2017年6月第3週 株 コメント

6月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170623

6月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170623

6月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170623

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



2017年6月第3週の株式市場の概況
日経平均株価終値 20133円 前週末比+189円

この週の株価は小動きの為替レートに左右される形で株価も小動きの時間が長かった。週初は小高く始まった後、円安進行で少し上昇。大きく動いたのは火曜の寄り付き。月曜のNY時間にタドリーNY連銀総裁がタカ派的な発言。結果はアメリカの長期金利が上昇し、円安ドル高が進行。NY株価も上昇したため火曜の寄り付きは大幅な株高で始まった。それ以外はほぼ横ばいで、週間の日経平均株価は小幅の上昇で週を終えた。

買い主体
(1)海外
現先総合 3231億円の買い越し
現物     92億円の売り越し
先物   3323億円の買い越し
先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。


ブログ外資系と海外の比較20170623

上記の大元の表を4つの仮定を置いて修正したのが2番目の表である。このうち(1)、(2)は後ほど記すように裁定に伴う自己の売りは存在する。(3)に示した通り、日経平均ミニ先物の中心限月は9月限であるが、建玉は7月限、8月限しか公表されないので、今の時期は合わなくてもおかしくない。そのために(3)という仮定を置いてみた。(4)が一番恣意的な仮定である。自己による広義の裁定の売りが外資系にいくらか存在する可能性までは高いが、ソシエテに500億円の売りというのは1つの例にすぎない。

6月第3週に最も大きく先物を買い越したのはUBS。今回も1350億円買い越しの半分以上をメリルなどの他の証券会社で買ってUBS証券に建玉移管している。このUBS証券への建玉移管という手法をしばしば使う大口顧客は、USB本体運用部1社しか考えられない。1350億円買い越しの大半はUBS本体運用部の買い越しであり、順バリ的な運用手法を使い続けている。

6月第3週の海外は現物を小幅に売り越しながら、日経平均型の先物を中心に大量に買い越している。大部分の手口がわかる日経平均ラージ先物においては、ソシエテが500億円売りと仮定していた。しかし実際には、日経平均ラージ先物を多く売り越しているソシエテ、パリバ、ドイツの売り越し分はすべて自己の広義の裁定である可能性がありうる。この3社は自己の広義の裁定売買を過去に実施したことがある証券会社であるからだ。

UBS本体運用部以外の海外による日経平均型の先物は、多くの証券会社に分かれて入った中口小口の買いの集積であった。日経平均型なので、どちらかというと投機的資金の割合が高いと思われる。投機的資金が中心になって少しずつ幅広く日経平均型の先物に買いを入れていた可能性が高い。買いを入れた材料は、好調なファンダメンタルズの中で少しばかり進行する円安、または円高が進行しなかったことであると推測する。

売り主体
(1)個人
現先総合 3111億円の売り越し
現物現金 2231億円の売り越し
信用    141億円の買い越し
先物    922億円の売り越し
個人は今年に入ってから25週中23週で逆張り。スイングトレーダーは信用で少し買い越しているが、先物は大きく売り越していた。2万円台になると深追いせずに利食ったのであろう。現物現金には売り一辺倒の高年齢富裕者層を中心に、上値で大量に売り指値を置いていたようである。

売り主体
(2)投信
現先総合 2046億円の売り越し
現物    851億円の売り越し
先物   1194億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 807億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の解約売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買
野村アセットの「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 650億円前後の売り越し
野村アセットの「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の売り越し
この3本を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で900億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物          40億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  100億円前後の売り越し
TOPIXラージ先物 175億円の売り越し
合計         320億円前後の売り越し
この程度の売り越しは、公募、私募の両方の投信による通常売買の合計金額の範囲内であろう。

(*)自己という特殊な部門
6月第3週は買い主体の(2)になった
現先総合 1731億円の買い越し
現物   1986億円の買い越し
先物    255億円の売り越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF 788億円の買い越し
日銀ETF以外の自己 950億円前後の買い越し(現先合計)
950億円という金額は少し大きいので、自己は取引所外で950億円に近い現物かOTCデリバの売りがあった可能性が高い。

裁定売買
東証発表の裁定売買は155億円の裁定形成(現物買い・先物売り)
裁定形成売買を実施した主な証券会社
 裁定形成売買の上位の証券会社
  三菱UFJ400億円、ソシエテ150億円
  ドイツ150億円、野村150億円
 裁定解消売買の上位の証券会社
  みずほ650億円
東証発表の裁定残株数変化から計算した裁定形成売買の推計値
 1100億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)
投資部門別売買状況の現物の自己は1986億円の買い越しである。実際の裁定売買は155億円よりも1100億円に近かった可能性が高い。

6月第3週総合
合計すると、6月第3週は「海外、自己の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。

海外の買い越しは先物での買い越しであり、最も大量に買い越したのは基本は順バリ運用であるUBS本体運用部であった。それ以外では中小口の投機性の強い資金が円安などに反応して日経平均型の先物を中心に買いを入れていた。

売り方は個人と投信。第2週の下げ局面では2部門合計なら買い越しであった。2万円を抜けて上昇した第3週は大量の売り越しになった。下げ局面では日銀ETFも買い支えた。上値では海外が買い越す中、個人と投信が大量の売り指し値をぶつけ、週間の日経平均株価は189円の上昇になった。


株高による損失を減らす政策の必要性
日銀の量的質的金融緩和策には効果がある。第2週の2万円を少し下回ったところでは個人を中心に買い越しを維持していた。しかし、2万円台を抜けて上昇すると個人と投信の現先合計で週間5000億円以上の売り越しになってしまう。これは、金融緩和に効果はあるが、不足しているから起こる現象である。

アベノミクスが始まってから、株高によって100兆円前後というとてつもない国富の損失が発生している。しかし、その損失はほとんど認識すらされていない。ここでテーパリングではなく思い切った金融緩和の強化を実施すれば、国内投資家が上値でも買い越しになる可能性が高まる。海外投資家に安く売った株を高値で買い戻す。実に馬鹿馬鹿しい買いである。しかし、株価上昇による損失拡大とデフレ不況の両方を避けるためには、国内投資家は今からでも買うしか方法がないのである。



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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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