円の実質実効為替レート 基準時点の問題

日本経済は、現在、超円高という「津波」に苦しんでいる。

しかし、エコノミストの中には、「現在は円高ではない、それどころか、現在は円安が進行している」という意見も多い。中には、2005年-2007年頃の為替レートは超円安、円安バブルというべきもので、現在は、その超円安が是正されただけだと主張するエコノミストもいる。その根拠は、下記に示した日銀が毎月発表している円の実質実効為替レートの推移が根拠とされている。

円の実質実効為替レート(グラフ
実質実効為替レートは、ピークの1995年4月の151.07から2012年4月の98.54まで、34.8%も下落している。従って、現在は超円高ではない、という主張である。

しかし、こうした見方はあまりにも一面的である。例えば、基準時点を最も古い1970年1月におけば、円の実質実効為替レートは、1970年1月の59.00から2012年4月の98.54まで、67%も上昇している。

実質実効為替レートで為替水準を判断する際、経常収支が均衡している時点を基準時点とすることが望ましい。しかし、戦後の日本において、経常収支が均衡近くであった時点は複数存在し、どの時点を基準時点にするかで結論が変わってくる。ちなみに、日銀は、基準時点は1973年3月が望ましいと考えているようである。1973年3月を基準時点とすると、2012年4月の実質実効為替レートは、1973年3年の77.74から、2012年4月の98.54まで26.8%の上昇となり、依然として円高水準である。

実質実効為替レートで、為替レートの水準の高低を判断する際には、もっと多角的な分析が必要なのである。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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