2016年12月第3週 株 コメント

12月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161222

12月第3週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161222

12月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20161222

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年12月第3週の日経平均株価は前週末比27円高の19428円で引けた。トランプラリーに入って7週目となり、まずアメリカの長期金利の上昇が頭打ちになった。NY株価は少しばかり上昇したが、為替レートは少しばかりの円高になった。20日に日銀金融政策決定会合があり、予想通りの現状維持であったが、その日の後場は円安株高が進行した。21日はNY株高を受けて高寄りしたが、その後は反落した。週を通してみると日経平均株価はわずかばかりの上昇で引けた。なお、TOPIXは週間で小幅安であるが、ここでは従来通り日経平均株価をベンチマークとして使用する。

12月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で3299億円の買い越し。うち現物で5191億円の買い越し。先物で1892億円の売り越し。

この週の日銀ETFは2274億円の買いであった。従って、日銀ETF以外の自己は1000億円前後の買い越しになる。ということは、自己は取引所外取引で1000億円前後売り越している可能性が高い。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では219億円の裁定形成。裁定残はそれ以上に増えているため、その増加株数から計算すると、900億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。

東証発表の裁定形成売買は、三菱UFJによる300億円が中心であり、それ以外は小口である。この週はすぐ後で示すが、外資系証券の自己による先物は売り越しと買い越しの合計金額が小さかった。従って、日系大手の先物が、投信、保険、信託に加え、自己の裁定、裁定以外の自己に分かれて売られている。先物売買手口概算にある三菱UFJによるTOPIXラージ先物500億円売りが自己の裁定の売りである可能性が高い。それ以外の日系大手による先物売りの中にある自己はよく見えない。そのため自己による現物5191億円買いの背景もよく見えない。前回のように自己の売買の中身がある程度推測できる週は少ない。

海外は現先合計で1022億円の買い越し。うち現物で1947億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。
先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物・・1786億円の買い越し 1600億円の買い越し
日経平均ミニ先物・・・・102億円の売り越し   50億円の買い越し
TOPIXラージ先物・1243億円の買い越し 1450億円の買い越し
合計・・・・・・・・・2969億円の買い越し 3100億円の買い越し

この週の投資部門別売買状況の海外と外資系14社の売買は、日経平均ミニ先物の売り買いの方向が異なるが、日経平均型で見ると差はほとんどなくなる。それ以外の先物においても、投資部門別売買状況の海外と外資系14社の売買が近い金額になっている。外資系自己の売買がスクウェアに近く、海外の売買が日系大手へと流れた分も少なかったので結果として近い金額になったようである。

12月第3週末時点におけるTOPIXラージ先物の保有買建玉上位5社はゴールドマン、UBS、JPモルガン、メリル・リンチ、バークレーズである。このうちメリルを除く4社が上記の先物売買手口概算においても上位4社となっている。その4社によるTOPIXラージ先物の保有買建玉の推移を表すグラフを下記に示す。

GSUBSBZJP建玉推移20161222

上記の4社は2015年夏以前にTOPIXラージ先物を買い上げた会社でもある。上記のグラフ上では2015年夏以前の大半の時期において、TOPIXラージ先物の保有買建玉上位4社はこの4社であった。この4社は2015年夏以降の下げ相場では売り越しに転じている。そして、2015年秋の戻り相場を買い上がって高値を掴んだのがUBSとバークレーズであった。そしてこの4社が今年の夏頃からTOPIXラージ先物を買い上がり始めている。

このうちUBSだけはTOPIXラージ先物と日経平均ラージ先物が似た動きを示した。他の3社の両先物は全く異なるか、少し似ている程度である。UBSが両先物を同時に買い上がっているということは、その大半の買い手は「UBS本体運用部」以外に考えられない。UBS以外についても、2015年夏以前にTOPIXラージ先物を買い上がった海外顧客と、最近TOPIXラージ先物を買い上がりつつある海外顧客とを比較すると、かなり多くが重なっていることは間違いない。UBS以外の3社については具体的な社名まではわからない。日本株を売買する海外の大手運用会社の中の数社か10数社程度が大半を占めると思われる。

直近と2015年夏以前について、現物株の売買動向にも共通点がある。アベノミクス相場初期の2013年に海外はTOPIXラージ先物を買い越したが、現物の買越額の方が大きく、現物主導の相場であった。2014年秋は金額を合計するだけでは現物主導に見えるが、週次レベルで株価が上昇した週の買いの中身までわけて細かく見てみると、先物主導の相場であったことがわかる。今回も12月第3週の現物は売り越しであり、それ以外の週でも、買越額は現物よりも先物の方が大きい週が多く、先物主導の相場である。

TOPIXラージ先物を買い越している海外顧客の中心は、年金や投信を中心とした中長期性の資金が多いと考える。ただ、2013年は現物を大量に買い、2014年秋と直近は現物以上に先物を中心に買い越している。これは現物を買って長期間保有するほど先行きに自信がないからである。持たざるリスクを感じて日本株を一応買い越してはいる。しかし、トランプ次期政権の経済政策が不透明な以上、比較的逃げやすい先物のウエートを高くしているのである。上記4社のTOPIXラージ先物の買い手は、長期性の資金ではあるが、近い将来売ることも考えながら買っている資金である。

海外による2014年秋の先物主導の相場は、2015年春頃から現物主導の相場に変わった。今回も、トランプ次期政権が大規模な財政政策を発動しながらも、円安非難や保護主義を採用しないという日本にとってはベストの政策が実現する可能性はありうる。そうなった場合には、海外は再び現物主導の形で大きく買い越してくる可能性が高い。

UBS以外の日経平均ラージ先物は、TOPIXラージ先物の買い手とは異なる顧客である。これは投機ないしはアービトラージの資金である可能性が高い。第3週は現物売り・日経平均ラージ先物買いになっている。この中で現物と先物が全く異なる顧客である分も多いとは思う。しかし、一部はアービトラージをする同じ顧客である可能性もありうる。

信託は現先合計で744億円の売り越し。うち現物で607億円の売り越し。この位置で株価が上昇するかぎり、信託はどうしても買えず、売り越しになってしまう。

投信は現先合計で1538億円の売り越し。うち現物で514億円の売り越し。野村総研によると、12月第3週の国内株式型の公募投信は1365億円の資金純流出であった。

投信先物は1024億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で694億円の売り越し。この週に行われた2本の大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 600億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 50億円前後の売り越し。

この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、小幅の売り越しのものが多かった。従って、投信による日経平均ラージ先物の売りの大半はブルベア型ETFの売りである。ブルベア型以外の投信は、現物を900億円前後買い越し、TOPIXラージ先物を307億円売り越している。確かなことはわからないが、公募投信は設定解約以外でのポジション調整は普通は大きくない。従って、残りの現物買い・先物売りの一部は公募投信であるにしても、私募投信である部分の方が割合としては大きかったと考える。

12月第3週の最大の売り手は個人であった。現先合計で1857億円の売り越し。うち現物現金で2365億円の売り越し。信用で383億円の買い越し、先物で126億円の買い越し。個人は上がれば売り越し。今年に入ってから個人は51週中46週で逆バリである。

個人による「現物現金+信用」は昨年12月第4週は下げ相場の中で1023億円の売り越しであった。この第4週が年内受け渡しの最終週であった。この中に税金対策の売りが含まれていた。ただその金額は1000億円以下であった可能性が高い。今年も税金対策の売りはあったと思う。だからこそ日経平均株価が小幅の上昇であるにもかかわらず、個人の「現物現金+信用」の売越額が1982億円とやや大き目であった。しかし、税金対策の売りは大きな金額ではない。第3週は営業日が1日少ない。そのため1営業日当たりの個人の「現物現金+信用」の売り全体の合計金額を計算して、12月第1-2週と比較すると、第3週に入ってからは増えることなく減っている。売買全体の中での個人全体の売りのシェアも12月第1-2週と比較すると第3週は微増であるが、特に高くはない。個人全体の中で、何らかの特殊な大きな売り、すなわち税金対策の大きな売りは見えない。税金対策の売りはあるはずであるが大きくはない。全体で数百億円程度と推測する。1月からはNISA資金が流入するが、こちらの金額の方が大きい。

合計すると、12月第3週は「自己、海外の買い越しvs個人、投信、信託の売り越し」であった。トランプ次期政権の財政刺激策に対する期待を理由にして海外は7週連続の買い越しであったが、買越額は減少した。そのため、最大の買い手は自己に含まれる日銀ETFの買いであった。売り方はいつも通りの個人、投信、信託の売りであった。株価の連騰が続き、個人の中に税金対策と思われる売りが少し含まれていたため、日経平均株価がわずかな上昇のわりには国内投資家の売越額は大きかった。日銀ETFによる買いがなければ、日経平均株価は少し大き目の下げを記録していたはずである。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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