2017年2月第2週 株 コメント

2月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170210

2月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170210

2月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170210
時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年2月第2週の日経平均株価は前週末比461円高の19379円で引けた。この週の株価が動いた最大の要因は、やはりアメリカのトランプ大統領の動向であった。3日にトランプ大統領がドッド・フランク法の見直しを指示する大統領令に署名した。これを好感する形でNY株価が上昇し、6日の寄り付きは高く始まった。その後は10日の日米首脳会談を睨んで小動きが続いた。9日にトランプ大統領が2-3週間以内に法人税の驚異的なプランを発表すると発言したことにより、NY株の上昇と円安が引き起こされた。これに応じる形で日本の株価も10日は大きく上昇した。週間では、2月第1週の下げの8割以上を埋めて週を終えることになった。

2月第2週の最大の買い手は海外であった。現先合計で1404億円の買い越し。うち現物で1372億円の買い越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

 先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物   631億円の売り越し  250億円の売り越し
 日経平均ミニ先物    81億円の買い越し   50億円の売り越し
TOPIXラージ先物  592億円の買い越し  450億円の売り越し
   先物合計        32億円の買い越し  750億円の売り越し

先物の投資部門別売買状況の海外と先物手口概算の外資系14社合計との乖離は約780億円。この週はドイツが700億円、ソシエテが50億円の裁定形成の売りを自己部門で実施している。この大半がTOPIX型と仮定すると、外資系14社を通じる海外のTOPIXラージ先物は300億円の買い越しになる。投資部門別売買状況の海外はTOPIXラージ先物が592億円の買い越しであり比較的近い金額になる。先物全体では±0億円と32億円の買い越しとなり、近い金額になる。

ツイッターでも掲載したゴ-ルドマンとUBSのTOPIXラージ先物の建玉推移を表すグラフを下記に掲載する。
UBS_GS TOPIX

この週の最大の見所は先物市場、特にTOPIXラージ先物におけるゴールドマン買いvsUBS売りの対決であった。

ゴールドマンのTOPIXラージ先物買いは年金などの中長期性の資金を運用する数社からなる大口顧客の買いであると考えている。昨年秋以降、持たざるリスクを感じてTOPIXラージ先物を中心に買い上がってきた。2月第2週もその戦略に変更はなかった。

UBSのTOPIXラージ先物売りは大半がUBS本体運用部の売りであると考えて間違いない。UBSは昨年の秋以降、順バリ傾向の強い戦略を採用してきた。元本確保型のポートフォリオ・インシュアランスに近いような売買戦略である。そして1月第2週は順バリながらもかなり大幅な売り越しになっていた。それが2月第2週はついに逆バリで大幅な売り越しになった。運用の基本方針を変えて、2月第2週は利益確定に走ったようである。

UBSは急騰した10日日中にTOPIXラージ先物3限月を958枚買い越している。しかし6限月には2000枚の売り越しがあり、合計すれば1042枚の売り越しである。夜間は買い越しだが24枚に過ぎない。UBS本体運用部が一時的には利益確定に走ったことまでは間違いない。それでもなおUBS本体運用部は依然として大量のTOPIXラージ先物の買い建玉を保有している。売り越しが一時的かまだ続くのかを見極めるにはもう少し時間が必要である。

海外の日経平均ラージ先物は、TOPIXラージ先物とは種類の異なる資金の割合が高いと考えている。最近のUBSによる日経平均ラージ先物の売買はUBS本体運用部の売買かどうかも判別がつかない。ゴールドマンの日経平均ラージ先物もTOPIXラージ先物を買い続けている顧客とは別の顧客が多いと推測する。いずれにせよ投資やヘッジと言うよりも、投機かアービトラージの売買の割合が高く、海外による日経平均ラージ先物は631億円の売り越しになった。

海外は現物も買い越しである。この中にはゴールドマンで先物を買っているのと同じ投資家の買いが混じっている可能性がそれなりに高いと思う。現物は短期的な株価の上下とは関係なく長期間保有し、株価が下がると思えばTOPIXラージ先物を売る予定であるはずだ。また日経平均ラージ先物を売って現物を買うアービトラージの買いも一部はあると思われる。こうした買いを含めて、海外の現物は1372億円の買い越しになった。

2月第2週は海外の間でも相場観が大きく分かれ、売りと買いがぶつかり合った。それを合計すると現先合計で1404億円の買い越しになった。トランプ政権の動向を見ながら売買をしているわけであるが、第2週は好材料に反応する形で、合計すれば売りよりも買いの金額の方が多かった。

投信は現先合計で767億円の買い越し。うち現物で232億円の売り越し。野村総研によると、2月第2週の国内株式型の公募投信は309億円の資金純流出であった。現物売りの大部分は解約に伴う売りであった。

投信先物は999億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で777億円の買い越し。TOPIXラージ先物で204億円の買い越し。この週に行われた投信による日経平均ラージ先物の大口売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 350億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 250億円前後の買い越し。

上記の2本に加え、同種のブルベア型投信で資産規模が大きい大和の2本とシンプレックスの2本を加えると、合計で800億円の買い越しであった。日経平均ラージ先物はこの6種類の投信の買いでほぼ説明できる。その他もろもろの投信が合計でTOPIXラージ先物を204億円買い越した。

自己は現先合計で595億円の買い越し。うち現物で1033億円の買い越し。先物で437億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で179億円の買い越し。TOPIXラージ先物で982億円の売り越し。

この週の日銀ETFは764億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は200億円前後の売り越しになる。これくらいならディーラーのポジション調整の売買として許される金額の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では1030億円の裁定形成。裁定残はそれほど増えていないので、その増加株数から計算すると200億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。投資部門別売買状況を見る限り、この週の裁定売買は1030億円に近く、その裁定売買の何割かは後になって裁定以外の勘定に移されたと考える。東証発表の裁定形成売買は、ドイツ700億円、みずほ200億円、三菱UFJ50億円、ソシエテ50億円が大口上位である。

事法は現先合計で550億円の買い越し。うち現物で582億円の買い越し。この週の大口の自社株買いとしては9日の三井物産による475億円の買いがあげられる。テルモも10日に442億円の自社株買いを実施しているが、これはオリンパスの持ち合い解消売りを引き取ったものである。事法の残りの売買の多くは自社株買い+持ち合い解消売りになる。

銀行は現先合計で623億円の売り越し。うち現物で398億円の売り越し。先物で225億円の売り越し。銀行は週ごとに見れば、小幅の売り越し、買い越しが交錯している。しかし長期で見れば、一方的な売りが少しずつ積み重なっている。ただ最近は売越額が少し拡大傾向にある。その結果、第2週は売り越しの上位に銀行が登場することになった。

2月第2週の最大の売り手は個人であった。現先合計で2258億円の売り越し。うち現物現金で1842億円の売り越し。信用で88億円の買い越し。先物で504億円の売り越し。個人はやはり逆バリであり、今年も6週連続で逆バリが続く。

合計すると、2月第2週は「海外、投信、自己の買い越しvs個人、銀行の売り越し」であった。この週のトランプ政権絡みの材料は好材料が多く、海外がやはり買い越しの筆頭であった。それでもUBS本体運用部のように、買いのポジションを大きく手仕舞う投資家も現れた。自己に含まれる日銀ETF、ブルベア型投信は買い越しであった。売りの主体は逆バリの個人、そして最近少し売越額が拡大気味の銀行が中心であった。それでも日経平均株価が上昇する中、基本は「海外買いvs個人売り」という通常通りのパターンであった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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