2017年2月第3週 株 コメント

2月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170217

2月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170217

2月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170217

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年2月第3週の日経平均株価は前週末比144円安の19235円で引けた。前週末の日米首脳会談でのトランプ大統領の安倍首相に対する歓迎ぶりを好感する形で週初の株価は上昇して始まった。その後は円高が進行したことから下落した。14日にイエレンFRB議長が議会証言でタカ派気味の発言をしたことで円安が進行し、株価も再び上昇した。しかし、週末にかけて円が対ドルだけではなく対ユーロでも円高方向に進み、不穏な欧州の政治情勢の折り込みとの解釈がなされた。この円高を嫌気して株価も下落し、週間では値下がりのまま週を終えた。

2月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で1734億円の買い越し。うち現物で1569億円の買い越し。先物で165億円の買い越し。

この週の日銀ETFは1468億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は300億円前後の買い越しになる。これくらいならディーラーのポジション調整の売買として許される金額の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では620億円の裁定形成。裁定残はそれほど増えていないので、その増加株数から計算すると400億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。後で述べるが、この週はABNクリアが1250億円の現物売り先物買いを実施していた可能性がある。そのため、この週の裁定売買は620億円に近かったと考えることにする。東証発表の裁定形成売買は、ドイツ350億円、三菱UFJ150億円、みずほ100億円が大口上位である。

個人は現先合計で1087億円の買い越し。うち現物現金で884億円の売り越し。信用で762億円の買い越し。先物で965億円の買い越し。個人はやはり逆バリであり、今年も7週連続で逆バリが続く。

海外は現先合計で1042億円の売り越し。うち現物で763億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。
ブログ外資系と海外の比較20170217

この週は先物の投資部門別売買状況の海外と大手証券先物手口概算の外資系14社との間に珍しいほどの大きな乖離があった。この差を埋めるものとして、ドイツ自己の裁定の売りを日経平均ラージ先物の売りと仮定し、ABNクリアの日経平均ラージ先物買いを自己と仮定してみた。これが正しいと言うつもりはない。一つの考えられるシナリオでしかない。ABNクリアによる先物売買の大半は海外であるが、たまに大口の売買が海外ではなく自己ではないかと思われることが過去にあった。消去法で考えると一番ありえそうなシナリオでもあるが、可能性が高いという証拠は存在しない。仮にこのシナリオが正しいとするならば、ABNクリアの自己が先物のロングをカバーするために同金額の現物を売っているはずである。

この週の先物売買の最大の特徴はUBSによる先物の売りである。日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物の合計だけで2550億円の売り越しである。同時に第2週の2350億円の売り越しに続く2週連続の大幅売り越しである。UBSの日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物の保有建玉推移を表すグラフを下記に掲載する。

UBS建玉推移20170217

この週のUBS証券による先物売りの大半はUBS本体運用部の売りであることは間違いない。確度は99%である。日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を同時に多数の証券会社で売却し、その玉をUBS証券へと建玉移管(ギブ・アップの方が正しい)している。これは両先物を大量に売った主体が超大手の1顧客だけであり、同時にUBS証券と深いつながりのある運用会社であることを意味する。UBS証券と深いつながりのある超大手の大口顧客とはUBS本体運用部しかありえない。少し前に買っている日経平均ラージ先物の買いの中にはUBS本体運用部以外の顧客の買いが含まれている可能性がある。しかし、今年に入ってからのUBS証券による先物の大口売りの大半がUBS本体運用部であることはほぼ間違いない。基本は順バリ戦略であったが、過去に売りが遅れて大損をした経験があるので、今回は早めの利食いに動いている。

ゴールドマンは第2週に先物を大量に買い、第3週は13日にTOPIXラージ先物を大量に買った。このことはマスコミにも取り上げられたが、ゴールドマンの大量買いは13日で一旦終了したようである。ゴールドマンよりももっと大量に売買をしたUBSは取り上げられなかった。UBS本体運用部のステレス売買は大成功が継続中である。

この週はUBS本体運用部の2650億円前後の先物売りに対して、それ以外の海外先物の大半は買いで向かい、海外全体の先物は279億円の売り越しになった。それ以外に海外は現物を763億円売り越し、現先合計では1042億円の売り越しになった。金額としては大きな金額ではない。しかし、小幅ではあるにしても、海外の売り越しが事実上この週の株価を引き下げた最大の要因であった。

2月第3週の最大の売り手は投信であった。現先合計で1310億円の売り越し。うち現物で117億円の売り越し。野村総研によると、2月第3週の国内株式型の公募投信は928億円の資金純流出であった。この2種類の金額がここまで離れるのは久々である。いつもと同様に私募投信の買いを仮定するしかない。最近は私募投信の小さ目の売りを仮定することが多かった。従って、たまには大き目の買いを仮定することがあっても良いのではないか。

投信先物は1192億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1344億円の売り越し。TOPIXラージ先物で177億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」700億円前後の売り越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」300億円前後の売り越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」200億円前後の売り越し。

上記の3本で1200億円の売り越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の1本とシンプレックスの2本を加えると、6本合計で1300億円の売り越しであった。投信の日経平均ラージ先物はこの6種類の投信の売りで大半を説明できる。その他もろもろの投信が合計でTOPIXラージ先物を中心に177億円買い越した。

ただこうしたブルベア型投信を売買する主体の多くは個人である。またこの週の日経平均株価の値下がり率は小さいので、売りが出た主因は、投信の解約が増えたことである。すなわち、この週の個人は1300億円まではいかなくとも、例えば1000億円程度を売り越していた可能性が高い。第3週の個人は信用と先物で合計1849億円の買い越しであった。スイングトレーダーが中心の買いであろう。ブルベア型投信の売買もスイングトレーダーの比率が高い。従って、この週の個人の中でスイングトレーダーは先物と信用で買い越し、ブルベア型投信で売り越しで、差し引くと数百億円の買い越しであった。一方、個人現物現金には762億円、投信現物には117億円の売りがある。スイングトレーダーだけなら買い越しであるが、それ以外も加えた個人全体では小幅ながらも売り越しであったと思われる。

合計すると、2月第3週は「自己、個人の買い越しvs投信、海外の売り越し」であった。この週は、個人買いvs投信売りとなっているが、投信の売りも個人の比率が高いと思われ、投信をも含めた個人は小幅の売り越しであった。海外の内部では、UBS本体運用部の売りvsその他多数の海外の買いというぶつかり合いがあり、合計すると小幅の売り越しであった。こうした売買を整理して一番大口のものをとりあげると、「日銀ETFの買いvsUBS本体運用部の売り」であった。UBS本体運用部は2週連続で先物を大幅に売り越していた。第2週はゴールドマンの先物買いがあって株価は上昇したが、第3週は日銀ETFの買い支えで株価の下落を小幅なものに押しとどめるしかなかった。

テーマ : 経済
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2017年2月第2週 株 コメント

2月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170210

2月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170210

2月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170210
時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年2月第2週の日経平均株価は前週末比461円高の19379円で引けた。この週の株価が動いた最大の要因は、やはりアメリカのトランプ大統領の動向であった。3日にトランプ大統領がドッド・フランク法の見直しを指示する大統領令に署名した。これを好感する形でNY株価が上昇し、6日の寄り付きは高く始まった。その後は10日の日米首脳会談を睨んで小動きが続いた。9日にトランプ大統領が2-3週間以内に法人税の驚異的なプランを発表すると発言したことにより、NY株の上昇と円安が引き起こされた。これに応じる形で日本の株価も10日は大きく上昇した。週間では、2月第1週の下げの8割以上を埋めて週を終えることになった。

2月第2週の最大の買い手は海外であった。現先合計で1404億円の買い越し。うち現物で1372億円の買い越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

 先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物   631億円の売り越し  250億円の売り越し
 日経平均ミニ先物    81億円の買い越し   50億円の売り越し
TOPIXラージ先物  592億円の買い越し  450億円の売り越し
   先物合計        32億円の買い越し  750億円の売り越し

先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社合計との乖離は約780億円。この週はドイツが700億円、ソシエテが50億円の裁定形成の売りを自己部門で実施している。この大半がTOPIX型と仮定すると、外資系14社を通じる海外のTOPIXラージ先物は300億円の買い越しになる。投資部門別売買状況の海外はTOPIXラージ先物が592億円の買い越しであり比較的近い金額になる。先物全体では±0億円と32億円の買い越しとなり、近い金額になる。

ツイッターでも掲載したゴ-ルドマンとUBSのTOPIXラージ先物の建玉推移を表すグラフを下記に掲載する。
UBS_GS TOPIX

この週の最大の見所は先物市場、特にTOPIXラージ先物におけるゴールドマン買いvsUBS売りの対決であった。

ゴールドマンのTOPIXラージ先物買いは年金などの中長期性の資金を運用する数社からなる大口顧客の買いであると考えている。昨年秋以降、持たざるリスクを感じてTOPIXラージ先物を中心に買い上がってきた。2月第2週もその戦略に変更はなかった。

UBSのTOPIXラージ先物売りは大半がUBS本体運用部の売りであると考えて間違いない。UBSは昨年の秋以降、順バリ傾向の強い戦略を採用してきた。元本確保型のポートフォリオ・インシュアランスに近いような売買戦略である。そして1月第2週は順バリながらもかなり大幅な売り越しになっていた。それが2月第2週はついに逆バリで大幅な売り越しになった。運用の基本方針を変えて、2月第2週は利益確定に走ったようである。

UBSは急騰した10日日中にTOPIXラージ先物3限月を958枚買い越している。しかし6限月には2000枚の売り越しがあり、合計すれば1042枚の売り越しである。夜間は買い越しだが24枚に過ぎない。UBS本体運用部が一時的には利益確定に走ったことまでは間違いない。それでもなおUBS本体運用部は依然として大量のTOPIXラージ先物の買い建玉を保有している。売り越しが一時的かまだ続くのかを見極めるにはもう少し時間が必要である。

海外の日経平均ラージ先物は、TOPIXラージ先物とは種類の異なる資金の割合が高いと考えている。最近のUBSによる日経平均ラージ先物の売買はUBS本体運用部の売買かどうかも判別がつかない。ゴールドマンの日経平均ラージ先物もTOPIXラージ先物を買い続けている顧客とは別の顧客が多いと推測する。いずれにせよ投資やヘッジと言うよりも、投機かアービトラージの売買の割合が高く、海外による日経平均ラージ先物は631億円の売り越しになった。

海外は現物も買い越しである。この中にはゴールドマンで先物を買っているのと同じ投資家の買いが混じっている可能性がそれなりに高いと思う。現物は短期的な株価の上下とは関係なく長期間保有し、株価が下がると思えばTOPIXラージ先物を売る予定であるはずだ。また日経平均ラージ先物を売って現物を買うアービトラージの買いも一部はあると思われる。こうした買いを含めて、海外の現物は1372億円の買い越しになった。

2月第2週は海外の間でも相場観が大きく分かれ、売りと買いがぶつかり合った。それを合計すると現先合計で1404億円の買い越しになった。トランプ政権の動向を見ながら売買をしているわけであるが、第2週は好材料に反応する形で、合計すれば売りよりも買いの金額の方が多かった。

投信は現先合計で767億円の買い越し。うち現物で232億円の売り越し。野村総研によると、2月第2週の国内株式型の公募投信は309億円の資金純流出であった。現物売りの大部分は解約に伴う売りであった。

投信先物は999億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で777億円の買い越し。TOPIXラージ先物で204億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 350億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 250億円前後の買い越し。

上記の2本に加え、同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の2本とシンプレックスの2本を加えると、合計で800億円の買い越しであった。日経平均ラージ先物はこの6種類の投信の買いでほぼ説明できる。その他もろもろの投信が合計でTOPIXラージ先物を204億円買い越した。

自己は現先合計で595億円の買い越し。うち現物で1033億円の買い越し。先物で437億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で179億円の買い越し。TOPIXラージ先物で982億円の売り越し。

この週の日銀ETFは764億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は200億円前後の売り越しになる。これくらいならディーラーのポジション調整の売買として許される金額の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では1030億円の裁定形成。裁定残はそれほど増えていないので、その増加株数から計算すると200億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。投資部門別売買状況を見る限り、この週の裁定売買は1030億円に近く、その裁定売買の何割かは後になって裁定以外の勘定に移されたと考える。東証発表の裁定形成売買は、ドイツ700億円、みずほ200億円、三菱UFJ50億円、ソシエテ50億円が大口上位である。

事法は現先合計で550億円の買い越し。うち現物で582億円の買い越し。この週の大口の自社株買いとしては9日の三井物産による475億円の買いがあげられる。テルモも10日に442億円の自社株買いを実施しているが、これはオリンパスの持ち合い解消売りを引き取ったものである。事法の残りの売買の多くは自社株買い+持ち合い解消売りになる。

銀行は現先合計で623億円の売り越し。うち現物で398億円の売り越し。先物で225億円の売り越し。銀行は週ごとに見れば、小幅の売り越し、買い越しが交錯している。しかし長期で見れば、一方的な売りが少しずつ積み重なっている。ただ最近は売越額が少し拡大傾向にある。その結果、第2週は売り越しの上位に銀行が登場することになった。

2月第2週の最大の売り手は個人であった。現先合計で2258億円の売り越し。うち現物現金で1842億円の売り越し。信用で88億円の買い越し。先物で504億円の売り越し。個人はやはり逆バリであり、今年も6週連続で逆バリが続く。

合計すると、2月第2週は「海外、投信、自己の買い越しvs個人、銀行の売り越し」であった。この週のトランプ政権絡みの材料は好材料が多く、海外がやはり買い越しの筆頭であった。それでもUBS本体運用部のように、買いのポジションを大きく手仕舞う投資家も現れた。自己に含まれる日銀ETF、ブルベア型投信は買い越しであった。売りの主体は逆バリの個人、そして最近少し売越額が拡大気味の銀行が中心であった。それでも日経平均株価が上昇する中、基本は「海外買いvs個人売り」という通常通りのパターンであった。

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2017年2月第1週 株 コメント

2月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170203

2月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170203

2月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170203

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年2月第1週の日経平均株価は前週末比549円安の18918円で引けた。この週の外部環境はNY株安、円高であった。週初から円高傾向で安く始まった。1月27日にトランプ大統領が中東・アフリカ7か国からの移民・難民の入国を拒否する大統領令を発令した。この命令に対する内外での反発が30日から顕在化した。日本時間の31日11時頃、大統領令に反発した司法長官代行の解任が発表された。こうしたアメリカ国内の混乱材料がNY株安、円高を引き起こし、日本株の下落につながった。週の後半は横ばいであったが、週間ではやや大きめの下げを演じたまま週を終えた。

2月第1週の最大の買い手は個人であった。現先合計で2886億円の買い越し。うち現物現金で623億円の買い越し。信用で1419億円の買い越し。先物で844億円の買い越し。個人はやはり逆バリであり、今年も5週連続で逆バリが続く。しかしそれにしても、個人の現物現金の買越額が小さい。

今年に入って5週間の間に個人は現物現金で4408億円の売り越しである。ちなみに昨年は年初の5週間に個人は現物現金で8204億円も買い越していた。年初に株価急落を記録した昨年と小幅安の今年とでは環境が異なる。それを考慮しても、現物現金の買い越しが少ない。昨年末に税金対策で売却した資金、NISAを通じる新規資金がもう少し入るかと思っていたが、入っていない。高年齢富裕者層を中心とする個人投資家の株式離れは明らかに存在するが、それが加速化する可能性も出てきた。短期売買を繰り返す若手は増えつつあるが、運用資産の金額は小さい。個人の運用資産の大半を握っているのは、バブル崩壊を体験した高年齢富裕者層である。

自己は現先合計で2658億円の買い越し。うち現物で1090億円の買い越し。先物で1567億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で421億円の売り越し。TOPIXラージ先物で1915億円の買い越し。

この週の日銀ETFは2169億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は500億円前後の買い越しになる。これくらいならディーラーのポジション調整の売買として許される金額の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では548億円の裁定形成。裁定残はそれ以上に増加しているため、その増加株数から計算すると1500億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。投資部門別売買状況の自己を見るだけでは、1500億円前後の裁定形成売買は見えない。ただ後で述べるように、この週はゴールドマンの自己と思われる現物売り・先物買いが2700億円前後も入っている。従って、裁定形成売買は1500億円に近かった可能性が高い。東証発表の裁定形成売買は、みずほ300億円(売り裁定の解消売りが正しい)、ドイツ150億円が中心であった。

信託は現先合計で736億円の売り越し。うち現物で596億円の売り越し。先物で140億円の売り越し。信託は1月第4週に特殊な買いが大量に入っていたが、それを除いても買い越しであった。それが一転して下げ局面でも売り越しとは残念な感じがする。

投信は現先合計で956億円の売り越し。うち現物で757億円の売り越し。野村総研によると、2月第1週の国内株式型の公募投信は500億円の資金純流出であった。私募投信も売り越しであった可能性が高い。

投信先物は199億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で162億円の売り越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 150億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 200億円前後の売り越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 100億円前後の売り越し。

上記3ファンド合計で150億円の売り越し。この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものはトントンに近かった。ブルベア型ETF以外の通常型の投信は、公募、私募を足し合わせても先物は小幅の売り越しであった。

2月第1週の最大の売り手は海外であった。現先合計で4718億円の売り越し。うち現物で2448億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

 先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物   357億円の買い越し 1800億円の買い越し
 日経平均ミニ先物   675億円の売り越し  550億円の売り越し
TOPIXラージ先物 1941億円の売り越し   50億円の売り越し
   先物合計     2270億円の売り越し1200億円の買い越し

いつもとは異なり、先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社合計との乖離が非常に大きい。

その理由はゴールドマンとみずほが大口のクロスを実施しているので、その売り方が海外、買い方が自己であるためと考える。

日経平均ラージ先物 J-NET
1月31日-2月1日
ゴールドマン1800億円の買い、みずほ1500億円の売り
→自己1500億円買い、海外1500億円売り
TOPIXラージ先物 J-NET
1月30日-2月3日
ゴールドマン1600億円の買い、ゴールドマン1200億円の売り
→自己1200億円買い、海外1200億円売り

こうであるならば

 先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物   357億円の買い越し   300億円の買い越し
 日経平均ミニ先物   675億円の売り越し   550億円の売り越し
TOPIXラージ先物 1941億円の売り越し  1250億円の売り越し
   先物合計    2270億円の売り越し  1500億円の売り越し

(先物手口概算の外資系14社の中には、海外がみずほを通して売った分を含む)

まだ差はあるがある程度は近くなる。他社でも小口の同様な売買があったと思われる。

1月26日の日経平均ラージ先物のJNETでゴールドマン1000億円買い・みずほ900億円売りというクロスと思われる売買があった。これは海外買いの自己売りである。大口ポジションのカバリング技術はゴールドマンがみずほより上だが、1月26日はゴールドマンの自己が動けない事情があって、ゴールドマン自己ではなく、売り裁定の解消売りの機会を狙っているみずほ自己に売り向かいを頼んだのではないか。その返礼のために、2月第1週はゴールドマンと付き合いの深い大手でみずほとも少しばかりの取引がある海外顧客がみずほを通して日経平均ラージ先物を1500億円売却し、ゴールドマンの自己が買い向かった。ここが苦しい説明になるのだが、これくらいしか説明のしようがない。ゴールドマンの自己は先物を2700億円買い越しているので、現物を2700億円前後カバーのために売り越している可能性が高い。

この説明が間違いであったとしても、大口顧客がどこかの証券会社で海外売り・自己買いのクロスを大量に実施していた可能性は高いと思う。そう考えないと先物の投資部門別売買状況と先物手口概算の外資系14社の間の大きな差を説明することができないからだ。いずれにせよ、3000億円以上の海外売りが先物手口概算の中のどこかに埋没していることだけは間違いない。同金額の自己買いも同様に埋没している可能性も高い。

海外は現先合計で4718億円の売り越しである、そのうち2700億円がゴールドマンに関係する大口顧客2社の売りということになる。ゴールドマンの場合は客層が広いので、これだけではどういう種類の顧客かの特定は難しい。

合計すると、2月第1週は「個人、自己の買い越しvs海外、投信の売り越し」であった。トランプ政権の政策が徐々に見え始め、混乱が起こったり、日本の不利益になる政策が現実化する可能性も高まりつつある。ゴールドマンと関係の深い大手2社を中心にして海外が大量に売ってきた。下値はいつものように個人が買ったが、短期売買を好むスイングトレーダー中心の買いであった。そして最も大きく株価を支えたのは、いつもと同様に自己を通じる日銀ETFの買いであった。日銀ETFの買いがなければ、株価は急落していた可能性が高い。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

2017年1月第4週 株 コメント

1月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170127

1月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170127

1月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170203

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年1月第4週の日経平均株価は前週末比329円高の19467円で引けた。20日にトランプ氏が大統領に就任したが、その就任時の演説がアメリカ・ファーストを強調した内容であった。そのため週初は円高株安で始まった。しかし、24日、25日とNY株価が大幅に上昇し、25日についにNYダウ2万ドル大台のせを達成した。このNY株高を背景に日本株も買われた。週の終わりにかけては円安も進行した。週を通して見ると、日経平均株価は3週ぶりに上昇して週を終えた。

1月第4週の最大の買い手は信託であった。現先合計で3309億円の買い越し。うち現物で637億円の買い越し。先物で2671億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2700億円の買い越し。

日経平均ラージ先物の投資部門別では「信託2700億円の買い越し、投信2345億円の売り越し」が見える(自己と海外は後で述べる)。日経平均ラージ先物手口概算では日経平均ラージ先物では「野村1800億円の買い越し、大和1750億円の売り越し」が見える(みずほは後で述べる)。信託と投信、野村と大和がこのような形で大口売買をするのは、記憶にもほとんどない。同一の運用会社による日経平均ラージ先物の「投信勘定から信託勘定への移し替え」+「大和買いから野村買いへの移し替え」が一番可能性の高そうなシナリオである。金額は1800億円~2300億円くらいだと思う。見えるのは大和売り・野村買いの1800億円前後だが、それ以外に見えないところで最大500億円程度の移し替えがありそうである。これは特殊な売買であり、単なる移し替えだと思う。

この大口移し替えを除いても、信託は現先合計で1000億円~1500億円程度買い越している。久々にある程度のまとまった買いが入った。

海外は現先合計で1316億円の買い越し。うち現物で2067億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

 先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物  1799億円の買い越し 2100億円の買い越し
 日経平均ミニ先物   335億円の買い越し  100億円の買い越し
TOPIXラージ先物 1280億円の買い越し  1050億円の買い越し
   先物合計    3383億円の買い越し  3250億円の買い越し

後でも述べるが、自己の裁定の先物売りがドイツに300億円存在する。これをTOPIX型と仮定すると、外資系14社を通した海外によるTOPIXラージ先物買いは1350億円になり、先物の投資部門別の海外によるTOPIXラージ先物1280億円買いに近づく。また、日経平均ラージ先物と日経平均ミニ先物の間で海外が裁定売買をしている可能性がある。従って、日経平均型として見たならば、海外による日経平均型の先物の買いは2135億円、外資系14社を通じる海外による日経平均型の先物の買いは2200億円になる。先物の投資部門別海外の合計では3383億円の買いであり、外資系14社を通じる海外による先物買い3550億円とはそれなりに近い。海外の買いは外資系の買いと、外見上だけかもしれないがある程度は一致する。

先物手口概算を見ると、昨年秋以降に買い越しの主力であったゴールドマン、UBS、JPモルガン、バークレーズの4社がそろってTOPIXラージ先物を買い越している。第3週はこの4社がすべて売り越しであり、合計するとTOPIXラージ先物が1200億円の売り越しとなって、株価は下落した。第4週は4社すべての合計でTOPIXラージ先物が2400億円の買い越しになり、株価は上昇した。NY株の上昇を見ながら、持たざるリスクを感じて買ったのであろう。

TOPIXラージ先物を除くと、海外は現物売り・日経平均型先物買いを2100億円前後実施している。一般論として、海外の日経平均ラージ先物の売買の中にはアービトラージ型の売買が何割か存在する。第4週の2100億円の現物売り・日経平均型先物買いの中に、何割かはアービトラージ型の売買が存在しているはずである。

自己は現先合計で316億円の売り越し。うち現物で3127億円の買い越し。先物で3442億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2251億円の売り越し。TOPIXラージ先物で1196億円の売り越し。

この週の日銀ETFは763億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は1100億円前後の売り越しになる。第3週が1400億円前後の買い越しであったので、その一部が売りになったと思われる。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では1906億円の裁定形成。裁定残はそこまで増加していないため、その増加株数から計算すると950億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。第4週は自己の3100億円程度の現物買い・先物売りが見える。自己の現物買い・先物売りの3100億円のうち1906億円は裁定形成売買であった可能性が高い。

東証発表の裁定は形成売買が中心であり、みずほによる1400億円が最も大口であった。一方、裁定残は買残は減少、売残が大幅増加となっている。最近のみずほの裁定売買は売り裁定の増減であり、第4週も正確には売り裁定の解消売買である。みずほの日経平均ラージ先物売りは1750億円、日経平均ミニ先物買いは500億円、合計で1250億円の日経平均型の先物売りがある。この中の1400億円前後が裁定の売りであった可能性が高い。

東証発表の数字では、みずほ以外に裁定形成がドイツ300億円、野村100億円などがある。これらはTOPIX型の裁定形成売買であった可能性が高い。

裁定形成の売買が入ったのにもかかわらず裁定残が増えなかった一因は、裁定残からETF設定への乗り換えがあると思われる。これはよく見られる現象である。しかし、ETF設定の一部である。ETF設定はすべて裁定残からという説が最近よく見られる。しかし、決して全部ではなく一部であり、その割合は時期によって大きく異なる。第4週でETFに乗り換えられた可能性が高いのは、野村の100億円だけである。野村以外の日系大手は、裁定とは別に現物買い・先物売りを行っており、その中の何割かがETFの設定に回っている可能性が高い。

個人は現先合計で1823億円の売り越し。うち現物現金で1634億円の売り越し。信用で316億円の買い越し。先物で505億円の売り越し。個人はやはり逆バリであり、今年も4週連続で逆バリが続く。

投信は現先合計で2833億円の売り越し。うち現物で452億円の売り越し。野村総研によると、1月第1週の国内株式型の公募投信は235億円の資金純流出であった。私募投信も少しばかり売り越しであった可能性が高い。

投信先物は2382億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2345億円の売り越し。この週に行われた大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 100億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 100億円前後の買い越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 150億円前後の買い越し。

上記3ファンド合計で150億円の買い越し。この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものはトントンに近かった。

上記のブルベア型ETFを除くと、日経平均ラージ先物で2200億円前後の売り越しが見える。最初に書いたように、1800億円~2300億円が投信勘定から信託勘定へと移され、先物では大和売り、野村買いとなった可能性が高い。投信といっても公募ではなく私募であろう。私募投信はブルベア型ETFのように日系大手に集中しているわけではない。売ったのは大和の私募投信かもしれないし、別の会社の私募投信かもしれない。

合計すると、1月第4週は「信託、海外の買い越しvs投信、個人の売り越し」であった。このうちの信託買い・投信売りの中には先物の移し替えと思われる大口売買があった。それを除いても信託は久々にまとまった買いを入れた。投信はこの移し替えを除くと小幅の売り越しであった。実質的には「海外、信託の買い越しvs個人の売り越し」であった。昨年秋以降にTOPIXラージ先物買いの中心であった外資系4社が、第3週の売り越しから第4週には買い越しに転じた。すると上値をいつものように個人が売ったが、日経平均株価は上昇して週を終えることになった。



1月 月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20170127

記録にとどめておくべき事項、数字。

投信現物
野村総研によると、1月の公募型日本株投信は1585億円の資金純流出。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 400億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 100億円前後の買い越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 200億円前後の買い越し。

投信と信託
日経平均ラージ先物に、投信買いから信託買いへの移し替えが1800億円~2300億円程度存在していた。

事法部門での自社株買い
1月4日-31日に行われたNTTによる396億円の買いが一番大口。

信託方式の自社株買い
1月4日-26日に行われたトヨタによる952億円の買いが一番大口。

自己
日銀ETFが4422億円の買い。

裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計 630億円(現物買い・先物売り)。
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値 5500億円前後(現物売り・先物買い)。


1月の月間では、現先合計で「自己5118億円(うち日銀ETF4422億円)の買い越し、信託2714億円の買い越しvs個人4448億円の売り越し、投信4085億円の売り越し」で、日経平均株価は353円上昇した。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

2017年1月第3週 株 コメント

1月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170120

1月第3週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20170120

1月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用2017120


時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年1月第3週の日経平均株価は前週末比149円安の19138円で引けた。この週の外部環境としては、NY株価は下げが続いた。為替レートはほぼ横ばいであったが、一時的な円高進行はあった。休み中にハードブレグジットの報道があり、週初は円高とともに株価は下げて始まった。17日には当時のトランプ次期大統領が、主として人民元相場を念頭におきながら、ドルが強すぎると発言したことがWSJ紙に掲載された。そのため18日の寄り前にも円高が進行し、これを嫌気して、18日の前場中頃まで株価は下げを強めた。その後は円高修正とともに株価も反転上昇した。週を通して見ると、日経平均株価は小幅の値下がりのまま週を終えた。

1月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で3599億円の買い越し。うち現物で1592億円の買い越し。先物で2007億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1456億円の買い越し。TOPIXラージ先物で501億円の買い越し。

この週の日銀ETFは2169億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は1400億円前後の買い越しになる。自己による買越額としては少し大きい。取引所外で自己は現物やデリバ等を1400億円前後売り越している可能性が高い。金額が大きいが背景はわからない。ただ最近の傾向からすると、取引所外での自己は売りか買いかが一方的に積み上がることはない。遠くない将来に反対売買が出てくる可能性は、非常に高い。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では1億円の裁定形成。裁定残は反対に減少しているため、その減少株数から計算すると1100億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。この週の裁定売買は+1億円と-1100億円の間であり、どちらに近いかはよくわからない。取引所外で1400億円も売買されると、取引所内もわからなくなる。

東証発表の裁定売買の先物において、裁定解消の買いはみずほの1100億円が最大である。先物の投資部門別売買状況では自己が日経平均ラージ先物を1456億円買い越している。みずほは日経平均ラージ先物を1800億円買い越しているが、このうち1100億円は自己による裁定の買いである。これは裁定解消ではなく、新規の売り裁定の形成買いと表現するのが正しい。みずほ以外では、裁定形成の売りがドイツ600億円、野村300億円、三菱UFJ300億円、裁定解消の買いはソシエテ150億円と東証は発表している。

個人は現先合計で325億円の買い越し。うち現物現金で437億円の売り越し。信用で542億円の買い越し。先物で220億円の買い越し。個人はやはり逆バリであり、今年も3週連続で逆バリが続く。先物と信用を駆使するスイングトレーダーは買い越しになっている。しかしそれ以外は売り越しである。年初であるので、昨年末に税金対策のために換金した資金とNISAを通じるニューマネーがあるはずである。下がればもう少し多めに買うと考えていたが、少なめの買いしか入っていない感じがする。

投信は現先合計で259億円の売り越し。うち現物で1045億円の売り越し。野村総研によると、1月第1週の国内株式型の公募投信は449億円の資金純流出であった。

投信先物は785億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で547億円の買い越し。この週に行われた大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 200億円前後の買い越し。

この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、少しばかりの買い越しであった。

上記の現物資金純流出とブルベア型ETFを除くと、現物で600億円の売り越し、日経平均ラージ先物で300億円前後の買い越し、TOPIXラージ先物で234億円の買い越しになる。現物売りが600億円、先物買いが550億円程度になる。その他もろもろの投信の売買合計がこの金額の現物売り・先物買いとなった可能性もある。他方、1社だけで550億円程度の現物売り・先物買いを実施したことも考えられる。どこか1社だと仮定するならば私募投信であり、売買の手口はみずほ証券である可能性が高い。みずほ証券であるならば、アセットマネジメントOneによる現物買いから先物買いへの乗り換えである。アセットマネジメントOneは12月26日に信託勘定で現物売り・先物買いを1000億円実施したのでどうしても連想してしまう。ただし、今回は12月26日よりも確度がずっと低い。12月26日は確度90%であったが、今回の確度は30%である。

信託は現先合計で576億円の売り越し。うち現物で507億円の買い越し。先物で1083億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で972億円の売り越し。現物には押し目買いが入っている。しかし先物をもっと大きく売っている。信託はアベノミクス相場の初期において、現物を大幅に売り越す一方、日経平均ラージ先物を多少買い越していた。しかし、最近の日経平均ラージ先物は売りがずっと続いている。1社か少数の会社のまとまった売りだと思うが、手口も分かれており背景はつかめない。

海外は現先合計で3027億円の売り越し。うち現物で1040億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物 1069億円の売り越し 1100億円の売り越し
 日経平均ミニ先物  141億円の売り越 し   0億円の売り越し
TOPIXラージ先物 745億円の売り越し 1200億円の売り越し
   先物合計     1987億円の売り越し 2300億円の売り越し

上記に加えて、先に示したように、自己の裁定の先物売買が、ドイツに600億円売り、ソシエテに150億円買いだけ存在する。合計で450億円の売り越し。外資系14社の先物売越額2300億円から外資系自己の売りである450億円を差し引くと1850億円の売り越しになる。これで投資部門別の海外による先物売りの1987億円にかなり近くなる。ドイツとソシエテの自己の先物売買を両方ともTOPIXラージ先物と決めつければ、種類ごとでもだいたいは近くなる。強引な解釈も必要なので、近いというのはたまたまであろう。実際には、多少は近いという可能性は高いと思うが、非常に近いという可能性は低いと思う。

先物売買手口概算からわかることは、第3週には大口の売り手がいないということである。第2週はUBS、第1週はメリルリンチが先物をドカンと売っていた。第3週はシティグループが売りの筆頭であるが、700億円しか売り越していない。昨年秋以来、TOPIXラージ先物を中心にして買い上がってきたUBS、ゴールドマン、JPモルガン、バークレーズは4社ともTOPIXラージ先物を売り越しているが、金額は小さい。現物も同様だと思われる。大口の売り手がいたわけではない。

ハードブレグジットの報道もあったが、トランプ大統領の経済政策が徐々に顕在化し、ドル安誘導などの日本経済の成長に結びつかない政策が出てくる可能性が少しずつ高くなっている。その可能性に応じて海外はポジションを微調整しているわけである。最初から持たざるリスクを感じて買っているわけであるから、状況が変わって持たざるリスクが減少すると、方向は売り越しに変化する。今後もしばらくは、海外が買うかどうかはトランプ大統領が発表する政策や発言に一番大きく影響されるであろう。

合計すると、1月第3週は「自己の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。ハードブレグジットの報道やトランプ大統領の政策を見ながら、海外の多くの投資家が日本株の比率を調整するために、多数の小口の売りに分かれて売ってきた。信託もこの株価水準ではまだ売り越しであった。下げを食い止めたのは、大半が自己に含まれる日銀ETFの買いであった。ファンダメンタルズの改善に反応して買い越す国内投資家は依然として少数であった。日銀ETFが買い支える官製相場から脱することができていない。

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