2017年5月第4週 株 コメント

5月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170526

ブログ週間先物手口20170526

5月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170526

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


2017年5月第4週の日経平均株価は前週末比96円高の19687円で引けた。この週も第3週に引き続いてロシアゲート事件と呼ばれることが多くなったトランプ・スキャンダルの影響を受けていた。特に23日火曜日には新たなスキャンダル材料発覚に加え、イギリスでテロ事件が発生したことが相場の重しになった。しかし、アメリカでは政治とは関係の薄い株、すなわちハイテク株を中心に株価が上昇し、NASDAQが過去最高値を更新した。為替レートはほぼ横ばいであった。日本ではトランプリスクとファンダメンタルズの回復の両方を見る形で、週を通しては小幅の上昇で引けた。

5月第4週の最大の買い手は投信であった。現先合計で527億円の買い越し。うち現物で462億円の買い越し。野村総研によると、5月第4週の日本株型の公募投信は260億円の資金純流出であった。

投信先物は64億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で285億円の買い越し。TOPIXラージ先物で214億円の売り越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」250億円前後の買い越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」200億円前後の買い越し。

上記の2本で450億円の買い越しである。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい野村の1本、大和の2本、シンプレックスの2本は少し売り越しであったのでこの分を加えると7本合計で400億円前後の売り越しであった。

5月第4週は日本株型の公募投信の設定解約絡みの売買と7本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して現物を720億円前後買い越し、日経平均ラージ先物を120億円前後売り越し、TOPIXラージ先物を214億円売り越していたことになる。合計すれば390億円前後の買い越しになる。通常より金額が大きく、正確なことははからない。ただ割合としては私募投信の売買が占める割合が高かったと思われる。

事法は現先合計で524億円の買い越し。うち現物で519億円の買い越し。最近発表された自社株買いで最も大口のものは、三菱UFJ、5月16-31日、513億円の買いである。持株会社なので事法に含まれる。

信託は現先合計で438億円の買い越し。うち現物で406億円の買い越し。トヨタの信託方式の自社株買いが週平均170億円前後入る予定である。それ以外にも信託方式の自社株買いは少しは入る。現物で406億円買い越しだと、信託方式の自社株買い以外だけなら買い越しかどうかもはっきりわからない。

個人は現先合計で274億円の売り越し。うち現物現金で1206億円の売り越し。信用で413億円の買い越し。先物で519億円の買い越し。個人は今年に入ってから21週中19週で逆張りである。スイングトレーダーは信用と先物を中心に買い越しであろう。基本は売り一辺倒の高年齢富裕者層は現物現金を大量に売り続けているので売り越しになった。

銀行は現先合計で320億円の売り越し。うち現物で107億円の売り越し。先物で213億円の売り越し。銀行の先物は投機的なヘッジ売りであり、近い将来に買い戻しが入る。しかし、現物は持ち合い株の縮小が続いており、基本的には小幅の売り越しが続く。

自己は現先合計で465億円の売り越し。うち現物で1186億円の売り越し。先物で721億円の買い越し。

この週の日銀ETFは60億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先合計で525億円前後の売り越しになる。この内容について正確なことはわからない。ここではドイツ証券がETFを500億円買い、先物を500億円売ったと仮定してみる。その内容は後ほど記す。

この週の東証発表の金額では裁定解消売買が657億円、裁定残はそれ以上に減少したので、その減少株数から計算するとネットの裁定解消売買は1100億円前後であったことになる。東証発表の裁定売買は、裁定解消でみずほ250億円、三菱UFJ200億円、野村200億円が上位である。自己の現物と先物の投資部門別売買状況を見る限り、裁定解消売買は657億円よりも1100億円に近い。ドイツの自己が先物を500億円売り越しと仮定しているので、それを除く自己は先物で1200億円前後の買い越し、現物で1186億円の売り越しとなるのでそう考えざるをえない。三菱UFJは日経平均ラージ先物を550億円買い越している。裁定売買との差は350億円。これは投信か信託の買いかもしれないが、自己の広義の裁定解消売買であった可能性の方が高いと考える。

海外は現先合計で1023億円の売り越し。うち現物で221億円の買い越し。先物で1243億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170526

5月第3週に示したとおり、ドイツは日銀とETFの売買をする。第3週にETF売り・先物買いを実施した。そこで第4週は新規にETF500億円買い・日経平均ラージ先物250億円売り・TOPIXラージ先物250億円売りと仮定してみた。

第4週は外資系の手口と海外の手口の差が大きい。そこでドイツの売買を上記のように仮定すると、差は減少する。それでもSQ週以外の週にしては大きめの差が残る。理由はいくつか考えられるが、確たる理由はわからない。ドイツのETF裁定500億円というのは決め手となる証拠はない。しかし、現先総合の自己の売越額や裁定解消売買の差額をきれいに埋めてくれる金額であった。実際にあった可能性はそれなりに高いと思う。自己の複雑な売買が多数存在し、複雑な売買の売りと買いの差額が大きくなく、加えてドイツのETF裁定が数百億あったというのがより真実に近い感じがする。

最初の方に5月第2週-第4週の先物手口概算を掲載した。5月第2週は日経平均株価が年初来高値を更新した週でありゴールドマン、UBS、バークレーズ、JPモルガンの4社がTOPIXラージ先物を大量に買い越した。この4社は昨年秋以降にTOPIXラージ先物を大量に買い越した証券会社でもある。第3週は4社のうちゴールドマン、UBSは売り越しに転じたが、バークレーズとJPモルガンは買い越しを維持した。第4週はJPモルガンが売り越しに転じ、バークレーズだけが買い越しを維持した。

第4週の売りの中心はUBSである。UBS証券の売りはクレディ・スイスとメリルで売られた分がUBS証券へと建玉移管(またはギブ・アップ)されている。メリルは最近になって使われ始めたが、クレディ・スイスからUBSへ大量に建玉が移ったという記憶はない。クレディ・スイスは第4週に日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を7000枚前後ずつ売って、UBS証券に移し替えている。このUBS証券への移管は間違いない。クレディ・スイスの移管枚数が中口小口であるなら、その移管先は必ずしもUBSとは限らず、他の証券会社へ移った可能性が残る。しかし、この週は他社から売り建玉を7000枚ずつ受け入れることが可能な証券会社はUBS1社しかありえないのである。数学的な組み合わせを考えると、クレディ・スイス→UBSの移管が唯一の解になる。だからこそ超大口というのは大変有り難い存在であり、分析する価値のある内容なのである。そしてこれだけ巨額の先物建玉をUBS証券に常時保有する超大口顧客というのはUBS本体運用部以外に考えられない。

UBS本体運用部は5月第2週に大量に買い越したが、第3週と第4週の売りを合計すると、それ以上に売り越している。昨年秋以降に買った分がまだ残っており、残りの何割かも売った。UBS本体運用部は主として順バリ戦略で絶対収益獲得を目指すという大まかな運用方針はあるようだ。この週は逆バリなので順バリという方針は大まかなものにすぎない。巨額の先物を売買しているので、個人運用かチーム運用かはわからない。チーム運用だとしてもそのチームのヘッドのファンドマネージヤーは失敗すると心が乱れてしまう、どこにでもいる普通の平均的なファンドマネージャーである。最近よく話題になるAIなどは参考にしているかもしれないが、巨額の先物売買の最終決定をしているのは人間味溢れる普通のファンドマネージャーである。

ゴールドマンの売りは何社かはわからないが複数の顧客である。大部分はUBSよりも冷静でありTOPIXラージ先物の買い建玉の大半はホールドにしている。しかし中にはUBSのような普通のファンドマネージャーがいて、UBSのようにあわてて短期で売買をする顧客が一部にいるようだ。JPモルガンは第4週に動いたのは日経平均ラージ先物の方が大きい。ここの売買もいくつかの特徴は掴んではいるが、具体的にどのような種類の顧客かまでは掴めていない。

5月第4週の海外は現先合計で1023億円の売り越しである。そのうちUBS本体運用部1社で3000億円強売り越している。第4週はUBS本体運用部が大量に売った週という理解で良いと思う。

合計すると、5月第4週は「投信、事法、信託の買い越しvs海外の売り越し」であった。買い方の投信はブルベア型投信に押し目買いが入ったことだけは確実である。事法は自社株買いが大半である。加えて信託もまた自社株買いの割合が高かったように思われる。国内勢が幅広く小幅な押し目買いを入れ、海外も多くの投資家は買い越しであった。しかし、UBS本体運用部1社だけは先物を3000億円強も売り越した。その結果、5月第4週の日経平均株価は96円の上昇で週を終えることになった。

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