2015年12月第5週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20160108

週足株価201512-5Wブログ用


12月第5週の日経平均株価は前週末比265円高の19034円で引けた。第4週に円高が進行して株価が下落する要因となったが、第5週は円相場が少しばかり円安方向に向かい、株価を引き上げる方向に働いた。特に大きな材料もなかったが、薄商いの中、緩やかな戻り相場となった。掉尾の一振が形だけは成立することになった。

12月第5週に日本株を最も大きく買い越していた主体は信託であった。現先合計で2034億円の買い越し。うち現物で1904億円の買い越し。信託現物は12月に入ってずっと買い越している。ただし、第4週までは下げ相場であり、逆バリの信託の買い越しは当然であった。第5週は上げ相場である。上げ相場では、クジラが買わなければならない時に買い上がったことはある。直近では10月の上げ相場での買い上がりがあるが、これは公的年金の運用一元化という制度変更があり、買う必要があったから買い上がったのである。12月第5週に買い上がる必要のある要因というのは思い浮かばない。本当のことはわからないが、信託方式による自社株買いが大量に入ったと考える方がよりありそうな話ではないだろうか。頭に浮かぶのが、トヨタ、信託方式、3000億円、期間12月1日-3月24日である。ただし、1904億円というのは第5週のトヨタの売買代金を上回る。従って、トヨタだけではない。買い付け完了の発表はまだないので現時点では単なる推測にすぎない。クジラを含む通常の信託の買いもあったとは思う。それでも1904億円の半分以上は、トヨタを始めとする自社株買いと考える方が、証拠はまだ不足しているが、状況を考えると少しばかり可能性が高いのではないかと感じている。

投信は現先合計で1070億円の買い越し。うち現物で470億円の買い越し。野村総研によると、12月第5週の国内株式型の公募投信は312億円の資金純流入になっている。公募投信以外の私募投信でも資金純流入になっている可能性が高い。こうした新規設定の公募、私募投信が現物株に買いを入れたと思われる。

投信先物は600億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で513億円の買い越し。野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は日経平均ラージ先物を270億円前後の買い越しと計算できる。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」が日経平均ラージ先物を130億円前後の買い越しと計算できる。こうしたブル型投信を中心とした先物買いが積み重なり、投信全体の日経平均ラージ先物の買越額が513億円にまで膨らんだものと考えられる。

海外は現先合計で294億円の買い越し。うち先物で280億円の買い越し。12月第5週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物売買概算をあらわす表を下記に示す。


先物手口201512-5W

海外先物の手口では、シティグループによる日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物買い越しが合計で800億円ある。外資系15社による先物の買越額は少し減って550億円になる。第4週のUBSによる大量売りといった大口の売買はなかった。売り方トップの三菱UFJモルガンの売りの多くは、自己の裁定類似の売りであろう。

外資系15社の売買と海外の売買は、ある程度重なる。しかし、大口の手口は少なく、海外による先物買い越しも合計で280億円であり、影響力は小さかった。

12月第5週に日本株を最も大きく売り越していた主体は個人であった。現先合計で2406億円の売り越し。うち現物現金で1394億円の売り越し。信用で672億円の売り越し。先物で340億円の売り越し。スイングトレーダーは12月に入ってからの下げ局面で、かなり大量に買い下がってきた。第5週は株価が戻ったので、いっせいに戻り売りになったようである。高年齢富裕者層の売り切りもあったであろう。

12月第5週の合計をまとめると、「信託、投信の買い越しvs個人の売り越し」であった。金額では信託の買いが大きいが、信託の中身が自社株買いが中心であるならば、相場を上に引き上げた力は投信の方が大きかったはずである。個人は上値の戻り売りが多く、結果として株価は真空地帯を通るような感じでの戻り相場になった。


12月月間

投資部門別コメント月次20160108

12月の日経平均株価は前月末比850円安の19034円で引けた。

12月の最大の買い手は事法。現先合計で8823億円の買い越し。うち現物で8744億円の買い越し。このうち12月3日に日本郵政による自社株買いが7310億円あった。残りの大半も自社株買いであろう。

自己は現先合計で8647億円の買い越し。このうち、日銀ETFによる買いが2583億円であった。ソシエテの東京自己がニューエッジからTOPIXラージ先物を42800枚、6700億円前後購入している。ソシエテはOTCデリバを使ってそのポジションをカバー売りしている可能性が高い。

投信は現先合計で4515億円の買い越し。うち現物で2741億円の買い越し。野村総研によると、11月の公募型日本株投信は1488億円の資金純流入であった。投信先物は1774億円の買い越し。野村アセットのレバETFは設定停止の期間が長く、売り越しであった。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」は日経平均ラージ先物を780億円前後の買い越し。他の同種のファンドも買い越しであるものが目立った。

その他法人は5857億円の売り越し。その他法人に含まれる政府が日本郵政株を7310億円売却している。

12月の最大の売り手は海外。現先合計で1兆9870億円の売り越し。うち先物で2兆0200億円の売り越し。海外がニューエッジを通じてソシエテ自己に対してTOPIXラージ先物を42800枚、6700億円前後売却している。それ以外も含めてニューエッジは先物を8000億円売り越している。その次はゴールドマン3900億円の売り越しが大きい。

12月月間の現先合計は、「事法8823億円の買い越し、自己8647億円の買い越し、投信4515億円の買い越しvs海外1兆9870億円の売り越し、その他法人5857億円の売り越し」であった。現物を除いた海外による2兆0200億円の先物売りの結果、株価は下げたと言えるであろう。ただし、ソシエテ自己がニューエッジ海外からTOPIXラージ先物を6700億円前後買い取り、OTCデリバを使ってカバー売りをしているはずだが、そのOTCデリバを買った先も海外に違いない。従って、海外による実質的な売越額は1兆3000億円前後であった可能性が高い。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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