2016年8月第5週 株 コメント

8月第5週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20160902

8月第5週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20160902

8月第5週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価20160902ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ


2016年8月第5週の日経平均株価は前週末比565円高の16926円で引けた。8月26日のイエレンFRB議長の講演とフィッシャー副議長のテレビ番組での発言により、FRBが早ければ9月中にも金利を引き上げるという観測が強まり、円安が進行した。この円安を材料にして29日月曜日の日経平均株価は大きく上昇して始まった。その後もFRBによる早期利上げ観測は膨らみ、8月30日には海外市場で円安が進行した。そのため31日の日本の株価も寄り付きは大きく上昇して始まった。FRBの利上げ観測のためNY株価は横ばいに近かったが、日経平均株価は円安と並行して上昇したまま週を終えることになった。

8月第5週の最大の買い手は海外であった。現先合計で4432億円の買い越し。うち現物で642億円の売り越し。先物で5074億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で3328億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1233億円の買い越し。

まず、8月25日にあった日経平均ラージ先物の大口クロスともいえる記録を下記に示す。


8月25日 日経平均ラージ先物 日中売買手口 JーNET
0825先物売買 2

上記のグラフの売り方上位4社であるドイツ、メリル、クレディスイス、JPモルガンは8月第4週の日経平均ラージ先物売買手口概算においても、1週間に1000億円以上売り越していた。その反対の売買をしたのが、みずほと三菱UFJである。前回はトップのドイツvsみすほだけを具体的に説明し、他にもあるとだけしか書かなかった。他の3社がメリル、クレディスイス、JPモルガンである。この4社が8月25日のJ-NETを中心に実施した現物買い・先物売りというアービトラージ型の売買の何割かを第5週に手じまっている。外資系4社の背後には大口の海外顧客がいるはずである。裁定の両建てであり、みずほと三菱UFJには利益が出ているはずである。従って、大口の海外顧客は損失を出している。こういう奇妙な大口売買があると、唯一の利益の出る仕組みが存在し、その結果、取引の裏がだいたいは推測できることが時々ある。しかし、今回は海外顧客の側で利益の出る仕組みが見つからず、どう考えても損失である。こうような奇妙な売買をする海外顧客の意図については、今回は全くわからない。

なお、ゴールドマン、UBS、HSBCなどの買いはアービトラージではないアウトライト(先物だけ)の買いである。この2つを分けるのは難しいが、日経平均ラージ先物の買いのうち、アービトラージ解消が2000億円±500億円、残りがアウトライトの買いと見る。アービトラージの先物買いに伴なう現物売りは、一部が外資系の東京自己、残りが外資系の海外自己で出ている。後ほど自己のところで日銀ETF買い以外の自己は800億円売り越しと書くが、この金額がアービトラージ解消に伴う東京自己の売り越しの一部または全部であると考えている。海外の現物売りは642億円であるが、アービトラージによる売り越しを除くと、買い越しである可能性が高い。

海外は、アービトラージ型の日経平均ラージ先物買い、現物売りを全部除いた場合、現物と3種類の先物はすべて買い越しになる。しかし、アービトラジ型の売買の現先を合計するとゼロになるので買越額は原則としては変わらない(ただし今回もアービトラージ型の現物売りが海外ではなく自己でも出ている。そして第4週とは異なり、自己ではアービトラージ型の売り以外の大量買いは見えない。従って、買越額は正確に言うと減少する)。この場合、先物買い越し上位3社がゴールドマン、UBS、HSBCとなる。投機の買いも一部はあるとは思うが、投資の買いの方が多そうなメンバーである。買いの材料としては、アメリカの金利上昇、円安くらいしかない。

信託は現先合計で476億円の買い越し。うち現物で700億円の買い越し。先物で224億円の売り越し。最近発表された大口の信託方式の自社株買いといしては、「トヨタ、8月1日-31日、1799億円、同じく9月1日-2日、115億円」があげえられる。8月は週平均で300億円の買い、月間では1500億円の買いと想定していたが、実際にはもう少し多めに買い越していた。8月第5週も300億円強買い越したと思われる。トヨタ以外にも信託方式の自社株買いは多少は存在する。自社株買い以外の通常の信託による現物株の買い越しは300億円強と思われる。買い越しではあるにしても、相変わらず小幅な買い越しである。

事法は現先合計で416億円の買い越し。うち現物で450億円の買い越し。大部分が自社株買い。最近発表された自社株買いで大口のものとしては、「HOYA、8月1日-31日、277億円」があげられる。

投信は現先合計で65億円の買い越し。うち現物で229億円の買い越し、先物で164億円の売り越し。野村総研によると、8月第5週の国内株式型の公募投信は173億円の資金純流出になっている。そしてこの週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を250億円前後の買い越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を50億円前後の買い越しと計算できる。残りは私募投信を中心に現物買い、先物売りがあったようである。

自己は現先合計で739億円の売り越し。うち現物で2711億円の買い越し。先物で3451億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2237億円の売り越し。TOPIXラージ先物で1391億円の売り越し。この週の日銀ETF買いは60億円であった。従って、日銀ETF以外の自己は800億円前後の売り越しになる。この大部分ないし全部は、先週説明したように実質的には海外によるアービトラージ解消の売りと考えている。8月第5週はみずほと三菱による日経平均ラージ先物が2900億円の売り越しである。このうち東証発表分だけで裁定の解消売りが2300億円ある。これは、第4週に実施した空売り裁定3500億円買いの一部解消売りである。先に書いた通り、この内の何割かがクレディスイス以下の4社のアービトラージの売買に対して反対売買を行ったのである。なお、パリバがTOPIXラージ先物を850億円売り越している。これがパリバがたびたび行う東証に報告されない裁定類似の売買である。TOPIXラージ先物の売り越しは自己だけなので、このパリバのTOPIXラージ先物は東京自己の売りである。そして850億円に相当する現物買いも自己に存在する。

8月第5週の最大の売り手は個人であった。現先合計で4003億円の売り越し。うち現物現金で2264億円の売り越し。信用で940億円の売り越し。先物で799億円の売り越し。個人は今年に入ってから35週中31週で逆張りである。株価が上昇すると、どうしても個人の売越額は増えてしまう。

合計すると、8月第5週は「海外、信託、事法の買い越しvs個人の売り越し」であった。最近ではよく見られるパターンであった。海外は8月第4週につくった現物買い・先物売りのアービトラージのポジションを2000億円前後手じまった。しかし、アービトラージを除いた売買では4432億円(正確に言うと下回る)の買いを入れてきた。信託と事法では自社株買いも大量に入った。それに対して上値に指し値を置いていてたのがいつもと同じ個人であった。個人の指し値は大部分が上値なので、結果として海外が中心に買い上がることにより日経平均株価は565円の上昇を実現することになった。


8月月間

 8月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20160902

記録にとどめておくべき事項、数字。

投信現物
野村総研によると、8月の公募型日本株投信は637億円の資金純流出。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 200億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」 250億円前後の買い越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 100億円前後の買い越し。

事法
最大の自社株買いは8月1-17日に行われたソフトバンクによる2499億円の買い(通常は方式が発表文に記載される。今回のソフトバンクには記載が無かった。ソフトバンクのIR部門に直接電話で尋ねても公開できないであった。推測するしかないので、大部分は事法と推測)。

信託
トヨタによる信託方式の自社株買いが8月第1週-第5週に1913億円入る。他にも信託方式の自社株買いが入っており、クジラを中心とする普通の信託は現物を3000億円程度の買い越しかもしれない。

自己
日銀ETFが3810億円の買い越し。

裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定解消売買の金額合計 3581億円(現物売り・先物買い)。
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値 5000億円前後(同上)。


【いつもクリックで応援していただき、大変感謝しております】      
  

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

 株式関連 株 コメント一覧

  • 投資部門別 現物先物 時系列表

  • 投資部門別売買状況 時系列グラフ

  • 9月第2週 株 コメント

  • 9月第1週 株 コメント

  • 8月第5週 株 コメント

  • 8月第4週 株 コメント

  • 8月第3週 株 コメント

  • 8月第2週 株 コメント

  • 8月第1週 株 コメント

  • 7月第4週 株 コメント

  • 7月第3週 株 コメント

  • 7月第2週 株 コメント

  • 7月第1週 株 コメント

  • 6月第4週 株 コメント

  • 6月第3週 株 コメント

  • 6月第2週 株 コメント

  • 6月第1週 株 コメント

  • 5月第5週 株 コメント

  • 5月第4週 株 コメント

  • 2016年 年間 株 コメント

  • 投資部門別売買状況アノマリー

  • 日本株 株式分布状況調査

  • 日銀資金循環統計 株 長期グラフ

  • 日銀資金循環統計 株 コメント

  • 株式先物投資部門別売買状況

  • 大手証券 先物建玉推移 グラフ

  • 海外投資家の株式買い越し金額

  • 世界の株価 国別 長期推移

  • 世界の住宅用不動産価格

  • 長期の実質実質為替レート

  • 最新記事
    カテゴリ
    全記事表示リンク
    目次のページを表示

    最新コメント
    Twitterを表示
    経済指標が意味するところを解説
    FC2カウンター
    最新トラックバック
    検索フォーム
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    RSSリンクの表示
    Web Analytics