いと国内機関投資家+自己の買いの合計も近い。この3者の偶然の一致があるため、他のシナリオは却下され、このシナリオ1本に絞ることが可能になるのである。この推測は当たりの可能性が高いと思う。日銀ETF以外の自己はわからないケースが大半である。特殊な条件が重なった場合、たまには読めることもあるということだ。


(1月第2週合計)
合計すると「自己、個人の買い越しvs海外、投信の売り越し」であった。

自己は日銀ETF以外は自己が海外1社の超大口顧客の代理として買った分である。個人の押し目買いも大量に入った。売り方は海外であるが、日銀のテーパリングを嫌気して、主として投機筋が先物に売りを出してきた。投信も私募投信と思われる投機的なヘッジ売りがあった。自己で海外の代理の買いがあるため、1月第2週の海外による実質的な売りは1兆円ではなく5000億円であった。

海外のテーパリングを嫌気する投機筋の売りが出たが、スイングトレーダーは第1週に大量に売った後に上昇したので、押し目買いをいつもと同様に入れてきた。しかし、いつもとは異なり買いの指し値はかなり高かった。結果として日経平均株価は61円の値下がりで週を終えた。




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2017年1月第1週 株 コメント

1月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180105

1月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180105


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年1月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23715円 前週末比+950円

2018年の第1週は為替レートが少しばかりの円安であった。NY株価は大きく上昇した。好調なアメリカの経済指標、NY株高の影響を受けて、日本の株価も大きく上昇して始まった。最近では大発会は高くても、その翌日は安いことが多い。今年は2日連続で上昇し、26年ぶりの高値を更新して年初の2営業日の週を終えた。


買い方
(1)海外
現先合計 6870億円の買い越し
現物   4851億円の買い越し
先物   2019億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


1月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180105

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180105

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。

(1)は中心限月である3月限の建玉変化がわからないので、この時期はこうした想定を毎回置いている。通常なら自己の裁定売買があるが、第1週は金額がわずかであった。第1週は海外と外資系との差は87億円と小さかった。

先物の買い方のトップはABNリテアクリアリング。先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフの一番上がABNである。日経平均型は買いから入って短期で売るケースが多い。ヘッジファンドとは限らないが、短期の投機的売買である可能性が高い。海外による先物買いは日経平均型が中心でもあり、短期の投機筋による買いの比率が高かったと思われる。

現物は確実なことはわからない。ただ第1週の買いはNY株の上昇を受けたにしても、ファンダメンタルズ面で特に好材料が出たわけではない。それなのに上値をガンガン買い上がっている。投機、投資の両方があるにしても、通常よりは投機の比率が高かったと考える。

第1週の海外による買いは6870億円。それほど大きな金額ではない。ただ2営業日なので、5営業日ベースの金額を計算すると1.7兆円になる。海外は、年明けからかなり大量の買いを入れてきたことになる。


買い方
(2)信託
現先合計 1820億円の買い越し
現物     36億円の買い越し
先物   1784億円の買い越し

信託の買いの大半は日経平均ラージ先物1707億円の買いである。信託が週に日経平均ラージ先物を1000億円以上売買することはあまりない。一番最近では11月第2週に1722億円の売りがある。おそらくこの売りが踏み上げられて買い戻しを強いられたのであろう。

手口は大和もあるかもしれないが、中心は野村であると思う。ブルベア型ETFの売りと広義裁定の売りなどがあるため野村に買いが見えないと考えている。これとほぼ反対のことが11月第2週に起こっているからである。

買い方
(3)投信
現先合計  299億円の買い越し
現物    432億円の買い越し
先物    133億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 46億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 600億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で450億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物          500億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   350億円前後の買い越し
それ以外の先物      50億円前後の売り越し
合計          800億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すれば上記の金額であったということである。買いを中心に通常より金額が大きい。公募投信では昨年末から1月4日にかけて新規設定が多かった。すぐに買わなかった分を年明けの急上昇を見てあわてて買った分が何割か存在すると思われる。私募投信を中心に先物のショートカバーもあったのであろう。


売り方
(1)個人
現先合計 7237億円の売り越し
現物現金 4578億円の売り越し
信用   1168億円の売り越し
先物   1491億円の売り越し

年明けは高年齢富裕者層もスイングトレーダーも総売りであった。株価が急上昇するとどうしても売ってしまう。戻れば売りという株式市場のヒステリシスが治っていないのである。なお、信用は11月第1週から9週連続の買いであった。10週目にして売りになった。


(*)自己という特殊な部門
1月第1週は売り方の(2)になった
現先合計 1029億円の売り越し
現物    989億円の買い越し
先物   2018億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 420億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 野村100億円、三菱UFJ100億円、みずほ100億円

裁定形成売買の証券会社
 なし

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 400億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は800億円。金額としては少し大きめである。

第1週の自己には現物買いが989億円ある。おそらく野村に989億円以上の現物買いがあり、同金額の先物売りがあると考えている。信託の先物1700億円買いの何割かに対して野村の自己が先物で売り向かい、現物にカバー買いを入れたのであろう。989億円以上の現物買いの何割かは裁定のポジションに入れて裁定残として東証に報告、残りは日銀ETF向けの準備買いのポジションに入れたのだと思う。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 24億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1000億円前後の売り(現先合計)

最近、日銀ETF以外の自己は売りが多い。いくつかの可能性が考えられるが、現時点では確度の高そうなものは見つからない。もう少し確度の高そうなことがわかれば、その時に書くことにする。


(1月第1週合計)
合計すると「海外、信託の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。

年が明けてまず海外が日本株にどっと買いを入れてきたので、株価が上昇した。そのため信託の先物売りが踏み上げられて買い戻しを強いられた。個人は株価の上昇に対して過去20数年間と同様に総売りで向かった。ただし、その売りはいつもと同じの上値での指し値売りである。結果として日経平均株価は950円の上昇で週を終えた。




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2017年12月第4週 株 コメント

12月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20171229

12月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20171229


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年12月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22765円 前週末比-138円

12月第4週のNYダウは小幅高、NASDAQは小幅安であった。為替レートは少しばかりの円高進行であった。欧米がクリスマス休暇ということもあり、出来高が非常に少なかった。大きな材料もなく、値動きも小幅であった。その中で25日に日経平均、TOPIXがともに26年ぶりの高値を付けた。28日は北朝鮮ミサイル発射準備の報道がきっかけに円高株安が進行と説明されている。週を通して見ると、やや値下がりしたまま週を終えることになった。


買い方
(1)信託
現先合計 3571億円の買い越し
現物     66億円の売り越し
先物   3637億円の買い越し

第4週の信託買いの大半はTOPIXラージ先物の3621億円買いである。2005年以降の信託による先物累積買越枚数を示すグラフを下記に掲載する。

信託売買20171229

26日にTOPIXラージ先物のJNETで野村買い3200億円・ゴールドマン売り2650億円という大部分がクロスの大口売買が入っていた。これはメガバンクの売りに対して信託が買い向かったものである。

グラフを見てわかる通り、信託はこのところTOPIXラージ先物を大量に売っていた。その中で一番大口の売りは12月5日の2600億円売りである。この時も買い方はJPモルガンを通したメガバンクであり、売り方は野村を通した信託であった。こうした売りがたまっていたので、26日に損切りの大口買い戻しをしたようである。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に記載。


売り方
(1)銀行
現先合計 2817億円の売り越し
現物    157億円の売り越し
先物   2660億円の売り越し

第4週の銀行売りの大半はTOPIXラージ先物の2674億円売りである。2005年以降の銀行による先物累積買越枚数を示すグラフを下記に掲載する。

銀行売買20171229

第3週に銀行はゴールドマンで2300億円前後の先物を買い越していた。第2週にも同様な買いが350億円前後あったと思われる。それが26日にゴールドマンでの2650億円の売りになった。先に書いた通り、野村を通した信託によるTOPIXラージ先物の買い3200億円とクロスになったわけである。

グラフを見てわかるように、銀行は売りで投機的なヘッジ売りをしたことがある。買いの大口投機は2005年以降では初めてである。今回の投機は、損あり益ありで、合計すればほとんどチャラに近かったと思う。

売り方
(2)海外
現先合計   729億円の売り越し
現物      22億円の売り越し
先物     706億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


12月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ年間先物手口20171229

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20171229

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。(1)は中心限月である3月限の建玉変化がわからないので、この時期はこうした想定は毎回置いている。(2)は先に書いた通りの25日に銀行がゴールドマンで売った分である。(1)、(2)とも当たりの可能性は高いと思う。依然として529億円の差が残るが、これは平均的な乖離の大きさである。

ゴールドマンの売りが銀行なので、第4週の大口の海外はソシエテの売りくらいである。このうちの何割かは第3週に買った分の反対売買だと思われる。投機の手仕舞い売りである。クリスマス休暇のため、1000億円を超える海外による先物売買はソシエテ1社だけであった。

第4週の海外は現先合計で729億円の売り越し、現物株にいたっては22億円の売り越しでしかない。ただ、28日木曜日に現物株を売った主体が見えない。海外の現物は28日に北朝鮮ミサイル発射準備の報道に反応して売り越し、それ以外の日は買い越しが多かったということにしておく。

(3)個人
現先合計  653億円の売り越し
現物現金 1534億円の売り越し
信用    348億円の買い越し
先物    534億円の買い越し

下げ相場にもかかわらず、順張りの売りになった。高年齢富裕者層の売りはあったと思われる。それ以外に年の最終週なので、益出しの売りもあったはずである。ただ益出しの売りは25日と26日だけである。高年齢富裕者層の売りの大半は上値の指し値売りである。そのため28日の下げた日の売りの主役ではない。一方、28日には週間では買い越しのSBI証券が先物を売り越していた。28日の下げをつくったのは個人の先物売りが一因であった。税金を考える必要のないスイングトレーダーは、週間では信用と先物を買い越していた。

売り方
(7)投信
現先合計   22億円の売り越し
現物    302億円の買い越し
先物    324億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 650億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 550億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 50億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で600億円前後の売り越し。上記の野村の2ファンドが28日に野村証券でSBIに次ぐ売りを出していた。28日に下げた原因は、野村のETF、特にレバETFが売ったことが一因であった。

上記以外の投信による売買
現物          350億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   100億円前後の買い越し
それ以外の先物     150億円前後の買い越し
合計          100億円前後の売り越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すれば上記の金額であったということである。


(*)自己という特殊な部門
12月第4週は買い方の(2)になった
現先合計  636億円の買い越し
現物    924億円の買い越し
先物    288億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 474億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 三菱UFJモルガン700億円

裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 500億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は小さく、ほぼ同金額と見てよい。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 768億円の買い

日銀ETF以外の自己
 100億円前後の売り(現先合計)

この金額は小さく、ディーラーのポジションが少し動いただけであったようだ。

自己は日銀ETF準備用の現物買い・先物売りがあったはずである。それに裁定形成売買と日銀ETFの先物中心の買いを加えると、上記のような数字になったのであろう。


(12月第4週合計)
合計すると「信託、自己の買い越しvs銀行、海外、個人の売り越し」であった。

TOPIXラージ先物では信託買いvs銀行売りがぶつかっていた。信託はヘッジ売りの買い戻し、銀行は投機の手仕舞い売りであった。金額としては信託の方が多く、第4週の最大の買い主体になった。

自己に含まれる日銀ETF買いは25日の高い位置で入っていた。結果として日銀ETF買いが26年ぶりの戻り高値をつくることになった。

株価が一番大きく下げたのは28日だが、先物で個人と野村のETFが売っていた。裁定解消売りはごくわずかであったので、現物は消去法で海外が売ったと考えることにした。

こうした売買の結果、日経平均株価は138円の下落で週を終えることになった。




12月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20171229

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると12月の公募型日本株投信は916億円の資金純流入

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 400億円前後の売り越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で300億円前後の売り越し

(3)事法部門での自社株買い
三菱UFJ(持ち株会社=事法)の550億円買いが一番大口

(4)信託方式の自社株買い
トヨタの350億円買いが一番大口

(5)銀行
メガバンクがJPモルガンを通して11月第3週にTOPIXラージ先物を使ってヘッジ売り。その分の買い戻しが12月5日に2850億円。

(6)自己
日銀ETFが5196億円の買い

(7)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 985億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値
 1800億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差はあるが、月間では小さい方。

(8)合計
12月月間では

  銀行 2519億円の買い越し
  投信 1693億円の買い越し
         vs
  個人 5594億円の売り越し
  海外 1913億円の売り越し
  
で日経平均株価は54円下落して12月の4週を終えた。これ以外に日銀ETFが買っていたが、自己には別の売りがあって、自己の全体では261億円の買いでしかなかった。売り方も買い方も小粒で、月間の騰落幅も非常に小さな月となった。



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2017年12月第3週 株 コメント

12月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20171222

12月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20171222


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
  先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


(2017年12月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22903円 前週末比+350円

12月第3週のNY株は上昇し、為替レートは少しばかりの円安進行であった。最大の材料は現地時間で20日のアメリカ税制改革法案の成立であった。ただ15日から18日にかけて法案成立が確実になりつつあったため、この両日にNY株が大きく上昇した。これを好感する形で、日本の株価も18日月曜と19日火曜の寄りまでは大きく上昇した。その後は材料の出尽くしからNY株の上昇は止まる。アメリカの長期金利の上昇、円安進行という材料はあったので、日本株はいったん下落してから再度上昇という展開になった。日経平均株価は26年ぶりの戻り高値は抜けなかったが、近いところまで上昇して週を終えた。TOPIXは26年ぶりの高値更新で終えた。


買い方
(1)銀行
現先合計 2627億円の買い越し
現物    112億円の売り越し
先物   2739億円の買い越し

第3週の銀行の買いの大半は先物。日経平均ラージ先物は420億円の買い、TOPIXラージ先物は2319億円の買いである。2005年以降の銀行による両先物の売買累積値を示すグラフを下記に示す。

銀行売買20171222

見ての通り、2005年以降、銀行は先物で大きな売りを実施することは何度かあった。しかし、先物の買いをこれほど大きく実施したことはなかった。ロールオーバー期の売買が少ないので直前に大きな売り建玉はなく、第3週の買いが新規の買い建てであることは間違いない。

26日にTOPIXラージ先物のJNETで野村買い・ゴールドマン売りのクロスが2650億円入っている。このことから、第3週に銀行がTOPIXラージ先物を2300億円前後買った証券会社はゴールドマンであり、その買い建玉は第4週の25日にも買った分と合わせて一旦は反対売買をしたような形になっている。そして、第3週は同じ銀行が外資系証券で日経平均ラージ先物を240億円前後買っている可能性が高い。これはすぐ後の海外のところで説明する。

現時点ではメガバンクの1つが第3週に2700億円前後の先物買いで投機をしにきたというくらいしか説明のしようがない。買いの先例がないので背景はわからない。26日のクロスは買いが閉じられて別の投資家に移されたのか、あるいは同じ銀行が証券会社をゴールドマンから野村へと乗り換えたのかは第4週の投資部門別売買状況を見ないと確実なことは言えない。

買い方
(2)海外
現先合計  2450億円の買い越し
現物    1224億円の買い越し
先物    1227億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


12月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20171222

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20171222

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。(1)は毎回ある裁定絡みの修正である。(2)は中心限月である3月限の建玉変化がわからないので、この時期はこうした想定を置くしかない。(3)は銀行のところで書いたようにゴールドマンで銀行が売っていた可能性が高い。(4)は銀行が外資系で420億円買ったと想定すると、海外と外資系の差が小さくなる。同じ銀行がゴールドマンで買った可能性が高いが、420億という金額は小さすぎてどこの外資系を使ったかは明確ではない。そのためゴールドマンではなく、どこかの外資系とだけ書いた。

銀行が日経平均ラージ先物を420億円前後、TOPIXラージ先物を2300億円前後買ったと想定すると、外資系と海外の差は60億円と非常に小さくなる。そのため、この想定が当たりである可能性はかなり高いと考える。

海外はTOPIXラージ先物を1180億円売り越しているが、その中心はゴールドマンでの(800億円買いから2300億円買いを引いた)1500億円売りが中心ということになる。ゴールドマンには中長期性の資金が先物を大量に買っていると考えている。勘のレベルでしかないが、第3週の売りはそれとは別の顧客だと感じる。銀行の買いが大量に入ってきたので、ゴールドマンは別の海外顧客の売りを探してきたのではないか。東芝の株の買いを短期間に6000億円も探すことのできる会社である。TOPIXラージ先物の売りも探すことができたと推測する。

海外による日経平均ラージ先物は1708億円の買いであるが、外資系で1番大きい買い手はソシエテであり、1300-1600億円の買いである(ソシエテの裁定買い300億円は現物の単価から計算すると日経平均型が多いがTOPIX型も一部は存在している可能性が高い)。先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフの上から7番目がソシエテである。1番上にあるABNアムロクリアリングが日経平均ラージ先物を買えば投機の可能性が高いことがわかる。上から2番目のゴールドマンの場合、TOPIXラージ先物の買いは投資の可能性が高いこともわかる。第3週の売りを投資と判断しなかったのは、上記のような特殊要因があるからである。ソシエテの日経平均ラージ先物の場合、最近は買いが積み上がっているが、一直線ではなく途中で大きく売られることもある。投機、投資の両方がありえるわけであり、悔しいが判断不能なのである。

第3週の海外は現物も1224億円の買いである。この週の海外の買いは投資、投機の両方があったと思うが、どちらが多いかは現物、先物ともによくわからない。アメリカの税制改革法案、円安進行などの状況を見ながら、現先合計で2450億円だけ上値をも買い上がる海外の投資家がいたということだけしか言えない。


売り方
(1)個人
現先合計 4485億円の売り越し
現物現金 3575億円の売り越し
信用    235億円の買い越し
先物   1145億円の売り越し

個人は上がると逆張りの売りになる。高年齢富裕者層の現物現金の売りは続く。スイングトレーダーは信用では売り買い両方があったが、合計すると少しばかりの買いであった。先物は第2週に大量に買い戻してロングになったが、第3週は再び売り越して全体ではショートになったと思われる。

売り方
(2)投信
現先合計  312億円の売り越し
現物    105億円の買い越し
先物    418億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 92億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 450億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で350億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物           10億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物    90億円前後の買い越し
それ以外の先物     190億円前後の売り越し
合計           90億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計して上記のように少額であった。


(*)自己という特殊な部門
12月第2週は売り方の(4)になった
現先合計  187億円の売り越し
現物   2071億円の買い越し
先物   2258億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 711億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 三菱UFJモルガン600億円、みずほ450億円

裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ300億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 100億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は600億円と少し大きい。第3週に関してはどちらに近いと言うことはできない。自己の現物と先物の売買を見ると、現物買い・先物売りのセット売買は2000億円ほどであった可能性が高い。そのうち何割かが裁定、何割かが日銀ETF向けの準備買いであったはずである。それが証券会社のポジションの都合で裁定売買になったり、裁定残の増加になったりしたのであろう。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 768億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1000億円前後の売り(現先合計)

海外のところで先物では海外と外資系の差は60億円でしかなかった。外資系の裁定以外の自己は先物に売りがあったと思われるが金額としては小さかった。日系大手の先物で裁定と日銀ETFを除いた売買は、様々な角度から計算すると売りでも買いでも小幅であった可能性が高い。この週の裁定以外の自己は現物が中心と思われる。どこかの部門の取引所外取引の売りに自己が買い向かい、取引所で現物売りを出した。現物が中心だと、日系か外資系かの区別をつけられない。


(12月第3週合計)
合計すると「銀行、海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。

買い方の銀行は過去に例のない規模の先物の新規買い建てであった。海外の買いも内容はよくわからないが、アメリカの減税法案成立などをも見ながら上値をも買い上がったのであろう。

売り方は個人と投信である。個人は現物現金と先物の売りであり、金額の大きい現物現金は上値の指し値売りが中心であったと思われる。投信はブルベア型投信の利食い売りが中心であった。

買い方の銀行と海外には買い上がりをもする投資家が多かった。売り方は個人が中心であり、上値の指し値売りである。結果として日経平均株価は350円の上昇を実現することができた。



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2017年12月第2週 株 コメント

12月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20171215

12月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20171215


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年12月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22533円 前週末比-258円

12月第2週は第1週に調整していたNYダウが再度上昇に転じた。一方、為替レートは少しばかりの円高進行であった。8日金曜の好調な雇用統計を受けてNY株が上昇し、月曜の日経平均株価は26年ぶりの高値を更新した。その後はジリジリと進む円高の影響も受け、下落が続く展開となった。水曜はアメリカのアラバマ州の上院補選で共和党候補が敗北したとのニュースが嫌気されて下げたこともあった。金曜は楽天の携帯電話事業参入の材料で通信株を中心に下落した。日経平均株価は週間では2週連続、TOPIXは4週ぶりに下落して週を終えた。


買い方
(1)その他法人
現先合計  481億円の買い越し
現物    382億円の買い越し
先物     99億円の買い越し

その他法人にはいろいろな種類の法人が含まれるが、一番コンスタントに買う主体は従業員持株会。そして従業員持株会が一番大量に株を買う月がボーナス月である12月であり、その中でも中旬が多い。現物の買いの大半は従業員持株会。

買い方
(2)事法
現先合計  458億円の買い越し
現物    406億円の買い越し
先物     52億円の買い越し

現物の買いの大半は自社株買い。12月に入ってからの大口の買いは少なく、小口の買いの集積。

買い方
(3)個人
現先合計  412億円の買い越し
現物現金 1985億円の売り越し
信用   1158億円の買い越し
先物   1239億円の買い越し

個人全体では下がると逆張りの買いになる。高年齢富裕者層を中心に現物現金の売りは続く。スイングトレーダーは信用の買いの回転がきいており、買い越しは7週連続。先物は9月の上昇相場開始の少し前からショートが続いていたが、第2週に個人全体ではショートを買い戻し、久々にロングへと変わった。

買い方
(4)信託
現先合計  93億円の買い越し
現物   992億円の買い越し
先物   899億円の売り越し

信託のこの時期は配当込みTOPIXに連動させるために9月末に買ったTOPIXラージ先物を売って現物の買いに乗り換える時期である。TOPIXラージ先物1064億円の売り、現物992億円の買いはこの乗り換え分が大部分を占めると思われる。ただトヨタを筆頭とする信託方式の自社株買いも少しは入っている可能性が高い。この自社株買いを除いた普通の信託だけの現先合計は小幅ながらも売り越しであったと思われる。


売り方
(1)海外
現先合計   916億円の売り越し
現物     122億円の売り越し
先物     794億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


12月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20171215

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20171215

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。(1)は毎回ある裁定絡みの修正である。(2)はドイツが現物売り・TOPIXラージ先物買いという広義の裁定解消売買を500億円実施したと想定した。これは自己がよく動く外資系はドイツであるからだ。外資系と海外の差が大きすぎるので作った想定である。消去法でいくとこれが一番ありそうだと考えただけで、根拠は薄い。第2週は先物によくわからない外資系自己の買いがあったという点だけが少し重要であり、後ほど自己のところで説明する。

第2週は自己と海外に日経平均ラージ先物と日経平均ミニ先物の間の裁定、あるいはクロス売買が多かった。一番大口は14日木曜日に日経平均ミニ先物でみずほ12万枚売り・JPモルガンとバリバが6万枚ずつ買い、というクロスが存在し、これとは反対の売買が日経平均ラージ先物に約1.2万枚存在した。みずほが自己、JPモルガンとパリバは海外ということになる。

先物手口概算で買い方のトッップはモルガンMUFG。TOPIXラージ先物を1100億円買っているが、第1週に950億円売っているので、大部分は第1週の反対売買であろう。このモルガンMUFGの買いがあったため、海外全体のTOPIXラージ先物は302億円の買い越しになっている。

先物手口概算で外資系の売り方のトッップはゴールドマン。日経平均型の先物を多く売っている。このゴールドマンの売りが第2週の株価を下げた犯人ということになる。第2週末時点でゴールドマンのTOPIXラージ先物3月限の買い建玉は81086枚であるが、複数の大口顧客が中心であると思われる。それに対して日経平均ラージ先物は建玉が少ない。売買のあった3月限は第1週末308枚売り→第2週末3912枚売りでしかない。水準が低いということは顧客の種類としては何でもありになってしまうのでよくわからない。第2週のゴールドマンは3種の先物がすべて売りだが、直観では売った顧客は全部別であるような気がする。投機的な売買をする顧客3社が第2週に3種の先物を少し多めに売ったところ、結果としてはその3顧客の売り合計がゴールドマンの売りを外資系の売りのトップに押し上げたという感じがしている。

第2週の海外の売りは現先合計で916億円でしかない。TOPIXラージ先物は小幅の買い越し、現物は小幅の売り越し、日経平均型先物で1192億円の売り越しである。海外の内部で強気と弱気がぶつかって、その差は小幅であった。結果としては主としてゴールドマンから出た日経平均型先物の売りで株価は下がってしまったのである。

売り方
(2)投信
現先合計  357億円の売り越し
現物    259億円の買い越し
先物    617億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 73億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 550億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 150億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で700億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物           330億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物    160億円前後の売り越し 
TOPIXラージ先物   261億円の売り越し
合計           440億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計して上記のようになる。ブルベア型では売りが多かったが、それ以外では買いの方が多かったことになる。


(*)自己という特殊な部門
12月第2週は売り方の(3)になった
現先合計  200億円の売り越し
現物    686億円の売り越し
先物    486億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 72億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ850億円、みずほ550億円

裁定形成売買上位の証券会社
 三菱UFJモルガン1300億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 100億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差はごくわずかであり、ほとんど同じと見てもさしつかえない。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 2184億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2400億円前後の売り(現先合計)

海外のところでドイツ自己の買いを無理な形で作り出した。すなわち、外資系自己による先物のよくわからない売買の合計は買いである可能性が高い。一方、様々な角度から調べると、日系大手の自己によるよくわからない先物の売買の合計は売りである。背後には国内機関投資家の売りがあった可能性が高い。それ以外に自己は現物売りもある。自己の現物は日系大手か外資系かもわからない。先にゴールドマンの先物売りが株価を引き下げた犯人と書いた。しかしそれ以上に、取引所外の現物とデリバの合計で2400億円の売りがあり、この売りに自己が買い向かい、カバリングのために取引所内では自己の売りとなった。この売りが第2週の株価を引き下げた最大の犯人なのである。そして同じ自己の内部で日銀ETF買いが2184億円も入っているので、自己のネットの売りは200億円でしかなかった。


(12月第2週合計)
合計すると「その他法人、事法、個人の買い越しvs海外、投信、自己の売り越し」であった。

自己に含まれる日銀ETFは原則として安値を買うが、月曜前場のTOPIXが安かったので、後場は日銀ETF買い期待で買われ、実際に日銀ETFの買いが入った。その結果、11日月曜日は日経平均株価が26年ぶりの戻り高値を更新という結果になった。日銀ETF買いが第2週の高値を導いた。

この売買も含めて、第2週は自己と海外では同一部門の内部が売りと買いに分かれて激しくぶつかり合っていた。第2週の株価下落を引き起こした大きな売り主体は自己、次に海外の内部にいたはずなのである。NY株価やアラバマ州の選挙結果までをも見ながら売買がぶつかり、売り方がやや優勢であった。

そのため、外から見える部門間売買ではすべて1000億円以下という低い水準になった。海外がゴールドマンを筆頭にして日経平均型の先物に売りを出していた。野村のブルベア型ETF2本も売った。それに対して従業員持株会、自社株買い、個人が下値を買い、日経平均株価は258円の下落となった。


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