2016年12月第4週 株 コメント

12月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161230

12月第4週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161230

12月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20161230

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年12月第4週の日経平均株価は前週末比313円安の19114円で引けた。まず株価上昇の大元であるアメリカの長期金利が少し低下した。NY株価も2万ドル目前まで上昇したが、突破できずに反落した。為替も少しばかり円高が進行した。さすがにこの環境で日本株だけが上昇するのは難しい。週初からは緩やかな下落が続いていたが、29日はNY株安、円高の影響で大きく下落した。日経平均株価はトランプラリーに入って7週間上昇し続けたが、8週目についに下落して週を終えた。

12月第4週の最大の買い手は海外であった。現先合計で2434億円の買い越し。うち現物で325億円の買い越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物  912億円の買い越し 1000億円の買い越し
日経平均ミニ先物   281億円の買い越し  250億円の買い越し
TOPIXラージ先物 869億円の買い越し  300億円の売り越し
合計        2109億円の買い越し  950億円の買い越し

この週の先物投資部門別売買状況の海外と外資系14社の売買は、日経平均ラージ先物、日経平均ミニ先物においては近い数字である。TOPIXラージ先物には乖離がある。これは外資系によるTOPIXラージ先物の売りの中に海外ではなく自己の売りが含まれているからである。過去の例からして、パリバの売りの多くは自己の広義裁定の売りである。仮にパリバのTOPIXラージ先物1500億円の売り越しの全部が自己であると仮定すると、外資系を通じる海外のTOPIXラージ先物は1200億円の買い越し、先物合計では2450億円の買い越しとなる。これでは外資系を通じる海外の先物買越額が少し大きくなりすぎる。すなわち、パリバの売りの多くは自己であるが、何割かは海外の売りなのであろう。それなら両者は近い金額になる。

前週書いた通り、昨年秋頃から12月第3週以前の海外はUBS、ゴールドマン、JPモルガン、バークレーズという4社の大口顧客のTOPIXラージ先物買いが主導して株価を引き上げてきた。第4週もこの4社は買い越しを続けている。ゴールドマンのTOPIXラージ先物はゼロであるが、厳密には10億円ほどの少しばかりの買い越しではある。この4社は引き続きTOPIXラージ先物を買い越しているが、買越額は第3週との比較で大きく減少している。この4社の買いの多くは、年金などの長期性の資金が中期的観点からTOPIXラージ先物を買い越し続けている。そして第4週にこの4社と入れ替わりで先物の買い越しを増やしたのがドイツであり、日経平均ラージ先物を中心とした1200億円の買い越しであった。

海外が現先合計で2434億円の買い越しで、うち現物が325億円しかない。買い越しの半分近くは日経平均型の先物である。現物の買越額が小さく、日経平均型の先物の買越額が一番大きいということは、セオリーでは長期性の投資的資金の買いは少なく、投機をも含む中短期性の資金による買いの割合が高かったことになる。

自己は現先合計で2121億円の買い越し。うち現物で5187億円の買い越し。先物で3066億円の売り越し。

この週の日銀ETFは2286億円の買い越しであった。従って、日銀ETF以外の自己は150億円前後の売り越しになる。150億円ならディーラーによるポジション調整の売買の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では1396億円の裁定形成。裁定残はそれ以上に増えているため、その増加株数から計算すると、2700億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。現物と先物の投資部門別売買状況を見ても、自己による現物買い・先物売りは2700億円前後は入っているはずである。

東証発表の裁定形成売買のうち最大のものは三菱UFJによる1000億円であった。先物売買手口概算で三菱UFJは800億円の売り越しである。三菱UFJには自己の裁定勘定だけで1000億円の先物を売り越し、それ以外のすべての売買を合計すると200億円の買い越しであった可能性が高い。

三菱UFJの次はドイツであり、300億円前後の裁定形成と東証が発表している。この2社以外は小口である。第4週はパリバのTOPIXラージ先物1500億円売りの多くが東証発表の裁定残に入っていた可能性が高い。パリバの売買は普通は東証発表の裁定残に含まれていない。しかし12月第4週に関しては、東証発表の裁定残に含まれると見なさないと裁定残はここまでは増えない。東証がパリバの売買を裁定売買として公表することはないが、裁定残にはパリバの分も時々含まれるようである。この裁定残の統計は相当いい加減な統計であるのだが、政府が法律を作って公表を義務づけている統計ではないので、あきらめるしかないのが現状である。

信託は現先合計で1027億円の売り越し。うち現物で1827億円の売り越し。先物で800億円の買い越し、うちTOPIXラージ先物で1032億円の買い越し。下げ相場であるが、信託の売り圧力は大きかった。

12月26日にJNETでみずほ証券がTOPIXラージ先物7881枚買いという手口があった。金額にすると約1200億円の買いである。この買いは先物の投資部門別売買状況と突き合わせると、信託の買いとしか考えられない。そして本日1月10日にもJNETでみずほ証券にTOPIXラージ先物10413枚の買いという手口が現れた。本日の売買も同じ信託の顧客の買いかもしれない。本日の買いが同じ信託か別の投資部門かで話が変わってくる。2週間先の1月第2週の投資部門別売買状況の公表後に推測結果をまとめることにする。

個人は現先合計で1545億円の売り越し。うち現物現金で2550億円の売り越し。信用で394億円の買い越し、先物で296億円の買い越し。信用と先物を駆使するスイングトレーダーだけなら第4週は買い越しであった。個人全体では今年の大半の週で逆バリであったが、12月第4週は順バリになった。

週のうち26日と27日が昨年の年内受渡日であった。従って、税金対策売りが一部含まれている可能性がある。27日までの株価は横ばいであり、株価が大きく下げたのは年内受渡日が終わってからである。なお、年が変わってからの損益確定売りというのもあるが、年内の売りよりは少ないのが普通である。株価は個人の税金対策売りで下げたのではない。それにしても個人による「現物現金+信用」の2157億円という売越額は大きい。第4週に出た税金対策売りの金額はよくわからない。しかし、税金対策売りが多ければ、年が変わればこの売却代金がNISA資金と同時に流入してくることが期待できる。税金対策売りが少なければ、個人投資家の株式離れのいっそうの拡大になるので、今年からはさらなる警戒が必要になる。このあたりは1か月くらい後になってからまとめてみたいと思う。

12月第4週の最大の売り手は投信であった。現先合計で1679億円の売り越し。うち現物で762億円の売り越し。野村総研によると、12月第4週の国内株式型の公募投信は841億円の資金純流出であった。すなわち現物の売りの大半は解約に伴う売りであった。

投信先物は917億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で874億円の売り越し。この週に行われた2本の大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 150億円前後の売り越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 150億円前後の売り越し。

この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、小幅の売り越しのものが多かった。しかしブルベア型だけでは874億円まではいかない。せいぜい半分程度までである。残りの半分はその他もろもろの投信の売りが積み重なったものであることになる。

合計すると、12月第4週は「海外、自己の買い越しvs投信、個人、信託の売り越し」であった。トランプラリーに入って日経平均株価の上昇は7週連続で止まり、8週連続にはならなかった。しかし海外は8週連続の買い越しであった。自己に含まれる日銀ETF2286億円の買いも株価を大きく下支えした。売り方はいつも通りの投信、個人、信託の売りであった。個人の中に税金対策売りが一部含まれていると思われるが、下げ相場にしては国内勢の売越額は大きく、同時に下値でも売り越してきた。この週も日銀ETFによる買いがなければ、日経平均株価は相当大きな下げを記録していたはずである。



12月 月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20161230

記録にとどめておくべき事項、数字。

投信現物
野村総研によると、12月の公募型日本株投信は4453億円の資金純流出。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 1800億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 150億円前後の売り越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 50億円前後の売り越し。

事法
最大の自社株買いは12月1-22日に行われた三菱UFJによる524億円の買い。銀行の持株会社の買いは事法に属する。

自己
日銀ETFが6906億円の買い。

裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計 535億円(現物買い・先物売り)。
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値 3600億円前後(同上)。

特殊な大口売買(詳細は12月第2週のブログ
ゴールドマン、12月14-16日、日経平均ラージ約3万枚、5000億円強のクロス。これが自己買い・海外売り。これによって12月の海外の買いは5000億円少なく、自己の買いは5000億円多く見える。

12月の月間では、現先合計で「自己1兆1843億円(うち日銀ETF6906億円)の買い越し、海外8846億円の買い越しvs個人1兆2379億円の売り越し、投信5033億円の売り越し、信託2731億円の売り越し」で、日経平均株価は688円上昇した。

ゴールドマンのクロスを考慮した買い方の実質ベースでは「海外1.4兆円、自己0.7兆円(ほぼ全額が日銀ETF)の買い越し」になる。


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