購買力平価から見た円相場 対アジア諸国(IMF)

アジア主要国通貨の購買力平価に対する割高・割安度合い 円基準 2011 (グラフ)

(2013年までデータを更新したグラフを最後に掲載)
IMFのHPに掲載されている購買力平価を使って、1980年から、日本円=100とした場合の、アジア主要国通貨の購買力平価に対する割高、割安度合いを算出した結果が、上記のグラフである。今回は、アジアの主要国を対象にし、基準通貨を米ドルではなく、日本円とした。このグラフを数値化した表を掲載すると、下記のようになる。

購買力平価で見たアジア主要国通貨の日本円に対する割高・割安度合い(表)

1980年代のベトナムは、不規則な変動をしているが、この時期、ベトナムはカンボジア侵攻を続けており、経済も統計も相当混乱した状態であったと推測される。それを除けば、見て明らかな通り、アジア主要国の通貨は、円に対して恒常的に割安状態が継続している。2011年時点で、アジア主要国の通貨は、対円で
38%~78%も安い。

このように、バラッサ・サミュエルソン効果(*1の最終段落を参照)が発生することなく、極端な円高、アジア主要国通貨安が何十年も継続する中で、アジア主要国の経済成長が続けば、日本の工業製品の競争力が失われていくのは当然である。実際、メイド・イン・ジャパンの製品の競争力は低下し、日本の製造業は、赤字で倒産したり、アジア諸国に生産・開発・一部の本社機能を続々と移転し続けている。こうした傾向が顕著に現れるようになったのは、2000年頃からである。
1990年代のバブル崩壊という傷口がようやく治りつつあった日本経済は、今度は、産業の空洞化という現象に苦しめられるようになった。

「世界の工場が、アメリカ→日本→アジアへと移っていくのは、歴史の定めであり、食い止めることは不可能である。日本は脱工業化社会を目指して成長していくべきだ。」という意見はよく聞かれる。私は、日本経済の空洞化現象は、半分は、運命的なものであって避けることはできないが、半分は、運命的なものではなく、日本政府は、政策対応によって避けるべきだと考える。そのことを次回(*1)に説明する。



追記 2014年4月
アジア主要国通貨の購買力平価に対する割高・割安度合い 円基準 2013 (グラフ)

2012年11月以降、円安が進行した。それでも依然として円は対アジア通貨で割高であり、円高修正は不十分である。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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