2016年11月第2週 株 コメント

11月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161111

11月第2週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161111

11月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20161111

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年11月第2週の日経平均株価は前週末比469円高の17375円で引けた。この週の株価を動かした要因のほとんどは、11月8日に行われたアメリカ大統領選挙の結果である。8日以前の予想の大半はクリントン勝利であり、トランプ勝利はリスクと考えられていた。大統領選挙は日本時間の9日午前中から開票が始まった。9日の寄り付き時点ではまだクリントン勝利という予想が多く、株価もやや高めで始まった。10時頃からクリントン劣勢、トランプ優勢という結果が次々と伝わり、円高とともに株安が急速に進行した。9日後場は一時前日比1000円以上も下落した。一方、トランプ次期大統領の公共事業拡大、大型減税などの政策実現期待から、アメリカの長期金利が上昇し始めていた。それに反応する形で、円高から一転して円安が進行し始める。NY時間になるとアメリカの株価も大きく上昇した。この円安とNY株高を好感して、10日の先物は寄り付きから前日比1000円高で始まった。その後も堅調な動きが続き、週間では11月第1週の下げの大半を埋める株高で週を終えた。

11月第2週の最大の買い手は海外であった。現先合計で6229億円の買い越し。うち現物で4007億円の買い越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物・・・380億円の売り越し  400億円の買い越し
日経平均ミニ先物・・・・649億円の買い越し  850億円の買い越し
TOPIXラージ先物・2099億円の買い越し 1900億円の買い越し
合計・・・・・・・・・2222億円の買い越し 3100億円の買い越し

TOPIXラージ先物と日経平均ミニ先物は近い。日経平均ミニ先物は限月交代のため誤差が大きく発生しているはずであるが、投資部門別売買状況と近い金額であったので今回は掲載した。日経平均ラージ先物には少し差がある。いつもと同様に外資系の売買の中に自己の売買が含まれているからである。この週の自己は複雑であるので、後ほどその説明を自己のところで少し触れることにする。

先物売買手口概算の中でUBSの買いはUBS本体運用部である可能性が高い。これは10月第4週で詳しく説明した。今回もバークレーズで一部買ってUBSに建玉移管している。しかし、いつもとは異なり、今回はTOPIXラージ先物との比較で日経平均ラージ先物の買いが少ないという違いがある。従って、今回は可能性が高いまでであり、10月第4週のようにほぼ間違いないとまでは断言できない。

モルガンMUFGのTOPIXラージ先物の過去における売買は、大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフの上から10番目にある。最近買いを増やしている。TOPIXラージ先物の顧客全体では平均して年に2回転ぐらいしている。長期性の資金であるが、日本株の組入比率を先物で調整する性格の資金が多いように見える。基本は現物を持つが、常にフルインベストメントではなく、少し組入比率を変える部分についてはTOPIXラージ先物で保有するというタイプの運用をする顧客が多いように見える。

この週の海外による買いは現物が多い。日経平均ラージ先物は売り越しであり、日経平均ミニ先物を加えると少しばかりの買い越しになる。ここから買いの中心は年金に代表される長期性の資金だと思われる。ヘッジファンドなどの投機性の資金も日経平均型の先物を中心に買いが入っているとしても、全体の中でのシェアは小さそうである。円高が一服して、日本のファンダメンタルズの悪化傾向が止まっていたため、少し前から日本株の買いを考えていたのであろう。アメリカ大統領選挙の結果が不透明であったこともあり、実際には本格的な買いは見送っていた。それがトランプ勝利の後の円安とNY株高を見て、現物を中心に、一部はTOPIXラージ先物をも含めてあわてて買いを入れてきた。モルガンMUFGのTOPIXラージ先物の買越額1150億円が、海外全体による先物買越額2222億円の半分強である。ここから先は勘でしかないが、先物を買った顧客と同じ顧客が、現物も全体の半分強とは言わないが、かなり大量に買っていたのではないか。1社で現先を合計すると数千億円規模の買いを入れた大口顧客がいた可能性が高い。海外は、モルガンMUFGを使う大口顧客1社、先物買いをするUBS本体運用部、それ以外は中口以下の多数による買いであった。

投信は現先合計で1570億円の買い越し。うち現物で893億円の売り越し。野村総研によると、11月第2週の国内株式型の公募投信は232億円の資金純流出になっている。ということは、私募投信が現物を売り越している可能性が高い。

投信先物は2463億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2434億円の買い越し。この週に行われた2本の大口ETFによる日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 1950億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 650億円前後の買い越し。

この2ファンドは急落した9日の引け前に700億円売り、急騰した10日の引け前に1000億円も買っている。この売買の大部分はファンドの仕組み上やむをえない売買であり、Brexitの時も近い金額の売買があった。ただ損失はBrexitの時よりも今回の方が大きい。それにしても野村アセットの反対売買をしてきたのは2回ともABNアムロクリアリングであった。こうした売買は誤れば大損をする方法なので、相当大きなリスクを取っていた。結果だけはABNアムロクリアリングの2回連続の大勝利であった。

この週は野村以外の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、少しばかり買い越しのものが多かった。従って、先物は大半がブルベア型投信の買いであり、それ以外の公募、私募投信の合計が多少の売り越しであった。

事法は現先合計で871億円の買い越し。うち現物で933億円の買い越し。大部分が自社株買い。最近発表された自社株買いで一番大口のものとしては、塩野義製薬、11月8日、278億円である。これ以外の自社株買いは小粒のものばかりであった。

信託は現先合計で901億円の売り越し。うち現物で775億円の売り越し。先物で126億円の売り越し。ここまで戻ると、クジラ以外の投資家はやはり売り越しになってしまう。

自己は現先合計で1876億円の売り越し。うち現物で1642億円の買い越し。先物で3519億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1624億円の売り越し。TOPIXラージ先物で2066億円の売り越し。この週の日銀ETF買いは766億円であった。従って、日銀ETF以外の自己は2600億円前後の売り越しになる。自己は取引所外取引で現物やOTCデリバを2600億円前後買い越していた可能性が高い。

この週はSQのあった週なので、取引所外でSQ値での現物やOTCデリバの売買が多く、取引所内取引だけの自己は通常よりも大幅な売り越し、買い越しになりやすい。SQ値でこうした売買をするのは、海外と外資系自己であるケースが多い。従って、外資系自己の買いに対して売り向かったのは海外である可能性が高い。この海外による売りは影のようなものなので、あくまでも可能性として頭に入れておいた方が良い。ミニSQなので、売った主体は年金などの長期性の資金よりも、ヘッジファンドのような投機的資金である可能性の方が高い。

この週の裁定売買は、東証の発表の金額では1283億円の裁定形成。裁定残はそこまで増えていないので、その増加株数から計算すると、1000億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。東証発表分ではドイツ650億円、三菱UFJ450億円などの裁定形成が報告されている。11月第2週はもう少し多くの現物買い・先物売りが自己に入っている。これは広義の裁定売買であり、みずほと大和の先物売りの何割かは広義の裁定の売りである可能性が高いとみている。

11月第2週の最大の売り手は個人であった。現先合計で5264億円の売り越し。うち現物現金で3159億円の売り越し。信用で996億円の売り越し。先物で1109億円の売り越し。個人は上がれば買い越し。個人は今年に入ってから45週中40週で逆張りである。

合計すると、11月第2週は「海外、投信、事法の買い越しvs個人、自己、信託の売り越し」であった。クリントン敗北の下げ、トランプ勝利の上げで、野村の2本のETFは安値売り、高値買いをせざるをえなかった。結果としてリスクをとったABNアムロクリアリングを大儲けさせてしまった。それを除けば、モルガンMUFGの大口顧客、次いでUBS本体運用部を中心とした海外による買いが大量に入った。個人と信託は逆バリでいつものように売り向かった。国内投資家による戻れば売るという株式市場のヒステリシスは依然として重症のままである。


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テーマ : 経済
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