2016年4月第4週 株 コメント

投資部門別コメント週次20160510

先物手口201604-4W

週足株価20160-4Wブログ用


2016年4月第4週の日経平均株価は前週末比906円安の16666円で引けた。この週も株価を動かした最大の要因は為替レートであった。25日月曜日から28日水曜日までの為替レートはほぼ横ばいであり、株価は少しばかり低下であった。28日木曜日の前場は少しばかりの円安が進行し、株価も上昇した。昼休み時間中に、日銀金融政策決定会合の結果が公表された。22日にマイナス金利拡大という観測報道があったので、追加金融緩和があるとの予想が過半を占めていた。しかし、結果は追加緩和なしであった。その直後から急速な円高が進行した。株価は後場に大幅安で寄り付き、さらに下落して週を終えることになった。

4月第4週の最大の買い手は個人であった。現先合計で1832億円の買い越し。うち現物現金で78億円の買い越し。信用で935億円の買い越し、先物で819億円の買い越し。個人の最近の逆バリは徹底している。信用と先物はこのところ売り越しが続き、ポジションが軽くなっていた。現物よりも信用と先物の方が回転が速いため、株価が下がるとすかさず大幅な買い越しになった。

海外は現先合計で1354億円の買い越し。うち現物で892億円の売り越し。先物で2246億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2860億円の買い越し。日経平均ミニ先物で638億円の売り越し。

投資部門別売買状況からは、海外による日経平均ラージ先物買い、日経平均ミニ先物売りという裁定売買が638億円見える。先物手口概算から、バークレーズ150億円、ニューエッジ400億円、モルガンMUFG100億円、合計650億円ほどが海外による裁定売買だと考えることにする。この分を差し引くと、海外による裁定売買以外の日経平均ラージ先物の買いは2200億円前後となる。このうち1800億円はABNクリアによる日経平均型先物(ラージ+ミニ)の買い越しである。ABNクリアはHFTが多く、こうした取引を好むCTAを含むヘッジファンドの売買が多い。従って、ABNクリアの大幅な買い越しはヘッジファンドを中心とする投機筋の買いと読むのが普通だと思う。しかし、この週のABNクリアの日経平均ラージ先物買いは28日木曜日が一番多いが、それ以外の日も買い越しである。その場合、ABNクリアの顧客が日経平均ラージ先物を逆バリで買い下がり、28日の前場の上昇局面は見送り、28日の午後の下げ局面で大幅に買い越していた可能性が高くなる。ABNクリアの日経平均型先物(ラージ+ミニ)は直近ではロングポジションがどんどん拡大しつつある。この買い方は投機筋の買い方ではなく、中長期志向の投資家の買い方である。ABNクリアの売買の大半はHFTを使うヘッジファンドだとしても、第4週のように押し目を丹念に拾う買い方をしている分に関しては、中長期志向の投資家による買いである可能性が高い。

自己は現先合計で151億円の買い越し。うち現物で84億円の買い越し。先物で67億円の買い越し。この週は裁定売買が少なかったので、自己の現物と先物の買い越し売り越し金額は小さい。しかし一方、日銀ETF買いが1047億円入っている。従って、日銀ETF以外の自己は現先合計で900億円前後の売り越しになる。日銀ETF以外の取引所外取引で自己による買いが900億円前後存在していた可能性が高い。第4週以前は5週連続で取引所外取引の自己は売り越しであった。その反対売買が一部入った。

信託は現先合計で856億円の売り越し。うち現物で313億円の売り越し。先物で543億円の売り越し。下げ相場とは言え、28日前場までは直近ではまだ高値に近かった。クジラ以外の信託は、28日の前場以前までに856億円の全部、ないしはそれ以上の売りを出していたと思われる。

4月第4週の最大の売り手は投信であった。現先合計で3033億円の売り越し。うち現物で151億円の売り越し。野村総研によると、4月第4週の国内株式型の公募投信は338億円の資金純流出になっている。第4週も私募投信が少し買い越していた可能性が高い。

投信先物は2882億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2588億円の売り越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を2150億円前後の売り越しと計算できる。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を450億円前後の売り越しと計算できる。この2ファンドの合計だけで2550億円前後の売り越し。先物手口概算の表にある通り、野村証券による日経平均型先物(ラージ+ミニ)の売越額合計は2400億円。2ファンド合計の売越額に近くなる。観察している比較的大口の同種のファンドは、売り越しであった。ブルベア型以外の通常のファンドは合計すれば買い越しで合ったはずであり、その結果、投信による日経平均ラージ先物は2588億円の売り越しになった。

合計すると4月第4週は「個人、海外の買い越しvs投信、信託の売り越し」であった。小幅安の後、最後に急落した週であるが、個人と海外が同じ方向というめずらしいパターンになった。


4月月間

投資部門別コメント月次20160510


4月の日経平均株価は前月末比502円高の16666円で引けた。

4月の最大の買い手は海外。現先合計で1兆5508億円の買い越し。うち現物で8604億円の買い越し。先物で6904億円の買い越し。日経平均ラージ先物で5406億円の買い越し。日経平均ミニ先物で1267億円の買い越し。TOPIXラージ先物で517億円の買い越し。主としてオイルマネーの売りに怯えていたオイルマネー以外の投資家が買い越した。

自己は現先合計で1655億円の売り越し。うち現物で3213億円の売り越し。先物で1558億円の買い越し。日銀ETFは2892億円の買い越し。日銀ETFを除くと現先合計で4500億円前後の売り越し。取引所外取引で現物かデリバにこの金額に近い買いがあった可能性が高い。

投信は現先合計で3852億円の売り越し。うち現物で1182億円の買い越し。野村総研によると、3月の公募型日本株投信は699億円の資金純流出であった。投信先物は5034億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で3720億円の売り越し。野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を2050億円前後の売り越し。同じく野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を450億円前後の売り越し。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を150億円前後の売り越し。そして野村アセットの私募投信にも1000億円前後の売り越しがあった可能性が高い。

4月の最大の売り手は個人。現先合計で7726億円の売り越し。うち現物現金で5995億円の売り越し。信用で1966億円の売り越し。先物で778億円の売り越し。従来と同様に株価上昇局面での売りという姿勢は徹底していた。

4月月間の現先合計は、「海外1兆5508億円の買い越しvs個人7726億円の売り越し、投信3852億円の売り越し、自己1655億円の売り越し」であった。より単純化すると、「海外の買い越しvs国内のほぼ総売り越し」という株価上昇時の古いパターンの復活でもあった。

502円の日経平均株価上昇のために1兆5000億円以上の海外による買い越しを必要とした。国内投資家による株価が戻れば売りのヒステリシスという病の重さを示す典型的な月になった。株価上昇の結果、国内投資家の巨額の資金が株から資金が有り余っている預金へと大規模に移動する現象を異常と認識できる能力が日銀にはない。少なくとも直近の株式市場においては、量的緩和のポートフォリオ・リバランス効果が発生していないのではなく、効果が巨額のマイナスに戻ってしまっているという非常に重要な事実に日銀は気がつくことができない。よって、日銀は追加金融緩和を実施しない。その結果が先月末からの株価急落である。金融緩和の効果は明らかにあるが、緩和の規模があまりにも小さすぎるので、上値買いでは成功経験に対して失敗経験が多すぎる多くの国内投資家の資金は、株価が少し上がると株から逃げ出してしまう。日本の株式市場のヒステリシスという病はそれほど重症なのである。あと何年日銀は誤った政策をとり続けることになるのであろうか。


参照 株式売買関連の統計
  投資部門別売買状況 長期時系列表 (日本株)
  株式先物 投資部門別売買状況 累積買越枚数
  大手証券 先物建玉枚数推移 グラフ
  日本株 日銀 資金循環統計に基づく株式売買と株式保有残高


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テーマ : 経済
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