2017年3月第5週 株 コメント

3月第5週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170331

3月第5週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170331

3月第5週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170331



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ


2017年3月第5週の日経平均株価は前週末比353円安の18909円で引けた。週初は前週に続いてトランプ政権のヘルスケア法案失敗の材料を改めて不安視する形で安く始まった。28日、29日は権利付き最終日とその直後ということもあり株価は堅調に推移した。それが31日の後場から、森友学園問題に対する海外投資家の不信感が国内投資家に伝染する形で株価は急落した。日経平均株価は3週連続で下落して週を終えた。

3月第5週の最大の買い手は信託であった。現先合計で3042億円の買い越し。うち現物で31億円の買い越し。先物で3011億円の買い越し。うちTOPIXラージ先物で2428億円の買い越し。JPX日経400先物で249億円の買い越し。信託による先物買いは、運用ポートフォリオをベンチマークである配当込みTOPIX、あるいはJPX日経400に連動させることを目的とした半年度初めの恒例の先物買いである。

今回は3月28日の権利付き最終日に野村の自己がTOPIXラージ先物を買い越し、28日夜間(新年度である29日扱い)のJNETで信託に引き渡していた。その後も信託と思われる買いは入ったが、野村とみずほの買いが多く、半年前には多かった大和の買いが今回は少ししか見えなかった。

半年度の初めに信託がTOPIXラージ先物を最後に売り越したのは2002年3月第4週であった。信託は2002年9月第4週以降、半年度初めにずっとTOPIXラージ先物を買い越し続けている。その金額が増加し、ほぼ継続して1000億円を上回るまで拡大したのが2007年9月第4週以降である。そのグラフを下記に示す。

信託先物コメント週次20170303

上記の20回の合計で週間の株価騰落は10勝10敗、日経平均株価変動幅の平均は-9円となる。過去6回なら0勝6敗、日経平均株価変動幅の平均は-336円となる。信託の買いが増えるほど、株価の値下がり幅が大きくなっている。おそらくこれは単なる平均回帰の現象だと考える。信託の半年度初めの買いがあまり知られていなかった頃は多少は値上がりすることもあった。しかし、多くの人が知るところになると、買いの影響は事前に織り込まれてしまう。初期の頃は過小織り込み、最近は過大織り込みなのであろう。そのため長期で見た場合、日経平均株価の変動幅の平均は0円に近づくと思われる。

3月第5週の信託によるTOPIXラージ先物買い越し2428億円は前回、前々回よりも金額が減っている。これは、信託による先物買いの金額が減ったのではなく、先物売りの金額が増えたからである。2016年9月第5週比で買い金額は+919億円、売り金額が+1490億円である。この週は恒例のTOPIXラージ先物買いとは全く別に、信託よる大口売りが出ていたことを示す。31日金曜日に三菱UFJがTOPIXラージ先物をJNETで1250億円売り越していた。これが信託の売りである可能性が一番高い。この大口売りがあったために、表面上は信託によるTOPIXラージ先物の買越額は減少することになった。

個人は現先合計で378億円の買い越し。うち現物現金で432億円の買い越し。信用で161億円の買い越し。先物で215億円の売り越し。個人は今年に入ってから13週全週で逆バリである。

投信は現先合計で104億円の売り越し。うち現物で271億円の売り越し。野村総研によると、3月第5週の国内株式型の公募投信は84億円の資金純流入であった。この週も私募投信が売り越していた可能性が高い。

投信先物は167億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で587億円の売り越し。TOPIXラージ先物で687億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」350億円前後の売り越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」150億円前後の売り越し。

上記の2本で500億円の売り越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい野村の2本、大和の1本とシンプレックスの2本を加えると、7本合計で700億円前後の売り越しであった。この7本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を100億円ほど買い越し、TOPIXラージ先物を687億円買い越していたことになる。TOPIXラージ先物の買越額は投信にしては大きい。こういう買いは公募投信ではなく、私募投信で大口の買いがあったとしか考えられない。

自己は現先合計で1316億円の売り越し。うち現物で654億円の買い越し。先物で1969億円の売り越し。

この週の日銀ETFは784億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で2100億円前後の売り越しになる。自己は取引所外で2100億円前後買い越していた可能性が高い。金額としては大きいが、中身は読み切れなかった。ツイッターには第3週の反対売買とだけ書いたが、それは一部であり、それ以外は非常に複雑である。

この週の東証発表の金額では裁定形成売買が318億円、裁定残はそれほど増えていないので、その増加株数から計算するとネットの裁定売買はゼロに近かったことになる。ただし、グロスの裁定売買自体は高水準であった。東証発表の裁定売買は、裁定形成で三菱UFJ500億円、野村300億円、ソシエテ300億円、裁定解消ではみずほ900億円が上位である。

3月第5週の最大の売り手は海外であった。現先合計で1366億円の売り越し。うち現物で549億円の売り越し。先物で816億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170331

この週はふだんとは異なり両者の数字の差が非常に大きい。3月第5週に関してはその裏側までは読み切れなかった。信託のTOPIXラージ先物の買いが外資系大手に流れたかもしれない。今までは小さかったが、今回は増えたことが考えられる。また、海外の大口売りの一部が日系大手に流れている。毎週存在するが、規模が大きかった。規模が大きいと裏側まで読めることもあり、実際一部なら読める。しかし全体像は複雑すぎる。

この2種類の数字の差の発生理由以外では読めることもある。先物手口概算の売り方のトップであるUBSの売りは、この週も大半がUBS本体運用部の売りである。UBS証券の日々の売買の合計では少しばかりの売り越しであった。すなわち、UBS証券の建玉変化の多くはモルガンMUFGとバークレーズで売られたものがUBS証券へと移管(またはギブアップ)されている。この2社はUBS本体運用部の御用達のような証券会社である。UBS証券の売りの大半は、UBS本体運用部が売ったとしか考えられない。

買い方のトップはABNアムロクリアリング。この証券会社はHFTが多いことで有名であるように、投機筋のシェアが高い。第5週は買い建玉を残しているが、近い将来に売りが出てくる投機筋の買いである可能性が高い。

この週の海外は、UBS本体運用部やゴールドマン、モルガンMUFGといった昨年の秋頃から買い上がっていた中長期性の資金による中短期志向の買いポジションの縮小が売り方の多くを占めていたと思われる。買い方はABNアムロクリアリングを筆頭とする投機筋の買いが多かった。

合計すると、3月第5週は「信託、個人の買い越しvs海外、自己の売り越し」であった。年度の初めということで、信託による先物買いはいつものように入った。日銀ETFも買い越したが、金額は少なめであった。海外はUBS本体運用部による売りが最も大きかった。その中で信託の一部が金曜日に大きく売り越していた。この売りこそが、海外が森友学園問題を嫌がって売っているという見方が広まったことによって出てきた国内機関投資家の売りである可能性が高い。こうした売買の合計が週間の日経平均株価を184円引き下げて終わることになった。



3月 月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20170331

記録にとどめておくべき事項、数字。

投信現物
野村総研によると、3月の公募型日本株投信は665億円の資金純流出。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」400億円前後の買い越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」150億円前後の買い越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」20億円前後の買い越し。

事法部門での自社株買い
3月15日に行われた三菱ケミカルによる300億円の買いが一番大口。

自己
日銀ETFが6060億円の買い。

裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計 974億円(現物買い・先物売り)。
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値 1000億円前後(現物買い・先物売り)。

特殊な大口売買
ゴールドマンが3月15日、16日、22日に日経平均ラージ先物約2.3万枚、4650億円のクロス。これが自己買い・海外売り。これによって12月の海外の買いは4650億円少なく、自己の買いは4650億円多く見える。

3月月間では、「自己1兆1774億円(うち日銀ETF6060億円)の買い越し、個人4679億円の買い越しvs海外1兆6823億円の売り越し」で、日経平均株価は374円下落し18909円で引けた。

ゴールドマンの特殊なクロスを除くと、「自己7100億円(うち日銀ETF6060億円)の買い越し、個人4679億円の買い越しvs海外1兆2200億円の売り越し」であった。


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テーマ : 経済
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