2015年12月第4週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20160104

週足株価201512-4Wブログ用


12月第4週の日経平均株価は前週末比218円安の18769円で引けた。海外勢がクリスマス休暇に入り薄商いになる中、日経平均株価は下落基調が続いた。下落の一番大きな背景としては、為替が円高傾向に動いたことがあげられる。2012年11月のアベノミクス相場開始時点から、株高は円安にかなり依存してきた。円高基調になると収益不安もあり、どうしても買いの手が鈍ってしまう。

12月第4週に日本株を最も大きく買い越していた主体は投信であった。現先合計で1583億円の買い越し。うち現物で827億円の買い越し。野村総研によると、12月第4週の国内株式型の公募投信は361億円の資金純流入になっている。公募投信への資金純流入よりも投信による現物株の買越額が大きい。この差は、私募投信への資金純流入も同時に発生していたからだと思われる。この週の日銀によるETF買いは369億円あったが、この買いの大半は自己部門で入ったと思われる。

投信先物は757億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で857億円の買い越し。新規設定を再開した野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は日経平均ラージ先物を500億円前後の買い越しと計算できる。大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」が日経平均ラージ先物を150億円前後の買い越しと計算できる。こうしたブル型投信を中心とした先物買いが積み重なり、投信全体の日経平均ラージ先物の買越額が857億円にまで膨らんだものと考えられる。

信託は現先合計で1151億円の買い越し。うち現物で1688億円の買い越し。先物で537億円の売り越し。うちTOPIXラージ先物で520億円の売り越し。株価が下がってきたので、現物はクジラだけではなく、クジラ以外も押し目買いを入れていると思われる。信託はTOPIXラージ先物を520億円の売り越しであるが、これは半年度始めの大量買い越しの反対売買(半年度始めの先物買いについては3月第4週のブログコメントで説明)であり、先物から現物への乗り換えである。10年近く前から行われ始めたオペレーションであり、クジラだけではなくそれ以外の別の種類の信託も同様なオペレーションを実施していたと思われる。

銀行は現先合計で841億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で909億円の買い越し。これは先物を使った投機的なヘッジ売りの買い戻しであろう。この週の買い越しによって、2015年年初からの銀行による日経平均ラージ先物の買越額合計はトントン近くになった。

個人は現先合計で552億円の売り越し。うち現物現金で1144億円の売り越し。信用で121億円の買い越し。先物で471億円の買い越し。12月に入って果敢に買い下がってきたスイングトレーダーは、第3週に先物を売り越したが、第4週は信用と先物の両方が買い越しになった。押し目買いの意欲は強い。現物現金の売越額は増加している。2014年12月も株価の戻りが続く中で、個人の現物現金は第3週の買い越しから第4週に大幅な売り越しに大転換している。高年齢富裕者層の売り切りはあったであろう。加えて年の実質的な最終週には、税金対策の売りも出たものと思われる。年が変わるとNISA資金の買いに変わるはずである。

12月第4週に日本株を最も大きく売り越していた主体は海外であった。現先合計で3101億円の売り越し。うち現物で216億円の売り越し。先物で2885億円の売り越し。月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している12月第4週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物売買概算をあらわす表を下記に示す。


先物手口201512-4W

海外先物の手口では、UBSによる日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物売り越しが合計で1700億円ある。UBSの売買については、11月第2週のブログコメントで詳しく説明した。UBS本体による順張りの売りであるが、直近においては株価の下げの割には売越額は少なかった。12月第4週末時点において、10月第1週からの買越額合計は1.5兆円も残っている。元本維持と値上がり益の獲得という非常に困難な目標を課せられたファンドマネージャーが、株価下落の事実と円高傾向という環境の中で、苦しみながらクリスマス休暇もとらずに売りを出したものと思われる。

上記の表に示しているが、UBSの先物売りの合計が1700億円、外資系15社の先物売りの合計が1700億円である。一方、海外全体の先物は2885億円の売り越しである。これはUBSを除く外資系証券による先物売買の中に、海外の売買ではなく、東京自己における現物売り、TOPIXラージ先物買いというオペレーションが含まれていることを示す。過去の経緯からしてソシエテのTOPIXラージ先物買いが自己の可能性が高いが、それ以外はよくわからない。付け加えると、買い方のトップである大和の日経平均ラージ先物買いの多くは投信だと思う。TOPIXラージ先物買いは月曜日のツイッターでは海外か信託と書いたが、両方とも売り越しなので、消去法で考えると自己以外にはありえないことになる。大和の自己は現物を売り越しているはずである。現物は海外の先物売りを原因とした自己による広義の裁定解消売りによって下げた面が一番大きい。

海外の売りは、UBSによる先物売り以外にも1400億円前後あったはずである。しかし、大口の売りは見当たらず、小口の売りの集積であった。

12月第4週の合計をまとめると、「投信、信託の買い越しvs海外、個人の売り越し」であった。国内は多くの主体が買い越しており、個人の特殊な売りを除くと押し目買いの動きは存在していた。その中でUBS本体が中心と思われる海外による先物売りが、この週の株価を下落させた最大の原因であった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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