2017年7月第1週 株 コメント

7月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170707

7月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170707

7月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170707


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年7月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 19929円 前週末比-104円

この週は日曜の東京都議会選挙で自民党が大敗し、株式市場への悪影響が懸念されていた。しかし、月曜寄り前に発表された日銀短観の内容が良く、株価はやや強含みであった。火曜はNYダウ高を受けて高く始まったが、北朝鮮がミサイルを発射したことを嫌気して下落に転じた。この地政学リスクは週後半まで警戒要因とされていた。火曜はNYが休日で、株価は為替レートに左右される動きであった。金曜はNY株安で安く始まったが、日銀が国債指し値オペを通告したことから円安が進行し、寄り後は上昇した。週を通して見ると、小幅の下落で週を終えた。


買い主体
(2)信託
現先総合 1550億円の買い越し
現物   2124億円の買い越し
先物    574億円の売り越し

信託はTOPIXラージ先物を374億円売り越している。先週説明した通り、この大部分は先物から現物への乗り換えである。それでも現先合計で見ると1550億円もの買い越しになった。

現先合計は6月第2週から4週連続で買い越しであり、週ごとに買越額が増加している。先週の金曜日に公的年金の決算が発表された。今年の1-3月期はGPIF売り越し、3共済買い越しで公的年金全体では買い越しだが、3共済の中には株式組入比率が25%を超えるところも出てきている。もはや以前のクジラのように買うことができる状況ではない。そのため、公的年金以外ではかんぽ生命(簡保)くらいしか思いつかない。簡保は特金勘定で内外の株や外国の債券を買い続けている。簡保なら週1560億円の買い越しは少し大きいが考えられない金額でもない。

(訂正文)
読者の方から信託の買いはGPIFのESG投資ではないかという意見をいただきました。株式組入比率が上昇しているので、ESGの1兆円買いは国内株式資産内部のリバランスと考えていました。しかし、純粋な買い増しがないとは言い切れません。簡保をはじめとして他の信託は今買う積極的な理由がありません。GPIFのESG投資は3日月曜が開始日なのでタイミングがぴったりであり、理由としては説得力がありそうです。「信託の買いで一番可能性が高いのは、GPIFによるESG投資用の買いであろう」と訂正いたします。(訂正文終了)

(2)事法
現先総合  367億円の買い越し
現物    376億円の買い越し
先物      8億円の売り越し

買いの大半は自社株買い。7月第1週に実施を公表した自社株買いには大口のものはなく、小口の集積であった。


売り方
(1)海外
現先総合 1962億円の売り越し
現物     15億円の売り越し
先物   1947億円の売り越し

先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。


ブログ外資系と海外の比較20170707

日経平均ミニ先物は中心限月である9月限の証券会社別建玉が公表されていないので、9月限で海外が204億円の売り越しと仮定した。ドイツには裁定の買いがあることを後で示す。日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物にはどこかの外資系の自己が500億円ずつ、合計1000億円買っていると考えてみた。そうすると外資系と海外の売買に差が生ずるが、568億円なら起こりうる誤差の範囲内である。特にこの週は日系の機関投資家の先物売りが多いので、その何割かが外資系に流れた可能性が考えられる。


7月第1週は日銀ETF以外の自己が1000億円の買い越しである。これを外資系の自己の買いと仮定してみた。先物手口概算の買い方上位のソシエテ、パリバ、クレディ・スイス、ドイツ、ゴールドマンは過去に先物売買の中で東京自己が大きく動いたことが時々確認できる証券会社ばかりなのである。

中でも最も東京自己がよく動くソシエテとドイツが500億円ずつ、合計1000億円の買いがあると考えてみた。

この1000億円の買いはSGXとの裁定かもしれない。あるいはエクイティ・スワップをショートしたカバリングの買いかもしれない。どちらにせよ、ソシエテとドイツの背後には日本株をデリバティブで1000億円買い越した海外投資家がいると考えている(SGXとの裁定であるならば、SGXで大量に日経平均先物を買った海外投資家がいるはず)。

この週の海外は現物15億円、先物1947億円でいずれも売り越しだが、あまりにも先物に偏りすぎている。そこで別の種類のデリバティブで1000億円の買い越しがあると考えてみたわけである。そう考えると、この週の海外の実質的な売買は先物1000億円の売り越しと同じことになる。理由は北朝鮮かどうかわからないが、海外は売り買いが交錯する中で、(15億円だけの)現物、先物とそれ以外のデリバティブの合計で1000億円の売り越しであったことになる。

これは私の勘であり、正しいという証拠はない。ただ投資部門別売買状況と先物手口概算を見ていると一番ありえそうなシナリオになる。確度は50%と受け止めてもらいたい。


売り主体
(2)個人
現先総合  947億円の売り越し
現物現金 1247億円の売り越し
信用    537億円の買い越し
先物    236億円の売り越し

この週も下げ相場で売り越しという順張りになった。6月第3週に先物を大量に売り越し、第4週に大量に買い越したスイングトレーダーは、7月第1週の先物は小幅の売り越しになった。2週連続で1000億円近い売買をしたので、7月第1週は少しお休みなのであろう。信用については買残の水準がまだ低く、5週連続の買い越しを維持している。

現物現金は相変わらずの売り越しである。基本は売り一辺倒の高年齢富裕者層の売りが中心と思われる。現在金融資産を大量に保有している高年齢富裕者層は、自分か親世代がバブル崩壊時に株で大損をした記憶がまだ鮮明に残っているはずである。こうした強烈な体験を持つ人たちはそう簡単に株を買い越すようにはなりにくい。

(3)銀行
現先総合  845億円の売り越し
現物    132億円の売り越し
先物    713億円の売り越し

銀行は現物で持ち合い解消売りが五月雨的に出ている。先物は投機的ヘッジの売りである。先物713億円売りというのは金額としては少し大きめであるが、銀行は過去にこれくらいの金額のヘッジ売りを何度も行っている。


(*)自己という特殊な部門
6月第4週は買い主体の(1)になった
現先総合 1779億円の買い越し
現物   2160億円の売り越し
先物   3939億円の買い越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 767億円の買い越し
日銀ETF以外の自己
 1000億円前後の買い越し(現先合計)

先に書いた通り、この自己による1000億円の買いをソシエテとドイツの自己の買いであり、海外の買いの代理と考えてみた。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1160億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定解消売買の上位の証券会社
  みずほ500億円、野村400億円、ドイツ250億円
 
東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定解消売買の推計値
 3000億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

投資部門別売買状況の自己の現物と先物を見る限り、両者の中間、すなわち2000億円強が一番ありえそうな感じがする。自己による先物の買い3939億円のうち、日銀ETF向け767億円、ソシエテとドイツの自己1000億円、自己の裁定解消が2200億円の買いあたりがだいたい近い数字と考える。裁定解消の追加分は野村の買い600億円、大和の買い600億円あたりが有力と考える。

(7月第1週合計)
合計すると、「自己、信託、事法の買い越しvs海外、個人、銀行の売り越し」であった。

自己の買いのうち日銀ETFが767億円。今回は先物で入っている。加えて海外の代理としての買いが自己で1000億円入ったと考えている。海外の売りは自己が代理として買った1000億円分を差し引くと、実質的には1000億円前後の売りであった。個人は現物中心の売りだが、海外と銀行などが先物を売り、日銀ETFが先物を買ったが足りず、自己の裁定解消売りを2000億円前後引き起こした。この裁定解消売りに立ち向かったのが信託と事法の自社株買いを中心とした現物買いであった。結果として日経平均株価は週間で104円安となった。



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テーマ : 経済
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