2016年11月第1週 株 コメント

11月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161104

11月第1週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161104

11月第1週 日経平均株価 日中足チャート

週足株価ブログ用20161004

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年11月第1週の日経平均株価は前週末比541円安の16905円で引けた。この週は11月1日の日銀による金融政策決定会合とアメリカのFRBによるFMOCでの金融政策の動向に注目が集まっていたが、この材料にはほとんど反応しなかった。この週の最大の事件は、10月28日にアメリカのFBIがクリントン大統領候補のメール問題に関しての捜査を再開するという材料であった。31日と1日は少し円高が進行したくらいで、あまり大きな影響は出なかった。1日の夜にワシントンポストとABCの共同世論調査でクリントン候補がトランプ候補に支持率で逆転されたというニュースが発表されてから情勢は急変した。トランプリスクの発生でNY株価は下落し、円高が進行した。その影響を受けて日本株も2日と4日は大きく値下がりし、週間でも値下がりしたまま週を終えることになった。

11月第1週の最大の買い手は自己であった。現先合計で3849億円の買い越し。うち現物で1052億円の売り越し。先物で4901億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1991億円の買い越し。TOPIXラージ先物で2774億円の買い越し。この週の日銀ETF買いは2874億円であった。従って、日銀ETF以外の自己は1000億円前後の買い越しになる。自己は取引所外取引で現物やデリバ等を1000億円前後売っていた可能性が高い。

今回も先物手口の細かな説明をする。手口の話はわかりにくいので、関心のない方は手口の部分は読み飛ばしていただきたい。この週の裁定売買は、東証の発表の金額では174億円の裁定解消売買。裁定残はより大きく減少しているので、その減少株数から計算すると、1200億円前後の裁定解消売買が入っていたことになる。しかし、投資部門別売買状況の自己の売買金額から考えると、この週は広義の裁定も含めると、2000億円~3000億円の現物売り・先物買いの裁定解消売買が入っていた可能性が高い。東証の裁定統計では売裁定の減少株数から推定すると、現物買い・先物売りの裁定解消売買が1000億円前後入っている。みずほが日経平均ラージ先物を1000億円売り越しているので、これが売裁定の解消売りとツイッターにも書いた。しかし、投資部門別売買状況を見ると、自己は大量の現物売り・先物買いであり、売裁定の解消、すなわち現物買い・先物売りが1000億円も入っていることは考えにくい。

投資部門別売買状況と裁定の統計の信頼性を比較すると、裁定の統計の方が信頼性が低い。この週の売裁定の解消はなかったこともありうる。フローが正しければ、裁定解消の先物売りは174億円なのでみずほの売裁定の解消売りはなかった。ストックが正しければ1200億円の裁定解消の先物売りの大部分がみずほの売裁定の解消売りとなる。みずほの売裁定の解消売りが本当にあったかどうかは疑わしい。続きは銀行のところで示す。みずほの自己による売裁定の解消売りがなかったとしても、自己が合計で2000億~3000億円の現物売り・先物買いをしていたことは間違いない。東証発表の裁定解消売買では大半がソシエテ1社であり、金額は300億円程度である。それ以外に確かなことはわからない。

個人は現先合計で2552億円の買い越し。うち現物現金で73億円の買い越し。信用で1179億円の買い越し。先物で1299億円の買い越し。個人は下がればやはり買い越し。個人は今年に入ってから44週中39週で逆張りである。

事法は現先合計で769億円の買い越し。うち現物で718億円の買い越し。大部分が自社株買い。最近発表された自社株買いで一番大口のものとしては、伊藤忠、11月4日、162億円。それ以外は小口のものばかりであった。

投信は現先合計で939億円の売り越し。うち現物で167億円の買い越し。野村総研によると、11月第1週の国内株式型の公募投信は171億円の資金純流出になっている。10月第4週は私募投信が現物を売り越していたので、今度は買い越している可能性が高い。

投信先物は1106億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で501億円の売り越し。この週に行われた2本の大口ETFによる日経平均ラージ先物の売買は下記のようになる。

野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 600億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(野村ダブルインバースETF)」 250億円前後の売り越し。

この週の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、同様に売り越しが多かった。従って、残りはブルベア型投信以外の投信が数百億円レベルで日経平均ラージ先物を買い越している。一方、TOPIXラージ先物には563億円の投信売りが見える。この数百億円レベルの売り買いの多くは私募投信である可能性が高い。先物の手口から見ると、野村アセットの私募投信である可能性が一番高い。

銀行は1084億円の売り越し。現物で52億円の売り越し。先物で1033億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で839億円の売り越し。先に書いた通り、この週はみずほ証券が日経平均ラージ先物を1000億円売り越している。従って、みずほ証券の日経平均ラージ先物は自己の売裁定の解消売りか銀行の売りかのどちらかである。自己のところで書いたたところから何通りもシナリオが考えられるのだが、銀行と考える方が裁定と考えるよりも説明はつきやすい。しかし決め手が見つからず、確実なことはわからなかった。可能性としては銀行が80%、自己の売裁定の解消売りが20%と記しておく。みずほ証券の売りが銀行であるならば、これほど大量に売る顧客はみずほ銀行である可能性が非常に高い。839億円の日経平均ラージ先物の売りの大部分がみずほ銀行の売りである可能性は75%くらいであると考える。

11月第1週の最大の売り手は海外であった。現先合計で4516億円の売り越し。うち現物で646億円の売り越し。先物の投資部門別売買状況の海外と先物売買手口概算の外資系14社を比較すると下記のようになる。

先物の投資部門別売買状況の海外 vs 先物売買手口概算の外資系14社
日経平均ラージ先物・・1120億円の売り越し  200億円の買い越し
日経平均ミニ先物・・・1059億円の売り越し 1150億円の売り越し
TOPIXラージ先物・1666億円の買い越し  750億円の売り越し
合計・・・・・・・・・4516億円の売り越し 1700億円の売り越し

日経平均ミニ先物は両者が近い。TOPIXラージ先物はパリバの550億円の買いがあり、これは広義の裁定解消の買いである。加えて先にも示したが、東証の裁定統計ではソシエテに300億円の裁定解消の買いがある。これは1株当たりの単価から考えると日経平均型ではなく、TOPIX型である。この2社の自己の買いを差し引くと外資系での海外によるTOPIXラージ先物の売りは1600億円であり、近い金額になる。日経平均ラージ先物が一番難しい。広義の裁定解消の先物買いが大量に入っているので、その何割かは外資系証券からも入っているはずである。過去に多くの実績があるソシエテ、クレディ・スイス、ドイツの3社の日経平均ラージ先物に裁定解消の買いがあると考える。3社合計で1300億円の裁定解消の買いがあれば、外資系での海外の売りは1100億円の売り越しとなり、投資部門別売買状況の海外の売越額に近くなる。3社合計で裁定解消の買いは少しはあるにしても1300億円は大きすぎであり根拠が無い。3社合計で数百億円の裁定解消の買いはあると思うが、残りの数百億円はわからないとしておく。

こうやって海外の売りが外資系のどの証券会社から出ているかをわかる範囲内で説明してみた。これからわかることは、10月第4週のUBSの一手買いとは全く異なり、大口の売り手がいなかったことだけしかわからない。多数の海外投資家が中口小口で売りを出した。そして現物の買いは646億円、全体の14%でしかなかった。先物が中心なので、長期性、超長期性の資金は少ない。短期の投機、中期の投資といった種類の資金が多数の投資家から先物を中心に売りが出され、その合計が4516億円にまで積み上がった。

合計すると、11月第1週は「自己、個人、事法の買い越しvs海外、銀行、投信の売り越し」であった。クリントン劣勢の情報にいち早く反応して先物を売ったのは海外であった。みずほ銀行と思われる銀行からも先物にヘッジ売りが出た。それに対して、逆バリの個人は買い向かった。しかし最大の買い手は日銀ETFであった。日銀ETFに買い支えられながらも日経平均株価は541円の下げを記録した。


【いつもクリックで応援していただき、大変感謝しております】      
  

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

 株式関連 株 コメント一覧

  • 投資部門別 現物先物 時系列表

  • 投資部門別売買状況 時系列グラフ

  • 9月第2週 株 コメント

  • 9月第1週 株 コメント

  • 8月第5週 株 コメント

  • 8月第4週 株 コメント

  • 8月第3週 株 コメント

  • 8月第2週 株 コメント

  • 8月第1週 株 コメント

  • 7月第4週 株 コメント

  • 7月第3週 株 コメント

  • 7月第2週 株 コメント

  • 7月第1週 株 コメント

  • 6月第4週 株 コメント

  • 6月第3週 株 コメント

  • 6月第2週 株 コメント

  • 6月第1週 株 コメント

  • 5月第5週 株 コメント

  • 5月第4週 株 コメント

  • 2016年 年間 株 コメント

  • 投資部門別売買状況アノマリー

  • 日本株 株式分布状況調査

  • 日銀資金循環統計 株 長期グラフ

  • 日銀資金循環統計 株 コメント

  • 株式先物投資部門別売買状況

  • 大手証券 先物建玉推移 グラフ

  • 海外投資家の株式買い越し金額

  • 世界の株価 国別 長期推移

  • 世界の住宅用不動産価格

  • 長期の実質実質為替レート

  • 最新記事
    カテゴリ
    全記事表示リンク
    目次のページを表示

    最新コメント
    Twitterを表示
    経済指標が意味するところを解説
    FC2カウンター
    最新トラックバック
    検索フォーム
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    RSSリンクの表示
    Web Analytics