2016年6月第5週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160701

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週足株価20160701ブログ用

時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ

2016年6月第5週の日経平均株価は前週末比730円高の15682円で引けた。この週の株価は、6月23日木曜日に実施されたイギリスのEU離脱をめぐる国民投票結果が予想外の離脱となり、6月24日金曜日に世界中の株価が急落した局面からの戻り相場であった。まず震源地のイギリスの株価が急速に戻した。ポンド安進行という支援材料もあり、6月第5週末の株価は投票日前の株価を大きく上回ることになった。イギリス以外の国の株価も、幅には違いはあるものの、戻り相場となった。日経平均株価も世界的な戻り相場の流れに乗って上昇した。

6月第5週の最大の買い手は信託であった。現先合計で1946億円の買い越し。うち現物で2283億円の買い越し。先物で337億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で141億円の買い越し。TOPIXラージ先物で400億円の売り越し。すでに何回か説明しているが、信託には半年度始めに配当込みTOPIXへの連動を目ざして先物を買っていた分が存在する。信託は配当金を受け取った後、TOPIXラージ先物を売って現物に乗り換えるというオペレーションを続けている。株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフの上から4番目が信託の売買である。5月第4週から6週連続で半年度の始めに買った分を売り越している。先週、多分終了と書いたが、第5週まで続いたようである。信託はこの先物の現物入れ替えと、信託方式の自社株買いを除くと、6月第1-4週の信託現物は売り越しであった。しかし、さすがに第5週はそれらの買いを差し引いても、比較的大幅な買い越しである。クジラたちを中心とした押し目買いが幅広く入った。

投信は現先合計で1171億円の買い越し。うち現物で606億円の買い越し。野村総研によると、6月第4週の国内株式型の公募投信は163億円の資金純流入になっている。私募投信が現物を440億円前後買い越していた可能性が高い。

投信先物は565億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で732億円の買い越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を1050億円前後の買い越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を50億円前後の買い越しと計算できる。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を100億円前後の買い越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで純資産が大きいものは、先物売買では小幅の買い越しのものが多い。投信の日経平均ラージ先物にはブルベア型ETF以外に数百億円の売り越しがある。一方、現物には先に買いた通り、私募投信らしき440億円の買い越しがある。よくわからないが、私募投信が400億円前後の現物買い先物売りというアービトラージ型の売買を実施したことが考えられる。4月第2週にもアービトラージ型としか考えられない投信による現物買い先物売りが見られたことがあった。

先週も指摘したが、野村証券に対して、ABNクリアの大口顧客がその正反対の売買をするという戦略を今年2月から実施していた。そのグラフを下記に示す。

ABNクリアと野村の先物建玉推移

2月第2週から6月第4週まで、ABNクリアの海外大手顧客、おそらくヘッジファンドが野村証券の反対売買をしていた可能性が高い。6月第3週以前は反対売買であるようには見えたが、よくわからなかった。しかし6月24日のBrexit決定という日の日経平均ラージ先物で1.2万枚以上の野村証券売り、ABNクレア買いを見せつけられた。第4週の終わりにはさすがに野村も気がついて、特に野村アセットが手口を隠し始めた可能性が高い。第5週はABNクリアによる大量売りに対して、野村証券の買いは表面上は少ない。この結果、ABNクリアによる反対売買戦略は終了かもしれないし、形を変えて続くかもしれない。

自己は現先合計で379億円の売り越し。うち現物で2536億円の売り越し。先物で2157億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で516億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1319億円の買い越し。この週の日銀ETF買いは410億円であった。従って、日銀ETF以外の自己の現先合計は800億円弱の売り越しになる。またこの週も裁定解消売買が多かった。裁定残高の変化から推定すると、2500億円前後の裁定解消売買、すなわち先物買い・現物売りが出ている。上記の先物手口概算の表と東証発表の裁定売買の統計から、ソシエテによるTOPIXラージ先物買い550億円のほぼ全部が裁定解消買いであることが確認できる。その他、ドイツとクレディ・スイスも少しばかりの裁定解消売買と発表されているが、実際の裁定解消売買はもっと多かったはずである。この2社の先物買いの全部ではないが、多くは裁定解消のための自己の買いであった可能性が高い。東証統計ではみずほが裁定解消売買が多いと発表されているが、野村と三菱UFJは裁定形成売買の方が多いと発表されている。裁定絡みの日系大手の先物売買は、東証発表分だけなら売り越しであり、発表分以外に裁定解消のための買いがあったとしても多くはなさそうである。従って、この週の2500億円にものぼる裁定解消のための先物買いの多くは、ドイツ、クレディ・スイス、ソシエテといった外資系証券が中心であった。

個人は現先合計で1066億円の売り越し。うち現物現金で202億円の買い越し。信用で322億円の売り越し。先物で947億円の売り越し。今年の個人は逆バリに徹しており、25週中23週が逆バリである。

海外は現先合計で1876億円の売り越し。うち現物で105億円の買い越し。先物で1981億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で964億円の売り越し。日経平均ミニ先物で511億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1448億円の売り越し。

先に書いた通り、先物買いのうちソシエテのTOPIXラージ先物買いとドイツ、クレディ・スイスの先物買いの多くは海外ではなく自己である。それ以外の外資系証券による先物売買の多くは海外である可能性が高い。ABNクリアによる日経平均ラージ先物1550億円売りの多くは野村の反対売買をする海外のヘッジファンドであったと思われる。

株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフの一番上が海外である。6月第5週のTOPIXラージ先物の売りは、アベノミクス相場開始以降に海外が指数連動のためにTOPIX先物を買っていた分の手じまい売りであるようだ。投機というよりも投資が中心である。簡単には再び買い始めることはないと思われる。一方、アベノミクス相場の始まり頃から買い始めて現在でもなお保有し続けているTOPIX先物の買建玉に関しては、悪材料が出ればもう一段の売りとなる可能性は高いかも知れない。

ただし、証券会社別で最大の先物買建玉を持つUBSだけは異なる。大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフの上から11番目がUBSである。大半がUBS本体運用部のポジションと思われる。今年の1月以前はポートフォリオインシュアランス的な順バリ戦略を採用していた。2-4月は順バリをやめ、戦略がわからなくなった。5月以降は完全な順バリではないが、順バリに近い売買戦略に復帰している。6月第5週の海外先物全体は売り越しであり、買い越している外資系証券の多くは海外ではなく自己である。しかし、UBSだけは他社とは異なって海外部門で順バリの買い越しになっている。今後もUBSだけは海外全体や他の外資系証券とは異なる売買をする可能性が高い。ただし、売買金額は以前より減少している。

合計すると、6月第5週は、「信託、投信の買い越しvs海外、個人の売り越し」であった。この週の買いは、Brexitによる株価急落の後、欧米の株式市場が回復するのを見ながら、信託と投信が押し目買いを入れてきたのが戻りの原動力であった。世界的な株高や円安、あるいはファンダメンタルズか経済政策面での予想外の好材料が出なければ、ここから上を買い上がる投資家は多くはないと思われる。ただしUBSだけは例外で、順バリ戦略を続ける可能性がある。


6月月間

投資部門別コメント月次20160610

記録にとどめておくべき事項、数字。

6月23日にイギリスがEU離脱を問う国民投票を実施。直前は残留予想で少し買われる。しかし離脱という予想外の結果が6月24日の11時頃伝わり、その後株価は急落。翌営業日から月末にかけては戻す。

投信現物
野村総研によると、6月の公募型日本株投信は13億円の資金純流入。

投信による日経平均ラージ先物売買
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」 750億円前後の買い越し。
野村アセット 「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」 50億円前後の買い越し。
大和投信 「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」 250億円前後の売り越し。
上記のようなブルベア型ファンドの合計は買い越し。私募投信が投機やアービトラージを目的に先物を売り越す。

事法、その他法人
最大の自社株買いは6月14日に行われたNTT(事法)による政府(その他法人)からの2674億円の自社株買い。 

信託
半年度の始めに買ったTOPIXラージ先物を売り、現物株を買う。TOPIXラージ先物の売りが全部現物への乗り換えと仮定すると、実質的な信託による現物買いは2799億円。そのうちトヨタ1社だけで信託方式による自社株買いが1395億円存在。

自己
日銀ETFが4498億円の買い越し。

裁定解消売買(現物売り・先物買い、大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定解消売買の金額合計              1兆5431億円
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値 1兆6000億円前後

海外
6月第1週にアービトラージ型と思われる現物買い、先物売りがゴールドマンを中心に入る。SQとその前に発生した裁定解消売買に対する反対売買として向かい、株価を支える。

2月第2週から6月第4週まで
日経平均ラージ先物においてABNクリアが野村証券と正反対に近い売買を行う。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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