2017年2月第3週 株 コメント

2月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170217

2月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170217

2月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170217

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年2月第3週の日経平均株価は前週末比144円安の19235円で引けた。前週末の日米首脳会談でのトランプ大統領の安倍首相に対する歓迎ぶりを好感する形で週初の株価は上昇して始まった。その後は円高が進行したことから下落した。14日にイエレンFRB議長が議会証言でタカ派気味の発言をしたことで円安が進行し、株価も再び上昇した。しかし、週末にかけて円が対ドルだけではなく対ユーロでも円高方向に進み、不穏な欧州の政治情勢の折り込みとの解釈がなされた。この円高を嫌気して株価も下落し、週間では値下がりのまま週を終えた。

2月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で1734億円の買い越し。うち現物で1569億円の買い越し。先物で165億円の買い越し。

この週の日銀ETFは1468億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は300億円前後の買い越しになる。これくらいならディーラーのポジション調整の売買として許される金額の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では620億円の裁定形成。裁定残はそれほど増えていないので、その増加株数から計算すると400億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。後で述べるが、この週はABNクリアが1250億円の現物売り先物買いを実施していた可能性がある。そのため、この週の裁定売買は620億円に近かったと考えることにする。東証発表の裁定形成売買は、ドイツ350億円、三菱UFJ150億円、みずほ100億円が大口上位である。

個人は現先合計で1087億円の買い越し。うち現物現金で884億円の売り越し。信用で762億円の買い越し。先物で965億円の買い越し。個人はやはり逆バリであり、今年も7週連続で逆バリが続く。

海外は現先合計で1042億円の売り越し。うち現物で763億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。
ブログ外資系と海外の比較20170217

この週は先物の投資部門別売買状況の海外と大手証券先物手口概算の外資系14社との間に珍しいほどの大きな乖離があった。この差を埋めるものとして、ドイツ自己の裁定の売りを日経平均ラージ先物の売りと仮定し、ABNクリアの日経平均ラージ先物買いを自己と仮定してみた。これが正しいと言うつもりはない。一つの考えられるシナリオでしかない。ABNクリアによる先物売買の大半は海外であるが、たまに大口の売買が海外ではなく自己ではないかと思われることが過去にあった。消去法で考えると一番ありえそうなシナリオでもあるが、可能性が高いという証拠は存在しない。仮にこのシナリオが正しいとするならば、ABNクリアの自己が先物のロングをカバーするために同金額の現物を売っているはずである。

この週の先物売買の最大の特徴はUBSによる先物の売りである。日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物の合計だけで2550億円の売り越しである。同時に第2週の2350億円の売り越しに続く2週連続の大幅売り越しである。UBSの日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物の保有建玉推移を表すグラフを下記に掲載する。

UBS建玉推移20170217

この週のUBS証券による先物売りの大半はUBS本体運用部の売りであることは間違いない。確度は99%である。日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を同時に多数の証券会社で売却し、その玉をUBS証券へと建玉移管(ギブ・アップの方が正しい)している。これは両先物を大量に売った主体が超大手の1顧客だけであり、同時にUBS証券と深いつながりのある運用会社であることを意味する。UBS証券と深いつながりのある超大手の大口顧客とはUBS本体運用部しかありえない。少し前に買っている日経平均ラージ先物の買いの中にはUBS本体運用部以外の顧客の買いが含まれている可能性がある。しかし、今年に入ってからのUBS証券による先物の大口売りの大半がUBS本体運用部であることはほぼ間違いない。基本は順バリ戦略であったが、過去に売りが遅れて大損をした経験があるので、今回は早めの利食いに動いている。

ゴールドマンは第2週に先物を大量に買い、第3週は13日にTOPIXラージ先物を大量に買った。このことはマスコミにも取り上げられたが、ゴールドマンの大量買いは13日で一旦終了したようである。ゴールドマンよりももっと大量に売買をしたUBSは取り上げられなかった。UBS本体運用部のステレス売買は大成功が継続中である。

この週はUBS本体運用部の2650億円前後の先物売りに対して、それ以外の海外先物の大半は買いで向かい、海外全体の先物は279億円の売り越しになった。それ以外に海外は現物を763億円売り越し、現先合計では1042億円の売り越しになった。金額としては大きな金額ではない。しかし、小幅ではあるにしても、海外の売り越しが事実上この週の株価を引き下げた最大の要因であった。

2月第3週の最大の売り手は投信であった。現先合計で1310億円の売り越し。うち現物で117億円の売り越し。野村総研によると、2月第3週の国内株式型の公募投信は928億円の資金純流出であった。この2種類の金額がここまで離れるのは久々である。いつもと同様に私募投信の買いを仮定するしかない。最近は私募投信の小さ目の売りを仮定することが多かった。従って、たまには大き目の買いを仮定することがあっても良いのではないか。

投信先物は1192億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1344億円の売り越し。TOPIXラージ先物で177億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」700億円前後の売り越し。
野村アセット「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」300億円前後の売り越し。
大和投信「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」200億円前後の売り越し。

上記の3本で1200億円の売り越しになる。同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の1本とシンプレックスの2本を加えると、6本合計で1300億円の売り越しであった。投信の日経平均ラージ先物はこの6種類の投信の売りで大半を説明できる。その他もろもろの投信が合計でTOPIXラージ先物を中心に177億円買い越した。

ただこうしたブルベア型投信を売買する主体の多くは個人である。またこの週の日経平均株価の値下がり率は小さいので、売りが出た主因は、投信の解約が増えたことである。すなわち、この週の個人は1300億円まではいかなくとも、例えば1000億円程度を売り越していた可能性が高い。第3週の個人は信用と先物で合計1849億円の買い越しであった。スイングトレーダーが中心の買いであろう。ブルベア型投信の売買もスイングトレーダーの比率が高い。従って、この週の個人の中でスイングトレーダーは先物と信用で買い越し、ブルベア型投信で売り越しで、差し引くと数百億円の買い越しであった。一方、個人現物現金には762億円、投信現物には117億円の売りがある。スイングトレーダーだけなら買い越しであるが、それ以外も加えた個人全体では小幅ながらも売り越しであったと思われる。

合計すると、2月第3週は「自己、個人の買い越しvs投信、海外の売り越し」であった。この週は、個人買いvs投信売りとなっているが、投信の売りも個人の比率が高いと思われ、投信をも含めた個人は小幅の売り越しであった。海外の内部では、UBS本体運用部の売りvsその他多数の海外の買いというぶつかり合いがあり、合計すると小幅の売り越しであった。こうした売買を整理して一番大口のものをとりあげると、「日銀ETFの買いvsUBS本体運用部の売り」であった。UBS本体運用部は2週連続で先物を大幅に売り越していた。第2週はゴールドマンの先物買いがあって株価は上昇したが、第3週は日銀ETFの買い支えで株価の下落を小幅なものに押しとどめるしかなかった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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