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2019年3月第2週 株式需給コメント

3月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190315


3月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190315



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ




(2019年3月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21451円 前週末比+425円

3月第2週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。最近の相場はファンダメンタルズ、米中貿易戦争、ブレグジットの動向が株価を動かす主な要因である。第1週は主にファンダメンタルズの悪化が注目されて売られた。第2週は反対にアメリカのファンダメンタルズの良い点が注目された。同時に米中貿易戦争とブレグジットの動向についても、良い方向に解釈されるケースが多かった。そのため円安・NY株高が進行すると同時に、日経平均株価も上昇して週を終えることになった。第2週は第1週の下落の約7割を戻す上昇相場になった。


買い方
(1)事法
現先合計   1537億円の買い越し
現物     1607億円の買い越し
先物      70億円の売り越し

現物は自社株買いが中心。大口のものとしては、信越化学が水曜の895億円買いを公表。ソニーと任天堂も月初からの累計で数100億円規模の自社株買いを公表。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(3)海外
現先合計    276億円の買い越し
現物     5052億円の売り越し
先物     5338億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


3月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190315

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190315

いつものように海外と外資系を比較した。

(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの売買の修正である。(2)は中心限月である日経平均ミニ先物6月限の建玉変化が見えないので、この時期にはいつも入れている想定である。

修正後の海外と外資系の差は3033億円。差は大きい。外資系の東京自己の売りが多くを占めると思われる。この差についてはすぐ後で説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

第2週の先物手口はソシエテの3000億円買いが目立つ。一方、ソシエテは裁定売買で先物を2700億円買っている。ソシエテが東証に報告し、東証が公表しているので信用するしかない。これはどう考えてもソシエテの新規の売り裁定の形成買いである。先物を買い越しているのは自己ではなく海外なので、海外自己の買いであろう。

ソシエテは JNETで大量に先物を買っており、その多くがこの売り裁定の形成買いと思われる。ただこの先はよくわからない。このような突出した売買は、SQ週以外ではほとんど記憶にない。

ソシエテ以外の海外は先物を2600億円強買っている。第1週に引き続いて配当金節税対策のための現物から先物への乗り換えであろう。財務省の統計では海外による現物売りは東証統計より1.2兆円ほど多かった。OTCではデリバを利用した節税対策の売りはもっと巨額であった。これは季節性である。

節税対策売買を受けた証券会社は、先物手口からはわからない。外資系で海外売りと東京自己買いが同金額出ているので、外からは見えないのである。

外資系の売り方トップはゴールドマン、次が HSBC。この2社はTOPIXラージ先物ではソシエテとのクロスがあった。両社の売りは東京自己の売りを含んでいる可能性が高い。つまり、何割かは現物買いを伴った自己の売りである。

第2週の海外はソシエテの売り裁定(=現物売り・先物買い)が2700億円、それ以外に節税対策の現物売り・先物買いが3000億円、そして純粋な現物買いが600億円、先物売りが400億円、現先合計で300億円の買い越しというのが1つのイメージである。100億円合わないが、推計というよりイメージにすぎないので許していただきたい。

こうした特殊な売買が多かったため、海外の現先合計の買い越し金額は276億円にすぎなかった 。株価上昇にある程度は寄与しても、大きくは寄与していない。


売り方
(1)個人
現先合計   1575億円の売り越し
現物現金   1158億円の売り越し
信用     123億円の売り越し
先物     294億円の売り越し

個人は伝統の逆張りの売り。第1週は株価が下落し総買いという状況であった。株価が上昇すると逆転し、2月第4週以前と同様に総売りと言える状況に戻った。

売り方
(5)投信
現先合計  520億円の売り越し
現物    1380億円の売り越し
先物    860億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 30億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 500億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で950億円前後の買い越し。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          1410億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物     50億円前後の売り越し
それ以外の先物       50億円前後の売り越し
合計          1510億円前後の売り越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように1510億円の売りであった。

金額としては大きい。しかも現物が中心の売りである。

年初から日経平均株価が2万円台の頃は、私募投信が中心と思われる現物買いがかなり大量に入っていた。その分の利食い売りが中心と推測する。

このように投信全体は売り越しである。現物は戻り売りが中心、先物は今まで売りを続けていたのに株価が上昇したので、焦ってあわてて買い上がったような買いが多かったように見えた。売り越しではあるが、ブルベア型投信の先物買いは自己の裁定による現物買いを引き起こし、株価上昇に寄与したと考えている。

売り方
(5)信託
現先合計   60億円の売り越し
現物     797億円の売り越し
先物     737億円の買い越し

現物は株価が上昇してきたので戻り売り。一方、先物はこのところ売り越し傾向が続いていた。株価が上昇してきたので、現物とは反対に損切りも含めた買い戻し。

投信と同様に信託も全体では売り越しである。しかし現物は戻り売り、先物は買い上がりも多く含んだ買い戻しである。先物買いに関しては、株価上昇に寄与したと思われる。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現先合計   893億円の買い越し
現物     7457億円の買い越し
先物     6564億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1579億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ2700億円(売り裁定の形成)
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ500億円、UBS250億円、野村200億円、三菱UFJ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 850億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は700億円。実際は850億円の裁定解消に近いと考える。自己全体が現物買い・先物売りであるからだ。ソシエテ海外自己の売り裁定形成を差し引くと、東京自己は現物買い・先物売りになって当然である。

すぐ後で書くように、日銀ETF買いは700億円強である。手口は大和が中心で水曜日に買っている。ただ大和の先物は売り越しであり、すぐに現物買い・先物売りを700億円強実施している。

広義裁定も含めた自己の現物買い・先物売りは7400億円ほどである。

イメージとしては外資系自己の現物買い・先物売りは海外のところで示したように3000億円ある。それ以外にドイツ自己の裁定形成売買が500億円、合計3500億円。大和の現物買い・先物売りが700億円。それ以外の日系大手の現物買い・先物売りは3200億円となる。このうち半分の1600億円がソシエテ海外自己に対する反対売買と仮定すると、1600億円が純粋な現物買い・先物売りになる。広義も含む裁定形成売買である。UBS海外自己とドイツ東京自己の裁定形成売買はソシエテ海外自己による売り裁定の反対売買と仮定する。

仮定が多いが、正確なことはわからないので、あくまでもイメージである。細かく考えると問題点も誤差も含む。ただこの大雑把なイメージの元では、1600億円の裁定形成売買を引き起こした大元は、投信と信託の先物買いにある。そのため投信と信託は全体では売り越しでも、先物買いを通じて裁定の現物買いを引き起こし、株価上昇に寄与したと思われる。


自己に含まれる日銀ETF
 762億円の買い

日銀ETF以外の自己
 100億円前後の買い

金額は小さい。ディーラーのポジション調整の売買の差の範囲内と言える金額である。


(3月第2週合計)
合計すると、「事法、自己、海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。

売り方は、戻れば上値の指値で売る個人と投信が中心であった。

買い方は事法と日銀ETFが中心の自己である。ただ両者ともそれほど高値を買い上がる主体ではない。両者は下支えと多少の上昇には寄与したと思う。普段は株価上昇の主役である海外の買いは少額であり、株価上昇に大きくは寄与していない。

第2週の株価上昇の最大の主役は投信と信託の先物買いであると考えている。これが自己による広義も含む裁定の現物買いを引き起こし、上値を買い上がって株価を引き上げた。

結果として、日経平均株価は425円上昇した位置で週末の需給は均衡し、3月第2週を終えることになった。


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テーマ : 経済
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