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2019年5月第1週 株式需給コメント

5月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190510


5月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190510


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年5月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,345円 前週末比-914円

5月第1週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株も下落であった。改元を記念した10連休ということで、休み中の波乱が懸念されていた。その懸念が杞憂に終わるかと思われた5月5日に、トランプ大統領がツイッター上で10%の対中関税を25%に引き上げることを表明。6日月曜から上海を始めとしてアジア株が下落を開始した。NY株も同じく下落した。休み明け7日火曜の日本株も下げて始まった。10日の日本時間午後1時に予告通り関税の引き上げが実行に移された。日経平均株価は4営業日連続して下落し、5週ぶりに週次でも下落して週を終えることになった。


買い方
(1)個人

現物先物合計     + 4,040 億円
現物現金       + 1,821 億円
信用         + 1,869 億円
先物合計       + 2,069 億円
日経平均ラージ先物   + 839 億円
日経平均ミニ先物   + 1,202 億円
TOPIXラージ先物     + 30 億円

個人は伝統の逆張りの買い。今年に入ってからの株価上昇局面では売り越し傾向が続いていた。久々に大きく下げたので、買い越し金額も増加した。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(3)投信

現物先物合計    + 1,067 億円
現物          + 40 億円
先物合計      + 1,027 億円
日経平均ラージ先物 + 1,588 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 548 億円


野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +413億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +1300億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +100億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 +20億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+1450億円前後。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計     - 790 億円
現物         - 370 億円
先物合計       - 420 億円
日経平均ラージ先物  + 140 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 550 億円

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように790億円の売りであった。第1週もやはり私募投信が中心の売りだと思われる。銀行や信託も売り越しである。国内機関投資家にとってはファンダメンタルズと比較すると、まだ下げが足りないのであろう。


売り方
(1)海外

現物先物合計    - 8,510 億円
現物         - 191 億円
先物合計      - 8,319 億円
日経平均ラージ先物 - 3,928 億円
日経平均ミニ先物  - 1,893 億円
TOPIXラージ先物  - 2,451 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


5月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190510

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190510

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は2172億円。SQ週ということもあり大きい。この多くは外資系自己の買いである可能性が高い。その内容は普通はわからない。今回もわからないが、可能性が高いとは言えないが仮設ならば立てられる。その内容は後ほど自己のところに記す。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

先物売り方のトップはMUFGモルガン。上記のページにある過去の売買推移から考えると、ヘッジファンドの売りである可能性が高い。

先物売り方の上位2番目はクレディ・スイス。ここも昨年秋にCTAを含むヘッジファンドが大きく動いた会社である。4月末のポジションは日経平均型先物はショート、TOPIXラージ先物はロングと少し異なる。TOPIXラージ先物はヘッジファンドの利食い売りである可能性が高い。日経平均型先物はそこまでは言えないが、回転が速いためやはりヘッジファンドの売りである可能性がそれなりに高い。

先物売り方の上位3番目はドイツ。ここは以前なら東京自己がSQ時に現物買い・先物売りを実施し、過去数年、SQ清算値をブチ上げてきた会社である。ところが4月以降、東証公表の裁定売買がなくなった。自己は大量の売り越しなのでトイツの東京自己は買っていない。ただSQ清算値は高かった。海外自己か海外大口顧客が現物買い・先物売りをした可能性はそれなりに高いと思われる。

5月4日以前は米中貿易摩擦は合意に近づいているとの見方が強かった。それを前提にしてNY株は上昇してきた。それを大きく否定したのが5月5日のトランプ大統領による対中関税25%引き上げ表明である。これは今年に入って先物中心に日本株を買ってきたヘッジファンドにとっては大変大きな見込み違いである。

モルガンMUFGで両先物を、クレディ・スイスでTOPIXラージ先物を買っていた投機家は一斉に売りを出してきた。先物を中心に売った海外がすべてが投機筋というわけではない。それでも投機筋の比率は高かったと思われる。

なお今年に入って日本株の先物を最も大量に買ってきたのはメリル・リンチである。メリルの顧客も大手ヘッジファンドである可能性が高い。しかしメリルの先物は600億円の売りでしかない。TOPIXラージ先物を中心にまだ大量の先物ロングを保有したままである。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現物先物合計     + 1,170 億円
現物          - 4,595 億円
先物合計       + 5,765 億円
日経平均ラージ先物  + 2,048 億円
日経平均ミニ先物    + 585 億円
TOPIXラージ先物   + 3,065 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -1290億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「-」は現物売り・先物買いを示す)
野村   + 450 億円
三菱UFJ  - 50 億円
UBS    - 750 億円
みずほ  - 1,100 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 +1400億円前後(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は2700億円。

海外のところで示したように外資系の東京自己は2200億円の先物を買い越している。銘柄はTOPIXラージ先物である。どこかの外資系の東京自己が大量の現物売り・TOPIX先物買いを実施している。この売買はSQのあった金曜ではなく火曜に行われている。

火曜にTOPIXラージ先物の売買が通常よりも多かった証券会社がソシエテである。従って、ソシエテ東京自己の現物売り・TOPIXラージ先物買い、ソシエテ海外自己の現物買い・TOPIXラージ先物売りが2200億円ほどあった可能性がある。そして海外自己はいつものように裁定残として東証にその金額を報告した。

ソシエテはこうした大口の訳のわからない売買が多い証券会社である。しかしあまり儲かってはいないようで、自己売買は撤退検討と報道されている。しかしパリバとは異なりまだ撤退はしていない。

この説の最大の難点はソシエテの東京自己が現物買い・TOPIXラージ先物売り2200億円のポジションをいつ作ったかという点である。短期で作ったのならば、見破ることができる。しかし短期では作っていない。作ったとしたら長期間に少しずつである。ただその証拠は全く存在しない。加えて、そのポジションを第1週に東京自己から海外自己に移し、わざわざ裁定残と東証に報告する理由もわからない。そのためこの説明はあくまでも1つの仮説であり、可能性が高いと言うことはできない。

ただ大量の裁定解消売買にもかかわらず、東証の裁定残は大きく増加している。東証の数字が完全なデタラメか、上記のソシエテのような通常はあまりない特殊な大口売買があったかのどちらかである。

なお、自己は現物売り4595億円・先物買い5765億円である。ソシエテ東京自己以外、すなわち野村を中心とした日系自己にも現物売り・先物買いがある。こうした広義分も含めると、海外を除く自己だけの裁定解消売買は4595億円近くあったことになる。


自己に含まれる日銀ETF
 +1462億円

日銀ETF以外の自己
 -300億円前後

金額としては小さく、ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内である。


(5月第1週合計)
合計すると、「個人、自己、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。

売り方の中心は海外。トランプ大統領による対中関税引き上げ宣言のため、NY株のみならず世界中の株価が下落した。ヘッジファンドなどの投機筋が中心となって日本株にも売りを出してきた。

なお、私募投信、銀行、信託といった国内機関投資家は、まだ高いと考えているためか小幅の売りであった。

買い方は個人、自己の日銀ETF、投信が中心。特に個人と日銀ETFは大きく下がると逆張りで買う。

結果として、日経平均株価は914円下落した位置で週末の需給は均衡し、5月第1週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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