円の実質実効為替レート 継続する超円高

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主要国の実質実効為替レートの推移(グラフ)

BIS(国際決済銀行)のHPには、1964年以降の主要27ヶ国の月次の実質実効為替レートが掲載されている。そのデータから、年次のレートを計算し、1964年=100として指数化する。数が多いので、ユーロ圏の国々をまとめてユーロ圏だけに代表させて、18ヶ国の実質実効為替レートをグラフ化すると、上記のようになる。

1964年の日本の経常収支は若干の赤字。スタート時点において、円は少し過大評価されていたことになる。

見て明らかなとおり、円の実質実効為替レートは、1964年-1995年の間、第2位のスイスフランを大きく引き離して、ずば抜けて高い上昇率を実現してきた。円は、昨年1年間に大きく値下がりしたが、超々円高が、超円高に変わった程度である。

円の実質実効為替レートが、米ドルの実質実効為替レートと比較して、大幅に上昇しているという事実は、1ドル=360円からピーク時には1ドル=75円にまで上昇したのであるから、実感できるはずである。

もう一つ注目すべきことは、中国、韓国、香港、台湾、シンガポールのアジア諸国である。いずれも、2013年の指数は、87以下である。これらの国の実質実効為替レートは、円の実質実効為替レートが71%上昇している間、13%以上値下がりしてきたのである。

なお、中国人民元のデータは、BISのHPには1994年以降のデータのみが掲載されている。そこで、1964年-1994年のデータは、人民元と米ドルの実質為替レートを計算し、実質実効為替レートに代用し、上記のグラフに掲載した。人民元は割安であるが、1994年以前のドルに対する円高が全く反映されていない。従って、1994年以前の実質実効為替レートが計算可能であるならば、上記のグラフのさらに下を進んでいた可能性が高い。

以上から、1964年-2013年という長期の実質実効為替レートの推移を見ると、円は、主要国の通貨の中で、値上がり率がずば抜けて高かったのである。特に、アメリカとアジア諸国の通貨に対しては、極端に大きく上昇してきたという事実は間違いないはずである。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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No title

為替レートというのは基本的に2つの通貨の交換価値に過ぎず、長期的には購買力平価に沿った動きになる。インフレ率が高ければ通貨の価値が下がり、インフレ率が低ければ上がる。そして、長期的にはそれが為替レートに反映される。

米国 日本 CPI格差 CPI減価分 ドル円① ドル円②
143.80 123.60
1990年 △ 5.42 △ 3.04 △ 2.38 ▲ 3.42 140.38 120.18
1991年 △ 4.22 △ 3.30 △ 0.92 ▲ 1.29 139.09 118.89
1992年 △ 3.04 △ 1.71 △ 1.33 ▲ 1.85 137.24 117.04
1993年 △ 2.97 △ 1.26 △ 1.71 ▲ 2.35 134.89 114.69
1994年 △ 2.60 △ 0.69 △ 1.91 ▲ 2.58 132.31 112.11
1995年 △ 2.81 ▲ 0.13 △ 2.94 ▲ 3.89 128.42 108.22
1996年 △ 2.94 △ 0.13 △ 2.81 ▲ 3.61 124.81 104.61
1997年 △ 2.34 △ 1.76 △ 0.58 ▲ 0.72 124.09 103.89
1998年 △ 1.55 △ 0.67 △ 0.88 ▲ 1.09 123.00 102.80
1999年 △ 2.19 ▲ 0.33 △ 2.52 ▲ 3.10 119.90 99.70
2000年 △ 3.37 ▲ 0.65 △ 4.02 ▲ 4.82 115.08 94.88
2001年 △ 2.82 ▲ 0.80 △ 3.62 ▲ 4.17 110.91 90.71
2002年 △ 1.60 ▲ 0.90 △ 2.50 ▲ 2.77 108.14 87.94
2003年 △ 2.30 ▲ 0.25 △ 2.55 ▲ 2.76 105.38 85.18
2004年 △ 2.67 ▲ 0.01 △ 2.68 ▲ 2.82 102.56 82.36
2005年 △ 3.37 ▲ 0.27 △ 3.64 ▲ 3.73 98.83 78.63
2006年 △ 3.22 △ 0.24 △ 2.98 ▲ 2.94 95.88 75.68
2007年 △ 2.87 △ 0.06 △ 2.81 ▲ 2.69 93.19 72.99
2008年 △ 3.82 △ 1.38 △ 2.44 ▲ 2.27 90.91 70.71
2009年 ▲ 0.32 ▲ 1.34 △ 1.02 ▲ 0.93 89.99 69.79
2010年 △ 1.64 ▲ 0.72 △ 2.36 ▲ 2.12 87.86 67.66
2011年 △ 3.14 ▲ 0.29 △ 3.43 ▲ 3.01 84.85 64.65
2012年 △ 1.97 △ 0.04 △ 1.93 ▲ 1.64 83.21 63.01

ドル円①はドルの高値から出発。ドル円②はドルの安値から出発。
よって、昨年は、ドル高値83.21円~安値63.01円が当然であったわけだが、そうはならなかった。
2011年に円が最高値をつけた75円台は、2011年のドル高値84.85円と安値64.65円の中間であり、理に適ったレ-ト水準だった。
まぁ、いずれ今の相場が何と超円安だったか、そのうちにわかると思います。

No title

数字がくっついてしまって、見づらいのはご容赦。

相対的購買力平価

あなたが示したデータは、ドル対円の相対的購買力平価。

私が示している数字は、実質実効為替レート。

実質実効為替レートで見ると、1990年比で円は対ドルで若干割高、1995年比ではかなりの割安。もっと長い目で見て、1964年を基準にしたら、円は超割高。

あなたの示した単純な相対的購買力平価よりも、私が示している実質実効為替レートの方が、はるかに多くの情報を織り込んだ数字です。BISの実質実効為替レートとは何かを、もう一度よく勉強してみてください。但し、双方ともに欠点はあります。為替レートの分析をするためには、一つの指標のみを頭に入れて分析を行うことは、良いことではありません。相対的購買力平価、絶対低購買力平価、実質実効為替レートなどの多数の指標を頭に入れた上で、分析を行うべきです。

No title

>相対的購買力平価、絶対低購買力平価、実質実効為替レートなどの多数の指標を頭に入れた上で、分析を行うべきです。

まぁ、その通りでしょうが、実質実効為替レートで円は高い高いと言っても、現実として全然かけはなれたレ-ト水準になっているわけです。実質実効為替レートを信じてトレ-ドしたら、それこそ一文無しになってしまいます。
後付けの講釈として実質実効為替レートを持ち出して説明するのなら、結果をああだこうだと語れますが、投資家にとって知りたいことは、「過去はこうだった」という結果論ではなく、「これからどうなりそうだ」という現在進行形の方が大切です。
金利動向、投機的な作用を考えるなら、実態レ-トと近似した相対的購買力平価の方が有用だと思います。
投資家ではなく、評論家としてなら、実質実効為替レートがああだこうだと語ればいいんだと思いますがね。

予想ではなく、政策提言

このブログのテーマは、過去と現在の経済を正しく分析し、そこから、こうすべきだという政策提言を行うことが目的です。政策提言のために、時々予想をすることもありますが、目的は政策提言であり、相場予想ではありません。予想屋ではなく、評論家に近いのです。

一言助言させていただくならば、ドル円レートを、相対的購買力平価を使って予想するう場合、消費者物価を使ってはいけません。企業物価、卸売物価を使うことが、よりベターな予想方法です。
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