2016年6月第3週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160617

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週足株価20160623ログ用


時系列データ
投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ

2016年6月第3週の日経平均株価は前週末比1002円安の15600円で引けた。この週の株価を動かした最大の要因は、やはり為替レートの動きであった。そして為替レートを動かした要因は、23日に実施されるイギリスの国民投票でのEU離脱の是非についての予想と、16日木曜日の日銀金融政策決定会合で追加金融緩和がなかったことであった。この2つの要因により円高が進行し、結果として日経平均株価は前週末比で大きく値下がりして週を終えた。

6月第3週の最大の買い手は事法であった。現先合計で3540億円の買い越し。うち現物で3533億円の買い越し。大部分が自社株買い。この週に購入し、直近までに公表された自社株買いの中で最も金額が大きかったものは、NTT、6月14日、2674億円であった。NTT以外の自社株買いは859億円前後であった。

その他法人は現先合計で2532億円の売り越し。うち現物で2541億円の売り越し。NTT株の売り手は政府であるので、売り越しの部門はその他法人になる。その他法人の現物の売越額は、政府によるNTT株の売却代金2674億円に近い金額である。

個人は現先合計で2418億円の買い越し。うち現物現金で1562億円の買い越し。信用で372億円の買い越し。先物で484億円の買い越し。今年の個人は逆バリに徹しており、24週中22週が逆バリである。株価が下がった分だけ買越額は増えた。

自己は現先合計で1732億円の買い越し。うち現物で1965億円の売り越し。先物で3697億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で925億円の買い越し。TOPIXラージ先物で2610億円の買い越し。この週は日銀ETF買いが1110億円入っている。従って、日銀ETF買い以外の自己は、現先合計で600億円前後の買い越しになる。少し多めであるが、ポジション調整の売買の範囲内だと思う。また、東証が公表している裁定残高から計算すると、この週は3200億円前後の裁定解消売買が存在していた。その多くが自己による現物売り、先物買いとして計上されている(一部は海外の可能性もある)。第3週の自己による現物売り、先物買いの多くは裁定解消売買である。

投信は現先合計で770億円の買い越し。うち現物で563億円の買い越し。野村総研によると、6月第3週の国内株式型の公募投信は102億円の資金純流入になっている。これ以外にも買いがあるということは、私募投信の買いがこの週は比較的多かった可能性が高い。

投信先物は207億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で487億円の買い越し。TOPIXラージ先物で261億円の売り越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を100億円前後の買い越しと計算できる。この週の同種のブルベア型ETFで純資産が大きいものは、先物売買では小幅の買い越しのものが多く、全部足し合わせてもわずかな金額にしかならない。第3週の先物売買の多くは、ブルベア型ETF以外である。ただ先物の買越額、売越額自体は小さい。公募、私募投信による様々な理由による先物売買の合計が、投信による先物買越額207億円になった。

信託は現先合計で214億円の売り越し。うち現物で213億円の買い越し。先物で427億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で163億円の売り越し。TOPIXラージ先物で300億円の売り越し。すでに何回か説明しているが、信託には半年度始めに配当込みTOPIXへの連動を目ざして先物を買っていた分が存在する。信託は配当金を受け取った後、TOPIXラージ先物を売って現物に乗り換えるというオペレーションを続けている。先物投資部門別売買状況のグラフの上から4番目が信託の売買である。5月第4週から4週連続であるのだが、半年度の始めに買った分を売り越していることがわかる。従って、信託による現物買いのうち、TOPIXラージ先物売り300億円に相当する分は、先物から現物への乗り換えである。一方、信託による現物の買越額は213億円にすぎない。第3週の信託による現物売買は、実質的には買い越しではなく売り越しであった。

6月第4週の最大の売り手は海外であった。現先合計で6014億円の売り越し。うち現物で2208億円の売り越し。先物で3806億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1531億円の売り越し。日経平均ミニ先物で349億円の売り越し。TOPIXラージ先物で1874億円の売り越し。

株式先物手口概算の表において、外資系14社合計のTOPIXラージ先物は400億円の売り越しである。海外によるTOPIXラージ先物売り越し1874億円との差が大きい。これは外資系によるTOPIXラージ先物買いの中には自己の買いが含まれているからである。過去の経緯からすると、ソシエテ950億円とパリバ650億円の多くは自己の買いであり、裁定解消または裁定解消類似の先物買いである。仮にこの2社の買いの全部が自己の買いであるならば、外資系14社合計の実質的な買越額は2000億円となり、大証公表の海外によるTOPIXラージ先物買越額1874億円に近い金額になる。

海外は現物と3種類の先物がすべて売り越しである。多くの種類の海外が日本株を売却し、日本株のポジションを縮小させた。ただ現物よりも先物の方が売りが多いので、超長期志向の投資家の売り越し比率は低かったと思われる。短期志向の投機、中期から長期志向の投資という海外の大半は売り越しであったという感じである。そのうちの先物売りの部分が裁定を通して現物売りに振り替わり、3200億円の現物の裁定解消売りを引き起こした。こうした海外による現物先物の売り越しが、第3週の株価を急落させた最大の要因になった。

合計すると、NTTによる自社株売買を除いた6月第3週は、「個人、自己(日銀ETFが多い)、事法、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。下げ局面で現れる昔からのパターンに近かった。円高が進行する環境下で、Brexitに対する不安と追加金融緩和がなかったことに対する失望から、株価にかかわりなく海外は株を売り越し続けた。それに向かって買越額を大きく増やしたのは実質的には個人が中心であった。しかし買い方も、売り方と同様な不安や失望を抱え、買いの指値は下がる一方であった。結果として週間の日経平均株価は1002円安。かなり大幅な下げになってしまった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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日本の裕福層人口について

記事と無関係で恐縮なのですが、GDPが停滞しているのに関わらず、日本の裕福層人口が、中国やアメリカなどより伸びています。去年はそこまで株高でもなかったような気がしたので不可解です。45778どんな要因でこんなに伸びを示していると思いますか?
ttps://www.worldwealthreport.com/Global-HNWI-Population-and-Wealth-Expanded

おそらく株高が原因

2015年年間の株価変動
TOPIX   +9.9%
S&P500  -0.7%

おそらく株高が一つの原因だ思われます。為替はドル円は横ばい、他通貨に対しては上昇なので、世界の中で日米の資産価値がより大きく上昇したことになります。

富については基礎統計が少なく、推計ベースのものが多いです。従って、推計の方法によって、かなりの差が発生します。その上、HNWIの富の定義は複雑で基礎統計もなく、正確には算出不可能です。統計の正確性については疑問の多い統計だと思います。
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