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2019年3月第3週 株式需給コメント

3月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190322


3月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190322


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ




(2019年3月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21627円 前週末比+176円

3月第3週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は上昇であった。第3週も引き続きファンダメンタルズと米中貿易戦争関連で善悪両方の材料が出た。それらがどちらかというと良い方向に解釈されるケースが多かった。水曜日の米FOMCは予想以上にハト派的な内容であり、ニューヨーク株高・円高が進行した。金曜日はFOMCの結果がやや好材料と解釈され、日本株は上昇を維持した。第3週の日経平均株価は小幅の上昇ではあるが、週次での年初来高値を更新して週を終えることになった。


買い方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2)個人
現先合計   335億円の買い越し
現物現金   109億円の買い越し
信用     169億円の売り越し
先物     395億円の買い越し

個人は伝統に反する順張りの買い。先物は日経平均型を中心にショートがたまっていたので、買い戻しを強いられた分が多かったと思われる。

現物現金は通常ならこの位置で順張りの買いにはならない。ただ最近は年度の最終週には順張りの買いになることがある。今年は最終週のその前の週もまた、配当取りのために順張りの買いになったと考える。

売り方
(1)投信
現先合計  638億円の売り越し
現物     96億円の売り越し
先物    542億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 143億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 650億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で650億円前後の売り越し。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          50億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   70億円前後の売り越し
それ以外の先物     150億円前後の買い越し
合計          130億円前後の買い越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように130億円の買いであった。

第2週に私募投信の売りが大量に出たが、その売りはとりあえず一巡した模様。第3週は解約と大口ブルベア型投信以外の売買は少なかった。

売り方
(2)海外
現先合計    624億円の売り越し
現物     3785億円の売り越し
先物     3161億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


3月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190322

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190322

いつものように海外と外資系を比較した。

(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの売買の修正である。(2)は中心限月である日経平均ミニ先物6月限の建玉変化が見えないので、この時期にはいつも入れている想定である。

修正後の海外と外資系の差は1181億円。外資系の東京自己の売りが多くを占めると思われる。この差についてはすぐ後で説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

海外は現物売り・先物買いであり、自己は現物買い・先物売りである。この両主体の売買金額が突出している。第1週、第2週に引き続いて海外には配当金節税対策のための現物から先物への乗り換え売買が入っている。財務省の統計では海外による現物売りは東証統計より7000億円ほど多かった。OTCではデリバを利用した節税対策の売りはもっと巨額であった。

問題は節税対策の金額である。第2週はイメージという言葉で、確度が高いとは言えない一つのシナリオを示した。第3週も同様に、厳密ではない1つのシナリオ=イメージを示してみる。

海外の現物から先物への乗り換えの金額は1200億円と想定する。これは上記の外資系自己の先物売り金額と同じである。

これに加えてソシエテとUBSの海外自己が合計で裁定の現物売り・先物買いを300億円実施している。

この2つを差し引くと、海外は現物2300億円売り、先物1700億円買いとなる。

外資系の先物の買い方のトップは クレディ・スイス。最近は回転が速いが、CTAを中心とするヘッジファンドの買いである可能性が高い。

外資系の買い方の2番目はバークレーズ。少し前までのバークレーズの TOPIXラージ先物の買いは長期性の資金と決めつけても良かった。最近はかならずしもそうとは限らないが、それでも長期性の資金である可能性が高い。インデックス連動目的の順張りの買い資金である。

海外の先物は、こうした投機、投資両方の資金が買いを入れている。

一方、現物は2300億円の売りである。海外には今年に入ってから頻繁に出ている現物売りである。

これ以外に海外はOTCで900億円前後の現物買いがあると考えている。これは後ほど自己のところで説明する。

海外は現先合計で624億円の売り越し、OTCでの現物買いをも含めると実質300億円の買い越しになる。金額は小さく、株価を引き上げる力は大きくはなかった。これが第3週の日経平均株価が176円高と小幅高であった1つの理由である。


(*)自己という特殊な部門
第3週は買い方の(1)になった。

現先合計   940億円の買い越し
現物     4627億円の買い越し
先物     3687億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 595億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 みずほ500億円、ドイツ300億円(東京自己)
 UBS250億円(海外自己)、野村100億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ500億円(海外自己)

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 750億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は150億円。しかし、広義の裁定も加えると750億円よりも多い。

海外のところで書いた通り、海外による現物売り・先物買いに対して外資系自己が向かい、現物買い・先物売りを1200億円実施している。

これを除くと自己の現物は3400億円買い、先物は2500億円売り。現物の900億円買いを除くが、理由はすぐ後で書く。

自己の現物買い・先物売りは2500億円。加えてソシエテとUBSの海外自己を合計した裁定解消売買が300億円ある。自己と海外を合計した広義の裁定形成売買は2200億円あった。クレディ・スイス、バークレーズ等の先物買いにより引き起こされた広義をも含む裁定形成売買であると考える。

海外のところで書いた通り、海外による現物とのセット売買以外の現物売りは2300億円。広義の裁定解消売買の金額に近い。海外による先物買いに引き起こされた裁定の現物買いは株価上昇に一定程度は寄与したが、大きくは寄与できなかった。

以上はあくまでもイメージであり、具体的な数字は厳密なものではない。


自己に含まれる日銀ETF
 48億円の買い

日銀ETF以外の自己
 900億円前後の買い

少し大きい。ディーラーのポジション調整の売買の差の範囲内と言える金額を上回る。

日銀ETF以外の自己は先物の売りよりも現物の買いの方が金額が900億円大きい。取引所での900憶円現物買いの背後で、自己はOTCで現物を900億円売っている。そして、他部門が現物をOTCで900億円買っている可能性が高い。

この他部門とは常識的には海外としか考えられない。国内機関投資家が、この位置、この株価上昇週に現物を900億円買うとはとても考えられないからである。従って、OTCでの現物900億円買いは、全部とは言わないまでも大半が海外による買いであると考える。

海外の買いがOTCで900億円あったと考えると、先に書いた通り海外は合計して実質300億円前後の買い越しということになる。

ただし、自己は非常に複雑である。自己はSGXで先物を900億円売っているだけかもしれない。海外が実質300億円前後の買い越しというのは、先に書いたイメージよりは確度が高いと考えるが、確実とは言えない。


(3月第3週合計)
合計すると、「自己、個人の買い越しvs投信、海外の売り越し」であった。

個人が先物の買い戻しを中心に買い上がった。

ブルベア型投信を中心とする投信が売った。

表面上は自己が買い、海外が売りである。しかし第3週の自己の買いは海外の代理の買いである可能性が高い。そう考えると海外は少しばかりであるが買い越しになり、株価下落ではなく上昇に寄与した。

結果として、日経平均株価は176円上昇した位置で週末の需給は均衡し、3月第3週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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