2018年6月第3週 株 コメント

6月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180622

6月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180622



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年6月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22517円 前週末比-335円

6月第3週の外部環境は、為替レートが円高、NY株は下落であった。NYダウは日本株に影響のある15日から21日までは5日連続で下落した。大元はトランプ大統領が対中関税の引き上げを正式発表し、中国が報復関税を発表するなど、貿易摩擦の拡大が最大の悪材料であった。それがNY株の下げを通じて、日本株の下げを招いた。日経平均株価は2週連続上昇した後の下げとなった。TOPIXは44ポイントの下げであり、戻りが鈍かった割には大きく下げた。


買い方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2)個人
現先合計  3065億円の買い越し
現物現金  1469億円の買い越し
信用     647億円の買い越し
先物     949億円の買い越し

今年に入って個人は25週中22週で逆張りである。海外が貿易摩擦といったファンダメンタルズを左右する材料に敏感なのに対して、個人は株価の上下に敏感である。だからといって、個人がファンダメンタルズと無関係というわけではない。

個人は今年に入って買い越しである。個人が過去の基準から見て高い位置でも買い越しである理由は、日本経済のファンダメンタルズが良いと言わなくても、悪くはないからである。

個人がこの位置で買い越す理由には、リスク回避志向の弱まりもある。日銀ETFの買いにより大きくは下げにくくなったこともある。

こうした中でも景気後退に陥ると、個人の買い指し値は下へと移動し、信用には投げ売りが出る。

買い方
(3)信託
現先合計   729億円の買い越し
現物    1452億円の買い越し
先物     723億円の売り越し

信託のTOPIXラージ先物は488億円の売りである。これは配当込みTOPIX連動目的でTOPIXラージ先物を買っていた分を売却し、現物を買っている分である。日経平均ラージ先物の売りは投機色も含むヘッジ売りであろう。

これらを考慮しても、信託は現物を買い越している。昔の信託は株価がもっと下がらないとまとまった買いを入れることはなかった。この位置でも買いを入れる理由は個人と同じである。株式市場のヒステリシスはなくなってはいないが、弱まりつつはある。


売り方
(1)海外
現先合計 8606億円の売り越し
現物   4307億円の売り越し
先物   4299億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


6月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180622

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180622

いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週のようにある裁定売買の分である。(3)は中心限月である日経平均ミニ先物の9月限の建玉がわからないので、今の時期は入れている修正である。

修正前の1025億円から修正後の434億円へと差が縮小した。これくらいの差は平均的である。後で自己のところで少しふれるが、深くは追求しない。

ツイッターにも書いたが、売り方上位で1番目のABNアムロクリアリング(1番上のグラフ)はヘッジファンドを中心とする投機筋の売りである。あまりショートにはならない会社なのであるが、今回は久々にショートになった。従って、大半は新規の売りである。まだもう1~2発売ってくるかもしれない。それでも、その後は近い将来に買い戻しになる。

下から2番目はBNPパリバ(上から14番目のグラフ)である。この会社の売りは外資系大手14社の中で、ロングショートの売りである可能性が一番高い会社である。第3週は日経平均ラージ先物の売りが中心であるが、第3週末のポジションからして9月限買い・12月限売りである。BNPパリバの建玉の多くの割合がロングショートであると考えて良いと思う。しかし、第3週の売買がロングショートである確度となると、特に高いとまでは言えない。ロングショート以外の顧客もいると思われるからだ。

下から3番目はクレディ・スイス(上から15番目のグラフ)である。この会社の売りは普通はわからない。しかし第3週に関しては、グラフがやや特殊な形になっている。過去に買った分の売りと考えるのが一番自然な形である。ただ、売り越し金額が850億円であり、可能性が高いというには売り越し金額が少し少ない。そして、どういう投資家の売りであるかまではわからない。

買い方のトップはソシエテ(上から7番目のグラフ)。2月と3月に大量に売った分の買い戻しである。特に3月の大量売りはUBSの買いに対してクロスで売り向かったものであった。当初は大量の売りに対して何らかのカバーが存在し、買い戻しはない可能性が高いと考えていた。実際には3月の分も含めて買い戻しが続いている。これには驚きを感じている。グラフの形もすごい。買い戻しが終盤であることはほぼ間違いない。グラフを見ればわかる。

先物手口売り方上位3社と買い方上位1社について説明した。しかし、この4社はいずれも日経平均ラージ先物の売買が中心である。日経平均ミニ先物は中心限月である9月限の建玉変化がわからないので仕方がない。しかし、海外が一番大量に売っているTOPIXラージ先物の説明をしていない。

海外によるTOPIXラージ先物の売り手口で一番大口はゴールドマンによる550億円の売りである。しかし、ここまで小口になってしまうと何でもありになってしまう。ひょっとすると大部分が個人の売りかもしれない。クレディ・スイスのところでも少し振れたように、手口の分析というのは大口であるほど確度が高まる。小口になると何でもありになってしまうので確度は低くならざるをえない。第3週のTOPIXラージ先物の売りは中小口の様々な種類の売りの集積ということ以上のことを説明することができない。

第3週は海外による現物の売りも多い。これは原則としてわからない。ただ先物の売りの多様さを考えると、現物も通常の週以上に様々な種類の売りが混じっているのではないか。投機が中心、投資が中心というよりも両方混じっているのであろう。そのことは現物だけではなく、現先合計の8606億円の売りについても同じである。売りの動機はトランプ政権の保護貿易政策とNY株の下落であったと思われる。投資家、投機家に関係なく日本株を売ってきた。


(*)自己という特殊な部門
6月第3週は買い方の(1)になった

現先合計 3811億円の買い越し
現物    326億円の売り越し
先物   4137億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1565億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ1000億円、野村350億円、ソシエテ150億円
 三菱UFJ150億円

裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 2500億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の方法の差は900億円

この差についても確かなことはわからない。それでも1000億円未満というのは小さい方である。

それと同時に日銀ETF準備用の現物買い・先物売りを始めとして、それ以外の理由でも現物買い・先物売りが入っている。それが自己の現物売りが326億円の売りと少なかった理由である。差が小さい方なので、これ以上は追求しない。

自己に含まれる日銀ETF
 2872億円の買い

日銀ETF以外の自己
 900億円前後の買い(現先合計)

第2週は2900億円の売りであり、その多くは海外による代理の売りの可能性があると書いた。第3週はその反対売買かもしれない。海外のところで書いたように、外資系自己には434億円の買いがある。この外資系自己の買いは海外の代理の買いであるかもしれない。

しかし、取引所外の現物やデリバの取引は国内の機関投資家も利用しており、数百億円レベルなら海外も国内も両方考えられる。そもそも証券自己の取引は非常に複雑である。あまり大口でない取引についてまであれこれ考えることは生産的ではない。わからないにしておく。


(6月第3週合計)
合計すると「自己、個人、信託の買い越しvs海外の売り越し」であった。

トランプ政権による保護貿易政策が具体化するにつれ、NY株は下がった。それを嫌気して投機も投資も含めて海外による日本株の売り越し金額は増えた。

それに対して、自己に含まれ、株価が下がれば買う日銀ETFは買った。個人、信託も逆張りの買いを入れた。

「日銀、国内中心の買いvs海外の売り」という、最近の下げ相場ではよくあるパターンであった。

週末の日経平均株価は335円下落した位置で需給は均衡し、6月第3週を終えることになった。



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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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