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2017年8月第2週 株 コメント

8月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170810

8月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170810

8月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170810


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年8月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 19730円 前週末比-223円

前週末のアメリカ雇用統計が良かったため、円安、NY株高が進行。これを好感する形で週初は日本の株価も上昇して始まった。異変が起きたのは8日火曜のアメリカからである。ワシントンポスト紙が北朝鮮核弾頭小型化に成功、ICBMにも搭載可能と報道。この後、トランプ大統領が北朝鮮を激しく非難した。これをきっかけにNY株安と円高が進行した。これを受けて2日水曜は安く始まり、寄りから少し後まで下落した。その後は横ばいが続き、週間でも久々にやや大きく下げて引けた。


買い方
(1)自己
自己はいつも最後に記載
 
(2)投信
現先総合   996億円の買い越し
現物      86億円の買い越し
先物     911億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 59億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 700億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 50億円前後の買い越し

このファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で800億円前後の買い越し。

設定相当分の現物買いとブルベア型投信の先物買いを除くと、現物30億円の買い、先物110億円の買いとなる。通常の公募、私募の投信を合計した買いということになる。

(3)個人
現先総合  694億円の買い越し
現物現金   78億円の売り越し
信用    522億円の買い越し
先物    250億円の買い越し

久々にやや大きめの押し目ができたのでスイングトレーダーを中心に買いを入れてきた。現物現金は高年齢富裕者層の売りがあるため、小幅とはいえ売り越しが続いた。


売り方
(1)海外
現先総合 5227億円の売り越し
現物   2747億円の売り越し
先物   2480億円の売り越し

先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。


ブログ外資系と海外の比較20170810

この週は裁定分を除くと、海外と外資系の売買は非常に近かった。

最近は乖離の大きい週が続き、わかりにくい説明を書かざるをえなかった。第2週はその必要がない。一致するとは限らないが、ある程度は相関の高いものを比較している。乖離が大きい週があれば、ほとんど一致する週もあることは当然である。

この週の先物の最大の売り手はUBS。モルガンMUFG、JPモルガンなどで大量に売ってUBS証券に建玉移管(またはギブアップ)している。この手法をとるのはUBS本体運用部しかない。かなり昔に買った分を売却している。一時大損をしていたこともあるが、2万円前後の水準なら利益確定になる分が多いはずである。UBSは余裕のある利益確定売りなので、売りの金額は大きかったが、あまり株価にインパクトのあるような売りはなかった。

UBSの次がクレディ・スイス。クレディ・スイスの建玉推移は上から15番目にある。9日水曜日に日経平均ラージ先物を中心に大量に売り、株価が大きく下落した最大の原因となった。それほど非常に目立った売り方であった。クレディ・スイスは6月第1週に日経平均ラージ先物を中心に1600億円ほどの先物を買っていた。その後は小口の売買が続き、小幅の売り越しであった。そして8月第2週に1250億円も売ってきたのである。

クレディ・スイスより一回り大きいUBSですら週に1千億円以上の売買をするのはUBS本体運用部が全部か大半である。従ってクレディ・スイスで週に1千億円以上の売買をする顧客はせいぜい2~3社くらいであろう。その中の1社が6月第1週に買い、8月第2週に売ったと思われる。

単なる新規の売りならば、あのような売り方をしてもメリットがない。相場操縦の禁止に明確に違反しない範囲内で、上値にショートポジションを持っているはずである。6月第1週以降に大きく先物を売り越していたのはABNアムロクリアだけである。これは買い建玉の減少を伴っていたので売り戻しである。最近、上値でショートを大量に作った投資家は見えてはいない。見えないように分散して売ったなど、他のいくつかの可能性が少しは考えられる。9日水曜日の売りは新規の売りではないとは断言できないが、新規の売りではない可能性が高い。

クレディ・スイスによる6月第1週の買いは19900円強の水準である。そこを瞬間的には割ったことはあったが、すぐに戻した。今回は北朝鮮のミサイルという明確な悪材料があったので、クレディ・スイスの超大口顧客はあのような派手な投げ売りをして損失を最小限にとどめようとしたのであろう。結果として損切りにはなったが、傷は浅かった。UBSと同じ絶対収益追求型のファンドだと思われる。期間が約2か月の回転なので、プライベートバンキング部門のファンドかもしれないし、ヘッジファンドの可能性もある。

この週の海外による現先総合の売り越しは5227億円である。その中の半分強はスイス系の証券会社2社による超大口顧客の先物売りであった。

現物を売った顧客は全くわからない。ただ北朝鮮リスクと円高を嫌がって日本株のポジションを少し落としてきたのであろう。

(2)銀行
現先総合  482億円の売り越し
現物    293億円の売り越し
先物    189億円の売り越し

現物は持ち合い解消の売り。先物は普通は投機的な売りヘッジだが、最近は買いの方が多かったので、投機的な買いを手仕舞いした可能性もある。


(*)自己という特殊な部門
8月第2週は買い主体の(1)になった
現先総合 2822億円の買い越し
現物   1634億円の買い越し
先物   1188億円の買い越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 2247億円の買い越し

日銀ETF以外の自己
 580億円前後の買い越し(現先合計)

ディーラーのポジション調整の売買として許される範囲内の金額より少し多い感じがする。しかし、大きく上回って相場に影響があるような金額には達してはいないので、深く追求しない。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 198億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定解消売買の上位の証券会社
  ドイツ300億円、みずほ50億円
 裁定形成売買の上位の証券会社
  ソシエテ100億円、三菱UFJ50億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 150億円前後の裁定形成売買(現物買い・先物売り)

方向は反対だが、350億円前後という差は小さい。350億円が相場を大きく動かしたとは思えないので、深く追求はしない。


(8月第2週合計)
合計すると「自己、投信、個人の買い越しvs海外、銀行の売り越し」であった。

この週の売りの大半は海外であった。そのうちの半分は先物で、UBSとクレディ・スイスというスイス系2社による売りが中心であった。クレディ・スイスの大口顧客が9日水曜日に1250億円前後の先物を投げ売りし、日経平均株価は9日にこの週の最大の下げを記録した。北朝鮮のミサイルが大元の原因ではあるにしても、買い値を切りそうになったので、損失回避のための投げ売りであった。これ以外に海外は現物でも売りを出していた。下値ではいつもと同様に日銀ETFが買いを入れた。同時にブルベア型投信とスイングトレーダーも押し目と見て買いを入れた。この結果、週間の日経平均株価は223円安で週を終えた。



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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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はじめまして

アダムスミス2世さんの、深い需給の分析は、いつも勉強になります。
さて今回のブログの、海外のコメントについて分かりにくかった所があったので、お尋ねというか確認したいのですが、「この週の先物の最大の売り手はUBS。モルガンMUFG、JPモルガンなどで大量に売ってUBS証券に建玉移管(またはギブアップ)している。」
これは、UBSがモルガンMUFGやJPモルガンに、過去のロング玉を売却して、その売却分をモルガンMUFGやJPモルガンからUBSに移動している、という解釈でよろしいでしょうか?

建玉移管とギブアップ

UBS本体運用部はUBS証券に買い建玉を持っています。普通ならその分を売却するならUBS証券で売って建玉を消滅させます。

ところがUBS本体運用部は日経平均ラージ先物をモルガンMUFGで、TOPIXラージ先物をJPモルガンで売却し、その売りでもってUBS証券に保有している買い建玉を消滅させています。

このオペレーションを「ギブ・アップ」と言います。同じことを新規の買いで行えば「建玉移管」になります。

建玉移管、ギブ・アップは海外で始められ、大証でも導入しています。ただ日系証券は建玉移管とギブ・アップを受けつけないところが多いようです。従って、建玉移管、ギブ・アップは海外が外資系証券で実施するケースが大半です。

UBSの場合、他の証券会社で売買したものをUBS証券に建玉移管またはギブ・アップを大量に実施するケースが多いのです。だがら他社で売買→UBS証券に建玉移管、またはギブ・アップする大口顧客はUBS本体運用部しかありえないということがわかります。

ありがとうございます

丁寧な説明をありがとうございます。

ギブアップに関しては、JPXのHPで調べたのですが、いまいちよく分からなかったです。でもアダムスミス2世さんの説明で理解できました。

海外の投資家は、証券会社を分散して売買してるんですね。何だか惑わされそうです。JPXが毎週公表している、取引参加者別建玉残高一覧も実態を反映しているかどうか疑わしくなってきました。

また分からない事があったら、質問してもよろしいでしょうか?
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