2016年2月第1週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20160205

週足株価201602-1Wブログ用


2016年2月第1週の日経平均株価は前週末比699円安の16820円で引けた。週初は前週末のNY株価の上昇を好感して高く始まった。しかし、その後は下げが続いた。原因は円高である。1月29日の日銀金融政策決定会合でマイナス金利の導入が発表された後、急速な円安が進行した。ところが週が変わるとみるみるうちにその円安は是正され、5日金曜日の15時時点では、マイナス金利決定直前より円高の水準にまで上昇した。この円高を嫌気して日本の株価も下落することになった。

2月第1週の最大の買い手は個人であった。現先合計で1858億円の買い越し。うち現物現金で1057億円の買い越し。信用で885億円の買い越し。先物で83億円の売り越し。今年に入って下げ局面で買い下がってきた個人は、1月第4週の戻り局面で売り越した。その結果、2月第1週の下げ局面では再び買い越しになることができた。しかしその後の急落を見てしまった今となっては、非常に心配な買いポジションである。

投信は現先合計で932億円の売り越し。うち現物で545億円の買い越し。野村総研によると、2月第1週の国内株式型の公募投信は515億円の資金純流入になっている。投信の現物買越額は資金純流入額よりも少ないことが多い。この週は珍しく買越額が資金純流入額を上回った。以前に流入していたが、株価動向を見て買いを控えていた分が買いに回ったのだと思われる。

投信先物は1477億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1149億円の売り越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を1400億円前後の売り越しと計算できる。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を150億円前後の売り越しと計算できる。下げ相場であったので、ブルベア型投信の多くは売り越しが多かったと推測される。ブルベア型以外では、現物と同様に1月第4週以前に設定された投信が先物買いに回り、合計で1149億円の売り越しになったと考える。

2月第1週の最大の売り手は海外であった。現先合計で1097億円の売り越し。うち現物で6112億円の売り越し。先物で5016億円の買い越し。月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している2月第1週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物売買概算を示す表を下記に掲載する。

先物手口201602-1W

最大の買い手はUBSによる3050億円の買い越しであった。UBSの売買については、11月第2週のブログで説明したので、詳しい説明はそちらの方をお読みいただきたい。UBSは1月第4週以前、長らく順張りの売買を続けてきた。逆張りの週もあったが、大口の売買はすべて順張りであった。今回、逆張りの買いが大口で入った。現時点で理由はわからない。今後も大口の売買が続けば、UBS本体の運用戦略が変わった、UBS本体以外の別の顧客が買った、などの推測が可能になるかもしれない。

UBSの次に目立つ証券会社はソシエテ売りとニューエッジ買いである。この2社はTOPIXラージ先物を使い、昨年2月に建て、11-12月に埋め、金額7000億円前後のクロス売買を実施した実績がある。2月第1週はソシエテ売り、ニューエッジ買いが2万5000枚、3500億円ほど存在した。前回と同じ顧客の買いであろう。顧客というのはニューエッジの海外顧客の買いであり、ソシエテの売りは自己である。ニューエッジはソシエテの子会社なので、クロスはグループ内での勘定の移転ということになる。ソシエテ自己はTOPIXラージ先物売りのポジションを、何らかのポジションを使ってカバーしているはずである。そのカバーとして使った対象が、昨年2月と同様に現物の買いであった。

昨年の1回目のクロスの時は、ソシエテ自己のサヤを取るという売買手法が非常に巧みであると感じた。しかし2回目になってみると、ソシエテグループの自己がうまいのではなく、ニューエッジの大口顧客が大甘であるという感想を持った。ニューエッジの顧客にはHFTなどを行う非常に対応が難しい顧客が多いはずである。この3500億円も買った大口顧客は1ポイントでも安く買おうとする努力を全くしない注文を出したようである。買い注文を受けたニューエッジは、その買いをソシエテ自己に回し、ソシエテ自己は先物売りと現物買いを組み合わせることによってサヤ取り益を獲得した。ちなみにこの週の東証発表によるソシエテの裁定売買は売り越しである。裁定勘定とは別勘定で現物買い、先物売りをすることによってサヤ取り益を獲得しているのである。ソシエテグループでは、最近の先物売買の大半をニューエッジが請け負っており、ソシエテ本社は今回のような特殊な場面でしか先物を売買しない。裁定売買の際も、SGXなどの大証上場以外のデリバを使っている。

この大甘のソシエテの大口顧客は、1ポイントといった小幅の売買益獲得を目指すヘッジファンドではない。投信に代表される中長期志向の投資家である。買う際に、少しでも安く買うことに全く関心がなく、中長期のトレンドで利益を獲得することだけを考えて買い注文を出している。この週の海外による買いの大半は、UBSとニューエッジで先物を大量に買った大口顧客2社である。それ以外の多数の海外は、現物を中心に売りを出した。

TOPIXラージ先物にはこのクロス以外にもソシエテ売り、パリバ買いが2200枚、300億円存在した。先に書いたとおり、ソシエテグループの普通の顧客はニューエッジが請け負っているので、このソシエテの売りも自己である。従って、ソシエテ自己のTOPIXラージ先物売りは合計で3800億円となる。パリバの買いは謎であるが、パリバの買いの意味とニューエッジではなくソシエテが登場した理由は、後日わかることになるかもしれない。

自己は現先合計で790億円の売り越し。うち現物で3079億円の買い越し。先物で3869億円の売り越し。上に説明したとおり、ソシエテ自己の現物買い、TOPIXラージ先物売りという裁定類似の売買が3800億円存在した。裁定類似の売買だけなら現先を合計するとゼロになる。しかし、この週は日銀ETFの買いが990億円入っている。日銀ETF買いを除くと自己の現先合計は1780億円の売り越しになる。自己のアウトライトの売りにしては大きすぎる。1780億円前後の自己の買いが現物かデリバの取引所外取引であったはずである。

合計すると、2月第1週は「個人の買い越しvs海外、投信、自己の売り越し」であった。特に大口の売り主体がいて売り崩したわけではない。海外を中心とした小口の現物売りの集合体に対して、逆バリの個人が低い指し値で買いを入れた。加えて海外大口2社の買いのうち1社の買いはソシエテ自己が代わりに現物で買った。ソシエテ自己はサヤ取り益を獲得するため、極力下値の指し値で買いを入れた。買い方の多くが下値の指し値買いである中、海外を中心とした小口の現物売りの集合体が円高を嫌気して下値まで叩き売ったため、結果として日経平均株価を699円も引き下げることにつながった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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