2016年7月第4週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160729

ブログ週間先物手口20160729

週足株価20160729ブログ用


時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ



2016年7月第4週の日経平均株価は前週末比56円安の16539円で引けた。この週も政府、日銀の経済対策に対する思惑で株価は大きく変動した。27日水曜日に安倍首相が政府の景気対策が28兆円超になると発表した。その発表前からそうした情報が流れ、株価は上昇していた。29日金曜日の昼に発表される日銀金融政策決定会合では、何らかの金融緩和策が発表されるというのが多数意見であった。実際に発表された内容はETFの買い増し倍増が中心という内容であった。この時も発表前から動きがあったが、発表後も評価が定まらず、29日の後場は激しく乱高下する相場になった。そうした中で、週間の日経平均株価は小幅安で週を終えた。

7月第4週の最大の買い手は自己であった。現先合計で880億円の買い越し。うち現物で222億円の買い越し。先物で658億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で965億円の買い越し。この週の日銀ETF買いは732億円であった。従って、日銀ETF以外の自己の現先合計は150億円前後の買い越しになる。

この週の東証発表の裁定売買は141億円の裁定解消売買であった。一方、裁定残は増加しているので、その増加分から推測すると140億円前後の裁定形成売買が入っていたことになる。この週の自己は現物も先物も買い越しなのでわかりにくい。それでも後で詳しく記すが、東証発表分以外に700億円前後の日経平均型の裁定類似の解消売買が出ていた。同じ証券会社の日経平均ラージ先物に700億円ほどの金額で、先物で自己買い、投信売りがあり、現物で自己売りがあったはずである。すなわち、裁定類似の解消売買があっても、その証券会社の先物には売りと買いが同金額存在し、買越額はゼロである。従って、上記の株式先物手口概算の表からは何もわからない。その代わりに、1つの証券会社だけを使ったという仮定が必要だが、その場合なら1つの証券会社での売買金額が大きくなる。この裁定類似の売買を実施した証券会社は、日経平均ラージ先物の売買が大きい証券会社ならすべてがありえる。そのうち、過去の例は少ないのであるが、少ない例から推測すると、野村、ソシエテ、ドイツあたりである可能性が比較的高い。なお、ソシエテは裁定解消売買が500億円あると東証が発表している。ソシエテの裁定売買は海外ではなく自己である。そしてこの500億円以外に、同じく自己で現物売り、先物買いという裁定類似の売買が700億円前後存在していた可能性がある。

信託は現先合計で751億円の買い越し。うち現物で506億円の買い越し。先物で245億円の買い越し。うちTOPIXラージ先物で320億円の買い越し。この週はトヨタが7月1-31日、信託方式、1608億円という自社株買い完了の発表があった。週平均で400億円。つまり、現物買いの多くはトヨタの自社株買いであった(追記 EDINET8月5日公表分でトヨタの7月第4週の自社株買いの金額が413億円であったことが確定)。クジラなどの他の普通の信託も現物を買い越していたであろう。しかし、現物については小幅の買い越しであった可能性が高い。

銀行は現先合計で570億円の買い越し。うち現物で16億円の買い越し。先物で554億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で150億円の買い越し。TOPIXラージ先物で409億円の買い越し。株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフの上から6番目が銀行である。銀行の日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物の建玉は、過去10年以上の間、小幅の買い越しであった可能性が高い。そのため7月第4週の買いは、両先物とも新規の買い建てである可能性が高い。手口はおそらく野村証券であろう。銀行がここで先物を新規に買う理由は、最近銀行による現物株の売り越しが続いていたことと何らかの関係があるかもしれない。

海外は現先合計で1億円の売り越し。うち現物で788億円の買い越し。先物で789億円の売り越し。うちTOPIX先物で630億円の売り越し。上記の株式先物建玉概算の表では外資系大手同士がぶつかりあい、外資系合計で250億円の売り越しになっている。うちソシエテには確実に自己の裁定解消買いが500億円混じっている。そうした自己の買いを除けば、外資系証券を中心に、海外全体での先物は789億円の売り越しになった。たまたま現物の買金額が788億円と近かったので、現先合計は1億円の売り越しとなった。海外の合計がチャラであったとはいえ、この週は途中で大荒れの相場となった。海外は先物だけではなく現物についても、HFTを駆使するCTAをも含むヘッジファンドが大規模に売買していた可能性が高い。

個人は現先合計で617億円の売り越し。うち現物現金で958億円の売り越し。信用で50億円の売り越し。先物で372億円の買い越し。前回説明した通り、7月第3週は任天堂1銘柄だけの信用が790億円の買い越しであり、現物でも買い越していた可能性が高い。7月第4週の任天堂の信用買残は減少に転じており、個人は任天堂1銘柄の信用だけでは売り越しであった。この週の日経平均株価は下げたとはいえ、まだ戻り相場に近く、水準は比較的高かった。週次では順バリであるが、トレンドでみるとむしろ逆バリの方に近い。個人は基本的には逆張りであり、今年に入ってからその傾向は強まっている。

7月第4週の最大の売り手は投信であった。現先合計で1591億円の売り越し。うち現物で355億円の売り越し。野村総研によると、7月第4週の国内株式型の公募投信は203億円の資金純流出になっている。公募投信以外に私募投信も売り越していた可能性が高い。

投信先物は1237億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1297億円の売り越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を300億円前後の売り越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を200億円前後の売り越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで純資産が大きいものは、先物は少しばかりの売り越しである。ということは、ブルベア型投信の売りは600億円前後であり、それ以外に700億円前後の日経平均ラージ先物の売りが存在していたことになる。公募投信では考えられないので、私募投信であろう。先に書いた通り、この週はどこかの私募投信が証券会社に先物売りを出し、証券会社は先物を自己で買い取り、現物売りでカバーした。その証券会社はよくわからないが、可能性としては、野村、ソシエテ、ドイツあたりの可能性が比較的高い。売りを出した私募投信は野村アセットである可能性はあるものの、決め打ちできる根拠はなく、野村アセット以外の私募投信である可能性も十分に考えられる。

合計すると、7月第4週は、「自己、信託の買いvs投信、個人の売り越し」となった。自己は日銀ETF、信託はトヨタの自社株買いの比率が高かった。結果として、この週の日経平均株価は58円という小幅の下げで終わった。しかし、その途中では金曜の後場を中心に大荒れの相場となった。この大荒れ相場を作った主犯は、1週間に1億円しか売り越していない海外であったと思う。海外による売買シェアは、日経平均ラージ先物で76%、TOPIXラージ先物で84%。過去最高ではないが、高水準であった。財政、金融政策を睨みながら。ある時には大量に買い、その後すぐ売るなどの売買を繰り返した。こうした海外によって、相場は一時、記憶にもあまりないほどの大荒れ相場にされてしまった。


7月月間

投資部門別コメント月次20160729

記録にとどめておくべき事項、数字。

金融政策
7月29日金曜日 日銀金融政策決定会合で追加金融緩和を発表。ETFの購入金額を現行の年間3.3兆円から6兆円に増加させるという政策が中心。発表の前からその日の引けまでは、上下に非常に激しく動く相場になった。

投信現物
野村総研によると、7月の公募型日本株投信は865億円の資金純流出。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」 2900億円前後の売り越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」 650億円前後の売り越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 50億円前後の売り越し。

事法
最大の自社株買いは7月1-31日に行われた日産による397億円の自社株買い。

信託
トヨタによる信託方式の自社株買いが7月1-31日に1608億円入る。クジラを中心とする普通の信託は現物を521億円買い越し。

自己
日銀ETFが2232億円の買い越し。

裁定売買(現物買い・先物売り、大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計 1041億円。
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値 900億円前後。


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テーマ : 経済
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