2016年7月第2週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160715

ブログ週間先物手口20160715

週足株価20160715ブログ用


時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ



2016年7月第2週の日経平均株価は前週末比1391円高の16498円で引けた。6月24日のBrexit決定の結果、世界的な株安が発生した。しかし7月第2週は、Brexitがもたらす不透明感の結果としてアメリカ以外の先進国では低金利状態が続くことの方が評価された。株高は世界的に進行した。日本の場合、前週末に参議院議員選挙での与党勝利があった。その結果として、追加の財政金融政策発動の期待も加わり、円安も進行した。円安と世界的な株高の結果、日経平均株価は週間ベースでは1997年11月第3週以来という大幅高で週を終えることになった。

7月第2週の最大の買い手は海外であった。現先合計で9969億円の買い越し。うち現物で3512億円の買い越し。先物で6457億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2822億円の買い越し。日経平均ミニ先物で1193億円の買い越し、TOPIXラージ先物で2479億円の買い越し。

上記の株式先物手口概算の表を見ても、ゴールドマンのTOPIXラージ先物買いは中長期の投資、ABNクリアリングの日経平均ラージ先物買いは短期の投機である可能性が高い。海外の買いが現物から先物まで広く分散していることから、投機中心、投資中心というよいも、両者が同時に買い越していた可能性が高い。

自己は現先合計で492億円の売り越し。うち現物で2756億円の買い越し。先物で3248億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で488億円の売り越し。日経平均ミニ先物で261億円の売り越し。TOPIXラージ先物で2530億円の売り越し。この週の日銀ETF買いは60億円であった。従って、日銀ETF以外の自己の現先合計は550億円前後の売り越しであったことになる。

この週は7月第1週までの連日の裁定解消売買から一転して、裁定形成売買が大量に入った。東証発表の統計では153億円の裁定解消売買である。しかし、同じく東証発表の裁定残高の増加から推測すると2200億円前後の裁定形成売買が入っていたはずである。東証発表の裁定売買の数字に過去の経緯を加えて類推すると、ソシエテ、クレディ・スイス、ドイツの東京自己がTOPIXラージ先物を中心に裁定形成売買を入れていた可能性が高い。その他にパリバが東京自己でTOPIXラージ先物を中心に裁定形成類似の売買を行っている。自己の現物買いは2756億円、先物売りは3248億円であり、裁定形成売買の2200億円を上回っている。裁定にカウントされないパリバの東京自己による裁定形成類似の売買があったはずである。日系では野村を中心に裁定形成売買があった。

保険は現先合計で1256億円の売り越し。うち現物で611億円の売り越し。先物で646億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で543億円の売り越し。信託勘定も含めると最近の保険は買い越しとみているが、7月第2週は明らかに売り越しである。保険は現在、超金余りの状態である。それにもかかわらず、久々に比較的多めの株を売り越してきた。

投信は現先合計で1487億円の売り越し。うち現物で463億円の売り越し。野村総研によると、7月第2週の国内株式型の公募投信は371億円の資金純流出になっている。現物売りの多くは解約に伴う売りであった。

投信先物は1023億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で998億円の売り越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」による日経平均ラージ先物の売買合計はゼロに近かった。この週の同種のブルベア型ETFで純資産が大きいものは、先物売買は少しばかりの売り越しである。残りの投信売りの大部分は私募投信の売りと推測する。この週の日経平均ラージ先物の手口は野村証券が圧倒的に大きく売り越しており、野村アセットの私募投信の売りと推測していた。しかし、第2週の日経平均ラージ先物の投資部門別売買状況を見ると、野村証券の売りは投信だけではなく、保険、個人の売り、あるいは自己の裁定形成売りであることも考えられる。野村アセットの売りとは決めつけられない。私募投信の売りが中心とまでしか言えない。

7月第2週の最大の売り手は個人であった。現先合計で6411億円の売り越し。うち現物現金で3299億円の売り越し。信用で1692億円の売り越し。先物で1421億円の売り越し。今年の個人は逆バリに徹しており、28週中26週が逆バリである。

合計すると、7月第2週は、「海外の買い越しvs個人、投信、保険の売り越し」であった。海外が世界の株式市場の上昇傾向、アメリカの金利引き上げ、日本の追加金融緩和、財政出動を予想しながら久々に日本株を大量に買い越してきた。これに対して個人が中心とはいえ国内勢がほぼ総売りで向かうというのは株価上昇局面で起こる伝統的なパターンと全く同じであった。

海外の買い越しが1兆円弱で日経平均株価が19年ぶりの上昇を実現している。これは国内勢が売り向かったものの、指し値が高かったことが原因である。とはいえ、5月第4週の日経平均株価の終値16835円の後、日経平均株価は下落傾向の相場が続いたことも7月第2週の株価が大きく上昇した要因であった。

国内投資家は依然として株価が下がれば買い越すが、上がると売り越す。7月第2週はあまり大きくは売らない保険までもが売り方に回った。保険といっても大半は生保であろう。生保が配当利回りが2%前後の株を売り越す。そして最近は、大きなヘッジコストを支払う結果、2%どころかわずかなプラス金利にしかならないヘッジ付き外債を大量に買っている。こうした利回りの引き下げに走る生保の投資行動は異常としか言いようがない。極端なリスク回避志向に凝り固まっているのである。日本の生保を極端なリスク回避志向にしてしまったのが、ハイリスクであるため本来ならハイリターンでなければならないリスク資産のリターンを引き下げ続けてきた政府、日銀による金融、為替政策の長年にわたる重大な誤りの結果なのである。1990年初頭のバブル崩壊以降、株のリターンをマイナスに、外債を小幅なプラスのリターンに維持し続けてきた。

その結果、現在、生保を含む日本の投資家全体が、資金を株という高利回りのリスク資産から逃げださせ、ゼロ金利に近い無リスク、低リスク資産へと移動させている。その規模が現物先物の合計ではあるが、7月第2週に1兆円に近い金額になったのである。こうした金融緩和という政策に対して国内投資家が世界の常識とは正反対の行動をとっても、政府、日銀が異常と感じないことが大変異常なのである。株価が動く方向しか見ておらず、株価が変動する原因、あるいは資金が流れる方向を全く見ようとしないのは昔からの大問題である。

政府、日銀は日本の投資家の極端なリスク回避志向を緩和させ、金融緩和をしたら、余剰資金の一部が株などのリスク資産に流れ込む状態を作りだすことが必要なのである。先物も含むとはいえ株というリスク資産をわずか1週間で国内投資家が1兆円近く手放す状態というのは、金融緩和が全く不足している証拠である。マイナス金利や436兆円の日銀のバランスシート残高が正常とは思わない。それでも日銀と海外を除いた国内投資家だけで、国家の名目GDPの100%以上という巨額の資金を国債という資産に資金を縛り続けさせている。それに加えて1週間で1兆円もの資金が先物も含む株から逃げ出すという現状は、マイナス金利などを大幅に上回る超異常状態なのである。

国内投資家が株価上昇局面でも恒常的に株を買い越すという正常な状態は、過去27年近くの間発生していない。この余りにも長続きしている正常ではない状態を是正させるためには、名目GDPの金額を上回る巨額の資金を国債に固定化させている国内投資家から、その国債を無理矢理でも大量に引き剥がさなければならない。国債を大量に引き剥がしたら、その資金の一部は株などのリスク資産に回らざるをえなくなる。そのためには追加の大規模金融緩和が必要不可欠なのである。


【いつもクリックで応援していただき、大変感謝しております】      
  

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

 株式関連 株 コメント一覧

  • 投資部門別 現物先物 時系列表

  • 投資部門別売買状況 時系列グラフ

  • 9月第2週 株 コメント

  • 9月第1週 株 コメント

  • 8月第5週 株 コメント

  • 8月第4週 株 コメント

  • 8月第3週 株 コメント

  • 8月第2週 株 コメント

  • 8月第1週 株 コメント

  • 7月第4週 株 コメント

  • 7月第3週 株 コメント

  • 7月第2週 株 コメント

  • 7月第1週 株 コメント

  • 6月第4週 株 コメント

  • 6月第3週 株 コメント

  • 6月第2週 株 コメント

  • 6月第1週 株 コメント

  • 5月第5週 株 コメント

  • 5月第4週 株 コメント

  • 2016年 年間 株 コメント

  • 投資部門別売買状況アノマリー

  • 日本株 株式分布状況調査

  • 日銀資金循環統計 株 長期グラフ

  • 日銀資金循環統計 株 コメント

  • 株式先物投資部門別売買状況

  • 大手証券 先物建玉推移 グラフ

  • 海外投資家の株式買い越し金額

  • 世界の株価 国別 長期推移

  • 世界の住宅用不動産価格

  • 長期の実質実質為替レート

  • 最新記事
    カテゴリ
    全記事表示リンク
    目次のページを表示

    最新コメント
    Twitterを表示
    経済指標が意味するところを解説
    FC2カウンター
    最新トラックバック
    検索フォーム
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    RSSリンクの表示
    Web Analytics