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2019年5月第2週 株式需給コメント

5月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190517


5月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190517


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年5月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,250円 前週末比-95円

5月第2週の外部環境は、ドル円レートはほぼ横ばい、NY株は小幅上昇であった。休み中にトランプ大統領が対中関税引き上げの第4弾を13日に公表することを表明。13日月曜の日経平均株価は下げて始まった。水曜にはファーウエイに対する全面的な禁輸措置も発表し、米中貿易戦争は激化した。月曜の日本の景気動向指数は予想通り悪く、景気後退突入の可能性を示唆するものであった。ただ第1週に大きく下げた上、株安を嫌うトランプ大統領が楽観的な見通しを示したことなどもあったため、一方的な下げにはならなかった。週間では日経平均株価は2週連続で下落して週を終えることになった。TOPIXは小幅の上昇であった。


買い方
(1)事法
現物先物合計   + 2,297 億円
現物       + 2,307 億円
先物合計       - 10 億円
日経平均ラージ先物  - 18 億円
日経平均ミニ先物   + 11 億円
TOPIXラージ先物   - 1 億円

事法の買いは現物の自社株買いが中心。決算が終了し、新規の自社株買いの公表が多い。しかし自社株買い終了の公表は6月始めから増える。公表済みのものとしては NTT、5月14日、716億円買いが一番大口。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(3)投信

現物先物合計     + 873 億円
現物         + 441 億円
先物合計       + 433 億円
日経平均ラージ先物  + 430 億円
日経平均ミニ先物    - 2 億円
TOPIXラージ先物    - 2 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +244億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +500億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +100億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 +100億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+750億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計       - 110 億円
現物         + 200 億円
先物合計        - 310 億円
日経平均ラージ先物   - 310 億円
日経平均ミニ先物     + 0 億円
TOPIXラージ先物    + 0 億円

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように110億円の売りであった。金額としては小さい。第2週の投信売買は設定とブルベア型7本の買いでその多くの部分が説明できる。


売り方
(1)海外

現物先物合計       - 3,940 億円
現物           - 1,174 億円
先物合計         - 2,766 億円
日経平均ラージ先物    - 2,207 億円
日経平均ミニ先物     + 275 億円
TOPIXラージ先物     - 820 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

5月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190517

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190517

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は2253億円。金額としては大きい。外資系の自己が買っている可能性が高い。先物買いはドイツに1700億円、ソシエテに600億円、合計で2300億円の買いがある。この多くが海外ではなく自己の買いである可能性が高い。この点は自己のところで詳しく説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

手口の重要な部分はツイッター上に公表済みである。それを下に再掲載する。

売り方は上に書いた通り、メリル、ABNアムロクリア、モルガンMUFGが上位。これはヘッジファンドの売りが中心であろう。

メリルは今年に入って基本は買いを増やし続けてきたが、第1週は600億円だけの売りであった。それが第2週は5550憶円と本格的な売りに転じた。

買い方のトップはバークレーズ。以前は長期性資金を運用する海外大口顧客が順張り傾向で売買をしていたが、少し前に全部売却して撤退していた。それが急に大量買いに転じた。1週間に4950億円も買い越すことは、バークレーズに限らずどこの証券会社でも稀にしか見られないほどの巨額の買いである。第2週の買いだけではどういう種類の投資家か見当がつかない。

買い方上位3番目はゴールドマン。最近は買いが続いているが、建玉の合計ではまだ売りが多い。ここも客層が広いのでどの種類の顧客の買いかは何とも言えない。

買い方上位2番目のドイツと4番目の UBS は繰り返すが海外顧客ではなく自己。この2社は後で説明する。

海外による現先合計の売りは3940億円。先物の売りが多く、これはヘッジファンドの売りの比率が高い。現物の売りは何とも言えない。ただ現先合計でもメリルのヘッジファンドを筆頭に投機的資金の売りの比率が高かったことは間違いない。

5月5日のトランプ大統領による対中関税引き上げ表明以降、海外は売りに転じたが、今年に入って基本はずっと買いであったメリルの売りは少なかった。第2週になってそのメリルが大量の売り越しに転じた点は意味が大きいと考える。


(*)自己という特殊な部門
第2週は買い方の(5)になった。

現物先物合計       + 439 億円
現物          - 1,367 億円
先物合計        + 1,805 億円
日経平均ラージ先物    + 988 億円
日経平均ミニ先物     + 137 億円
TOPIXラージ先物     + 673 億円


裁定売買
東証発表の裁定売買
 -724億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「-」は現物売り・先物買いを示す)
みずほ     - 450 億円
UBS      - 400 億円
三菱UFJ    - 300 億円
ソシエテ    + 50 億円
野村      + 350 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -1800億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1100億円。

海外のところで示したように外資系の東京自己は2253億円の先物を買い越している。ドイツ1700億円、UBS600億円の先物買いである。

第1週のドイツは1700億円の売りであり、第2週はその反対売買としか考えられない。第1週はドイツの海外自己か海外顧客の現物買い・先物売りと推測していた。ところがこれは海外ではなく東京自己の売買であったようだ。この反対売買を第2週に行っている。ドイツは本国で株価が下がり自己の裁定売買はやめたのかと思ったが、やめていなかった。ただ売買を東証に報告せず、残高の一部だけを報告している。

UBS は以前から裁定売買は東京自己と海外自己の両方にあり、海外自己の方が割合が高そうだったので裁定売買は海外自己の売買と想定していた。ところが第1週、第2週の売買は常識的に考えると東京自己である。

第2週のドイツとUBSの売買は多分間違いないと思う。問題は第1週の方である。第1週はソシエテの海外自己が2200億円の現物買い・先物売りでソシエテの東京自己がその反対売買との仮説を示した。この2200億円を上方修正するか、別の外資系証券の変則的な売買を示す必要がある。このあたりはよくわからない。最初からわからない点が多く、仮説という言葉を使っていた。第1週はSQの週でもあり、難しすぎた。

第2週の裁定解消売買は1800億円に近かった。ドイツの現物売り・先物買いを全部加えると1800億円を上回る。ただ全部は裁定残として東証に報告していない。また日系大手の自己には日銀 ETF準備用の現物買い・先物売りがあるはずである。

東証の裁定残の統計はいい加減である。しかし、現物買い・先物売りをしている証券会社なら、自社のポジションの正確な裁定残すらわからない。自己の売買自体が複雑なので、裁定残の定義が難しいのである。

自己に含まれる日銀ETF
 +1474億円

日銀ETF以外の自己
 -1000億円前後

金額としては少し大きく、ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲を超える。第2週については日銀ETF用の先物買いを差し引くと先物買いよりも現物売りが多く、どうも現物がアウトライトで多く売られているようである。

一番考えられるシナリオは、NTTの持ち合い解消売りが716億円出たのでこれを日系大手の自己がOTCで買い、取引所でNTTに対して売却したというものである。昔は持ち合い解消売りを自己がOTCで買い、取引所で売ったことは多かったと思う。最近は減っているはずである。久々に大口のOTCと取引所での持ち合い解消が出たと推測する。ただ取引所ではNTTの自社株買いとのクロスなので、相場には中立である。


(5月第2週合計)
合計すると、「事法、投信、自己の日銀ETFの買い越しvs海外の売り越し」であった。

売り方の中心は海外。5月5日のトランプ大統領による対中関税引き上げ表明以降はヘッジファンドなどの投機筋が中心となって日本株に売りが出ている。第2週は今年に入って買い越し傾向の強かったメリル・リンチを通したヘッジファンドが大幅な売りになった点が重要である。ただバークレーズを通じて大量に買った別の海外大口顧客がいたので、海外の売りはそれほど大きな金額にはならなかった。

買い方は、事法の自社株買い、公募投信の設定に伴う現物買い、ブルベア型投信の先物買いが中心であった。自己では日銀ETFも買い、株価の下支え効果は大きかったと思う。

結果として、日経平均株価は95円下落した位置で週末の需給は均衡し、5月第2週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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