2017年5月第3週 株 コメント

5月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170519


Twittter週間先物手口20160519

5月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170519

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


2017年5月第3週の日経平均株価は前週末比293円安の19591円で引けた。この週の下げの原因はトランプ・スキャンダルの拡大であった。第2週の金曜日からその気配は現れていた。それでも16日火曜日までは日本のファンダメンタルズ面の改善を材料にして株価は上昇していた。それが17日水曜日から少しおかしくなりかけていた。この悪材料が一挙に顕在化したのが17日水曜日のNY株価の急落である。円高も進行した。日本株も18日は急落した。日経平均株価は5週ぶりに下げて終わることになった。

5月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で2007億円の買い越し。うち現物で550億円の買い越し。先物で1457億円の買い越し。

この週の日銀ETFは2241億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で200億円前後の売り越しになる。200億円ならディーラーがポジション調整の売買として許される金額の範囲内であろう。

この週の東証発表の金額では裁定解消売買が253億円、裁定残はそれほど減ってはいないので、その減少株数から計算するとネットの裁定解消売買は150億円前後であったことになる。第3週の裁定売買の規模は小さく、差はあるが無視してよいと思う。東証発表の裁定売買は、裁定解消でみずほ650億円、裁定形成で三菱UFJ250億円、野村100億円、ソシエテ100億円が上位である。みずほは先物全体で600億円の買い越しであり、その大部分は裁定解消の買いであった。

事法は現先合計で629億円の買い越し。うち現物で621億円の買い越し。直近で大型の自社株買い完了の発表は見当たらなかった。自社株買いの予定としては三菱UFJが1か月半の期間に1000億円の買いと発表している。持株会社なので事法に含まれる。三菱UFJを始めとして後日まとめて実施完了の公表があるであろう。第3週は少しばかりの大口と多数の小口を合計すると621億円前後の買いになったわけである。

個人は現先合計で399億円の買い越し。うち現物現金で839億円の売り越し。信用で1006億円の買い越し。先物で232億円の買い越し。個人は今年に入ってから20週中18週で逆張りである。特に信用と先物とが買い越しであった。スイングトレーダーは比較的多めの押し目買いを入れたようだ。基本は売り一辺倒の高年齢富裕者層は現物現金を売り続けている。

海外は現先合計で1081億円の売り越し。うち現物で302億円の買い越し。先物で1382億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。
ブログ外資系と海外の比較20170519

先に書いた通り、ソシエテの自己には裁定形成の売りが100億円ある。

その次がドイツである。5月24日の日経QUICKニュースにドイツが日銀にETFを売り、先物を買い戻しているという記事が掲載された。以前からドイツには謎の自己らしき売買が多いことまでは気づいていた。過去を遡ってみると、ドイツの謎の売買と思われたものうち、何割かはETF絡みの売買と考えれば説明ができた。そして本日の手口を見ると、日経平均型はだいたい合うが、TOPIX型は差が大きい。そこでドイツの買いをETF絡みの買いと仮定すると、上記2者の差が少なくなる。こうなると、ドイツは第3週にETFを日銀に売却し、TOPIXラージ先物を買戻していたと考えるのが妥当になる。日銀ETFは日系大手の独占かと思っていたがそうではなかった。金額は確かなことはわからないが、17日と19日のドイツのTOPIXラージ先物買いをETF絡みの裁定解消買いと仮定し、その金額を500億円前後と置いてみた。それでも450億円の差が残るが、他にも外からは区別の付かない自己の買いが存在しているためこの程度の差の発生は不自然ではない。

先物手口概算は、第2週と第3週を比較するため、ツイッターで示した表と同じもの上から2番目に掲載した。

4月第4週の海外による買いは日経平均ラージ先物を中心とする投機筋によるショートカバーの比率が高かった。5月第1週はショートカバーの比率が少し低下し、TOPIXラージ先物中心に持たざるリスクを避けるための買いの比率が高くなった。5月第2週はショートカバーも増えたが、ゴールドマン、UBS、バークレーズ、JPモルガンの4社が大量に買い始めた。この4社は昨年秋以降に大量に買った証券会社でもある。その対象はTOPIXラージ先物が中心である。

UBS以外の3社は年金等の長期性の資金を運用する投資家である。そのうち、情勢が変われば売るつもりの分についてはTOPIXラージ先物を買っていた。この4社は5月8日に日経平均株価が年初来高値を更新した日から大量に買い始めた。持たざるリスクを感じて買う典型的な順バリ手法の買いである。今年に入ってUBSが大量に利食っていたが、ゴールドマンは買い越しており、残りの2社は静観に近かった。

ところが第3週に懸念していたトランプリスクが実際に顕在化してきた。そこで4社のとった戦略は買いポジション縮小のゴールドマン、UBSと、継続買いのバークレーズ、JPモルガンの2手に分かれた。トランプリスク拡大の程度がよくわからない時点では、相場観が分かれるのも当然であろう。

UBSは第3週も少し変わっている。今回もTOPIXラージ先物の一部をモルガンMUFGで売ってUBS証券へと移管(またはギブ・アップ)している。しかし日経平均ラージ先物はフローの売りは多かったが、建玉変化を見るともっと少なかった。UBS証券で売った顧客が他社に建玉移管したのである。この週もUBS本体運用部がTOPIXラージ先物を売ったことはほぼ間違いない。しかし、日経平均ラージ先物の方はUBS本体ではない別の大手顧客が売った可能性が高い。

第3週は株価が下がったためショートカバーも急減した。そのため大口の売買をするゴールドマンとUBSの売りの影響が大きく、海外全体では売り越しになった。

5月第3週の最大の売り手は投信であった。現先合計で1882億円の売り越し。うち現物で1775億円の売り越し。野村総研によると、5月第3週の公募型株式投信は685億円の資金純流出であった。それ以外が1100億円近く売り越している。第2週はそれ以外が800億円近く買い越していた。私募投信が第2週に1000億円前後買い越し、第3週に1000億円前後売り越したと考えるのが一番妥当ではないか。先物ではこれに似た売買を何度か見たことがある。しかし、現物では見た記憶はない。先物で短期の回転売買をするヘッジファンド型の私募投信が、理由はわからないが第2週-第3週は現物で実施したと考えるしかない。投機的売買の損切りの売りである。

投信先物は108億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で65億円の買い越し。TOPIXラージ先物で170億円の売り越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」100億円前後の売り越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」100億円前後の売り越し。

上記の2本で200億円の売り越しである。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい野村の1本、大和の2本、シンプレックスの2本を加えると、7本合計で230億円前後の売り越しであった。この7本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を300億円ほど買い越し、TOPIXラージ先物を170億円売り越していたことになる。特にTOPIXラージ先物は第2週が177億円の買い越しであったので、その反対売買が第3週に出た可能性が高い。このように、先物なら短期の回転売買は時々見られるのである。

合計すると、5月第3週は「自己、事法、個人の買い越しvs投信、海外の売り越し」であった。投信現物も海外先物も第2週に上抜けしたところで大量に買った分があった。それが第3週は雰囲気が怪しくなり、投信現物も海外先物も早めのロスカットと思われる売りが出た。この海外の先物売りはゴールドマンとUBSを通じて大量に出され、海外全体でも売り越しになった。それに対して買い向かったのはスイングトレーダー中心の個人と自社株買いの事法がいた。しかし、この週の株価の下落幅を少なくするのに一番貢献したのは17日-19日に連続して買いを入れた日銀ETFであった。日銀ETF買いがなければ、この週の株価はかなり大幅の下げになっていたに違いない。5月第3週も日銀ETFに支えられて日経平均株価は293円下落と比較的小幅な下げで終えることができた。

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