2017年1月第2週 株 コメント

1月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170113

1月第2週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20170113


1月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用2017113

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2017年1月第2週の日経平均株価は前週末比167円安の19287円で引けた。NYダウが2万ドル目前まで迫ったが上に抜けることができず、為替も円高方向に進行した。トランプ次期大統領が11日の記者会見で期待の高かった財政政策に言及することがなく、代わりに日本との貿易不均衡を名指しで批判してきたため円高が進行し、12日の株価は下げた。13日は場中で少しばかり円安が進行したため戻したが、週間の日経平均株価は値下がりで週を終えた。

最初に過去2週に少し触れたみずほ証券による3週連続のJNETにおけるTOPIXラージ先物の大口買いについて整理する。結論は、「1月第2週の買いは自己か海外のどちらかの買い」までしかわからなかった。
  月日     買い枚数   終値 買い金額概算  週間の信託買越額
12月26日 7881枚 1534 1210億円  1032億円
 1月5日  1976枚 1554  310億円   338億円
 1月6日  3075枚 1549  480億円  上記と同じ週
1月10日 10413枚 1543 1610億円   174億円 
  合計  23345枚      3600億円  1544億円

12月26日の7881枚買いは信託の買いであることはほぼ間違いない。金額が大きいので、この金額をみずほ証券で売買する信託はアセットマネジメントOneしか考えられない。昨年10月にみずほフィナンシャルグループと第一生命が合同で作った運用会社である。ただしこの週は現物の売りが大量にあったので、現物の買いから先物の買いへの乗り換えである。

1月5-6日はどちらか一方だけが信託である。この週の全信託によるTOPIXラージ先物買いは4533枚しかなく、両方とも信託はありえない。もう片方は自己か海外になる。

1月10日の10413枚買いは自己か海外のどちらかしかありえない。買い枚数の合計が1万枚をこえている部門はこの2部門しか存在しないからだ。しかし、そのどちらも考えづらい。自己なら別の何かを1600億円ほど売っているはずだが、その売りが現物にも取引所外にも見当たらない。海外と考えても、みずほにこれほど超大手の海外顧客がいることは考えにくい。そして、後で示すTOPIXラージ先物の外資系の買いと海外の買いとの比較を見ても、みずほの全部が海外とは考えづらいからだ。

みずほの売買にこだわる意味がわからない方も多いかもしれない。それは、先物手口の分析というのは、超大口しか確かなことはわからないことが普通であるからだ。中口小口の売買なら個人から大手機関投資家まで何でもありである。しかし、こういう超大口の売買ができる顧客は世界中でも数が限られる。従って、超大口の売買ほど手口の正体を見抜くことができる確率が高くなる。12月第2週はゴールドマンの日経平均ラージ先物3万枚クロスを海外売り・自己買いとある程度の確率で推測することができた。これは3万枚のクロスであったからできたことであり、3千枚なら絶対に不可能であった。しかし、今回は自己か海外のどちらかまでしかつきとめることができなかった。

1月第2週の最大の買い手は自己であった。現先合計で496億円の買い越し。うち現物で470億円の売り越し。先物で966億円の買い越し。

この週の日銀ETFは751億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は250億円前後の売り越しになる。この金額ならディーラーによるポジション調整の売買額の範囲内である。みずほの1600億円の買いが自己であるならば、ここに1600億円前後の売りがなければならない。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では823億円の裁定解消。裁定残はそれ以上に減少しているため、その減少株数から計算すると3200億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。現物と先物の投資部門別売買状況を見ると、自己であろうと、他の部門であろうと、3200億円前後もの現物売り・先物買いは見えない。いつも述べているように裁定残の統計はいい加減なので、この週の裁定解消売買は823億円に近かった可能性が高い。

東証発表の裁定売買の先物において、裁定解消の買いはみずほの1300億円が最大である。先物の投資部門別売買状況では自己が日経平均ラージ先物を1096億円買い越し、先物売買手口概算ではみずほが日経平均ラージ先物を1400億円買い越している。これらの買いの中で、1300億円前後がみずほの自己による裁定解消の買いなのであろう。みずほの一部は現物売り・TOPIXラージ先物買いかもしれない。しかし、TOPIXラージ先物の買いは1600億円まではとても行かない。それに見合う現物売りがないからだ。一方、裁定形成の売りはドイツの600億円が一番の大口である。

海外は現先合計で434億円の売り越し。うち現物で1106億円の買い越し。日経平均ミニ先物は限月交代があったので誤差が大きい。従って、日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物  1584億円の売り越し  1400億円の売り越し
TOPIXラージ先物  274億円の売り越し  1400億円の売り越し
上記2種先物の合計  1858億円の売り越し  2850億円の売り越し
この週における先物の投資部門別売買状況の海外と外資系14社の売買は、日経平均ラージ先物は近い。TOPIXラージ先物は1100億円の差があり、両先物合計では1000億円の差になる。このうち先に買いたようにドイツの自己が裁定の売りを600億円ほど入れている。これがTOPIX型であったと仮定してこの分を差し引くと外資系を通した海外のTOPIXラージ先物売りは800億円、両先物の売りは2250億円となり、差は500億円と400億円になる。中途半端な誤差であり、みずほの1600億円買いの一部が海外の買いなら計算が合う。しかし1日にJNETでみずほを通して自己と海外が大口買いを1回ずつ入れることは考えられない。海外の買いにみずほの自己が売り向かっていたならば、ありえたかもしれない。

海外の売りは先物が中心であり、UBSが最大の売り手である。これは多分UBS本体運用部の売りであろう。今回はUBS証券で多くを売っており、他社で買い→UBS証券に移管が少ない。従って、いつものように「ほぼ間違いなく」ではなく、「多分」になる。UBSは相変わらず「順バリ傾向」があるが、以前のように「ほとんど順バリ」までは達していない。昨年秋以降、TOPIXラージ先物を中心に買い越してきたUBS、ゴールドマン、JPモルガン、バークレーズのうち2社が売り越しになり、特にUBSが大幅な売り越しに転じた。

海外による現物買いの背景については、直観的には先物とのアービトラージの買いの比率も高いと考える。そもそも海外による日経平均ラージ先物の売りは、ヘッジと投機のほか、アービトラージもかなりの比率を占めるはずであるからだ。

1月第2週の最大の売り手は投信であった。現先合計で590億円の売り越し。うち現物で566億円の売り越し。野村総研によると、1月第2週の国内株式型の公募投信は413億円の資金純流出であった。私募投信の売りも出ていた可能性が高い。

投信先物は24億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で31億円の買い越し。この週に行われた大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 300億円前後の買い越し。

この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものはトントンに近かった。ブルベア型ETF以外のもろもろの投信を合計した先物売りが300億円強であり、投信全体での先物は24億円の売り越しになった。

合計すると、1月第2週は「自己の買い越しvs投信、海外の売り越し」であった。UBSを中心とした海外が先物を売り越した。トランプが日本にネガティブな発言をすると、やはり海外は先物を売り越してくる。国内株式型投信の解約売りもあった。下げを食い止めたのは自己に含まれる日銀ETFの買いであった。みずほ証券も「TOPIXラージ先物1600億円の買い」を実施したが、自己か海外のどちらかまでしかわからない。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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