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2019年4月第3週 株式需給コメント

4月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190419

4月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190419



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年4月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22201円 前週末比+330円

4月第3週の外部環境は、ドル円レートはほぼ横ばい、NY株は上昇であった。材料としては、中国の第2週末の金融統計、水曜の鉱工業生産は改善であった。第2週末のJPモルガンの決算と木曜のアメリカの小売売上高も良かった。こうした材料は、日米ともに株の買い材料とみなされた。木曜の下げは連騰の調整であろう。ただしファンダメンタルズ面での良い材料は日本ではなく海外での材料が中心であった。それでも日経平均株価は週次では年初来高値を更新して終えた。


買い方
(1)海外
現先合計    7959億円の買い越し
現物      5534億円の買い越し
先物      2425億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190419

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190419

いつものように海外と外資系を比較した。

第3週は外資系自己の裁定売買が東証から公表されていないので修正はない。

海外と外資系の差は1376億円。平均的な週よりも大きい。この多くは外資系自己の買いである可能性が高い。

自己のところで説明するが、第3週は日銀ETF以外の自己が1300億円の売りである。こうした自己のアウトライトの売りは他の主体による代理売りであるケースがよくある。しかし第3週の外資系自己の先物は、売りではなく買いである。従って、海外の代理の売りが外資系自己にある可能性は低い。

第3週の財務省統計での海外による現物買い金額は東証統計を9000億円ほど上回っている。3月に行われた配当金節税目的のOTCデリバを利用した現物売りの反対売買が続いている。

上場分でも3月に行われた海外による現物売り・先物買いの反対売買、すなわち現物買い・先物売りが行われ、それに対して外資系自己が現物売り・先物買いで向かっていると思われる。外資系自己の先物は買いになる。先に書いた1376億円の外資系自己の先物買いは、その多くは海外による節税目的の先物売りを受けた買いであると考えられる。

過去の経緯からすると、そうした複雑な売買にかかわっていることが多い外資系証券は、ソシエテ、ゴールドマン、UBS、ドイツなどである。ただ多数の会社が少しずつ実施している可能性もある。第3週もこの複雑な売買を実施した外資系証券はわからない。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

先物の買い方のトップはゴールドマン。

先に複雑な売買が多い証券会社の中にゴールドマンも書いた。ゴールドマンは自己で複雑な売買をよくする上に、客層もヘッジファンドから年金まで幅広い。ゴールドマンの先物は3週連続の買いである。しかし上記の様々な種類の売買の中でどの部分の買いが第3週に1番多かったかの判別は難しい。

買い方上位の2、3番目はメリルとクレディ・スイス。この2社はゴールドマンとは異なり複雑な売買は比較的少ない。多くの部分は投機筋、特にCTAも含むヘッジファンドの買いと思われる。

ただメリルは今年に入ってから買いがずっと続いている。クレディ・スイスは売ったり買ったりしており、回転が速い。

第3週の海外は現先合計で7959億円の買い越しである。節税目的の反対売買である現物買い・先物売りが多ければ1400億円近くある。そのため、表面数字ほどの現物主導の買いではない。

それでも海外全体が大幅な買い越しであることに違いはない。先物は投機筋の買いが多そうである。現物はわからないが、投機筋以外も多いであろう。

投機であろうと中長期の投資であろうと、米中の好材料に反応して上昇したNY株に対してあまりにも出遅れているため、日本株にも買いを入れてきた可能性が高い。現在のファンダメンタルズが今一つ良くなくても、世界経済が回復すれば日本経済も遅れて回復するという読みがあるのかもしれない。


売り方
(1)投信
現先合計  3524億円の売り越し
現物     807億円の売り越し
先物    2717億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1041億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1450億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1800億円前後の売り越し。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          230億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   100億円前後の売り越し
それ以外の先物     800億円前後の売り越し
合計          670億円前後の売り越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように670億円の売りであった。

確かなことはわからない。投信の場合、ブルベア型投信が今年に入って大半の週で先物を売り続けている。しかし、それ以外の投信の先物は買い越し傾向であった。私募投信の買いが中心であろう。私募投信は2週連続でTOPIXラージ先物を中心に利食いの売りを出したものと思われる。

売り方
(2)個人
現先合計  2777億円の売り越し
現物現金  2608億円の売り越し
信用     509億円の売り越し
先物     340億円の買い越し

個人は伝統の逆張りの売り。日経平均が年初来高値に達したので、売り越し金額は増えた。高年齢富裕者層からスイングトレーダーまで基本は売りであった。

ただ先物は今年の戻り局面では売り越し傾向が続いていた。現在はショートがたまっている。そのため2週連続で買い戻しをさせられた。


(*)自己という特殊な部門
第3週は売り方の(3)になった。

現先合計   1217億円の売り越し
現物     1305億円の売り越し
先物      88億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 456億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社
裁定形成売買上位の証券会社(売り裁定の解消が多い)
 ソシエテ(海外自己)300億円、UBS(海外自己)250億円
 野村150億円
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ300億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 20億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は450億円。第3週については456億円の裁定形成に近いと考える。

海外のところで書いた通り、外資系自己には現物売り・先物買いが1400億円近くある。それを差し引くと自己は現物100億円買い・先物1300億円売りになる。

東証公表の裁定形成売買456億円は外資系の海外自己が中心である。日経大手は100億円の裁定解消売買である。従って多少の差はあるものの、自己の裁定売買は現物売り・先物買いが100億円という裁定解消売買である可能性が高い。それ以外の日系大手の自己は現物200億円買い、先物1400億円売り、合計1200億円の売りになる。


自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1300億円前後の売り

少し大きい。ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内と言える金額を上回る。

上回る部分の金額については、海外か国内投資家の代理の売りである。ただ1300億円は、すぐ上に書いたそれ以外の日系大手の自己による1200億円という先物中心の売り金額に近い。

日系大手の自己は先物を1300億円前後売って、同金額の現物かデリバ等をOTCで買っている。つまり現物かデリバ等をOTCで売った顧客が存在する。この顧客は国内の機関投資家、すなわち信託、私募投信、銀行、保険である可能性が高い。

過去にはOTCで日系大手の自己が買って海外顧客が売ったと思われるケースがあった。ただ第3週の国内投資家の売りが多いことを考えると、OTCでも売ったのは国内投資家である可能性の方が高いと考える。


(4月第3週合計)
合計すると、「海外の買い越しvs投信、個人、自己の売り越し」であった。

買い方は海外が大量買い。現物、先物ともに買い越した。NY株に対する出遅れ感から日本株にも買いを入れてきた可能性が高い。

売り方は投信と個人を中心とする国内勢。加えて自己にも代理の売りがある可能性が高い。

国内勢で買っているのは自己の日銀ETF、事法と信託の自社株買い、先物の買い戻しくらいである。大半の国内投資家は日本のファンダメンタルズに自信が持てず、戻りを売り続けている。

結果として、日経平均株価は330円上昇した位置で週末の需給は均衡し、4月第3週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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