海外投資家による日本株買い越し金額 長期推移 グラフ

日銀 資金循環統計ベース(発行市場も含む) 
海外投資家 日銀資金循環統計201702

財務省 国際収支統計ベース(発行市場も含む) 
海外投資家 国際収支統計201702

東証 投資部門別売買状況ベース(発行市場等は含まない)
海外投資家 投資部門別売買状況201703

2017年4月10日更新

参照 株式売買関連の統計は他にもあります
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ
 日銀資金循環統計に基づく株式投資部門別売買状況と保有残高グラフ
 日本株 株式分布状況調査 2015年度


テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

2017年3月第5週 株 コメント

3月第5週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170331

3月第5週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170331

3月第5週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170331



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


2017年3月第5週の日経平均株価は前週末比353円安の18909円で引けた。週初は前週に続いてトランプ政権のヘルスケア法案失敗の材料を改めて不安視する形で安く始まった。28日、29日は権利付き最終日とその直後ということもあり株価は堅調に推移した。それが31日の後場から、森友学園問題に対する海外投資家の不信感が国内投資家に伝染する形で株価は急落した。日経平均株価は3週連続で下落して週を終えた。

3月第5週の最大の買い手は信託であった。現先合計で3042億円の買い越し。うち現物で31億円の買い越し。先物で3011億円の買い越し。うちTOPIXラージ先物で2428億円の買い越し。JPX日経400先物で249億円の買い越し。信託による先物買いは、運用ポートフォリオをベンチマークである配当込みTOPIX、あるいはJPX日経400に連動させることを目的とした半年度初めの恒例の先物買いである。

今回は3月28日の権利付き最終日に野村の自己がTOPIXラージ先物を買い越し、28日夜間(新年度である29日扱い)のJNETで信託に引き渡していた。その後も信託と思われる買いは入ったが、野村とみずほの買いが多く、半年前には多かった大和の買いが今回は少ししか見えなかった。

半年度の初めに信託がTOPIXラージ先物を最後に売り越したのは2002年3月第4週であった。信託は2002年9月第4週以降、半年度初めにずっとTOPIXラージ先物を買い越し続けている。その金額が増加し、ほぼ継続して1000億円を上回るまで拡大したのが2007年9月第4週以降である。そのグラフを下記に示す。

信託先物コメント週次20170303

上記の20回の合計で週間の株価騰落は10勝10敗、日経平均株価変動幅の平均は-9円となる。過去6回なら0勝6敗、日経平均株価変動幅の平均は-336円となる。信託の買いが増えるほど、株価の値下がり幅が大きくなっている。おそらくこれは単なる平均回帰の現象だと考える。信託の半年度初めの買いがあまり知られていなかった頃は多少は値上がりすることもあった。しかし、多くの人が知るところになると、買いの影響は事前に織り込まれてしまう。初期の頃は過小織り込み、最近は過大織り込みなのであろう。そのため長期で見た場合、日経平均株価の変動幅の平均は0円に近づくと思われる。

3月第5週の信託によるTOPIXラージ先物買い越し2428億円は前回、前々回よりも金額が減っている。これは、信託による先物買いの金額が減ったのではなく、先物売りの金額が増えたからである。2016年9月第5週比で買い金額は+919億円、売り金額が+1490億円である。この週は恒例のTOPIXラージ先物買いとは全く別に、信託よる大口売りが出ていたことを示す。31日金曜日に三菱UFJがTOPIXラージ先物をJNETで1250億円売り越していた。これが信託の売りである可能性が一番高い。この大口売りがあったために、表面上は信託によるTOPIXラージ先物の買越額は減少することになった。

個人は現先合計で378億円の買い越し。うち現物現金で432億円の買い越し。信用で161億円の買い越し。先物で215億円の売り越し。個人は今年に入ってから13週全週で逆バリである。

投信は現先合計で104億円の売り越し。うち現物で271億円の売り越し。野村総研によると、3月第5週の国内株式型の公募投信は84億円の資金純流入であった。この週も私募投信が売り越していた可能性が高い。

投信先物は167億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で587億円の売り越し。TOPIXラージ先物で687億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」350億円前後の売り越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」150億円前後の売り越し。

上記の2本で500億円の売り越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい野村の2本、大和の1本とシンプレックスの2本を加えると、7本合計で700億円前後の売り越しであった。この7本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を100億円ほど買い越し、TOPIXラージ先物を687億円買い越していたことになる。TOPIXラージ先物の買越額は投信にしては大きい。こういう買いは公募投信ではなく、私募投信で大口の買いがあったとしか考えられない。

自己は現先合計で1316億円の売り越し。うち現物で654億円の買い越し。先物で1969億円の売り越し。

この週の日銀ETFは784億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で2100億円前後の売り越しになる。自己は取引所外で2100億円前後買い越していた可能性が高い。金額としては大きいが、中身は読み切れなかった。ツイッターには第3週の反対売買とだけ書いたが、それは一部であり、それ以外は非常に複雑である。

この週の東証発表の金額では裁定形成売買が318億円、裁定残はそれほど増えていないので、その増加株数から計算するとネットの裁定売買はゼロに近かったことになる。ただし、グロスの裁定売買自体は高水準であった。東証発表の裁定売買は、裁定形成で三菱UFJ500億円、野村300億円、ソシエテ300億円、裁定解消ではみずほ900億円が上位である。

3月第5週の最大の売り手は海外であった。現先合計で1366億円の売り越し。うち現物で549億円の売り越し。先物で816億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170331

この週はふだんとは異なり両者の数字の差が非常に大きい。3月第5週に関してはその裏側までは読み切れなかった。信託のTOPIXラージ先物の買いが外資系大手に流れたかもしれない。今までは小さかったが、今回は増えたことが考えられる。また、海外の大口売りの一部が日系大手に流れている。毎週存在するが、規模が大きかった。規模が大きいと裏側まで読めることもあり、実際一部なら読める。しかし全体像は複雑すぎる。

この2種類の数字の差の発生理由以外では読めることもある。先物手口概算の売り方のトップであるUBSの売りは、この週も大半がUBS本体運用部の売りである。UBS証券の日々の売買の合計では少しばかりの売り越しであった。すなわち、UBS証券の建玉変化の多くはモルガンMUFGとバークレーズで売られたものがUBS証券へと移管(またはギブアップ)されている。この2社はUBS本体運用部の御用達のような証券会社である。UBS証券の売りの大半は、UBS本体運用部が売ったとしか考えられない。

買い方のトップはABNアムロクリアリング。この証券会社はHFTが多いことで有名であるように、投機筋のシェアが高い。第5週は買い建玉を残しているが、近い将来に売りが出てくる投機筋の買いである可能性が高い。

この週の海外は、UBS本体運用部やゴールドマン、モルガンMUFGといった昨年の秋頃から買い上がっていた中長期性の資金による中短期志向の買いポジションの縮小が売り方の多くを占めていたと思われる。買い方はABNアムロクリアリングを筆頭とする投機筋の買いが多かった。

合計すると、3月第5週は「信託、個人の買い越しvs海外、自己の売り越し」であった。年度の初めということで、信託による先物買いはいつものように入った。日銀ETFも買い越したが、金額は少なめであった。海外はUBS本体運用部による売りが最も大きかった。その中で信託の一部が金曜日に大きく売り越していた。この売りこそが、海外が森友学園問題を嫌がって売っているという見方が広まったことによって出てきた国内機関投資家の売りである可能性が高い。こうした売買の合計が週間の日経平均株価を184円引き下げて終わることになった。



3月 月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20170331

記録にとどめておくべき事項、数字。

投信現物
野村総研によると、2月の公募型日本株投信は665億円の資金純流出。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」400億円前後の買い越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」150億円前後の買い越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」20億円前後の買い越し。

事法部門での自社株買い
3月15日に行われた三菱ケミカルによる300億円の買いが一番大口。

自己
日銀ETFが6060億円の買い。

裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計 974億円(現物買い・先物売り)。
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値 1000億円前後(現物買い・先物売り)。

特殊な大口売買
ゴールドマンが3月15日、16日、22日に日経平均ラージ先物約2.3万枚、4650億円のクロス。これが自己買い・海外売り。これによって12月の海外の買いは4650億円少なく、自己の買いは4650億円多く見える。

3月月間では、「自己1兆1774億円(うち日銀ETF6060億円)の買い越し、個人4679億円の買い越しvs海外1兆6823億円の売り越し」で、日経平均株価は374円下落し18909円で引けた。

ゴールドマンの特殊なクロスを除くと、「自己7100億円(うち日銀ETF6060億円)の買い越し、個人4679億円の買い越しvs海外1兆2200億円の売り越し」であった。

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2017年3月第4週 株 コメント

3月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170310

3月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170324

3月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170324


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


2017年3月第4週の日経平均株価は前週末比259円安の19263円で引けた。この週の株価下落の最も大きな原因はNY株安であった。大元はトランプ政権が提案したオバマケア廃止のためのヘルスケア法案が議会で採決できなかったことである。後につながるより重要な減税法案やインフラ投資のための法案の成立も危ぶまれるようになった。この影響が一番大きく現れたのが21日のNY市場であり、日本株も22日は急落となった。その下げ分を取り戻すことができず、日経平均株価は下落したまま週を終えた。

3月第4週の最大の買い手は個人であった。現先合計で4241億円の買い越し。うち現物現金で2238億円の買い越し。信用で1029億円の買い越し。先物で975億円の買い越し。個人は今年に入ってから12週連続で逆バリである。日経平均株価が259円という小幅な下げにもかかわらず、買越額は多かった。

こうした個人の大幅な買い越しを見ると、日銀の金融緩和の効果が十分ではないにしろ、ある程度は顕れていると強く感じる。個人が週間に4241億円以上買い越したことは過去にも何度かあった。しかしその時の環境は、株価が急落した週か、株価の水準がもっと低い週であった。19000円台でかつ259円程度の下げで個人がこれほど大量に買い越したことはかつてなかった。量的・質的緩和を強化すれば押し目買い、戻り売りの位置はより上昇するのである。しかし、日銀は景気後退につながりやすい株価下落を避けたいという以上の考えがない。株式市場については絶望的なほどの無理解、誤認識の塊である。ETF買いの出口戦略の準備さえも全くしていない。ETF年間6兆円買いが続いている間に、戻れば売りという株式市場のヒステリシスがもっと弱くなるかどうかはわからない。

自己は現先合計で3797億円の買い越し。うち現物で996億円の買い越し。先物で2801億円の買い越し。

この週の日銀ETFは1496億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で2300億円前後の買い越しになる。22日にゴールドマンが日経平均ラージ先物に1万枚、2000億円のクロスを振っていた。第3週と同じとすると、下記の形態になる。

GS先物20170324


コールドマンの東京自己が2000億円の日経平均ラージ先物売り・OTCデリバ買いのマッチングをしたという考え方である。この説の難点は、2000億円もの売りと買いが同時に現れることがよくあるかという点である。過去においても年に1~2回程度は1万枚レベルのマッチングと思われるクロスがあったことは間違いない。問題は100日あまりの期間に同様のクロスが5回も起こることがありえるかという点である。この点は自信がない。可能性としては、例えばゴールドマンの海外自己売り、東京自己買いもあり得る。ただこの場合、何が目的か、外からは見えない部分に何らかのポジションがあるのか、などの疑問が残る。

後で示す投資部門別売買状況の海外と外資系証券14社の先物売買の差を考えると、ゴールドマンのクロスが自己買い・海外売りである可能性だけは非常に高いと言うことができる。日銀ETFとゴールドマン自己の買いを除くと自己は300億円程度の買い越しであり、ディーラーのポジション調整の売買として許される範囲内の金額であった。

この週の東証発表の金額では裁定解消売買が181億円、裁定残はそれ以上減っているので、その減少株数から計算すると800億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。東証発表の裁定売買は、裁定解消の買いがソシエテ300億円、みずほ300億円、裁定形成の売りがドイツ200億円、野村200億円などが上位である。ここではソシエテ自己の先物300億円買い、ドイツ自己の先物200億円売りについては後で使うので強調しておきたい。裁定にかかわる売り越し・買い越しの金額だけなら、絶対値が小さいので重要性は低い。

投信は現先合計で908億円の買い越し。うち現物で489億円の売り越し。野村総研によると、3月第3週の国内株式型の公募投信は216億円の資金純流入であった。この週は現物に数百億円の私募投信の売りを仮定しないとうまく説明できない。

投信先物は1396億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1644億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」1250億円前後の買い越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」150億円前後の買い越し。

上記の2本で1400億円の買い越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい野村のもう1本、大和の2本とシンプレックスの2本を加えると、7本合計で1600億円前後の買い越しであった。この7本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を50億円ほど買い越し、TOPIXラージ先物を236億円売り越していたことになる。

3月第4週の最大の売り手は海外であった。現先合計で9533億円の売り越し。うち現物で3742億円の売り越し。先物で5792億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170324

ゴールドマンの2000億円とそれ以外の細かな項目の修正をすると両者はかなり近い金額になる。日経平均ラージ先物と日経平均ミニ先物の差が大きいが、これは日経平均ミニ先物の中心限月である6限月分の証券会社別の建玉残高が公表されていないからだと思われる。日経平均ラージ、ミニ先物の6限月同士でなら自己による裁定売買がもっとたくさんある可能性は十分に考えられる。いずれにせよ、ゴールドマンの1万枚、2000億円のクロスは、自己買い・海外売りである可能性が非常に高い。

ゴールドマン以外で大きく動いたのはUBSである。これはUBS本体運用部の売りである。理由はUBS証券の日々の売買を合計すると、第4週は買い越しであったからだ。UBSの大口顧客はバークレーズ、ドイツ、モルガンMUFGなどの他社で全部売ってUBS証券へと移管(またはギブ・アップ)している。こういうステルス売買をするのが最近のUBS本体運用部の戦術なので、UBS本体運用部の売りであることは間違いない。UBS本体運用部は1850億円以上、おそらく2千数百億円レベルで両先物を売り越していた可能性が高い。絶対収益追求型の運用ならば、トランプ政権の政策に不安が出たりするとリスク回避の売りになるのであろう。

UBSとゴールドマンのクロス以外は売買ともに小口でバラバラである。そして中長期の投資性の資金の比率が高い現物から、短期の投機性資金の比率が高い日経平均ラージ先物まで幅広く売り越している。第3週のような中長期の投資性の資金だけではなく、投資から投機にいたるまで様々な種類の資金が多数に分かれて売り越していた可能性が高い。UBS本体運用部とゴールドマンで大口クロスを振った客以外では、トランプ相場の終焉を感じ取って大量に売り越した大口顧客はいなかったようである。その代わり、様々な種類の多数の投資家が少しずつ、しかし合計すれば大量に売り越していた。

合計すると、3月第4週は「個人、自己、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。このうち、自己は日銀ETFの買いとゴールドマン自己による海外の代理の形での買いであった。すなわち、「個人、日銀ETF、投信先物の買いvs海外の売り」であった。ゴールドマンのクロスを除くと、海外の売りはUBS本体運用部が大きく売り越したが、それ以外は中小口の売りの集積であった。ヘルスケア法案の成立に失敗したトランプ政権の政策に対する楽観度合いが減少し、海外中心に売りが出て、日経平均株価は259円下落することになった。

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2017年3月第3週 株 コメント

3月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170310

3月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170310

3月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170317

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


2017年3月第3週の日経平均株価は前週末比83円安の19522円で引けた。この週はNY株価が少し上昇したが、為替レートが円高方向に振れたため株価も上昇を維持できなかった。前週末10日発表のアメリカ雇用統計が良かったが、織り込み済みで為替レートは少し円高で始まった。15日のアメリカFMOCで政策金利が引き上げられたが、FMOCメンバーの年内の利上げ予想が年3回と変化がなかった。これを嫌気する形で為替レートはさらに円高方向に振れた。円高という環境下では今の株価は上昇しにくい。金曜日には森友学園の籠池理事長が安倍首相から100万円の寄付を受けたという発言が報道され、この発言も嫌気された。週間では小幅安となり、4週連続の上昇にはならなかった。

3月第1週の最大の買い手は自己であった。現先合計で6350億円の買い越し。うち現物で3996億円の買い越し。先物で2355億円の買い越し。

この週の日銀ETFは2232億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で4100億円前後の買い越しになる。日銀ETF以外の自己がこれほど大幅な買い越しになるのは昨年12月第2週以来のことである。そして3月第3週は12月第2週と共通点がある。それはゴールドマンによるJ―NETでの日経平均ラージ先物の大口クロスである。12月第2週は3万枚であったが、3月第3週は1.3万枚である。規模は小さくなったが同じことが行われた可能性が高いと考える。その仕組みを下記に示す。

GS先物20170317

16日の1万枚、2050億円のクロスが見えた時、12月第2週の反対売買と考えていた。しかし、投資部門別売買状況を見ると積み増しであった。15日にも同じ売買が3000枚、600億円あった。これらは海外による日経平均ラージ先物の売りとOTCデリバの買いとをゴールドマンの自己がマッチングさせたことになる。

TOPIXラージ先物はOTCデリバの買いを自己が先物でカバーしたものと考えている。1250億円という金額は、後で示す外資系証券14社の売買と先物の投資部門別売買状況の海外の差から算出した。これは特殊な取引ではなく、毎週存在する普通の売買である。OTCデリバと書いたが、その内容はエクイティ・スワップのケースが多いと思うが、それ以外にもOTCデリバとは言えない現物の取引所外取引、SGX先物、大証オプション、日経平均リンク債など様々なものを含むものを一言で表現したものである。この2種類以外の自己には200億円ほどの買い越しがまだ残る。200億円というのはディーラーによるポジション調整の売買の範囲内として認められる金額である。

この週の東証発表の金額では裁定形成買いが1374億円、裁定残はそれ以上増えているので、その増加株数から計算すると1900億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。どちらの金額の方がより正しいかはわからないが、裁定形成の先物売りは、すぐ前に書いた様々なカバー取引から発生する先物買いによって見えなくなっている。東証発表の裁定形成の売りは、三菱UFJ800億円、ドイツ300億円、みずほ250億円などが上位である。

個人は現先合計で1762億円の買い越し。うち現物現金で538億円の買い越し。信用で791億円の買い越し。先物で433億円の買い越し。個人は今年に入ってから11週連続で逆バリである。日経平均株価が83円という小幅な下げにもかかわらず、買越額は多かった。

信託は現先合計で795億円の売り越し。うち現物で1391億円の売り越し。先物で596億円の買い越し。第2週は同じ運用会社内での信託勘定から投信勘定への移し替え分を差し引くと少しばかりの買い越しであった。しかし、第3週は再び売り越しに戻ってしまった。個人は買越額が大きいことに驚きを感じたが、信託は売越額が大きいことに驚きを感じた。

投信は現先合計で1767億円の売り越し。うち現物で595億円の売り越し。野村総研によると、3月第3週の国内株式型の公募投信は575億円の資金純流出であった。この週の現物売りは公募投信の解約で大半の説明がつく。

投信先物は1172億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1083億円の売り越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」700億円前後の売り越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」150億円前後の売り越し。

上記の2本で850億円の売り越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の2本とシンプレックスの2本を加えると、6本合計で1000億円前後の売り越しであった。この6本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を100億円ほど売り越し、TOPIXラージ先物を87億円売り越していたことになる。

3月第3週の最大の売り手は海外であった。現先合計で6033億円の売り越し。うち現物で4070億円の売り越し。先物で1963億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170310

この週は上記2種類の差が通常の週よりも大きい。この差額はすべて自己の売りと仮定し、先に書いた外資系による自己のTOPIXラージ先物売りの金額を1250億円と算出した。外資系の売買には海外と自己の他に日系の機関投資家の売買も混じっている。しかし、その金額は大きなものではないので、誤差は当然存在するにしても大きくはない。

自己が海外の代理として3900億円買い越していると仮定しても、依然として2100億円程度の海外による売り越しが残る。そしてその売りは現物の売りである。通常は、FRBが予想ほど金利を早く上げないで円高という材料による売りは、投機筋が日経平均ラージ先物に売りを出してくるケースが多い。しかし、今回はそうした売りがあったかもしれないが、売り越しに大きく寄与したのは現物の売りであった。その多くは、昔から長期性の資金で日本株を保有し、昨年秋以降の上昇局面で買い上がりをしなかった投資家で、日本株の売り場をずっと探し続けていた海外投資家が現物を中心に売りを出してきたと推測する。

合計すると、3月第3週は「自己、個人の買い越しvs海外、投信の売り越し」であった。この週は自己部門に海外の代理とも言える買いが大量に入った。それを差し引いても、「日銀ETF、個人の買い越しvs海外、投信の売り越し」であった。それほど悪材料が出なかった割には海外の売りが現物中心に多かった。日経平均株価は83円だけの下落で週を終えることができたが、日銀ETFによる下値での買い支え効果はこの週も非常に大きかった。

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2017年3月第2週 株 コメント

3月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170310

3月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170310

3月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170310

時系列データ
 現物と先物の投資部門別売買状況 時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年3月第2週の日経平均株価は前週末比135円高の19605円で引けた。この週はNY株価が冴えない展開が続いた。そのため株価を引き上げたのは為替レートの動きであった。3日のイエレンFRB議長の議会証言はタカ派的な内容であった。しかしその内容はすでに織り込み済みであり、しばらくは円高傾向が続き、株価も弱含んだ。その円高の流れを転換させたのが8日に公表されたADP全米雇用報告の予想以上の強さであった。9日のドラギECB総裁の発言も従来のハト派色が弱まり、円安進行の材料となった。この円安進行を背景にして週末にかけて株価は上昇した。週を通してみると日経平均株価は3週連続で上昇し、年初来高値で終えることになった。

最初に、この週のTOPIXラージ先物の売買において、投信1202億円買い・信託1103億円の売りがあったことについて説明をする。こうした投信と信託に近い金額が売り買い反対方向に1000億円以上もあることはほとんどない。しかし最近、1度だけあった。それが1月第4週である。この週は日経平均ラージ先物に信託2700億円買い、投信2345億円の売りという売買があった。この週は同じ顧客が2000億円前後の日経平均ラージ先物の投信買い建玉を信託での買い建玉へ勘定を移したと推測した。3月第2週は同じ顧客が今度はTOPIXラージ先物の信託買い建玉を投信での買い建玉へと勘定を移したと考える。その金額が1150億円前後であった可能性が高い。手口は三菱UFJ→野村が多かったと思われる。前回は大和→野村であった。方向は正反対であるが、ほとんど見られない形式の売買が7週間に2度起こった。同じ顧客が保有する先物を投信(私募)と信託(特金など)の間で勘定を移し替えた可能性が高い。

3月第1週の最大の買い手は自己であった。現先合計で1806億円の買い越し。うち現物で3037億円の買い越し。先物で1231億円の売り越し。

この週の日銀ETFは784億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で1000億円前後の買い越しになる。この週はメジャーSQのある週であった。1000億円の買い越しというのは通常の週なら多い方であるが、メジャーSQのある週にしては少ない。

この週の東証発表の金額では裁定形成買いが952億円、裁定解消売りが1891億円、差し引き939億円の裁定解消。裁定残はそれ以上減っているので、その減少株数から計算すると1600億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。一方、裁定以外のプログラム売買は1兆1665億円の買い、8956億円の売り、2709億円の買い越しであった。プログラム売買での買い越し分は、後で示すパリバが裁定形成と同じ形で現物を買った分などが含まれているからである。

この週はメジャーSQのあった週にしては裁定の買いと売りの合計金額が少なかった。一方、裁定以外のプログラム売買は、最近にメジャーSQがあった週の中ではやや多めの週であった。3月第2週も通常のメジャーSQのあった週と同様に、SQとその前後に現物、先物、OTCデリバ等の取引所内外での売買が大量に入っていた可能性が高い。ただ、現物と先物の裁定の中で東証に裁定として報告された金額が少なかっただけだと思う。裁定ではない単なるプログラム売買としては報告されている。

現物の取引所外取引やOTCデリバ等の売買は毎週存在するが、メジャーSQのある週は特に多い。そうした取引の影なら見ることができる。しかしその内容については自己の裁定売買を含めていろいろと推測はしているが、確度の高いものは少ししかわからない。その内容については、後に海外のところで少し触れることにする。

投信は現先合計で1214億円の買い越し。うち現物で505億円の売り越し。野村総研によると、3月第2週の国内株式型の公募投信は3億円だけの資金純流出であった。私募投信が500億円前後売り越していたと推定するしかない。

投信先物は1719億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で538億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」350億円前後の買い越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」200億円前後の買い越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」150億円前後の買い越し。

上記の3本で700億円の買い越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の1本とシンプレックスの2本を加えると、6本合計で750億円前後の買い越しであった。この6本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を200億円ほど売り越していたことになる。TOPIXラージ先物の買いは、大半が先に示した同一顧客内部での信託から私募投信への勘定の移し替えである。

個人は現先合計で538億円の売り越し。うち現物現金で1419億円の売り越し。信用で443億円の買い越し。先物で437億円の買い越し。小幅上昇の3月第2週は売り越しになった。個人は今年に入ってから10週連続で逆バリである。

信託は現先合計で1021億円の売り越し。うち現物で256億円の売り越し。先物で765億円の売り越し。信託も1150億円前後の同一顧客による信託から投信への勘定の移し替え分を差し引くと、少しばかりの買い越しであった可能性が高い。

3月第2週の最大の売り手は海外であった。現先合計で1099億円の売り越し。うち現物で987億円の売り越し。先物で112億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。
ブログ外資系と海外の比較20170310

日経平均ラージ先物とミニ先物を一体的に見ると、それほど乖離した金額でもない。メジャーSQのある週は外資系の売買の中にある自己の売買金額は通常より大きく、もっと乖離することが多い。ただどの証券会社の売買が自己であるかを示すことは難しい。先にも書いた通りメジャーSQのある週の自己は現物先物の取引所内取引だけではなく、現物の取引所外取引やOTCデリバ等の売買が多い。このことは海外、あるいは外資系の売買についても同様である。

この週の特徴は現物にある。投資部門別売買状況の海外現物は987億円の売り越し、財務省の対外証券投資での海外による対内株式投資は7227億円の売り越し。差が6240億円もある。乖離自体は毎週存在する。しかし乖離の幅としては6778億円が過去最高なので、非常に高い水準である。SQ前後の現物の取引所外取引で海外は6000億円前後売り越している可能性が高い。にもかかわらず株価が下げていないのは、OTCデリバ等に6000億に近い金額の海外による買いがあった可能性が高い。自己の所で書いた通り、メジャーSQ時にはこうした取引所外取引やOTCデリバ等の取引の中にある大きな影までは見える。しかし影の実体については、グロスの売越額は大きくてもネットの売越額は小さいということ以外に可能性の高いものを示すことはできない。海外に6000億円もの現物の取引所外取引とOTCデリバ等の売買があるということは、その相手方は自己であり、自己にも海外とは正反対の同様の取引があったことになる。

もう1つ指摘しておきたいことは、パリバによるTOPIXラージ先物売り4150億円についてである。パリバは10日の終了時点でTOPIXラージ先物を10万枚強も売り立てている。第2週はロール・オーバーに加え、3限月買い・6限月売りの新規の限月間スプレッドが4000億円前後見えていた。従って、パリバのTOPIXラージ先物売りは裁定である可能性が高い。以前のパリバのTOPIXラージ先物売買はどちらかというと自己の売買の方が多いように見えた。しかし、最近は海外と思われる売買も増えた。海外といっても、その多くの部分はパリバの海外自己である。3月第2週のTOPIXラージ先物の売りに関しては、全部か多くが海外自己である。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を見る限り、そう考えざるをえない。しかし現物買いについては、全部か多くかが東京自己である。東証の投資部門別売買状況の自己と海外の現物売買からそう考えざるをえない。3月第2週のパリバの売買については、現物買いは東京自己、先物売りは海外自己が中心になっている。そしておそらくであるが、両者の間にOTCデリバでパリバの東京自己売り、パリバの海外自己買いという取引が存在するのであろう。

この週の海外はSQとその前後にいろいろ複雑な売買が大量にあったため、トータルとして見れば、売り越しか買い越しかわからない。確実なことは、取引所内取引だけの海外は現先合計で1099億円の売り越しであった。

合計すると、3月第2週は「自己、投信の買い越しvs海外、信託、個人の売り越し」であった。この週は同じ投資家によるTOPIXラージ先物の信託買いから投信買いへの移し替えが1150億円ほどあった。メジャーSQのあった週であるということと、財務省の統計の海外が大幅な売り越しであったことから、海外には取引所外で複雑な売買が大量にあったことを示す大きな影までは見える。しかしその細かな内容、すなわち影の実体まではわからない。それでも海外は取引所内取引だけならば売り越しであり、株価を引き下げた。個人とともに売り方の主体であった。買い方は自己の日銀ETFとブルベア型投信の先物買いが中心であった。それにパリバの東京自己と思われる現物買いが加わる。結果として日経平均株価は135円だけ上昇して週を終えることになった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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