2016年5月第4週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160527

先物手週間口20160527

週足株価20160527ブログ用

時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ

2016年5月第4週の日経平均株価は前週末比89円高の16835円で引けた。NY株価は大きく上げていたが、日本の株価はNY株価の影響をあまり受けなかった。上海株は少し下げており、日本の株価は上海とも異なった動きをしていた。この週の為替レートは少しばかりの円高が進行していた。それでも株価の動きに一番近い動きをしたのは依然として為替レートであった。株式市場は売買代金が非常に低水準であり、閑散な日が続いた。そうした環境下で、株価は円安進行時の円安を好感して、少しだけ上昇して週を終えた。

5月第4週の最大の買い手は事法であった。現先合計で778億円の買い越し。うち現物で802億円の買い越し。大部分が自社株買い。この週は5月月間、ないしは5月後半に実施された自社株買い終了の発表が多かった。最も金額が大きかったものは、三菱UFJフィナンシャルグループ、5月17日-5月31日、524億円であった。銀行ではなく持株会社の買いなので事法部門という誤解を招きやすい分類になっている。

海外は現先合計で718億円の買い越し。うち現物で705億円の売り越し。先物で1423億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1238億円の買い越し。

上記に掲載している大手証券先物手口概算の表と時系列データのグラフから読み取れる動向は次のようになる。買い方のトップはUBS、2番目はABNクリアである。この2社については先週詳しく説明したので重なる点が多いが、もう一度繰り返す。時系列データの11番目にUBS、1番目にABNクリアが掲載されているので参照にしていただきたい。

UBSは昨年11月、今年5月第3週と同様に、5月第4週もUBSで一部を買い、モルガンMUFGを中心とした他社でも購入し、UBSに建玉移管している。買いの手法が同じということは、この3回の買いを入れた顧客は同一の顧客であるということだ。その顧客は大量の売買をする超大手の顧客である。その顧客はUBS本体運用部としか考えられない。UBS本体運用部は今年の1月第4週以前は順張りであったが、2月第1週以降は運用戦略を変えている。2週連増の順張りであるが、順張り戦略に復帰したかどうかはまだわからない。

ABNクリアの日経平均ラージ先物は、4月第4週1750億円買い越し(買い方1位)、5月第2週1450億円売り越し(売り方1位)、5月第3週1000億円売り越し(売り方1位)、そして5月第4週が600億円買い越し(買い方1位)となっている。同じ顧客かどうかはわからないが、少数の大口顧客が短期の投機的売買を繰り返している。こうした大口売買を繰り返す顧客は、大手ヘッジファンドである可能性が一番高い。

5月第4週のUBSとABNクリアの日経平均ラージ先物の買越額合計は1150億円。海外全体の日経平均ラージ先物1238億円の大部分をUBS本体運用部と大手ヘッジファンドの買いで説明できる。海外の現物は売り越しであり、全体の買い越しはこの2社による先物買いが中心であった。

投信は現先合計で499億円の売り越し。うち現物で293億円の売り越し。野村総研によると、5月第4週の国内株式型の公募投信は130億円の資金純流出になっている。この週も私募投信が少しだけ売り越したと思われる。

投信先物は206億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で436億円の売り越し。TOPIXラージ先物で198億円の買い越し。この週は野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」は50億円の売り越し。純資産額が大きい同種のブルベア型のファンドによる先物も小幅の売り越しであった。私募投信をも含めた他の投信で日経平均ラージ先物売り、TOPIXラージ先物買いがあったようである。

5月第4週の最大の売り手は個人であった。現先合計で1268億円の売り越し。うち現物現金で965億円の売り越し。信用で139億円の売り越し、先物で164億円の売り越し。個人は今年にはいってから21週のうち19週が逆張りであり、逆張りに徹底している。しかし、日経平均が98円しか高くない割には1268億円の売越額は多い。第4週の個人は少し弱気になっていた。

合計すると5月第4週は、「事法、海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。もう少し具体的に表現すると、「自社株買い、UBS本体運用部、ABNクリアを通じるヘッジファンドの買い越しvs個人の売り越し」であった。


5月月間


投資部門別コメント月次20160528

5月の日経平均株価は前月末比169円高の16835円で引けた。

事法は現先合計で3056億円の買い越し。うち現物で3080億円の買い越し。大部分が自社株買い。

投信は現先合計で1779億円の買い越し。うち現物で382億円の売り越し。野村総研によると、5月の公募型日本株投信は148億円の資金純流入であった。私募投信が売り越しであったと考える。投信先物は2161億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2243億円の買い越し。野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を1400億円の買い越し。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を400億円の買い越し。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」が日経平均ラージ先物を200億円の買い越し。

自己は現先合計で1680億円の買い越し。うち現物で1574億円の売り越し。先物で3254億円の買い越し。日銀ETFは2277億円の買い越し。

個人は現先合計で331億円の売り越し。うち現物現金で950億円の売り越し。信用で1024億円の買い越し。先物で405億円の売り越し。

5月の最大の売り手は海外。現先合計で7636億円の売り越し。うち現物で3258億円の売り越し。先物で4378億円の売り越し。日経平均ラージ先物で3070億円の売り越し。日経平均ミニ先物で290億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1371億円の売り越し。

5月月間の現先合計は、「事法3056億円の買い越し、投信1779億円の買い越し、自己1680億円の買い越しvs海外7636億円の売り越し、個人331億円の売り越し」であった。海外が7636億円の売り越しにもかかわらず、株価は上昇した。169円の小幅上昇であり、月間ベースで時々あることだが、珍しい方である。

5月で記憶すべき事実は、5月第1週の「国内総買いvs海外単独売り越し」であった。前回は2011年8月第1週の日経平均株価が9300円で引けた週に起こった。この時よりも6800円高い日経平均株価が16107円で引けた週に国内総買いが発生した。これこそが、3度にわたる異次元金融緩和の累積効果の発揮である。しかし、5月第3週以降は国内投資家合計では売り越しに戻っている。つまり異次元緩和は効果を発揮し始めているが、まだ不十分であり、国内投資家の株価が戻れば売りというヒステリシスの病気はまだ治っていないのである。

本日、日銀の佐藤審議委員が釧路で講演した内容が公表されている。バブル崩壊後の1991年から今年3月までの期間に、国内投資家は発行市場も含めて現物株を109兆円(国際収支ベース)も売り越し、海外投資家に譲り渡し続けてきた。異次元緩和があった2013年だけでも17兆円(国際収支ベース)もの現物株を売り越して海外投資家に譲り渡し、売却代金を預金等に移してきた。長期にわたる大規模な逆グレート・ローテーションである。この国際収支ベースの統計は、東証ではなく財務省と日銀が作っている統計である。普通の人は知らなくてもよいが、日銀の審議委員なら知っていなければならない数字である。こうした株式市場においては非常に重要な基本的事実を、佐藤氏が知っているとはとても思えない。

リーマンショック直後に当時の白川日銀総裁は、中央銀行の最大の任務はバブルを防止することであると述べていた。日銀法には明記されていないが、株式市場が病気になれば、その病気を治すことは日銀の重大な任務なのである。バブルやバブル崩壊をはじめとした株式市場の病気は、実体経済に大きな影響を与えるからである。現在の株式市場の病気は、国内投資家の株価が戻れば売ってしまうヒステリシスという病気である。この重い病気の元では、2度にわたる異次元緩和は全く不十分な金融緩和であった。

昨年後半になって、ようやく大変重い病気が回復へと向かう気配が見え始めた。3度目の金融緩和から少し時間をおいて、大変重い病気が治るより明らかな気配が見え始めた。追加金融緩和があれば、その回復がよりよく見えてくるような状態が現状である。にもかかわらず佐藤氏は、最近の金融緩和はマインドを悪化させたなどと全く正反対のことを述べている。2月以降の株価急落は、金融緩和の結果ではなく、金融緩和不足の結果なのである。頭の中は「金融緩和やりすぎ恐怖症、国債価格暴落恐怖症、追加金融緩和有害症」しかないように見える。証券会社出身の日銀審議委員であるのにもかかわらず、絶望的なほど株式市場に対する認識不足がある。前から知ってはいたことではあるが、改めて悲しく感じた。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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