2016年8月第1週 株 コメント

8月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20160805

8月第1週 大手証券 先物売買手口概算
ブログ週間先物手口20160805

8月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価20160805ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ



2016年8月第1週の日経平均株価は前週末比315円安の16254円で引けた。前週末の日銀による金融緩和策がETFの買い増しだけにとどまったことから円高が進行し、週初は安く始まった。1日月曜日はユニクロなどごく一部の銘柄が上昇しただけであった。その後も緩やかに進む円高を嫌気してジリ安が続いた。変化は4日木曜日の昼頃にあった。日銀がETFを大量に買ったという噂が流れ、後場の株価は上昇した。実際に日銀はETFの購入額を倍増させていた。日銀ETFの買い予想が株価を支える形で、5日金曜日は下げづらい展開となり、週を終えることになった。

8月第1週の最大の買い手は個人であった。現先合計で2635億円の買い越し。うち現物現金で1033億円の買い越し。信用で1206億円の買い越し。先物で397億円の買い越し。個人は相変わらずの逆張り。7月第3週、第4週と順バリが続いたが、第3週は任天堂株を除けば逆バリであり、第4週はやや高い位置での小幅安であったため、結果としては順バリになった。8月第1週は下げ相場であり、伝統的な逆バリのパターンに戻った。

自己は現先合計で1676億円の買い越し。うち現物で424億円の売り越し。先物で2099億円の買い越し。うちTOPIXラージ先物で1808億円の買い越し。この週の日銀ETF買いは1461億円であった。従来の週次の購入の最高記録は2016年6月第2週の1460億円であったので、その記録を1億円だけ更新した。日銀ETF買い以外の自己は200億円強の買い越しであったことになる。これはポジション調整の売買の範囲内である。ただ自己全体の中身は、現物・先物の裁定売買に加え、日銀ETFの大量買いにともなうオペレーションが増加した。そのため、自己の中身の解析は従来から困難であったが、さらに困難さが増すことになった。今後は大口でわかりやすい売買があれば、その都度解説をすることにする。

7月29日に日銀が発表したETF年間6兆円購入という政策は、正しい政策である。理由は、バブル崩壊以降における20数年間の日本の株式市場は、異常で歪みまくった状態が続いているからである。国内投資家は原則として逆バリで上値を買わない。国内投資家による株価が戻れば売りというヒステリシスが強固にでき上がっているため、結果として日本株の上値を買うのはほとんどが海外投資家であった。加えて、1991年から2016年6月までに海外投資家は国際収支ベースで110兆円もの日本株を買い越し、日本株の最大の大株主となった。2015年の後半からの株安で変化したが、2015年5月の高値に近い時期において、日本は株価の上昇により100兆円もの国富を失っていたこともある。一部の経済学者などは、日銀によるETF年間6兆円買いという政策は、正常な株式市場を歪める異常な政策と非難する。しかし非難する人たちは、過去20数年にわたる日本の株式市場の強烈な歪み、ヒステリシス、病気が全く見えていない人たちなのである。この病気を治すためには、株価を下げさせないこと、そして株価を緩やかでよいから右肩上がりに維持することである。その手段として現在のような環境下では、日銀による株価維持政策拡大も必要悪なのである。

信託は現先合計で1456億円の買い越し。うち現物で1726億円の買い越し。先物で270億円の売り越し。トヨタが信託方式で自社株買いを続けている。7月は週平均で400億円の買いであった。少しペースが速いので8月は多少は減速するとみて、週平均で300億円の買いと想定してみる。トヨタ以外の通常の信託による現物株の買い越しは1400億円前後になる。7月も信託の現物は買い越しであったが、約7割はトヨタの自社株買いであった。8月になってようやくクジラなどの信託が積極的な押し目買いを入れ始めた。7月29日に詳細が公表されたが、公的年金による日本株購入余力はまだ大きい。

投信は現先合計で488億円の買い越し。うち現物で27億円の売り越し。野村総研によると、8月第1週の国内株式型の公募投信は45億円の資金純流入になっている。従って、私募投信が少し売り越していた可能性が高い。

投信先物は515億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で708億円の買い越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を150億円前後の買い越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を150億円前後の買い越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで純資産が大きいものは、先物は少しばかりの買い越しである。その金額をおおざっぱに500億円と置いてみる。この場合、ブルベア型投信以外の日経平均ラージ先物買い越し金額は200億円前後になる。7月第4週は、これと同じ種類の売り越し金額が700億円存在した。そこで700億円の売りを私募投信のやや特殊な売り越しと推測した。8月第1週は200億円の買い越しである。200億円なら、多数の公募投信、私募投信の様々な理由による買い越しが積もって、200億円にまで拡大したと推測してもかまわないと思う。

海外は現先合計で7403億円の売り越し。うち現物で4857億円の売り越し。先物で2816億円の売り越し。うちTOPIXラージ先物で1421億円の売り越し。上記の先物売買手口概算の表では外資系大手は売り越しになっている。特に注目されるのは、最大の売り手のUBSである。

UBSの過去における売買は、大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフの上から11番目にある。UBSは日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を同時に売買することが多いという特徴がある。8月第1週はTOPIXラージ先物が中心の売りであるが、7月第4週は日経平均ラージ先物が中心の売りであった。つまり、両先物をほぼ同時に売買している。そしてUBS証券では全く、あるいは一部しか売買せずに、モルガンMUFGを初めとする他の外資系大手で売買し、UBS証券に建玉移管する。これは昨年の大口売買と、7月第4週、8月第1週の売買と共通した特徴である。従って、この売り手はUBS本体の運用部である。今年1月以前は明確な順バリ戦略を採用し、大きな損を出していた。2月以降は戦略がわからなくなった。今回の売りもよくわからないが、戦略的売買というより、単なる手仕舞い売りのように見える。

売り方で2番目のABNクリアリングの売りは投機の可能性が高い。3番目のゴールドマンは投資の可能性が高い。また、買い方で第2位のパリバの1000億円の買いの大半は、海外ではなく、東京自己である。先物全体では投機よりも投資の売りの方が多い。

なお、海外は現物も大量に売っている。先物が投機よりも投資の方が多そうなことを考えると、海外の現物売りについては投機もあるが、投資の売りの方が多いと思われる。UBSの売りのように、明確に下げを確信して売っているというよりも、円高進行なので、とりあえず日本株のポジションを少し引き下げるといったような売りが多かったという感じがする。

合計すると、8月第1週は「個人、自己、信託の買い越しvs海外の売り越し」となった。自己は日銀によるETF買いが中心である。下げ相場における、伝統的パターンであった。円高を嫌気して海外の売りは膨らんだ。しかし、日銀ETFの購入金額倍増という状況のもとで、「大きく下がれば買い」から「少しでも下がれば買い」というように、国内投資家を中心に買い指し値が上に移動したと思われる。こうした動きは、4日木曜日の後場から特に顕著になった。その結果、海外による大幅売り越しにもかかわらず、日経平均株価は大きくは下がらないようになった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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年金の株式比率を倍にしても高値維持できなかったように、また海外投資家に売り場を提供する事になるんでしょうね。

日本の株式市場の大きすぎる問題点

あなたは日本の投資家の異常な投資行動と、日本が株式市場でくらった巨額の損失に気づいていない。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-40.html

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-140.html(後半)

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-251.html

上位のページを良くお読みください。

No title

日銀の無い素直な相場がやってみたい。
もう疲れたよパトラッシュ

日銀のいのない相場の恐怖

黒田体制ではなく、白川体制なら、今頃、日経平均株価は8千円を大きく下回っていたはずです。日経平均株価が5千円や3千円の世界をお望みですか。
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