2016年7月第1週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160708

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週足株価20160708ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ

2016年7月第1週の日経平均株価は前週末比576円安の15107円で引けた。6月23日木曜日に実施されたイギリスのEU離脱を問う国民投票が予想外の離脱となり、24日金曜日の株価は急落した。6月第5週はその急落局面からの戻り相場であった。ところが7月第1週は、世界的にも戻りから反落に転じる国が多かった。日本の株価も反落に転じ、7月第1週は6月第5週の上昇分の約8割を帳消しにすることになった。

7月第1週の最大の買い手は個人であった。現先合計で2673億円の買い越し。うち現物現金で858億円の買い越し。信用で834億円の買い越し。先物で982億円の買い越し。今年の個人は逆バリに徹しており、26週中24週が逆バリである。

自己は現先合計で1509億円の買い越し。うち現物で1908億円の売り越し。先物で3417億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1232億円の買い越し。TOPIXラージ先物で2480億円の買い越し。この週の日銀ETF買いは1404億円であった。従って、日銀ETF以外の自己の現先合計は100億円前後の買い越しであり、トントンに近かった。

この週も裁定解消売買が多かった。上記の先物手口概算の表と東証発表の裁定売買の統計から、パリバ、クレディ・スイス、ソシエテの先物買いは、海外による買いよりも、自己による裁定解消の買いの方が多かったと考えられる。さらに付け加えると、東証が発表している正式な裁定解消売買の中では、ソシエテ500億円、クレディ・スイス400億円(発表は株数、金額は推定)が大口である。そして、東証が発表しているネットの裁定解消売買合計は961億円である。しかし裁定残はもっと大きく減少している。裁定残の株数の変化から裁定売買を推定し直すと2500億円前後の裁定解消売買、すなわち先物買い・現物売りが出ている。従って、クレディ・スイスとソシエテには東証発表以上の裁定解消売買が存在しているのである。ちなみに、東証発表の裁定売買によると、外資系は裁定解消が多いが、日系は裁定形成の方が多い。一方、パリバは東証が発表する裁定売買に名前が載ることはない。パリバは東証に報告していない裁定類似の残高を、海外自己以上に東京自己で多数保有しているはずである。その一部を7月第1週に解消している。従って、裁定解消売買2500億円のうちの多くは東京自己であるが、一部は海外自己であり、海外自己による裁定解消とパリバによる東京自己の裁定類似の解消がたまたま近い金額であった可能性が高い。自己の売買は複雑であるので、実際にはこれよりももっと複雑であったと思われる。

信託は現先合計で168億円の売り越し。うち現物で1526億円の買い越し。先物で1694億円の売り越し。うちTOPIXラージ先物で1373億円の売り越し。株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフの上から4番目が信託の先物売買である。何度も説明してきたように、信託によるTOPIXラージ先物売りは、5月第4週から6月第5週までは先物買いから現物買いへの乗り換えであった。しかし、7月第1週の売りにより、信託によるTOPIXラージ先物の買建玉は下に抜けてしまった。このグラフを見る限り、新規の売りヘッジというよりも、かなり前に買った分の反対売買である可能性の方が高いと思われる。2008年9月のリーマンショックの頃、株価は急落しており、急落時に買い出動する公的年金を初めとする様々な信託が現物とTOPIX先物に大量の買いを入れていた。当時はクジラという呼び名はまだなかった。それでもクジラが最も集中して株を大量に買い越したのは、露骨な株価操縦とも批判されることもある過去2年間ではなく、リーマンショックの頃から半年間くらいの期間であった。この時期にクジラ以外の信託が買ったTOPIXラージ先物が7月第1週に売りに回った可能性が高い。7月第1週の現物買いの方は、クジラが中心であろう。

海外は現先合計で2282億円の売り越し。うち現物で1749億円の売り越し。先物で533億円の売り越し。上記の先物手口概算で外資系14社が先物を1700億円買い越しているのにもかかわらず、海外先物は小幅の売り越しである。先に説明した通り、外資系である買い越しの上位3社の買いの中には、海外による買いよりも、自己による裁定解消の買いの方が多かったと考えられるからだ。そして、海外には海外自己による現物売り先物買いの裁定解消売買がいくらかは存在している可能性が高い。そのことを考えると、裁定を除く海外は現物中心の売りではなく、現物にも先物にも分散して売りが出ていた可能性が高い。それでも海外による現先合計の売越額は年初と比べれば減少しており、本格的な日本株外しには見えない。世界的な株価の反落傾向を見ながら、弱気筋が日本株も少し売ったという感じである。

7月第1週の最大の売り手は投信であった。現先合計で2313億円の売り越し。うち現物で372億円の売り越し。野村総研によると、7月第1週の国内株式型の公募投信は22億円の資金純流入になっている。

投信先物は1941億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1001億円の売り越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を1150億円前後の売り越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで純資産が大きいものは、先物売買はトントンに近いものが多かった。

なお、この週の投信はETFの配当金支払いのため、現先合計で2000億円前後の売りが出ているはずである。投信全体の現先合計の売越額から野村レバETFの売越額を差し引くと1163億円前後の売り越しにしかならない。他に837億円前後の買いが入っていなければ計算が合わない。確かなことはわからないが、最近の投資信託協会の統計を見ていると、直近の4月、5月は私募投信が公募投信よりも多くの現物株を買い越していることがわかる。837億円前後の買い越しの中には、一部に公募投信の現物先物買い、ETFの先物買いがあったかもしれない。しかし、一番大きく買い越していたのは私募投信の現物先物買いではないかと推測する。

合計すると、7月第1週は、「個人、自己の買い越しvs投信、海外の売り越し」であった。投信の特殊な売りといつもの日銀ETFの買い支えはあった。より大きな構図としては、海外が世界の株式市場の下落傾向を見ながら日本株を売り越す中、逆張りに徹する個人が買い下がるという昔からのパターンに近かった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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