2017年1月第3週 株 コメント

1月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170120

1月第3週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20170120

1月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用2017120


時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年1月第3週の日経平均株価は前週末比149円安の19138円で引けた。この週の外部環境としては、NY株価は下げが続いた。為替レートはほぼ横ばいであったが、一時的な円高進行はあった。休み中にハードブレグジットの報道があり、週初は円高とともに株価は下げて始まった。17日には当時のトランプ次期大統領が、主として人民元相場を念頭におきながら、ドルが強すぎると発言したことがWSJ紙に掲載された。そのため18日の寄り前にも円高が進行し、これを嫌気して、18日の前場中頃まで株価は下げを強めた。その後は円高修正とともに株価も反転上昇した。週を通して見ると、日経平均株価は小幅の値下がりのまま週を終えた。

1月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で3599億円の買い越し。うち現物で1592億円の買い越し。先物で2007億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1456億円の買い越し。TOPIXラージ先物で501億円の買い越し。

この週の日銀ETFは2169億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は1400億円前後の買い越しになる。自己による買越額としては少し大きい。取引所外で自己は現物やデリバ等を1400億円前後売り越している可能性が高い。金額が大きいが背景はわからない。ただ最近の傾向からすると、取引所外での自己は売りか買いかが一方的に積み上がることはない。遠くない将来に反対売買が出てくる可能性は、非常に高い。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では1億円の裁定形成。裁定残は反対に減少しているため、その減少株数から計算すると1100億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。この週の裁定売買は+1億円と-1100億円の間であり、どちらに近いかはよくわからない。取引所外で1400億円も売買されると、取引所内もわからなくなる。

東証発表の裁定売買の先物において、裁定解消の買いはみずほの1100億円が最大である。先物の投資部門別売買状況では自己が日経平均ラージ先物を1456億円買い越している。みずほは日経平均ラージ先物を1800億円買い越しているが、このうち1100億円は自己による裁定の買いである。これは裁定解消ではなく、新規の売り裁定の形成買いと表現するのが正しい。みずほ以外では、裁定形成の売りがドイツ600億円、野村300億円、三菱UFJ300億円、裁定解消の買いはソシエテ150億円と東証は発表している。

個人は現先合計で325億円の買い越し。うち現物現金で437億円の売り越し。信用で542億円の買い越し。先物で220億円の買い越し。個人はやはり逆バリであり、今年も3週連続で逆バリが続く。先物と信用を駆使するスイングトレーダーは買い越しになっている。しかしそれ以外は売り越しである。年初であるので、昨年末に税金対策のために換金した資金とNISAを通じるニューマネーがあるはずである。下がればもう少し多めに買うと考えていたが、少なめの買いしか入っていない感じがする。

投信は現先合計で259億円の売り越し。うち現物で1045億円の売り越し。野村総研によると、1月第1週の国内株式型の公募投信は449億円の資金純流出であった。

投信先物は785億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で547億円の買い越し。この週に行われた大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 200億円前後の買い越し。

この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、少しばかりの買い越しであった。

上記の現物資金純流出とブルベア型ETFを除くと、現物で600億円の売り越し、日経平均ラージ先物で300億円前後の買い越し、TOPIXラージ先物で234億円の買い越しになる。現物売りが600億円、先物買いが550億円程度になる。その他もろもろの投信の売買合計がこの金額の現物売り・先物買いとなった可能性もある。他方、1社だけで550億円程度の現物売り・先物買いを実施したことも考えられる。どこか1社だと仮定するならば私募投信であり、売買の手口はみずほ証券である可能性が高い。みずほ証券であるならば、アセットマネジメントOneによる現物買いから先物買いへの乗り換えである。アセットマネジメントOneは12月26日に信託勘定で現物売り・先物買いを1000億円実施したのでどうしても連想してしまう。ただし、今回は12月26日よりも確度がずっと低い。12月26日は確度90%であったが、今回の確度は30%である。

信託は現先合計で576億円の売り越し。うち現物で507億円の買い越し。先物で1083億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で972億円の売り越し。現物には押し目買いが入っている。しかし先物をもっと大きく売っている。信託はアベノミクス相場の初期において、現物を大幅に売り越す一方、日経平均ラージ先物を多少買い越していた。しかし、最近の日経平均ラージ先物は売りがずっと続いている。1社か少数の会社のまとまった売りだと思うが、手口も分かれており背景はつかめない。

海外は現先合計で3027億円の売り越し。うち現物で1040億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物 1069億円の売り越し 1100億円の売り越し
 日経平均ミニ先物  141億円の売り越 し   0億円の売り越し
TOPIXラージ先物 745億円の売り越し 1200億円の売り越し
   先物合計     1987億円の売り越し 2300億円の売り越し

上記に加えて、先に示したように、自己の裁定の先物売買が、ドイツに600億円売り、ソシエテに150億円買いだけ存在する。合計で450億円の売り越し。外資系14社の先物売越額2300億円から外資系自己の売りである450億円を差し引くと1850億円の売り越しになる。これで投資部門別の海外による先物売りの1987億円にかなり近くなる。ドイツとソシエテの自己の先物売買を両方ともTOPIXラージ先物と決めつければ、種類ごとでもだいたいは近くなる。強引な解釈も必要なので、近いというのはたまたまであろう。実際には、多少は近いという可能性は高いと思うが、非常に近いという可能性は低いと思う。

先物売買手口概算からわかることは、第3週には大口の売り手がいないということである。第2週はUBS、第1週はメリルリンチが先物をドカンと売っていた。第3週はシティグループが売りの筆頭であるが、700億円しか売り越していない。昨年秋以来、TOPIXラージ先物を中心にして買い上がってきたUBS、ゴールドマン、JPモルガン、バークレーズは4社ともTOPIXラージ先物を売り越しているが、金額は小さい。現物も同様だと思われる。大口の売り手がいたわけではない。

ハードブレグジットの報道もあったが、トランプ大統領の経済政策が徐々に顕在化し、ドル安誘導などの日本経済の成長に結びつかない政策が出てくる可能性が少しずつ高くなっている。その可能性に応じて海外はポジションを微調整しているわけである。最初から持たざるリスクを感じて買っているわけであるから、状況が変わって持たざるリスクが減少すると、方向は売り越しに変化する。今後もしばらくは、海外が買うかどうかはトランプ大統領が発表する政策や発言に一番大きく影響されるであろう。

合計すると、1月第3週は「自己の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。ハードブレグジットの報道やトランプ大統領の政策を見ながら、海外の多くの投資家が日本株の比率を調整するために、多数の小口の売りに分かれて売ってきた。信託もこの株価水準ではまだ売り越しであった。下げを食い止めたのは、大半が自己に含まれる日銀ETFの買いであった。ファンダメンタルズの改善に反応して買い越す国内投資家は依然として少数であった。日銀ETFが買い支える官製相場から脱することができていない。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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