2016年9月第3週 株 コメント

9月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20160923

9月第3週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20160923

9月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価201609923ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年9月第3週の日経平均株価は前週末比235円高の16754円で引けた。この週は9月21日に行われた日銀金融決定会合とアメリカのFOMCで決定される金融政策の動向に注目が集まっていた。日銀金融政策決定会合の結果は難解であったが、一番有力視されていたマイナス金利の深掘りがなかったことが好感され、銀行株を中心にとりあえず買いで反応した。引け後は為替が円安から円高へと反転し、アメリカのFOMCでも金利が据え置かれたため円高は続いた。この円高を嫌気して、NY株が大きく上昇したのにもかかわらず、23日の日経平均株価は下げて始まり、そのまま引けた。週を通してみると、円高、NY株高という環境下で日銀の金融政策に対する評価が定まらないまま、日経平均株価は上昇して週を終えることになった。

9月第3週の最大の買い手は自己であった。現先合計で877億円の買い越し。うち現物で2432億円の買い越し。先物で1555億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1043億円の買い越し。TOPIXラージ先物で2457億円の売り越し。この週に入った日銀ETF買いは769億円の買い越し。このうちの745億円が21日の日銀金融政策決定会合があった日に入った。注文を受けた証券会社の自己は、普通なら押し目を狙って買いにいく。ところがこの日は日銀の新しい金融政策をどう評価していいかわからないうちに株価がグングン上昇していったので、あわてて上値を買い上がった分も多かったと思われる。日銀ETF以外の自己は現先合計で100億円前後の買い越しになる。

9月第3週の東証発表の裁定売買は293億円の現物買い・先物売り。しかし、裁定残は大幅増なので、このストックの変化から推測すると1600億円前後の現物買い・先物売りがあったはずである。東証統計では、みずほに売り買いともに500億円前後の裁定売買があった。ストックベースの裁定残の変化からはもっと多くの裁定売買があったはずである。上記の大手証券先物売買手口概算で、みずほは日経平均ラージ先物で950億円買い、TOPIXラージ先物で1000億円売りである。このみずほの先物売買のうち、日経平均ラージ先物買いのうちの500億円ほどが裁定の買い(厳密な裁定売買だけではなく、売買後に裁定残高に追加される裁定類似の売買をも含む)であり、TOPIXラージ先物の1000億円売りの多くは裁定の売りと思われる。東証統計ではその他に、三菱UFJに裁定の売りが500億円あるので、この大半はTOPIXラージ先物の売りであったと思われる。ソシエテにも400億円の裁定の先物買いがあるので、この大半は日経平均ラージ先物の買いであると思われる。また東証統計ではドイツに裁定の先物の売りが100億円ばかり記録されている。ストックベースでの裁定残からはドイツとソシエテの2社がTOPIXラージ先物に合計で1000億円前後の裁定の売りを入れていた可能性が高い。これだけを合計すると、自己の裁定形成売買は1600億円、日経平均ラージ先物は900億円買い、TOPIXラージ先物は2500億円の売りになる。

投信は現先合計で629億円の買い越し。うち現物で357億円の買い越し。野村総研によると、9月第2週の国内株式型の公募投信は80億円の資金純流出になっている。ということは、私募投信が現物を買い越していた可能性が高い。

投信先物は272億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で188億円の買い越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を550億円前後の買い越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を200億円前後の買い越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものは、少しばかりの買い越しであった。第2週に野村アセットの私募投信らしき買いが850億円ほど見えたので、その私募投信が買いの全部か大部分を売却していた可能性が高い。そうした売買を合計して投信全体の日経平均ラージ先物は188億円の買い越しになった。

海外は現先合計で362億円の買い越し。うち現物で1019億円の売り越し。先物で1381億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1438億円の売り越し。TOPIXラージ先物で2621億円の買い越し。

上記の大手証券先物売買手口概算で、外資系14社は日経平均ラージ先物で1250億円の売り越し、TOPIXラージ先物で1350億円の買い越しである。日経平均ラージ先物はソシエテ自己の裁定の買い400億円を差し引くと、外資系での海外の売越額は1650億円になる。海外全体の売越額1438億円よりも大きいが、大きく離れてはいない。TOPIXラージ先物はドイツ自己とソシエテ自己を合計した裁定の売り1000億円を差し引くと、外資系での海外の買越額は2350億円となる。海外全体の買越額2621億円よりも小さいが、それに近い金額になる。合計が一致しない分は、おそらく海外が日系の証券会社で売買した金額に近いと考える。

クレディ・スイスが日経平均ラージ先物を700億円売り越し。クレディ・スイスでは一部しか売らず、シティ他複数の証券会社で売ってクレディ・スイスへと移管している。第2週のようにソシエテで売ってクレディ・スイスへ移してくれたらわかりやすかった。しかし今回はシティ中心の売りであるので、多分第2週とは別の顧客である。海外によるTOPIXラージ先物の買いは多数の外資系に分かれて少しずつ買い越しになっている。ただ、21日にはモルガンMUFG、クレディ・スイス、バークレーズなどがTOPIXラージ先物を大量に買い越しており、バークレーズの買いが他の複数の外資系へと移管されている。一方、海外の現物は1019億円の売り越しである。

この週の海外は、日銀の新しい金融政策に反応して売った投資家と買った投資家に分かれていた。そしてその差は362億円という少しばかりの買い越しであった。しかし、売り方の現物と日経平均ラージ先物を中心とする売りの指し値は変わらずか上に移動し、買い方のTOPIXラージ先物を中心とする買いの指し値の多くは同時に上に移動した。日銀の金融政策決定会合の結果を見て、一部の投資家がとりあえず金融株は買いと反応して株価が上昇したため、TOPIXラージ先物に買いの指し値を入れていた海外が次々と指し値を上げ続けたのであろう。この結果、海外は小幅の買い越しながらも日経平均株価の上昇に一番大きく寄与した。

なお、日銀政策決定会合の結果、日銀ETFの購入割合で日経平均型を減らし、TOPIX型を増やすことが決定された。そのため、この週はNT倍率が低下している。この原因は、海外が日経平均ラージ先物を売って、TOPIXラージ先物買いへと乗り換えたという見方もできる。私はこうした売買はあったと思うが、多くはなかったと考えている。NT倍率の調整は主として現物の売買の方で行われた。先物の過去4週間の売買を見ると、海外の売買は日経平均型にもTOPIX型にも大きくは偏っていない。最初から海外の先物売買の中では、日経平均型には売りが出やすく、TOPIX型には買いが入りやすい状況であった。こうした状況下で、この週の海外の中で、先物を売る予定のものは日経平均型を多く売り、先物を買う予定のものはTOPIX型を多く買ったことはあったと考えている。結果として先にも書いたが、裁定解消は日経平均型、裁定形成はTOPIX型が中心になった。ちなみに9月第4週のTOPIXラージ先物は、毎年「信託買い・海外か自己の売り」となる。

9月第3週の最大の売り手は個人であった。現先合計で2116億円の売り越し。うち現物現金で1616億円の売り越し。信用で415億円の売り越し。先物で85億円の売り越し。個人は上がればやはり売り越しになる。個人は今年に入ってから38週中34週が逆張りである。日銀の金融政策がどうあろうとも、個人は上値には指し値の売りを置いていたのである。

合計すると、9月第3週は「自己、投信、海外の買い越しvs個人の売り越し」であった。この週は日銀の金融政策の評価が定まらなかったが、指し値を動かしたのは買い方であった。日銀の金融政策決定会合の終了後に海外のTOPIXラージ先物を中心とする買いの指し値は上に移動し、大量の自己による裁定買いを誘発した。裁定以外の自己の買いの大半は日銀ETFであるが、この買いの多くも株価上昇に驚いてあわてて上値を買い上がった。上がれば売りという強いポリシーを持つ個人だけはいつもと変わりなく上値に指し値を置いていた。その結果が日経平均株価の235円上昇であった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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