2016年10月第1週 株 コメント

10月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20161007

10月第1週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20161007

10月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価201601007ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年10月第1週の日経平均株価は前週末比410円高の16860円で引けた。この週は9月第4週の株価下落を引き起こしたドイツ銀行に対する信用不安が後退する中、株価に一番大きな影響を及ぼしたのは円安進行であった。円安を引き起こしたのは、アメリカの経済指標好転による利上げ観測の高まりである。金曜日は引け後のアメリカ雇用統計の発表を控えて買いの手は引っ込んだ。それでも株価は上昇したまま週を終えることになった。

10月第1週の最大の買い手は海外であった。現先合計で7660億円の買い越し。うち現物で2805億円の買い越し。先物で4854億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2196億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1702億円の買い越し。

上記の大手証券先物売買手口概算によれば、外資系14社の日経平均ラージ先物は2400億円の買い越し。TOPIXラージ先物は1100億円の買い越し。日経平均ラージ先物は投資部門別売買状況の海外の買い2196億円とかなり近い数字になっている。TOPIXラージ先物は投資部門別売買状況の海外の数字とはかなり差がある。これはTOPIXラージ先物の中にパリバ自己による広義の裁定売り700億円が間違いなく混ざっているからである。これを除くと外資系14社の海外によるTOPIXラージ先物の買いは1800億円となり、投資部門別売買状況における海外の買い1702億円と近くなる。

海外は先物を9月第4週に3419億円売り越し、10月第1週に4854億円買い越している。大手証券先物売買手口概算の2週分から読み取れることは、この金額の中の2800億円が、同じ外資系証券で9月第4週に売り越し、10月第1週に買い越しとなっていることである(ソシエテ950億円、クレディ・スイス450億円、JPモルガン420億円など)。全く同じ顧客が9月第4週に2800億円売って、10月第1週に同金額だけ買い戻しているわけではない。9月第4週に売った顧客とは全く別の顧客が同じ外資系証券で買った分も当然含まれている。しかし、海外全体による2週連続の売り買いの中で、同じ外資系証券での売り買いがここまで高い比率となることはめずらしい。すべてではないにしろ、同一顧客が売り買いしている比率が高いのである。2800億円は少し多すぎるので、ここでは10月第1週の海外全体の買越額4854億円の半分の2400億円前後が同じ顧客による売りと買いであると想定してみる。10月第1週の海外による先物買越額のうち、半分くらいは前週売った分の買い戻しである可能性が高いと思われるからだ。これらは投機家の売買であり、ドイツ銀行の信用不安や円安進行などの材料を見ながら短期で先物の回転売買をしていた可能性が高い。

先物の残りの2400億円と現物の2805億円、合計5200億円については確かなことはわからない。この5200億円の中には投資と投機が両方含まれているはずである。これ以外の2400億円が投機であることがほぼ確実である。海外の買い7660億円全体の中では投資よりも投機の買いの比率がかなり高かったと思われる。

自己は現先合計で251億円の売り越し。うち現物で1188億円の買い越し。先物で1439億円の売り越し、うち日経平均ラージ先物で600億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1811億円の売り越し。この週の日銀ETF買いは60億円であった。従って、日銀ETF以外の自己は300億円前後の売り越しになる。300億円は金額としては小さく、単なる証券会社によるポジション調整の売買の範囲内である。

この週の裁定売買は、東証の発表の金額では67億円の裁定形成。裁定残はより大きく増加しているので、その増加株数から計算すると、300億円程度の裁定形成買いが入っていたことになる。10月第1週は裁定形成売買が67億円よりも300億円に近かったと仮定する。加えて過去の事例から、パリバのTOPIXラージ先物700億円売りは東証にも報告されてない広義の裁定の売りであることはほぼ間違いない。あとドイツにも東証が発表している200億円の裁定の売り以外に東証に報告されていない広義の裁定の売りがTOPIXラージ先物に400億円程度あった可能性がある。これはパリバとは異なって可能性が高いとは言えない。ドイツにも広義の裁定の売りがあったとするならば、これらを合計すると広義裁定を含む現物買い・先物売りの合計は1400億円程度あった可能性が高い。自己による現物1188億円の買い越し、TOPIXラージ先物1811億円の売り越しの多くは、パリバ、ドイツの広義裁定をも含む裁定形成売買であった可能性が高い。

信託は現先合計で1238億円の売り越し。うち現物で278億円の売り越し。先物で960億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で648億円の売り越し。TOPIXラージ先物で314億円の売り越し。クジラは株式組入比率がまだ低く買い余力があるはずであるが、買い越してはいない。クジラ以外の様々な信託が多めの売りを出した。

投信は現先合計で1575億円の売り越し。うち現物で435億円の売り越し。野村総研によると、10月第1週の国内株式型の公募投信は334億円の資金純流出になっている。ということは、私募投信でも少し現物を売り越していた可能性が高い。

投信先物は1140億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1141億円の売り越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を550億円前後の売り越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を150億円前後の売り越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、少しばかりの売り越しであった。ブルベア型の投信だけではなく、それ以外の公募投信、私募投信でも先物は売り越しであったようだ。それらを合計すると投信全体の先物売りは1140億円にまで達した。

10月第1週の最大の売り手は個人であった。現先合計で3629億円の売り越し。うち現物現金で2290億円の売り越し。信用で588億円の売り越し。先物で751億円の売り越し。個人は上がればやはり売り越し。個人は今年に入ってから40週中36週で逆張りである。

合計すると、10月第1週は「海外の買い越しvs個人、投信、信託の売り越し」であった。この週は国内投資家の大半が売り越す中、海外投資家の買いによって株価は上昇した。バブル崩壊後の1991年以降、株価の上昇局面では非常によく見られる伝統的パターンであった。これは国内投資家の間に株価が戻れば売らなければならないという強い信念があるからであり、株式市場のヒステリシスである。

このヒステリシスという病は多少は軽くなったとみているが、まだ十分に重い。国内投資家は高値を買わない、高値を買うのは海外投資家だけであるという現象が過去26年間も続いている。しかしこれでは国内投資家の売りにより、株価の継続的な右肩上がりの上昇は非常に困難なものとなる。それを克服して株価が上昇しても、株価の値上がり益の大半は海外投資家に取られてしまう(過去にフィンランドに実例がある)。国内投資家が株価の高値を買わないというヒステリシスは、日本経済が抱える深刻な病的現象であるという認識が少しでも広まってほしい。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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