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2019年3月第1週 株式需給コメント

3月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190308


3月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190308



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ




(2019年3月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21026円 前週末比-577円

3月第1週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は下落であった。月曜は米中貿易摩擦緩和期待を背景にして日経平均株価は上昇し、年初来の高値を更新した。火曜日以降は変化した。今まで比較的軽視されていたファンダメンタルズ面の悪材料がより重視されるようになった。木曜はみずほフィナンシャルグループ、ルネサステクノロジーなどで悪材料発生のため株価は下げた。金曜は中国の貿易黒字減少が特に悪材料視された。日経平均株価は4週ぶりに下げて週を終えることになった。


買い方
(1)個人
現先合計  2733億円の買い越し
現物現金   770億円の買い越し
信用    1009億円の買い越し
先物     953億円の買い越し

個人は伝統の逆張りの買い。2月第2週-第4週の株価が上昇した3週間は総売りとも言える状況であった。株価が下がると逆転し、総買いとも言える状況になった。

買い方
(2)事法
現先合計   1574億円の買い越し
現物     1481億円の買い越し 
先物      93億円の買い越し

現物は自社株買いが中心。特に大口の買いはまだ公表されていない。2月分の自社株買いの公表がほぼ一巡。3月分も多くが4月の初頭にまとめて公表されることになる。


売り方
(1)海外
現先合計   3094億円の売り越し
現物     5689億円の売り越し
先物     2595億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


3月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190308

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190308

いつものように海外と外資系を比較した。

(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの売買の修正である。

修正後の海外と外資系の差は2004億円。差は大きい。外資系の東京自己の売りが多くを占めると思われる。この差については少し後で説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

メジャー SQ のある週はいつも難しい。ただ3月第1週はある特徴がある週であった。

第1週の特徴は、自己と海外の売買の方向が正反対ということである。一番上に掲載している表をよく見れば、日経平均ミニ先物以外は符号が正反対である。ただTOPIXラージ先物は現物、日経平均ラージ先物と方向が反対である。

これは海外が主として現物売り・先物買いを実施し、それに対して自己が現物買い・先物売りで向かっている可能性が高いことを示す。

こうなった理由は以下の3種類が考えられる。

1番目は今年に入ってしばしば行われているように、海外による現物売り・先物買いというロングショートの解消売買が第1週にも行われ、外資系自己が反対売買で向かったというものである。

2番目は海外が配当金の節税対策で現物売り・先物買いを実施し、それに対して外資系自己が反対売買を行っているというものである。財務省の統計では海外の現物売りが1.2兆円近くあり、取引所の現物売りを6000億円近く上回っている。OTC ではデリバ買いとのセットで海外が現物を売っている。多くはOTCであるにしても、少しは上場の現物売り・先物買いも行われる。これは最近の季節性である。

3番目はメジャー SQ の週は海外と外資系自己の間で現物、先物、オプション、OTC デリバ等の間でポジションの入れ替えがあるので、それが行われた結果として海外と自己の上場現物、先物の売買が正反対になったというものである。

上記3種類の売買のいくつかが実際に行われた可能性は高いと考える。どこの証券会社がどういう売買を実施したかはある程度のことまでしかわからない。しかも複雑で確度も高くないので、第3週は具体的な証券会社名は出さない。ただ少し前に書いた通り、こうした売買の結果、外資系証券の自己の先物売りの合計が2000億円前後になったわけである。

第1週の海外で重要な点は、海外の売りは現物売りが中心であったということである。ネットの売り金額は3000億円強である。ただこの3000億円強の現物売りが、第3週の下げをもたらした最大の要因である。現物であるため、ヘッジファンドから年金まで様々な種類の資金が混じっていたはずである。どんな主体であるにせよ、ファンダメンタルズの悪化を嫌気した売りが中心であった。

売り方
(2)信託
現先合計  2731億円の売り越し
現物     424億円の売り越し
先物    2307億円の売り越し

信託は昨年は自社株買いを除いても買い越しであった。今年は自社株買いを除くと先物、特にTOPIXラージ先物を中心にかなりの売り越しが続いている。ファンダメンタルズ面での悪化を嫌気して、TOPIXラージ先物中心にヘッジ売りを出している可能性が高い。

売り方
(5)投信
現先合計   87億円の売り越し
現物     269億円の売り越し
先物     183億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 152億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 400億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で500億円前後の売り越し。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          120億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   200億円前後の売り越し
それ以外の先物     860億円前後の買い越し
合計          540億円前後の買い越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように540億円の買いであった。

公募投信の買いも一部あるにしても、回転の速い私募投信が多く買っていると考える。TOPIXラージ先物中心の買いである。少し前までは私募投信は信託と同様にTOPIXラージ先物を売り越してきた。最近は信託とは反対に買い戻しに動いている。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(3)になった。

現先合計  1417億円の買い越し
現物    3243億円の買い越し
先物    1827億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 95億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ850億円、三菱UFJ650億円
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ700億円、野村550億円、ソシエテ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 500億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)
 
2種類の数字の差は600億円。第1週の裁定売買は95億円の裁定形成に近いと考える。自己全体が現物買い・先物売りであるからだ。

自己による現物買いは3243億円である。自己の先物売りも日銀 ETF の買いを除くと4000億円近くになる。

海外のところで外資系自己の先物売りが2000億円あると書いた。

外資系自己だけでは現物買い・先物売りの全部は説明できない。日系大手の自己も東証公表分以外に1000億円以上、場合によっては2000億円近くの現物買い・先物売りを実施していそうである。これは日銀 ETF 準備用の売買や広義の裁定形成売買であると思われる。


自己に含まれる日銀ETF
 2166億円の買い

日銀ETF以外の自己
 750億円前後の売り

金額は少し大きい。メジャーSQの週は現物と先物の入れ替え以外にOTCデリバ等への入れ替えもある。それが反映されている可能性が高い。


(3月第1週合計)
合計すると、「個人、事法、自己の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。

売り方は海外が一番多かった。現物を中心とする売りであった。信託は先物を中心に売った。両主体ともファンダメンタルズの悪化を嫌気した売りが中心である。

買い方の個人、自己の日銀ETFは下がれば買ういつものメンバーである。最近の事法はほぼ毎週のように買い越しである。

結果として、日経平均株価は577円下落した位置で週末の需給は均衡し、3月第1週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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