2016年11月第4週 株 コメント

11月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161125

11月第4週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161125

11月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20161125

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年11月第4週の日経平均株価は前週末比414円高の18381円で引けた。この週も11月10日から始まったトランプラリーの延長であった。その間一本調子に上がったので、高値警戒感も広まりつつあった。まず世界の資産価格変動の大元であるアメリカの長期金利が一直線の上昇にブレーキがかかった。そのため為替レートの円安進行速度も少し鈍った。それが株式市場にも反映して、上昇スピードは少し低下した。それでも株価はほとんど押し目を作らなかった。第3週末時点で、日経平均は7連騰、TOPIXは11連騰を維持したまま週を終えた。

11月第4週の最大の買い手は海外であった。現先合計で6104億円の買い越し。うち現物で3027億円の買い越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物・・1027億円の買い越し 1250億円の買い越し
日経平均ミニ先物・・・・・38億円の買い越し  100億円の売り越し
TOPIXラージ先物・1964億円の買い越し 1350億円の買い越し
合計・・・・・・・・・3077億円の買い越し 2500億円の買い越し

日経平均ラージ先物と日経平均ミニ先物の金額は近い。TOPIXラージ先物には600億円ほどの差がある。これはソシエテ300億円、ドイツ250億円、合計550億円のTOPIXラージ先物売りの多くが自己の裁定の売りであるからだ。この2社を除くと、海外による先物買いと外資系14社の先物買いがかなり近い金額になる。

上記の先物売買手口概算の上から2番目にあるUBSの買いは、UBS本体運用部の買いである。この週はモルガンMUFGなどで買った分をUBSに建玉移管している。UBSの買いについては、11月第3週のブログ記事で詳しく説明したので省略する。

先物売買手口概算の1番上がゴールドマンである。そのゴールドマンが保有する先物建玉枚数推移のグラフを下記に示す。

GS建玉推移201625

ゴールドマンのTOPIXラージ先物はずっと買い建てになっている。特に約2年前の10月末の黒田バズーカ砲第2弾が放たれた直後からしばらくは大量に買い越した。しかし昨年の4月をピークにして少しずつ売りに転じていた。1年ほど前にUBS1社が大量に買い上がった時もゴールドマンはほとんど動かなかった。それが今年10月に底を打ち、買い越しに転じている。

このゴールドマンのTOPIXラージ先物は年金、投信などの長期性の資金による買いが中心である。基本は現物を買うのであるが、弱気になった時は先物を使って株式組入比率を少し引き下げる予定で買っているのである。11月第4週のTOPIXラージ先物1100億円の買い越しによりゴールドマンは本格的な買い越しに転じようとしているような形になっている。ここから先は、トランプ次期政権の政策次第であろう。トランプ次期政権が積極的な財政政策に転じ、日本に対して円安非難や保護主義を打ち出したりしないというベストのシナリオが実現するならば、ゴールドマンの顧客たちはTOPIXラージ先物中心の買いを再び大きく積み上げてくるであろう。その際には、TOPIXラージ先物だけではなくポートフォリオの根幹部分、すなわち現物にもある程度の買いを入れてくる可能性が高い。

ゴールドマンの日経平均型の先物は最近はずっと売り建玉が多くなっている。この売りはアービトラージ、ヘッジ、投機の売りが中心であり、ヘッジファンドなどの投機的な資金の割合が高いと思われる。この中で一番買い戻しになりにくいのがアービトラージの売りの分である。反対に、投機の売りの分は買い戻しになりやすい。ヘッジはその中間である。ゴールドマンの日経平均型の先物は第3週に1500億円の買い越し、第4週に450億円の買い越しである。この買いの大半は、投機かヘッジの買い戻しである可能性が高い。トランプ次期政権の政策次第の分も当然ある。投機の買いであるならば、特に理由もなく株価が戻っただけでも利益確定や損切りの買いがショートカーバーとして出てくるはずである。直近でも売りの水準はまだ高いので、投機の売りは残っているはずである。この分に関しては、たいした好材料が出なくても買い戻しになる可能性は十分考えられる。その時は、純粋な投機の新規買いも同時に入るかもしれない。

先物売買手口概算の1番下、すなわち先物の最大の売り手がJPモルガンであり、1600億円の売り越しである。大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフの上から9番目がJPモルガンである。このJPモルガンのTOPIXラージ先物の顧客にはゴールドマンと同様の長期性の資金による買いが存在している可能性が高い。そうした長期性の資金は今年2月頃から買いを入れ始めている。ただJPモルガンには、先物を投機的に大量売買する顧客もいる。その顧客は日経平均型の先物とTOPIXラージ先物を両方売買し、両先物を同時に売買することもあるようである。第4週のJPモルガンの売りは、その投機的な大口売買をする顧客が日経平均型の先物とTOPIXラージ先物に同時に売りを出した可能性が高い。

上記3社以外の先物売買の大半は小口であり、様々な種類の資金が混じっていると思われる。現物も同様である。現物は特別の理由がない場合には、短期の投機的資金よりも中長期の投資的資金の方の割合が高いはずである。

自己は現先合計で1009億円の買い越し。うち現物で2827億円の買い越し。先物で1819億円の売り越し。

この週の裁定売買は、東証の発表の金額では1117億円の裁定形成。裁定残はそれ以上に増えているため、その増加株数から計算すると、2600億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。東証発表分では三菱UFJ700億円、みずほ500億円が大口の裁定の売りである。すなわち、この2社の先物売りの大半は自己の裁定の売りである。先に書いた通り、ソシエテとドイツは自己で現物買い、先物売りを両社合計で550億円前後実施している可能性が高い。第4週はそれ以外の950億円前後の裁定形成売買がどのようにして入ったかはわからない。第3週のように有力な1つのシナリオを示すことができる週の方が少ない。そもそも裁定残とそれ以外のディーラーの先物ヘッジ売り付き現物ポジションとを厳密に区別すること自体が困難であるため、東証統計の数字もあいまいなものにならざるをえない。

この週の日銀ETFは48億円の買いであった。従って、日銀ETF以外の自己は950億円ほどの買い越しになる。この分については、自己が取引所外取引で現物かデリバを950億円前後売り越している可能性が高い。第2週と第3週は自己は取引所外でかなり大量に買い越したと思われるので、その反対売買もあったかもしれない。

信託は現先合計で706億円の売り越し。うち現物で824億円の売り越し。先週書いたように、GPIFは3月以降、現物株をほとんど買っていない。それ以外の信託は、株価が上昇するかぎりはどうしても売り越しになってしまう。

投信は現先合計で1845億円の売り越し。うち現物で692億円の売り越し。野村総研によると、11月第4週の国内株式型の公募投信は958億円の資金純流出になっている。ということは私募投信が買い越しであった可能性が高い。

投信先物は1154億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1271億円の売り越し。この週に行われた2本の大口ETFによる日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 400億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 100億円前後の売り越し。

この週は野村以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、トントンに近かった。

従って、ETF以外の投信の先物売買は、日経平均ラージ先物を750億円前後の売り越しになる。公募投信にしては少し金額が多すぎる。最近大口の売りが時々見られる私募投信が、また大きく売り越した可能性が高いとみる。

11月第4週の最大の売り手は個人であった。現先合計で4449億円の売り越し。うち現物現金で3979億円の売り越し。信用で352億円の売り越し、先物で117億円の売り越し。個人は上がれば売り越し。今年に入ってから47週中42週で逆バリである。第3週と同様に、信用と先物を駆使するスイングトレーダーは小幅の売り越しである。しかし基本的に現物現金で売り一辺倒の高年齢富裕者層は大幅な売り越しが続いている。

合計すると、11月第4週は「海外の買い越しvs個人、投信、信託の売り越し」であった。トランプ次期政権の財政刺激策に対する期待と円安を理由にして海外の買いが3週連続で現物と先物の両方に入った。信託は5週連続、個人は3週連続、投信は2週連続で売り上がりになった。結果として日経平均株価は上昇した。

最後は前週と同じことを書く。この間、ファンダメンタルズの改善、ないしは改善予想が高まりつつある。しかし、国内投資家は株価が戻ればひたすら売るという株式市場のヒステリシスの重い病気が全く治っていない。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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