2016年2月第4週 株 コメント

投資部門別売買状況 長期時系列表はこちら

投資部門別コメント週次20160303

週足株価201602-4Wブログ用


2016年2月第4週の日経平均株価は前週末比221円高の16188円で引けた。この週も上海株式市場では荒れた相場が続いていた。一方、原油価格が戻し、NY株価も上昇に転じた。為替レートもやや円安方向に動いた。こうした外部環境の少しばかりの改善を手がかりにして日本株も買われ、1週間でまずまずの上昇となり週を終えた。

2月第4週の最大の買い手は信託であった。現先合計で3752億円の買い越し。うち現物で3848億円の買い越し。先物で97億円の売り越し。第3週から2週連続で株価が上昇する中で大幅な買い越しになった。くじらは当然の買い越しであるが、くじら以外の信託も比較的大幅に買い越していた可能性が高い。

日銀による量的金融緩和がもたらす効果の中で重要なものとして、資金が無リスク資産からリスク資産へと移動するポートフォリオ・リバランス効果がある。しかし、アベノミクス相場が始まり、その後に異次元緩和が実施されたが、国内投資家の資金はリスク資産から無リスク資産へと大挙して移動し始めた。ポートフォリオ・リバランス効果はプラスではなく、非常に大きなマイナスの位置から始まった。外国証券に対するポートフォリオ・リバランス効果に関しては、2013年中にマイナスからプラスに転換した。しかし、株に対してはその後もマイナスの効果が続いた。昨年後半から株価の下落局面でくじら以外の国内機関投資家の資金が無リスク資産から株へと移動するプラスのポートフォリオ・リバランス効果が少し現れ始めた。そして今年2月後半から、株価の上昇局面でもくじら以外の国内投資家のやや大きな資金が無リスク資産から株へと移動し始めた。3年近くの異次元緩和のストック効果にマイナス金利も加わって、ようやく株に対する本物のプラスのポートフォリオ・リバランス効果が現れ始めた。これこそが異次元緩和の開始時から期待された効果なのである。しかし、アベノミクス相場開始以降、累計すれば国内投資家は株を大幅に売り越しており、ポートフォリオ・リバランス効果の累積は依然として大幅なマイナスである。これを1日でも早くプラスの領域に持っていく必要がある。異次元緩和の結果、資金があり余っているにもかかわらず、株から資金が逃げ出してインフレで目減りする可能性のある無リスク資産へと大規模に移動するという昨年前半以前のマイナスのポートフォリオ・リバランス効果は、あまりにも異常すぎた。

投信は現先合計で1111億円の買い越し。うち現物で1174億円の買い越し。野村総研によると、2月第4週の国内株式型の公募投信は302億円の資金純流入になっている。この資金が現物株の買いに回った。資金純流入額以上の株を買っているので、私募投信にも資金が流入しており、現物株の買いに回ったと推測する。

投信先物は64億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で95億円の買い越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」が日経平均ラージ先物を450億円前後の売り越しと計算できる。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を100億円前後の買い越しと計算できる。同種のブル型投信の多くは株価上昇により買い越しが多かったと推測できる。しかし、短期売買の多い野村レバETFは解約が多く、売り越しになった。それらを合計すると95億円の買い越しになったと思われる。

個人は現先合計で713億円の売り越し。うち現物現金で126億円の売り越し。信用で292億円の売り越し。先物で699億円の売り越し。国債を大量に保有している機関投資家=信託とは異なり、個人は量的緩和やマイナス金利から受ける効果は小さいので、まだ買い越しにはなっていない。個人が買い上がるようになり始めれば、プラスのポートフォリオ・リバランス効果はより本物となるが、まだ時間がかかりそうである。

海外は現先合計で3201億円の売り越し。うち現物で4082億円の売り越し。先物で881億円の買い越し。月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している2月第4週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物売買概算を示す表を下記に掲載する。

先物手口201602-4W

2月第1週のブログで詳しく説明したが、第3週の22日と24日にもTOPIXラージ先物でソシエテ自己売りのクロスが6400枚、800億円あった。枚数を金額に換算する価格が異なるため、上記の表ではソシエテTOPIXラージ先物750億円売りに相当する。ただ従来とは異なり、買い方がニューエッジ以外の外資系証券であった。この売買に関しては、もう少し様子を見ないと背景はわからない。

海外による先物の買越額881億円というのは、海外による通常の売り越し買い越しの金額と比較すると、トントンに近い小さな金額である。

一方、海外による現物の売越額4082億円は、先物との比較ではかなり大きい。2週連続の相場の上昇局面で、しかも現物だけがこれほど大幅な売り越しになることは珍しい。第3週に続いて、オイルマネーの売り越しの割合が高かったと推測する。

自己は1961億円の売り越し。うち現物で1262億円の売り越し。先物で699億円の売り越し。この週は日銀ETFの買いがゼロであった。それにもかかわらず自己の現先合計が1961億円売り越しというのは大きすぎる。一方、ソシエテ自己には先物売りが800億円存在した。

わかりにくいので、この段落は飛ばして読んでいただいてもかまわない。一番可能性の高いシナリオは、ソシエテ自己が取引所内取引でTOPIXラージ先物800億円売り、現物1200億円売り、取引所外取引でOTCデリバ2000億円買いのポジションを作っていたというものである。ソシエテ自己は昨年2月にTOPIXラージ先物を6000億円前後売り越して、同時に現物にカバー買いを入れた。しかし、11-12月の解消時には先物買いはあったが、現物売りが無かったか少なかった。ソシエテ自己の現物買いは最初だけであり、途中で全部か大半がソシエテ自己のOTCデリバ買いに変わっていたのである。2月第4週はソシエテ以外の自己は裁定解消と裁定形成類似の売買が1000億円前後ずつ存在したと考える。裁定と裁定類似では現先を合計すればゼロになる。そして、ソシエテ自己のOTCデリバ買い2000億円に対して、2000億円の売りで向かったのは海外しか考えられない。自己の売りは、海外の売りの代わりということになる。こじつけをいくつか含むこの推測が正しいかどうかはわからないが、正しければ上記の複雑な自己の現物と先物の売買、裁定売買を説明することが可能になる。

合計すると、2月第4週は「信託、投信の買い越しvs海外、自己、個人の売り越し」であった。株価が上昇ではなく下落時に見られるパターンであり、第3週と共通点が多かった。日銀による異次元緩和の効果の現実化、オイルマネーの売りという過去にはなかった現象が2週連続して発生し、過去のパターンから変化が起こり始めた。


2月月間

投資部門別コメント月次2016303

2月の日経平均株価は前月末比1330円安の16188円で引けた。

2月の最大の買い手は信託。現先合計で8681億円の買い越し。うち現物で9501億円の買い越し。株価の下落と日銀による金融緩和の効果の現実化により、くじらだけではなく、資金運用難になった国内機関投資家の資金が信託を通じて買い始めた。

事法は現先合計で2843億円の買い越し。うち現物で2910億円の買い越し。大部分は自社株買い。

個人は現先合計で2313億円の買い越し。うち現物現金で3645億円の買い越し。信用で209億円の売り越し。先物で1123億円の売り越し。この買いは、従来と同様に株価下落局面での買い越しであった。

投信は現先合計で1657億円の売り越し。うち現物で1980億円の買い越し。野村総研によると、2月の公募型日本株投信は1523億円の資金純流入であった。その一部が現物株の買いに回った。投信先物は3637億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2485億円の売り越し。野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を1900億円前後の売り越し。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を300億円前後の売り越し。

自己は1778億円の売り越し。うち現物で1509億円の買い越し。先物で3287億円の売り越し。2月は日銀ETF買いが2640億円存在した。ソシエテ自己が先物を合計して6800億円売り越すと同時に、現物とOTCデリバの合計で6800億円買いのポジションを作った。

2月の最大の売り手は海外。現先合計で1兆2644億円の売り越し。うち現物で1兆9983億円の売り越し。先物で7339億円の買い越し。現物売りの中ではオイルマネーの割合が高かったと思われる。先物は、ソシエテとクロスを振ったニューエッジの中に、5700億円前後買い越した大口の投資家が存在した。

2月月間の現先合計は、「信託8681億円の買い越し、事法2843億円の買い越し、個人2313億円の買い越しvs海外1兆2644億円の売り越し、自己1778億円の売り越し、投信1657億円の売り越し」であった。「国内の買い越しvs海外の売り越し」は、下げ相場ではよく見られるパターンと同じであった。ただ、月の前半に株価は急落し、後半に半値近く戻した。急落局面と戻り局面の両方で、下げ相場によく見られる昔からのパターンを、中身は多少は変わりながら見ることができた。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

全記事表示リンク
目次のページを表示

株式関連 株 コメント一覧

  • 投資部門別 現物先物 時系列表

  • 投資部門別売買状況 時系列グラフ

  • 4月第2週 株 コメント

  • 4月第1週 株 コメント

  • 3月第5週 株 コメント

  • 3月第4週 株 コメント

  • 3月第3週 株 コメント

  • 3月第2週 株 コメント

  • 3月第1週 株 コメント

  • 2月第4週 株 コメント

  • 2月第3週 株 コメント

  • 2月第2週 株 コメント

  • 2月第1週 株 コメント

  • 1月第4週 株 コメント

  • 1月第3週 株 コメント

  • 1月第2週 株 コメント

  • 1月第1週 株 コメント

  • 2016年 年間 株 コメント

  • 12月第4週 株 コメント

  • 12月第3週 株 コメント

  • 投資部門別売買状況アノマリー

  • 日本株 株式分布状況調査

  • 日銀資金循環統計 株 長期グラフ

  • 日銀資金循環統計 株 コメント

  • 株式先物投資部門別売買状況

  • 大手証券 先物建玉推移 グラフ

  • 海外投資家の株式買い越し金額

  • 日経レバETF 先物保有建玉枚数

  • 世界の株価 国別 長期推移

  • 最新記事
    カテゴリ
    最新コメント
    Twitterを表示
    経済指標が意味するところを解説
    FC2カウンター
    最新トラックバック
    検索フォーム
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    RSSリンクの表示
    Web Analytics