2016年9月第1週 株 コメント

9月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20160909

9月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価20160909ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年9月第1週の日経平均株価は前週末比40円高の16966円で引けた。9月2日のアメリカ雇用統計は予想より悪かったが、それにもかかわらず為替市場では円安が進行した。この円安を背景にして5日月曜の寄り付きは高く始まった。6日火曜のアメリカISM非製造業景況指数が悪く、円高が進行した。そのため7日水曜の寄り付きは安く始まった。為替レートは週間では少し円高方向に進行した。しかし、日経平均株価は為替レートに影響を受けながらも底堅く推移し、週間では少しばかり上昇して週を終えることになった。

この週はメジャーSQのあった週であり、SQ絡みの売買が自己と海外で大量に出た。それに関するテクニカルでわかりにくい内容が半分以上を占めている。関心のない方はSQ絡みの部分は飛ばして読んでいただきたい。

9月第1週の最大の買い手は自己であった。現先合計で1920億円の買い越し。うち現物で4675億円の買い越し。先物で2754億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2866億円の売り越し。

メジャーSQのあった週であるので、昨年12月以降の過去4回のメジャーSQがあった週の大手証券先物売買概算合計を下記に示す。


ブログ週間先物手口20160909-2

9月第1週に大きな売買をした証券会社は、買い方がJPモルガン、ソシエテ、売り方はドイツ、クレディ・スイス、ゴールドマンの5社であった。そしてこの5社は今年6月と昨年12月のSQ時にも10社の中に入っている。今年3月はニューエッジ(現在はソシエテに吸収合併)、ゴールドマン、クレディ・スイスの3社が入っていた。そしてこれほど大きな先物売買があっても、日経平均株価は大きく動いていない。一番大きく動いた週は昨年12月の274円安。今回も含めた残りの3回は2ケタしか動かなかった。

これが意味することは、上記5社を中心に証券会社全体ではSQ値、あるいはその近辺で決済する先物、OTCデリバ等が多数存在しており、実際にSQ時ないしはSQ直前の先物のロール・オーバー期に大量売買が実施されるのであるが、9月第1週は証券会社を合計すれば、現物インデックス、先物、OTCデリバ等の売買合計は、大幅な売り越しでも大幅な買い越しでもないと言う意味で、ゼロに近かったはずということである。

SQはファンダメンタルズとは無関係なので、先物、OTCデリバ等をSQ決済する売買が売り買いどちらかに大きく傾くケースはあまり多くはない。SQ時に現物で大きな売買が発生し、SQ値が大きく動くケースは過去において何度か存在はした。最近では2016年3月はSQ時に大量に現物株の売りが出て、SQ値自体は安かったが、先物が買われたことから株価はすぐに戻した。現物に大量の売買が入り、先物には売買があまり入らず、SQ値が大きく飛んだことはあるが、そういうケースは極めてまれである。9月第1週も、SQ値の前日比、SQ当日の終値の前週末比は、いずれも数十円しか離れておらず、SQ時、あるいは9月第1週に入ったSQ絡みの売買の売り越し買い越しはゼロに近かった。

また、SQ絡みの売買がゼロに近かったとはいえ、それは証券会社の売買全体についてだけがゼロに近かったのである。個別の証券会社ではゼロにはならない。そのためSQ時には、個別の証券会社ごとでは大きな売買が常に発生する。その中で目に見える部分は投資部門別売買状況の現物と先物の売買と、大手証券先物売買概算合計で示される証券会社別の先物売買だけである。このSQ絡みの売買を大量に行う証券会社は外資系証券が多く、そのうち先物での売買が特に多いのが、先に示したJPモルガン以下の5社なのである。

SQ絡みの売買、すなわちSQ時かSQのある週に行われる個別の証券会社における現物、先物、OTCデリバ等を合計すると大幅な売り越しか買い越しになりうる。しかし、それは証券会社の顧客からの注文、すなわち委託売買では大幅な売り越しか買い越しになりうる。一方、個別の証券会社の自己勘定だけなら、現物、先物、OTCデリバ等を合計すると、すべての証券会社でゼロに近くなるはずである。証券会社の自己勘定では大きなリスクを取れないからである。しかし、証券会社の自己の現物と先物だけの合計はゼロにはならない。OTCデリバ等を加えるとゼロになるが、OTCデリバ等は全く見えないからである。9月第1週には、日銀ETF買いが1526億円入っていた。従って、日銀ETF以外の自己は現先合計で400億円前後の買い越しになる。400億円前後という金額がOTCデリバ等の全証券会社の売買合計と考えられる。しかし、証券自己の合計が400億円買いというのはかなり少ない金額である。個別の証券会社が取れるリスクはゼロに近いがゼロではない。従って、400億円はOTCデリバ絡みの売買かもしれないし、個別の証券会社が取ったリスクポジションの合計であるかもしれないし、両方が混ざっていることも考えられる。なお、1526億円の日銀ETF買いは過去最高の金額であり、この買いは相場の下支えに大きく貢献した。

9月第5週の東証発表の裁定売買は775億円の裁定解消であるが、東証の裁定残の株数変化から推定すると、3500億円ほどの裁定解消になる。この週も困ったことに、裁定売買のストックとフローの乖離が大きすぎる。今に始まったことではなく、昔から東証発表の裁定売買の統計数字は実にいい加減なのである。これから示すように775億円なら説明可能であるため、この週の裁定解消売買は775億円に近いと仮定する。一方、投資部門別売買状況の自己を見ると現物買い、先物売りであり、裁定解消ではなく、裁定形成の売買が2000億円~3000億円くらい入っているように見える。このことから、日経平均型でドイツ2600億円とクレディ・スイス1000億円、合計3600億円の先物売りの大半は東京自己における裁定類似の形成売買であるとしか考えられない。この2社は普段から裁定類似の売買が多い。後で示すが、外資系証券の海外部門で裁定類似の解消売買が2700億円ほど入っている。この差は900億円となり、東証発表の裁定解消売買の金額775億円に近くなる。そのため、この週の裁定解消売買は775億円に近いと仮定するのである。ちなみにドイツは東証発表の数字では400億円の裁定形成売買である。従って、正式な裁定形成売買とは別に、東証に報告されていない裁定類似の形成売買が2200億円前後入っていたことになる。

事法は現先合計で378億円の買い越し。うち現物で349億円の買い越し。大部分が自社株買い。最近発表された自社株買いで9月5日以降のものは、小口のものばかりであった。9月の大口の自社株買いの大半は10月の上旬にまとめて発表されることになるであろう。

信託は現先合計で412億円の売り越し。うち現物で444億円の売り越し。信託は8月も買い越しの何割かは信託方式の自社株買いが占めていた。その最大手であるトヨタが8月の月間に信託方式で自社株を1913億円買い越して、自社株買いは終了になってしまった。9月第1週は自社株買いが小粒になった。加えて、クジラを中心とする通常の信託も、8月の小幅買い越しから小幅売り越しへと転じた。

個人は現先合計で535億円の売り越し。うち現物現金で1268億円の売り越し。信用で247億円の買い越し。先物で486億円の買い越し。個人は逆バリが多く、株価が上昇する週は、たいていは売り越しになる。個人は今年に入ってから36週中32週で逆張りである。

海外は現先合計で709億円の売り越し。うち現物で3338億円の売り越し。先物で2629億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2708億円の買い越し。先に書いた通り、JPモルガン、ソシエテの2社合計で日経平均ラージ先物が4900億円の買い越しである。海外全体の買越額はこの2社合計の買い越しの一部である。ただ2700億円前後の先物をSQ時かその前に買い越していたならば、株価はより大きく上昇していたはずである。そのため、2700億円の先物買いと同じか近い金額の現物のインデックス売りがSQ時を中心に出ていたはずである。この現物と先物の売買は、いずれも東京自己ではなく海外部門の売買である。現物の売り手はJPモルガンかソシエテである可能性が高いが、それ以外の外資系証券会社の可能性もありうる。週間で見ても、海外の現物売り2700億円前後・先物買い2700億円に加えて、東証が発表している裁定解消売買が775億円出ていた。この2つを加えると、現物だけでは合計3500億円前後の売りが出ていた。これに対して先に書いた通り、ドイツとクレディ・スイスの裁定類似の現物買いが3600億円入っていた。結果としてSQ値は前日比で小幅高であり、9月第1週の週末の前週末比も小幅高であった。インデックス売りとは別個に、海外には売りがあり、そのため海外は現先合計では709億円の売り越しであった。そしてこの709億円の売り越しは個別の現物株の売りであり、相場の下げ圧力となった。

9月第1週の最大の売り手は投信であった。現先合計で795億円の売り越し。うち現物で91億円の売り越し。野村総研によると、9月第1週の国内株式型の公募投信は338億円の資金純流出になっている。ということは、私募投信が少し現物を買い越していた可能性が高い。

投信先物は703億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で776億円の売り越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を400億円前後の売り越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を150億円前後の売り越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで資産規模が大きいものの売り買いはトントンに近かった。それ以外の公募投信、私募投信が合計して日経平均ラージ先物を200億円ほど売り越していたようである。

合計すると、9月第1週は「自己、事法の買い越しvs投信、海外、個人の売り越し」であった。メジャーSQのあった週なので、現物のインデックス売買と先物の売買、OTCデリバ等の売買が自己と海外を通じて大量に入ったが、それらを合計するとゼロに近かった。それ以外は「日銀ETF買い、自社株買いvs投信、海外、個人の売り」であった。週後半は円高を嫌気したインデックスではない海外による売りが下値でも出ていたと思われる。それにもかかわらず日銀ETFによる買い支えが水曜と金曜にまとまって入ったため、株価の下げ幅は小さかった。結果として、円高が進行したにもかかわらず、日経平均株価は前週末比40円高と小幅ながら上昇して終わることになった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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