2017年6月第4週 株 コメント

6月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170630

6月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170630

6月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170630


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年6月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20033円 前週末比-99円

この週はイエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニーBOE総裁が従来よりもタカ派的、あるいはタカ派的と受け止められるような発言があり、欧米ではヨーロッパの債券市場を中心に大荒れの週であった。日本の株式市場はあまり大きな影響はなかったが、水曜の下げは欧米発の下落であった。もう一つの海外要因として木曜日にNASDAQでFANG株を中心とした急落がまた発生し、金曜の日本株の下げの原因となった。それ以外は円安傾向のため、少しばかり上昇の期間が長かった。日経平均株価は週を通して見ると小幅の下げにとどまった。なお、ここではベンチマークとしては使用していないTOPIXは小幅高で週を終えている。

買い主体
(2)信託
現先総合  518億円の買い越し
現物   1616億円の買い越し
先物   1097億円の売り越し

信託はポートフォリオを配当込みTOPIXに連動させるため、年度の初めにTOPIXラージ先物を買う。そして配当金を受け取ると先物を売って現物に乗り換える。信託はこの週にTOPIXラージ先物を966億円売り越しているので、その大部分はこの乗り換えであった。現先合計で見ると、信託の買越額は518億円にすぎなかった。

518億円の買い越しとなると、まずは信託方式の自社株買いを疑う。しかし、トヨタ、野村証券という大口の信託方式の自社株買いを決定している会社は6月の買いはゼロと発表している。それ以外のどこかの自社株買いかもしれない。あるいは、クジラの一部が買ったのかもしれない。

(3)その他法人
現先総合  332億円の買い越し
現物    307億円の買い越し
先物     25億円の買い越し

その他法人の買いの大部分は従業員持株会の買いである。ボーナスの時期なので、通常の週よりも買越額が多くなる。

(4)海外
現先総合   22億円の買い越し
現物    115億円の売り越し
先物     93億円の売り越し

先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。


ブログ外資系と海外の比較20170630

日経平均ミニ先物は中心限月である9月限の証券会社別建玉が公表されていない。9月限で海外が1479億円の売り越しと仮定すると、日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物はいずれも両者が非常に近い金額になる。

第4週の海外の売買の大半は日経平均ミニ先物売り、TOPIXラージ先物買いであった。日経平均ミニ先物の日々の売買を合計するとABNアムロクリアリングの売りが多く、TOPIXラージ先物の買いは建玉変化からメリルの買いが一番多い。どちらもHFTを始めとするヘッジファンドの売買が多い証券会社である。よくわからないが、あるヘッジファンドが日経平均ミニ先物を大量に売り、別のヘッジファンドがTOPIXラージ先物を大量に買い、その金額がたまたま近かったと考えることにする。

投機、投資などの目的を持った海外投資家が現物や先物を売買するのであるが、その合計が22億円の買い越しとゼロに近い金額になった。これは間違いなくたまたまなのであるが、非常に珍しい。

売り主体
(1)投信
現先総合  688億円の売り越し
現物    235億円の売り越し
先物    453億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 393億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の解約売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 50億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 50億円前後の売り越し

この3本を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で410億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物         160億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   40億円前後の売り越し
TOPIXラージ先物  76億円の売り越し
合計          40億円前後の買い越し

公募、私募の両方の投信による通常売買の合計金額なのであるが、珍しいほど小幅の買い越し。

(2)銀行
現先総合  243億円の売り越し
現物    315億円の売り越し
先物     71億円の買い越し

銀行は現物で持ち合い解消が中心と思われる小口の売りが多くの週で出ている。第3週も同種の売りが出ただけであろう。

(3)個人
現先総合  235億円の売り越し
現物現金 1765億円の売り越し
信用    249億円の買い越し
先物   1281億円の買い越し

この週は小幅の下げなので、久々に順張りの売りになった。基本は売り一辺倒の高年齢富裕者層の売りが現物現金中心に出たのであろう。第3週に先物を大量に売り越したスイングトレーダーは、日経平均株価が下がるとすかさず逆張りの買いを大量に入れた。ただ株価が下落した日経平均型の先物の買い越しであった。株価が小幅に上昇したTOPIXラージ先物は小幅ながら逆張りの売り越しになっている。

(*)自己という特殊な部門
6月第4週は買い主体の(1)になった
現先総合 718億円の買い越し
現物   369億円の買い越し
先物   359億円の買い越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 788億円の買い越し
日銀ETF以外の自己
 70億円前後の売り越し(現先合計)

小幅の売り越しなので、ディーラーのポジション調整の売買として認められる範囲内の金額である。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 588億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定形成売買の上位の証券会社
  三菱UFJ800億円
 裁定解消売買の上位の証券会社
  みずほ300億円

東証発表の裁定残株数変化から計算した裁定形成売買の推計値
 600億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

この推計値はめずらしく東証発表の裁定売買の金額とほぼ一致。


(6月第4週合計)
合計すると、「自己、信託、その他法人の買い越しvs投信、銀行、個人の売り越し」であった。

多少は目立ったのは、投信が中心に売り越して下がると、自己を通して日銀ETFの買いが入ったくらいであった。1つの部門内部では大口の売り買いはあったが、異なる部門間では大口の売り越し、買い越しは少なかった。この週の日経平均株価は99円の下落、TOPIXは1ポイントの上昇。株価もほとんど変わらずであった。


6月月間


投資部門別コメント月次20170630

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると、6月の公募型日本株投信は2842億円の資金純流出

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1600億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 350億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 300億円前後の売り越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計では2300億円前後の売り越し。

(3)事法部門での自社株買い
キャノンよる500億円の買いが一番大口

(4)自己
日銀ETFが3880億円の買い

(5)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 1110億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値
 2000億円前後(現物買い・先物売り)

(6)特殊な売買
6月第2週にゴールドマンで4000億円前後の海外売りvs自己買いのクロスがあったと推測
自己買いの背後には海外がいて、事実上は海外同士のクロス

(7)TOPIX型の現物バスケット買い
毎日160億円ずつ、月間で3000億円のTOPIX型のバスケット買いが入ったと日本経済新聞などで報道。金額が一定ではないバスケット買いなら、信託のTOPIXラージ先物買いの現物買いへの乗り換えで説明できる。ただ本当に毎日160億円ずつななら、常識的には乗り換えではない。8月の現物が買い越しで他にバスケット買いをしそうな部門は日銀ETFを含む自己だけだが、常識的には自己でもない。海外か信託がバスケットで3000億円買い、分割して3000億円売ったリバランスの片方の買いくらいしか説明のしようがない。

(8)合計
6月月間では

「自己8463億円の買い越し、事法2140億円の買い越しvs投信5538億円の売り越し、海外2876億円の売り越し」

であった。

日経平均株価は144円下落して月を終えた。

(9)合計の修正
ここからゴールドマンの約4000億円の自己買いvs海外売りのクロスを海外同士のクロスと考えて修正すると

「自己4400億円の買い越し、事法2140億円の買い越しvs投信5538億円の売り越し、個人1637億円の売り越し」

であった。

自己の買い越しのうち、3880億円は日銀ETFの買いであった。

投信と個人の売り越しを日銀ETFと自社株買いが支え、小幅の下落で月を終えた。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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