2017年5月第5週 株 コメント

5月第5週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170602

5月第5週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170602

5月第5週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170602


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



2017年5月第5週の株式市場の概況
日経平均株価 20177円 前週比末比+490円
月曜はアメリカがメモリアルデーで休日のため、週初は薄商い小動き。水曜までは膠着状態。木曜の寄り付き直後から急上昇開始。法人企業統計が良かったからと説明されるが、普通なら株価を動かすほどの大きな材料ではない。しかし木曜からアメリカのNASDAQだけではなく出遅れていたNYダウも過去最高値を更新。世界的な株高となり金曜は大幅上昇で引けた。

買い主体
(1)海外
現先総合 4736億円の買い越し
現物   4282億円の買い越し
先物    453億円の買い越し
先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170602

外資系の売りと買いを整理して、海外の売買とを比較したが、数百億円程度の差は残る。だがこの程度は種々の要因から発生する通常レベルの差の範囲内である。

先物手口概算の売り方の上から2番目はUBS。この日経平均ラージ先物はメリルで売ってUBS証券に建玉移管(またはギブ・アップ)されている。この手法を使うのはUBS本体運用部である可能性が高い。UBS本体運用部は第4週は先物を3000億円以上売り越したが、第5週は800億円前後の売り越しにまで減少した。このUBS本体運用部による売りの減少は、株価が上昇した原因の1つである。

第5週の海外は先物を453億円しか買い越しておらず、現物を4282億円も買い越している。昨年秋以降と5月第1週にゴールドマンのTOPIXラージ先物を中心に大量に買い越してきたグループは、少なくとも第5週に関しては買いの中心ではなかった。別のグループが日本の現物株を大量に買っていた。木曜金曜は世界の多くの国で株価が上昇している。このグループは日本株だけを買ったわけではない。アメリカを中心に世界の株を大量に買い越していた。その中に日本株も必然的に何割か含まれていたというわけであろう。

買い主体
(2)事法
現先総合 748億円の買い越し
現物   763億円の買い越し
先物    15億円の売り越し
大半が自社株買い。6月に入って多数の5月分の自社株買い完了の発表が続く。第4週にも示した三菱UFJの513億円買いが一番大口。それ以外は中小口の買いの集積。

買い主体
(3)銀行
現先総合 413億円の買い越し
現物   155億円の売り越し
先物   567億円の買い越し
現物は小口の持合解消の売りが継続。先物は売りヘッジの買い戻しが中心。中短期の投機的ヘッジの手仕舞い。

特殊部門=自己
現先総合 262億円の売り越し
現物  1087億円の売り越し
先物   825億円の買い越し

日銀ETF 
自己に含まれる日銀ETF 87億円の買い越し
日銀ETF以外の自己 1050億円前後の売り越し(現先合計)
日銀ETF以外の自己は5週連続の売り越し。後に月間で自己による日銀ETF買いが3899億円入っていることを記しているが、月間の自己の現先合計は874億円の売り越し。月間で4773億円の乖離が生じている。しかし、年初来の乖離の合計は1342億円の売り越しでしかない。長い目で見れば、依然としてフラットに近い。自己による様々な複雑な売買の集積の合計としか言いようがない。

裁定売買
東証発表の裁定売買は274億円の裁定解消(現物売り・先物買い)
裁定売買を実施した主な証券会社
  裁定解消の上位の証券会社 三菱UFJ450億円
  裁定形成の上位の証券会社 ドイツ200億円
東証発表の裁定残株数変化からの裁定解消売買の推計値
 1300億円前後(現物売り・先物買い)
2種類の裁定売買の差は毎週ある。自己の現物と先物の投資部門別売買状況の数字を見ても、実際の裁定解消売買は274億円と1300億円の中間の数字としか言いようがない。後で記す月間でもかなりの差がある。東証発表の数字がいいかげんな集計値であることが原因である可能性が一番高い。

売り主体
(1)個人
現先総合 4372億円の売り越し
現物現金 3162億円の売り越し
信用     56億円の売り越し
先物   1154億円の売り越し
個人は今年に入ってから22週中20週で逆張り。第3週、第4週に買い越しと思われたスイングトレーダーも売り越し。基本は売り一辺倒の高年齢富裕者層の現物現金の大量売りは続く。

売り主体
(2)信託
現先総合 678億円の売り越し
現物   522億円の売り越し
先物   156億円の売り越し
信託方式の自社株買いが少しは入っているはずなので、それ以外の通常の信託は売り越し。大きく戻ると売り越しというのは昔からの信託のパターン。

5月第5週総合
合計すると、5月第5週は「海外、事法の買い越しvs個人、信託の売り越し」。第4週に大幅に売り越したUBS本体運用部の売り越し金額が減少する中、木曜日から別の海外が現物株を中心に大量に買い越し始めた。個人と信託は逆バリの売りに徹した。海外が買い越す中、個人と信託を中心とする国内勢が上値の売り指値で売ったため株価は上昇。日経平均株価は週間で490円上昇した。


5月月間

投資部門別コメント月次20170602

記録にとどめておくべき事項、数字

投信現物
野村総研によると、5月の公募型日本株投信は3714億円の資金純流出

投信による日経平均ラージ先物の大口売買
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」
 1800億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信(野村インバースETF)」
 200億円前後の売り越し
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 450億円前後の売り越し
上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計では2800億円前後の売り越し。

事法部門での自社株買い
三菱UFJによる513億円の買いが一番大口

自己
日銀ETFが3899億円の買い

裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計 21億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値 1700億円前後(現物売り・先物買い)

5月月間では、「海外1兆9169億円の買い越しvs個人1兆0865億円の売り越し、投信6941億円の売り越し」で、日経平均株価は981円上昇して引けた。


国内投資家による異常な長期大量売り
株価上昇時における現物株の海外の買い越し、個人を中心とする国内投資家の売り越しは1991年以降継続。

株価が大きく戻れば大きく売るというのは国内投資家の非常に強固なヒステリシス。20数年間、右肩上がりではない株式相場が続いている。そうした環境下で株で儲けようとすれば、戻りを売る投資家しか生き残れなかった。例外は事法の自社株買いを始めとしていくつかあるが、戻り売りの金額の方が圧倒的に大きかった。

1991年以降、取引所内で海外は現物株を87兆円買い越し、日銀ETFは14兆円買い越し。これに対する売りを国内投資家の純粋な売り越しとみなすならば、国内投資家による1991年以降の取引所内での現物株の売り越し金額は101兆円になる。この巨額の売り越しの原因は先に書いた通りであるが、大元の原因は日銀による金融緩和の不足。国内投資家の買い指値は上昇しており、金融緩和は明らかに効果がある。しかし、常に不十分のためヒステリシスが長期継続。

現在は異常な金融緩和と言われているが、国内投資家の戻れば売りのヒステリシスと、バブル崩壊後の取引所内での101兆円もの巨額の現物株の売り越しの方がもっと異常。このヒステリシスを解消するためには日銀が量的質的緩和を拡大継続することが望ましい。しかし、海外が売り越すと大騒ぎになるが、国内が売り越しても当たり前すぎで何も言われない。国内投資家の売り越しは空気。国内投資家による巨額の売り越しが異常と感じられなくなっている現状こそが異常。

他方、海外投資家が日本株を買い続ける理由は、世界の中での日本株の極端な値下がり。日本株が世界の株価の中で突出して安い間、海外投資家は日本のファンダメンタルズが改善方向にある間は買い続ける。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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