2016年4月第1週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20160414

週足株価201604-1Wブログ用

先物手口201604-1W


2016年4月第1週の日経平均株価は前週末比343円安の15822円で引けた。この週も円高が進行し、株価はジリジリと下げる展開が続いた。ただ8日金曜日だけはニューヨークも安く、円相場も高止まりであったが、株価はたいした理由もなく上昇し、週を終えることになった。

4月第1週の最大の買い手は投信であった。現先合計で1593億円の買い越し。うち現物で414億円の買い越し。野村総研によると、4月第1週の国内株式型の公募投信は249億円の資金純流入になっている。第1週も買越額が純流入金額よりも多い。私募投信は公募投信より少し規模は小さいが、流出入の方向は似ている。第1週も私募投信に資金純流入があって買いを入れたと考える。

投信先物は1179億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1193億円の買い越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を700億円前後の買い越しと計算できる。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を10億円前後の売り越しと計算できる。ただ大和のファンドは設定額が少なかったので売り越しになった。観察している範囲内では、同種のブル型投信は野村のファンドと同様に押し目での設定額が増加し、買い越しのものが多い。こうしたブル型投信を中心にして、投信による日経平均ラージ先物は1193億円の買い越しになった。

信託は現先合計で992億円の買い越し。うち現物で1542億円の買い越し。先物で550億円の売り越し。下げ相場であったので、現物だけは1週間休んでいたクジラも、他の資金余剰主体も両方買い出動していた可能性が高い。先物は日経平均ラージ先物を中心とした売りである。これは一部の信託が行っている投機的なヘッジ売りであろう。このところ買いが続いていたので、4月第1週はヘッジ売りが出たようである。銀行でも日経平均ラージ先物に399億円の売りが出ている。これも信託と同様の投機的なヘッジ売りである可能性が高い。

事法は現先合計で361億円の買い越し。うち現物で376億円の買い越し。大部分が自社株買い。比較的大口で自社株取得終了報告のあったものとしては、日本医薬品工業70億円、HOYA50億円などがあった。自社株買い実施計画公表の金額と比べると少なすぎる金額である。ソフトバンクや日産などの大口の自社株買いも少しずつ実施されてはいるとは思うが、4月分の発表はまだない。

自己は現先合計で341億円の売り越し。うち現物で2683億円の売り越し。先物で2342億円の買い越し。この週の実質裁定残の減少金額は2413億円。これは株価値下がり分も含まれているため、その分を除くと2300億円前後の裁定解消売買が出ているはずである。自己の売買のうち、現物売り、先物買いの2300億円は裁定解消売買である。なお、この週は日銀ETF買いが666億円入っている。従って、背景の複雑な自己による売りが1000億円前後存在していたことになる。

個人は現先合計で632億円の売り越し。うち現物現金で282億円の買い越し。信用で171億円の売り越し、先物で743億円の売り越し。最近の個人は大半が逆張りであったが、この週は久々に順張りになった。現物現金は押し目買い。信用と先物は昨年12月からの下げ相場でかなり買い越していた。利食いよりも損切りの売りの方が多かったと思われる。

4月第1週の最大の売り手は海外であった。現先合計で1438億円の売り越し。うち現物で327億円の売り越し。先物で1765億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で902億円の売り越し。TOPIXラージ先物で869億円の売り越し。

月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している4月第1週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物手口概算を示す表を今週も最初に掲載している。この表の中で、外資系15社の売越額が1600億円となっている。表の上から2番目に掲載されているソシエテのTOPIXラージ先物買い250億円の大半はニューエッジの海外顧客の売りを引き取った自己であることは間違いない。外資系15社だけを通じる海外かもしれない売りは合計1850億円前後になる。ここから、よく見えない外資系大手の自己、国内機関投資家の売買と日系大手を通じる海外の売買を調整すると、海外全体の先物売越額である1765億円になるのである。表にある売り方上位5社の外資系の売りの多くは海外であろう。モルガン、バークレース、ABNクリア、UBS、ゴールドマン。確かなことは何もわからないが、直感的には売り手の顧客はヘッジファンドが多いとか年金が多いという感じではない。年金、ヘッジファンド、投信、商品ファンド、財団・基金、富裕者の個人資産、外資系証券海外本社自己勘定など、様々な種類の資金が混じっているという感じはする。

合計すると4月第1週は「投信、信託の買い越しvs海外、個人の売り越し」であった。相場を動かした最大の原動力は海外の売買であったと思う。国内投資家は少し変わりつつあるが、依然として逆張りの傾向が強い。海外は過去20数年間の大半が順張りであった。為替レートを見ながら海外が先物の指し値を動かし、国内の逆バリの指し値と一致した点で価格が決定された可能性が高い。

小さな変化は起こり始めているとはいえ、過去20数年間、世界最大の対外純資産国であり、国内にも巨額の金融資産を余らせている日本の投資家が、ホームグラウンドである日本の株価を決定することができないという状況が続いている。日本の株価は、7.4兆ドルという断トツで世界一の対外純負債を抱えているアメリカ、4200億ユーロという少なくはない対外純負債を抱えているユーロ圏といった借金大国によって決定され続けているのである。


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テーマ : 経済
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