2016年12月第1週 株 コメント

12月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161209

12月第1週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161209

12月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20161209

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年12月第1週の日経平均株価は前週末比570円高の18996円で引けた。11月10日から始まったトランプラリーは5週目となった。4週目の11月第5週は一直線の連騰の疲れが感じられた週であった。12月第1週も月曜こそはイタリアの改憲を問う国民投票が否決されてレンツィ首相の辞任による混乱などが警戒され、円高も進行したことから、下落して引けた。しかし週の後半にかけてNY株高、円安が進行し、日経平均株価も再び強い上昇局面へと復帰した。金曜には一時19000円台まで上昇し、大台まであと4円を残した高値で週を終えた。

12月第1週の最大の買い手は海外であった。現先合計で2643億円の買い越し。うち現物で5625億円の買い越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物・・3062億円の売り越し 5300億円の売り越し
日経平均ミニ先物・・・・281億円の買い越し  300億円の買い越し
TOPIXラージ先物・・269億円の売り越し 4000億円の売り越し
合計・・・・・・・・・2983億円の売り越し 8950億円の売り越し

日経平均ミニ先物以外は差が大きい。メジャーSQのあった週なので、外資系の売買には海外以外に自己の売買が大量に含まれており、海外と外資系の間に大きな乖離が発生しやすい。

海外は買い越しながらも現物買い・先物売りである。繰り返すが、メジャーSQのあった週なので、日経平均ラージ先物をSQ決済し、同時に現物のインデックス買いへと乗り換えた分が3000億円前後あった可能性が高い。その中心は日経平均ラージ先物を大量にSQ決済したBNPパリバであろう。一方、同じく日経平均ラージ先物をSQ決済したHSBCの日経平均ラージ先物は大幅な売り越し増加なので、アービトラージ型のヘッジファンドが売買した可能性の方が高い。ABNアムロクリアリングの先物売りは、海外投機筋の売りであろう。ドイツとソシエテの先物売りは自己の裁定の売りを多く含んでいる可能性が高い。ドイツとソシエテ以外にも自己の売買はあるはずであり、海外と外資系の売買の間に大きな乖離が発生する原因となる。

先物売りを除いても、海外は現物に2600億円前後の買いを入れている。背景は読みにくいが、一般論としては、現物の売買においては投機よりも投資の買いの割合が高い。

海外の買いはアメリカの投信を始めとして様々な買いの情報があふれていた。従って買い越しは当然としても、金額は思ったほど大きくはなかった。

投信は現先合計で1162億円の買い越し。うち現物で364億円の買い越し。野村総研によると、12月第1週の国内株式型の公募投信は578億円の資金純流出になっている。ということは私募投信が900億円前後の買い越しであった可能性が高い。

投信先物は798億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で692億円の買い越し。この週に行われた3本の大口投信による日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 200億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 200億円前後の買い越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 250億円前後の買い越し。

この週は上記以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、小幅の買い越しのものが多かった。従って、投信の日経平均ラージ先物692億円買い越しの大半はブルベア型ETFによる買い越しであると説明できる。

保険は現先合計で669億円の買い越し。先物で651億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で206億円の買い越し。TOPIXラージ先物で445億円の買い越し。株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフの上から5番目が保険である。昨年の後半から小幅な売り越しが積み重なっており、その分を最近買い戻している可能性が高い。今年の夏の安値でもかなり売っていたので、踏み上げになった分も多そうである。

信託は現先合計で330億円の売り越し。うち現物で2997億円の買い越し。先物で3327億円の売り越し。うちTOPIXラージ先物で2959億円の売り越し。株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフの中から信託の分を取り出して下記に示す。

信託先物 投資部門別売買状況 201601209

半年度の始めに配当込みTOPIXに連動させる目的でTOPIXラージ先物を買う。配当金が支払わると、先物から現物へと乗り換える。従来はメジャーSQの週だけではなく、数週間かけて乗り換えを行うのが普通であった。今回は11月第5週と12月第1週に大量に乗り換えをしている。このTOPIXラージ先物から現物へ乗り換えられた分を除くと、信託は300億円前後の売り越しになる。株価が上昇するかぎり、信託はどうしても売り越しになってしまう。

12月第1週の最大の売り手は個人であった。現先合計で4271億円の売り越し。うち現物現金で4066億円の売り越し。信用で356億円の買い越し、先物で561億円の売り越し。個人は上がれば売り越し。今年に入ってから49週中44週で逆バリである。高年齢富裕者の中には現物現金の売り一辺倒の人たちが少なからず存在する。株を売って配当利回りより遙かに金利の低い預金へと乗り換える逆グレート・ローテーションはこの週も高水準であった。

自己は現先合計で206億円の買い越し。うち現物で4819億円の売り越し。先物で5025億円の買い越し。

この週の日銀ETFは802億円の買いであった。従って、日銀ETF以外の自己は600億円前後の売り越しになる。この分については、自己が取引所外取引で現物かデリバを600億円前後買い越している可能性が高い。

この週の裁定売買は、東証発表の金額では2593億円の裁定解消。裁定残はそれ以上に減っているため、その減少株数から計算すると、4800億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。

投資部門別売買状況を見ると、この週は自己による現物売り・先物買いは4800億円前後は見える。おそらく、広義をも含めた裁定解消売買は4800億円前後入っていた可能性が高い。ただこの週はメジャーSQのあった週である。SQ時とその少し前のロールオーバー期には、現物、先物、OTCデリバなどを使った複雑な売買が自己と海外を中心に入っているはずである。先に書いたように、自己による取引所外取引での現物とデリバの買い越しが600億円前後である可能性が高いとは思うが、影が見えているだけであり、中身までは全く見えない。

東証発表の裁定売買は、みずほ2700億円、三菱UFJ900億円が売り裁定も含む現物売り・先物買いである。みずほの3000億円にのぼる日経平均ラージ先物買いの大半は売り裁定の形成買いであろう。三菱UFJのTOPIXラージ先物買いは約3000億円である。三菱UFJは東証発表分以外でも自己で現物売り・先物買いの裁定解消売買をしており、その金額は多ければ3000億円に近かった可能性が高い。一方東証は、ソシエテ900億円、ドイツ300億円の現物買い・先物売りという裁定形成売買を公表している。ソシエテのTOPIXラージ先物は2900億円の売り越しである。ソシエテの裁定形成売りも900億円と2900億円の間であった可能性が高い。ドイツも先物を合計して3400億円の売り越しである。ドイツの裁定形成売りも300億円と3400億円の間であった可能性が高い。

合計すると、12月第1週は「海外、投信の買い越しvs個人、信託の売り越し」であった。トランプ次期政権の財政刺激策に対する期待や円安を理由にして海外は4週連続の買い越しであった。海外による日本株買いはその通りであったが、買越額としては騒がれたほど大きな金額ではなかった。とはいうものの、海外以外の国内投資家が大量に買ったわけでもない。

海外による大口とは言えない買いで日経平均株価が上昇した最大の理由は、個人以外の国内機関投資家が、積極的に買ったわけではないが、売越額も小さかったことが原因である。先物にショートを持っていた国内投資家と一部の投信は買いを入れた。それ以外の投資家は買う勇気はなかったが、大きく売ることもなかった。一方、高年齢富裕層を中心とする個人は相変わらず大量の売り越しを続けた。ただ個人の売りの大半は上値の指し値売りであり、大幅売り越しであっても株価を引き下げる要因にはならない。現物には自己による裁定解消売りもあったが、海外と信託による先物から現物買いへの乗り換えで相殺された。結果として大枠は「海外買いvs個人売り」といういつもの構図のまま、日経平均株価は週間で570円の上昇で週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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