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2019年6月第1週 株式需給コメント

6月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190607


6月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190607


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年6月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20,885円 前週末比+284円

6月第1週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円高、NY株は大幅な上昇であった。5月第4週のトランプ大統領によるメキシコに対する関税の引き上げ宣言にNY株が反応し、火曜までは弱含みで推移した。変化は火曜の夜のパウエルFRB議長による金利引き下げ示唆の発言からである。まずNY株が反応し、株高へと向かった。NY高に影響され、水曜から日本株も買われた。日経平均株価は5週ぶりに上昇して週を終えることになった。


買い方
(1)事法

現物先物合計     + 1,670 億円
現物         + 1,726 億円
先物合計        - 55 億円
日経平均ラージ先物   - 81 億円
日経平均ミニ先物    + 19 億円
TOPIXラージ先物    + 6 億円

事法の現物買いは自社株買いが中心。6月分の自社株買いは少ししか公表されていない。7月上旬にまとめて公表される。持ち合い解消売りも多少は出ているはずなので、それを差し引いたのが上記の金額ということになる。

買い方
(2)投信

現物先物合計     + 891 億円
現物         + 542 億円
先物合計       + 349 億円
日経平均ラージ先物  + 655 億円
日経平均ミニ先物    + 3 億円
TOPIXラージ先物   - 285 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +58億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +600億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +450億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 -250億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+900億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      - 70 億円
現物         + 480 億円
先物合計       - 560 億円
日経平均ラージ先物  - 250 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 280 億円

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように70億円の売りであった。金額としては小さい。

私募投信らしき現物買い・先物売りが2週連続で見える。しかし、投信の売買の大半は公募投信の設定と大口ブルベア型投信7本の買いで説明できる。


売り方
(1)個人

現物先物合計    - 2,750 億円
現物現金       - 460 億円
信用         - 512 億円
先物合計       - 1,778 億円
日経平均ラージ先物  - 830 億円
日経平均ミニ先物   - 913 億円
TOPIXラージ先物   - 32 億円

個人は伝統の逆張りの売り。5月の下げ相場は月間で約8000億円の買い。最大の買い手であった。戻るとすかさず逆張りの売りになった。総売りでもある。

売り方
(2)海外

現物先物合計       - 667 億円
現物           - 1,143 億円
先物合計         + 476 億円
日経平均ラージ先物    - 1,517 億円
日経平均ミニ先物     + 826 億円
TOPIXラージ先物     + 1,122 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

6月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190607

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190607

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は1419億円。この買いは通常なら外資系自己の買いであると説明する。確かなことなどはわからない。第1週は銀行の買いが600億円、ドイツ自己の買いが800億円あるという1つのシナリオを示したいと思う。

日系の機関投資家でも信託と投信の売買が外資系に流れる比率は低い。それに対して銀行はもっと高い。以前は数千億円レベルの超大口が外資系に流れたこともあった。銀行の先物買いは588億円であるが、それに匹敵する600億円が外資系に流れることは起こりえる話なのである。ドイツの買いについては後ほど自己のところで説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方のトップはナティクシス。第1週に買った結果、今までずっとあった売り建玉がほとんどゼロに近づいた。3月に仕組債の損失を公表している。3月以前は海外自己が仕組債のポジションをヘッジする売りを出し続けていたようだ。しかし、3月の損失後はそうしたポジションをなくす方向に動いているように見える。

買い方の上位2番目はドイツ。先にも買いたが、この買いの大半が東京自己の買いかもしれないと考える。詳しくは自己のところで説明する。

売り方のトップはABNアムロクリアリング。ここはヘッジファンドの売りと考えてほぼ間違いない、ただし第1週の売りは600億円でしかない。

海外はナティクシスのように広義のロングショートの解消売買がある。しかし新規のロングショートもありそうである。

海外は現先合計で667億円の売り越しである。ロングショートとその逆が多そうなので、現物中心か先物中心かもよくわからない。合計すると667億円の売り越しになったことだけは確かである。

火曜のパウエル FRB議長による利下げ示唆発言をきっかけに NY株は急上昇を開始した。こうした場合、過去においては、海外の投機筋が先物を中心に日本株も買うケースが多かった。しかし第1週はそうした買いもあったかもしれないが、少なかった。海外全体では小幅の売り越しであった。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(4)になった。

現物先物合計     + 585 億円
現物          - 18 億円
先物合計       + 603 億円
日経平均ラージ先物  + 1,104 億円
日経平均ミニ先物   + 214 億円
TOPIXラージ先物   - 721 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 +526億円(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)
みずほ   + 300 億円
三菱UFJ  + 250 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 +450億円前後(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は100億円。差としては非常に小さく無視して良いレベル。

自己に含まれる日銀ETF
 +1470億円

日銀ETF以外の自己
 -900億円前後

海外のところでドイツ自己が800億円買ったという1つのシナリオを示した。ドイツのTOPIXラージ先物買いは日銀 ETF の買いであるかもしれない。日経平均ラージ先物の買いは広義の裁定解消売買の可能性がある。

第1週だけを考えるとあたりの可能性が高そうな感じもする。ただ5月第4週に近い金額の売りがあった。従って、第1週の買いはその反対売買である可能性が高い。

ところが5月第4週の売りはドイツの海外自己による実質裁定形成であると推測していた。しかし、第4週は海外ではなく東京自己による実質裁定形成であり、第4週の推測が誤りであることになる。そうなると第4週でドイツ以外の外資系に東京自己の買いを探さなければならない。しかしそれは難しい。

そのため第1週もドイツの800億円の買いも東京自己の買いではないかもしれない。従って、「1つのシナリオ」という言葉を使った。

第1週だけを考えるならばドイツで東京自己が800億円買った可能性は高いように見える。しかし5月第4週とのセット売買をうまく説明できない。自己というのは様々な種類の売買の集積であり、簡単に正しく説明可能な週はごくまれにしかない。

日銀ETF以外の900億円の売りも難しい。外資系自己の先物は買いである。従って900億円の売りは日系自己の売りである可能性が高い。ディーラーのポジション調整の売買の差として許される範囲を超えている。日系の機関投資家の代理の売りである可能性が高いが、それ以上のことはよくわからない。


(6月第1週合計)
合計すると、「事法、投信の買い越しvs個人、海外の売り越し」であった。

買い方のトップは事法の自社株買い。投信もうブルベア投信を中心に買った。それ以外に日銀 ETFが買い 、信託、銀行も先物の買い戻しを中心に買っている。

売り方のトップは上がれば売る個人。そして海外も少しばかり売り越しであった。

株価が上昇した最大の理由は事法などの国内投資家が買ったからというより、パウエル発言とNY株の上昇のため、水曜の寄りに売り方も買い方も強気になって指値を引き上げたからであった。従来なら海外が買い上がりを続け、NY株に遅れて日本株ももっと上昇していた。第1週は海外の買いがなかったため、上昇は水曜の寄りに集中することになった。それ以外は事法と日銀ETFが買い支え、ブルベア型投信や銀行、信託が先物を少し買い上がった。

結果として、日経平均株価は284円上昇した位置で週末の需給は均衡し、6月第1週を終えることになった。


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テーマ : 経済
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