2016年5月第3週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160520

先物手週間口20160520

週足株価20160520ブログ用

 
時系列データ
 投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
 株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数 グラフ
 大手証券 先物建玉残高 枚数推移 グラフ

2016年5月第3週の日経平均株価は前週末比324円高の16736円で引けた。この週は多少の為替レート離れが見えたが、それでも株価に一番大きな影響を与えた要因は依然として為替レートであった。NY株価が下落する中で、日本の株価は上昇した。1ドル=108円台から110円台へと緩やかな円安基調が続き、株価は為替レートと完全にではないが、ある程度は高い相関を持って動いた。日経平均株価は円安を材料にして、第3週末にかけて少し上昇して週を終えた。

5月第3週の最大の買い手は事法であった。現先合計で1297億円の買い越し。うち現物で1308億円の買い越し。大部分が自社株買い。この週は自社株買い終了の発表が多かった。主なものとしては、NTTドコモ・5月18日・244億円、三菱UFJ(持株会社のため事法扱い)・5月17日・157億円、日本精工・5月19日・150億円などがあげられる。

海外は現先合計で813億円の買い越し。うち現物で22億円の買い越し。先物で791億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で208億円の売り越し。日経平均ミニ先物で481億円の買い越し。TOPIXラージ先物で605億円の買い越し。

上記に掲載している大手証券先物手口概算の表と時系列データのグラフから読み取れる動向は次のようになる。買い方のトップであるUBSの買い(ここでは日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物の合計800億円を指す)はUBS本体の運用部門の買いである。時系列データの上から11番目がUBSのグラフである。UBSの特徴として、日経平均先物2種合計とTOPIXラージ先物の動きがよく似ている、すなわち相関関係が高いという点があげられる。UBS以外の他の大手19社による両先物の売買の間には、UBSほどの強い相関関係は見られない。UBSは5月第3週も日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を同時に購入している。加えて5月第3週は先物を買う際、UBSだけで買わずにモルガンMUFGを中心とした他社でも購入し、UBSに建玉移管している。これは、昨年11月にUBSが大量に先物を買った時と全く同じやり方である。つまり、昨年11月の大量買いと今年5月第3週の買いは同じ顧客の買いなのである。これはUBSには超大口の顧客がいて、日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物の両方に、同時に大量の売買を入れ続けていることを示す。このUBSの超大口の顧客とは、UBS本体の運用部門としか考えられない。今年1月第4週以前は、上がれば買い、下がれば売りという順張りのポートフォリオ・インシュアランス的な運用戦略を明らかに採用していた。昨年後半から右肩下がりのボックス型の相場になったため、UBSはこの運用戦略で大変大きな損失を出した。その結果、2月第1週以降、UBSはポートフォリオ・インシュアランス的な運用戦略を放棄している。最近は少し買いを増やしているが、現在どのような運用戦略を採用しているかはわからない。

売り方のトップであるABNクリアの売り(ここでは日経平均ラージ先物と日経平均ミニ先物の合計800億円を指す)は、投機的な売りである。ヘッジファンドかどうかまでは決められないが、少し前に買った分の売り埋めである。時系列データの一番上のグラフがABNクリアのグラフである。少し前まで買い建玉が増えつつあったが、直近は2週連続で大幅な売り越しになっている。ABNクリアの買い建玉が増える一方であった頃は、投機の買いが一方的に積み重なることはないと考えた。そのため4月第4週に、ABNクリアの買いは投資の買いと書いた。しかしさすがに2週連続でこれだけ大量の売り越しが続くと、こうした売買は投資ではなく投機的な売買と推測するのが妥当と考える。もちろん、年金の新規ヘッジの売りかもしれない。しかし、ABNクリアで同様の建玉推移が100回あれば、年金の新規ヘッジ売りはそのうちの1回くらいであろう。100回中70回くらいは少し前に買った分の売りとなるであろう。これは、比較的短期の売買であるので、投機的な売りと表現するのが妥当と思われる。

以上のように、5月第3週の海外は、UBS本体の買いとABNクリアを通じた投機的な売りといった大口の売買がぶつかり合った。それ以外は小口なので、投機、投資の区別はつけられない。ただおそらく両方の資金が混じっており、海外を全部合計するとUBS単独の買越額に近い813億円の買い越しになった。

投信は現先合計で301億円の買い越し。うち現物で265億円の売り越し。野村総研によると、5月第3週の国内株式型の公募投信は48億円の資金純流出になっている。資金純流出以上の金額を売っている。このところ買い越しが続いていた私募投信が少しばかり現物を売り越したと考える。

投信先物は566億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で616億円の買い越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF」)が日経平均ラージ先物を600億円前後の買い越しと計算できる。観察している比較的大口の同種のファンドは、少しばかり買い越しの方が多かった。結果として投信全体の日経平均ラージ先物は616億円の買い越しになった。

自己は現先合計で728億円の売り越し。うち現物で47億円の売り越し。先物で681億円の売り越し。この週は日銀ETFの買いが60億円入っている。日銀ETF以外の自己は788億円前後の売り越しになる。取引所外取引で788億円前後の自己の買いがあった可能性が高い。投資部門別売買状況の先物と大手証券先物手口概算とを比較すると、3種類の先物すべてにおいて海外による買越額>外資系による買越額となっている。これは、いくつかの外資系による売買の一部に、海外ではなく自己の売りが混じっていることを意味する。そして、その売りの何割かに相当する金額分を自己は取引所外取引で買っている可能性が高い。

5月第3週の最大の売り手は個人であった。現先合計で1689億円の売り越し。うち現物現金で978億円の売り越し。信用で323億円の売り越し、先物で388億円の売り越し。個人は、バブル崩壊後は基本的に逆バリが多い部門である。今年にはいってから20週のうち18週、ちょうど9割が逆バリである。この比率は近年の中では高く、今年に入ってからの個人による逆バリ戦略は徹底している。

合計すると5月第3週は、「事法、海外、投信の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。海外全体による買越額はUBS本体による買越額に近く、投信全体による買越額は個人が大量に買っている野村レバETFの買越額よりも少なかった。これらを相殺してもう少し具体的に表現すると、「自社株買い、UBS本体の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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