2017年3月第2週 株 コメント

3月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170310

3月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170310

3月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170310

時系列データ
 現物と先物の投資部門別売買状況 時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年3月第2週の日経平均株価は前週末比135円高の19605円で引けた。この週はNY株価が冴えない展開が続いた。そのため株価を引き上げたのは為替レートの動きであった。3日のイエレンFRB議長の議会証言はタカ派的な内容であった。しかしその内容はすでに織り込み済みであり、しばらくは円高傾向が続き、株価も弱含んだ。その円高の流れを転換させたのが8日に公表されたADP全米雇用報告の予想以上の強さであった。9日のドラギECB総裁の発言も従来のハト派色が弱まり、円安進行の材料となった。この円安進行を背景にして週末にかけて株価は上昇した。週を通してみると日経平均株価は3週連続で上昇し、年初来高値で終えることになった。

最初に、この週のTOPIXラージ先物の売買において、投信1202億円買い・信託1103億円の売りがあったことについて説明をする。こうした投信と信託に近い金額が売り買い反対方向に1000億円以上もあることはほとんどない。しかし最近、1度だけあった。それが1月第4週である。この週は日経平均ラージ先物に信託2700億円買い、投信2345億円の売りという売買があった。この週は同じ顧客が2000億円前後の日経平均ラージ先物の投信買い建玉を信託での買い建玉へ勘定を移したと推測した。3月第2週は同じ顧客が今度はTOPIXラージ先物の信託買い建玉を投信での買い建玉へと勘定を移したと考える。その金額が1150億円前後であった可能性が高い。手口は三菱UFJ→野村が多かったと思われる。前回は大和→野村であった。方向は正反対であるが、ほとんど見られない形式の売買が7週間に2度起こった。同じ顧客が保有する先物を投信(私募)と信託(特金など)の間で勘定を移し替えた可能性が高い。

3月第1週の最大の買い手は自己であった。現先合計で1806億円の買い越し。うち現物で3037億円の買い越し。先物で1231億円の売り越し。

この週の日銀ETFは784億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は現先総合で1000億円前後の買い越しになる。この週はメジャーSQのある週であった。1000億円の買い越しというのは通常の週なら多い方であるが、メジャーSQのある週にしては少ない。

この週の東証発表の金額では裁定形成買いが952億円、裁定解消売りが1891億円、差し引き939億円の裁定解消。裁定残はそれ以上減っているので、その減少株数から計算すると1600億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。一方、裁定以外のプログラム売買は1兆1665億円の買い、8956億円の売り、2709億円の買い越しであった。プログラム売買での買い越し分は、後で示すパリバが裁定形成と同じ形で現物を買った分などが含まれているからである。

この週はメジャーSQのあった週にしては裁定の買いと売りの合計金額が少なかった。一方、裁定以外のプログラム売買は、最近にメジャーSQがあった週の中ではやや多めの週であった。3月第2週も通常のメジャーSQのあった週と同様に、SQとその前後に現物、先物、OTCデリバ等の取引所内外での売買が大量に入っていた可能性が高い。ただ、現物と先物の裁定の中で東証に裁定として報告された金額が少なかっただけだと思う。裁定ではない単なるプログラム売買としては報告されている。

現物の取引所外取引やOTCデリバ等の売買は毎週存在するが、メジャーSQのある週は特に多い。そうした取引の影なら見ることができる。しかしその内容については自己の裁定売買を含めていろいろと推測はしているが、確度の高いものは少ししかわからない。その内容については、後に海外のところで少し触れることにする。

投信は現先合計で1214億円の買い越し。うち現物で505億円の売り越し。野村総研によると、3月第2週の国内株式型の公募投信は3億円だけの資金純流出であった。私募投信が500億円前後売り越していたと推定するしかない。

投信先物は1719億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で538億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」350億円前後の買い越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」200億円前後の買い越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」150億円前後の買い越し。

上記の3本で700億円の買い越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の1本とシンプレックスの2本を加えると、6本合計で750億円前後の買い越しであった。この6本のブルベア型投信以外の公募、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を200億円ほど売り越していたことになる。TOPIXラージ先物の買いは、大半が先に示した同一顧客内部での信託から私募投信への勘定の移し替えである。

個人は現先合計で538億円の売り越し。うち現物現金で1419億円の売り越し。信用で443億円の買い越し。先物で437億円の買い越し。小幅上昇の3月第2週は売り越しになった。個人は今年に入ってから10週連続で逆バリである。

信託は現先合計で1021億円の売り越し。うち現物で256億円の売り越し。先物で765億円の売り越し。信託も1150億円前後の同一顧客による信託から投信への勘定の移し替え分を差し引くと、少しばかりの買い越しであった可能性が高い。

3月第2週の最大の売り手は海外であった。現先合計で1099億円の売り越し。うち現物で987億円の売り越し。先物で112億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算(3種の先物)の外資系14社を比較すると下記のようになる。
ブログ外資系と海外の比較20170310

日経平均ラージ先物とミニ先物を一体的に見ると、それほど乖離した金額でもない。メジャーSQのある週は外資系の売買の中にある自己の売買金額は通常より大きく、もっと乖離することが多い。ただどの証券会社の売買が自己であるかを示すことは難しい。先にも書いた通りメジャーSQのある週の自己は現物先物の取引所内取引だけではなく、現物の取引所外取引やOTCデリバ等の売買が多い。このことは海外、あるいは外資系の売買についても同様である。

この週の特徴は現物にある。投資部門別売買状況の海外現物は987億円の売り越し、財務省の対外証券投資での海外による対内株式投資は7227億円の売り越し。差が6240億円もある。乖離自体は毎週存在する。しかし乖離の幅としては6778億円が過去最高なので、非常に高い水準である。SQ前後の現物の取引所外取引で海外は6000億円前後売り越している可能性が高い。にもかかわらず株価が下げていないのは、OTCデリバ等に6000億に近い金額の海外による買いがあった可能性が高い。自己の所で書いた通り、メジャーSQ時にはこうした取引所外取引やOTCデリバ等の取引の中にある大きな影までは見える。しかし影の実体については、グロスの売越額は大きくてもネットの売越額は小さいということ以外に可能性の高いものを示すことはできない。海外に6000億円もの現物の取引所外取引とOTCデリバ等の売買があるということは、その相手方は自己であり、自己にも海外とは正反対の同様の取引があったことになる。

もう1つ指摘しておきたいことは、パリバによるTOPIXラージ先物売り4150億円についてである。パリバは10日の終了時点でTOPIXラージ先物を10万枚強も売り立てている。第2週はロール・オーバーに加え、3限月買い・6限月売りの新規の限月間スプレッドが4000億円前後見えていた。従って、パリバのTOPIXラージ先物売りは裁定である可能性が高い。以前のパリバのTOPIXラージ先物売買はどちらかというと自己の売買の方が多いように見えた。しかし、最近は海外と思われる売買も増えた。海外といっても、その多くの部分はパリバの海外自己である。3月第2週のTOPIXラージ先物の売りに関しては、全部か多くが海外自己である。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を見る限り、そう考えざるをえない。しかし現物買いについては、全部か多くかが東京自己である。東証の投資部門別売買状況の自己と海外の現物売買からそう考えざるをえない。3月第2週のパリバの売買については、現物買いは東京自己、先物売りは海外自己が中心になっている。そしておそらくであるが、両者の間にOTCデリバでパリバの東京自己売り、パリバの海外自己買いという取引が存在するのであろう。

この週の海外はSQとその前後にいろいろ複雑な売買が大量にあったため、トータルとして見れば、売り越しか買い越しかわからない。確実なことは、取引所内取引だけの海外は現先合計で1099億円の売り越しであった。

合計すると、3月第2週は「自己、投信の買い越しvs海外、信託、個人の売り越し」であった。この週は同じ投資家によるTOPIXラージ先物の信託買いから投信買いへの移し替えが1150億円ほどあった。メジャーSQのあった週であるということと、財務省の統計の海外が大幅な売り越しであったことから、海外には取引所外で複雑な売買が大量にあったことを示す大きな影までは見える。しかしその細かな内容、すなわち影の実体まではわからない。それでも海外は取引所内取引だけならば売り越しであり、株価を引き下げた。個人とともに売り方の主体であった。買い方は自己の日銀ETFとブルベア型投信の先物買いが中心であった。それにパリバの東京自己と思われる現物買いが加わる。結果として日経平均株価は135円だけ上昇して週を終えることになった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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